409: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:38:01
大陸SEED MS戦記
13.5―――余暇
アレクサンドリア攻略後から2日後の5月12日。部隊の再編が終わり、僕達のドムの修理―――主に電子装備のチェック、関節パーツと装甲の交換程度で済んだ―――も完了し、進軍が再開されて2日が経過した。
だが進軍と言ってもこれといった戦闘はなかった。
ザフトと北アフリカ軍は大きく戦線を後退させて戦力を集中させているからだ。その為、仮に戦闘があったとしても、相手は本体から逸れて迷子となった小規模な部隊か、匪賊とかした自称ジャンク屋や偵察の航空機ぐらいであった。
しかしそれは裏を返せば、大規模な戦闘が控えているという事でもある。
敵はこちらの手強さを知った。そして追い詰められている事を理解している。
……きっと死に物狂いでこちらに挑んでくるだろう。そんな敵が如何に手強いかは先のアレクサンドリアの戦いで思い知らされた。
出来ればあのような不覚は二度と取りたくはないものだが、戦闘は相手あっての物だ。そう都合の良い事はないだろう。兎に角、不覚を取らない為にも次は気を引き締めらなくて掛からなくては…。
「………」
「少尉?」
ふいに声が掛かる。
顔を上げるとマイヤー准尉が部屋の向かいにあるベッドに腰を掛けてこちらを見ている。
「准尉…何か?」
用があるのかと尋ねる。すると准尉は首を横に振る。
「いえ、何か上の空だった…と言いますか、先程から読まれている本のページが捲られていないようでしたので…」
「ん? ああ…」
言われて手元の本を見て思い出す。
任務の間の休憩時間…いや、機体整備の間に手が空いた事で、僕達の中隊に振り分けられているカーゴ内の一室で息抜きに読書に耽っていた…筈だったのだが、
「………」
「結局、読まれている本の内容が全然頭に入らなかったのですね、これまでの事やこれからの事が気になって」
その通りだった。相変わらず鋭い。
僕はそれを認めるように本を閉じてベッドの脇に置いた。ちなみに表紙にある題名は〝空間認識能力者とコーディネーターから見る人類の新たな形とは?〟という物だ。〝人類宇宙適応論〟を提示した学者が執筆した大洋からの輸入本で日本語で書いてある。軍人として同盟国の言葉ぐらい当然読めるように教育されている。
…まあ、それはともかく、
「准尉の言う通りだ。折角の骨休めだというのに軍務の事ばかり考えてしまう」
肩を竦めて少しばかり苦笑してしまう。
これからの事もだが、先の戦いでの事、特に苦い失態や久しぶりに感じた仲間の死にのもだ。
撃墜された4機のドム。あの時の判断・状況から見て、僕の指揮は決して拙いものでは無かったと思うしデブリフィーングでもそう結論されてはいる。しかしもう少し上手いやりようがあったのも事実だ。そうすればあの4機…4人も死ぬことはなかっただろう。貴重なベテランパイロットで補充が利かないというのもある。
過ぎた事をあれこれ考えても、取り戻す事は出来ないというのに…どうしても考えてしまう。
410: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:39:51
「駄目だなぁ」
我が事ながら未熟だと思うし、果たしてこれに慣れる事が…時が来るのだろうか? という思いもある。
「……………少尉、ならまたゲームとかはどうですか? 頭を能動的に働かせる物なら変に考え込まなくても済みますよ」
悩む自分を気遣ってかマイヤー准尉がそう言い。ベッドの脇にある私物の入ったバックに手を伸ばしてゴソゴソと何かを取り出した。
液晶に天井のライトが反射する光が見え、彼女は手にしたものを僕に見せる。
「携帯ゲーム…か」
大洋の電子業界大手メーカーが販売しているものだ。意外な事に彼女はこういった電子ゲームを非番や任務の合間にプレイしている。どうやら今回の作戦でも持って来ていたようだ。
「何時ものように3Dゴーグルの方が楽しめるのですが、嵩張りますから持ってきてなくて……あ、でもそれが無い方が少尉の顔が隠れずに……互いの顔を見ながら…」
予備というもう一台同じ物を取り出して、両手に某メーカー製の携帯ゲームを持ちながら言うも……途中、俯いてぶつぶつと何やら呟く准尉。
「准尉?」
「あ、はい! すみません。今そちらに行きますね」
「いや、テーブルがあるからそこで良いだろ」
「……そうですか」
准尉が腰を掛けていたベッドから立ち上がり、中央にあるテーブルを迂回して僕の座るベッドの方に来ようとした為に、そこで制止させるように言ったが何故かシュンとされる。
……本当に無防備にも程があると思う。僕の座るベッドに並んで腰を掛けようと思ったのだろうが、男性と一緒に同じベットの上に居ようとするのは迂闊すぎる。
況して今の彼女はタンクトップにショートパンツというラフな格好なのだ。ほぼ水着か下着に近いその姿で男性と個室―――士官用の部屋で男性と二人っきりでいる時点で相手によってはアウトだろう。
…まあ、准尉も僕もこの数か月でそんな生活にすっかり慣れたものだけど。
「…まったく」
思わず溜息を吐くように小さく呟いた。
クルツとの一件もあったというのに……ほんと気を付けなくては。万が一、彼女の身に何かあったら僕も大尉達もロンメル大佐もただじゃ済まなくなる。
…その一方で戦場で命を落とすなら仕方ない、構わないというのだから良く分からない。
「まあ、とにかく気を付けないとな…」
准尉に聞こえないようにまたそう小さく呟いた。
■
数時間後、モンスターを狩るゲームを終えて夕食時となった。
下士官・士官用の食堂へ向かう途中、
「よう」
ここに居ない筈の奴と対面した。
同時にマイヤー准尉が不穏な空気が纏う。つい先程まで歳相応の少女のように機嫌良くゲームの事を話していたのに無表情となり、眼だけが鋭くなっている。
それに気付かないフリをして、
「クルツ、どう―――」
「―――何故、貴方が此処に? ここは私達…ブラウン少尉の中隊に分けられたカーゴ。間違っても貴方が居て良い所ではない」
気付かないフリをしてクルツに尋ねようとしたのだが、氷のような冷たさを覚える声が准尉の口から発せられた。……少し怖い。美少女の無表情で見せる怒りというのは言い知れぬ迫力がある。
米神に汗が一滴流れるのを感じてクルツに何でここに来たのか目線で尋ねる。…というか、用が在るならとっとと終わらせて退散しろと念を送る。それを理解したのか、
「わ、分かってるよ、嬢ちゃん。ブラウンちょっと…」
「ん? ああ」
クルツも准尉の迫力に押されて表情を若干引き攣らせているも、答えて僕に手招きする。
クルツに誘われて通路の一つ角を曲がり、そこで向き合ったクルツに言う。
「それで何の話だ? わざわざウチのカーゴまで来て」
「って、おいおい…何だ? 迎えに行くって連絡しただろ。…もしかしてメールを見てないのか?」
「メール?」
言われて携帯用小型タブレット端末を取り出して確認する。部隊内用通信のメール欄…その頭の列から5列目にクルツからの物があった。時刻は准尉とゲームに興じていた頃だ。
411: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:40:35
「…見てなかったのか」
「悪い。で、街に出られるって本当か?」
思わずと言った様子で肩を落とすクルツに軽く謝り、開いたメール内容の事を尋ねる。近場の街に出られる許可が下りたから一緒に遊びに行こうという物だ。
「おう、メール欄のもうちょっと下の方を見てみろ」
「…これか。大佐からMS部隊員宛に知らせが来ているな。明日の昼過ぎ…1400時まで外出OK…? 作戦中なのにか」
「だからだろ。上も近日中にデカい戦いが控えているのは判ってるから、その前に英気を養えって事だ。警戒任務は第3機甲師団…主に第2旅団の連中がやるってさ」
「…なるほど」
上の気遣いも分かるが第2旅団が受け持った理由も分かる。アレクサンドリアの戦い以来、風当たりの強い彼等に敢えて負担を与える事を罰とし、周囲の溜飲を下げつつ失態を演じた第2旅団にも贖罪や挽回の機会を持たせようという事だ。
「ん? パウロやメシェ達は出たのか」
最新のメールをチェックしていると部下から外出の知らせる内容のもの幾つかあった。…やはり准尉とゲームをしていた時刻に来ている。
「らしくないな、オイ。こういうの欠かさずにチェックするタイプだろ、お前?」
「………」
呆れたように言うクルツに僕は言い返せずに黙りこくる。事実、迂闊ではある。
とはいえ、重要な物であれば通信が入るか、呼び出しが掛かるのでそれほど大きなミスではないが……何時になく准尉とのゲームに熱中していたようだ。
「気を付けるよ」
素直に反省する。
「それでどうする?」
「……………」
「嬢ちゃんの心配か? なら医療科の娘に任せたらどうだ? もしくは人事の広報の連中に預けるとか…宣伝素材を欲しがってたし、連中は喜ぶんじゃないか?」
「…前者の方は兎も角、後者は駄目だな。准尉に睨まれかねない」
准尉を1人にする事への不安を見抜かれ、クルツの提案にとりあえず医療科の娘に任せる事にする。
「なら決まりだな! 外泊も可になってるし今日はとことん羽目を外そうぜ! 聞いた話じゃ良い店があるらしいぜ、コレの…!」
小指を立てるクルツ。
………まあ、はしゃぎたくなる気持ちも分かるが、もう少し落ち着いて話して欲しい。じゃないと准尉に気付かれるぞ。
「分かったから先に出ていてくれ。医療科に連絡を取るから。それに着替えたい。軍服で外に出るのは気が引ける」
「んー? そうかぁ。服まで変える必要はないと思うが…むしろ近くに俺らが来ている事で稼ぎ時に考えている節があるし」
「だからだよ。変にカモられたくない」
「あー、サービスも期待できそうだが、そういう考え方もあるか。なら俺も着替えるかぁ」
クルツは納得したように頷くと、背を向けてじゃあ急いで着替えてくるわ、と言ったので僕も、じゃあ、今度はこっちから迎えに行くと、その背中に告げた。するとクルツは背中を向けたまま手を振りながら足早に去っていった。
「……とりあえずは―――」
携帯端末で顔馴染みの医療科の娘と連絡を取る事にする。准尉には悪いと思うが、僕としても久しぶりの休みらしい休みが取れそうなこの機会を逃したくはなかった。
それに…まあ……クルツが言う。良い店…というのにも期待や興味が尽きないのもある。僕とて健全な男なのだ。
そんな浮かれ気分な所為で、僕は通路の角でこちらを窺う二つの眼の存在に気付かないのだった。
412: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:41:40
■
「……という事で良くないと思うんですよ」
「は、はあ?」
ユーラシア陸軍MS師団付きの医療科に属するフローラ・ファットーリ二等軍曹は、目の前でブスッとした表情で何やら熱弁する少女にどう対応した物か、頭を悩ませていた。
他ならぬ〝銀の双星〟の片割れ、〝銀弾も持つ狩人〟呼ばれ、浅からぬ付き合いのある少尉殿から頼まれて彼の役に立つなるのならばと。また自分も嫌いではないし、綺麗で可愛く思う少女の為ならばと。
更に付け加えると、良家の子女にして軍高官の孫娘と近しくなれるという打算もあって、子守とも言うべき役目を引き受けたのだが……その対象である少女、スザンネ・マイヤー准尉はすこぶる機嫌が悪かった。
(ブラウン少尉に置いて行かれたのが不満なのでしょうけど…)
十数分前、マイヤーはクルツと街へ出掛けようとするブラウンに喰い付いて共に街へ行こうとしていたが、しかし男同士の付き合いという事でやんわりと断られていた。
それでも何とか付いて行こうとしたが―――酒を飲むし、未成年者に相応しくない所へも行く事になるという言葉を聞いて渋々引き下がっていた。
いや、それがまた不満なのかも知れないなぁ…とフローラは思う。
(周囲は皆、大人で彼女だけが子供なのだし…)
子供扱いされ、事実16歳の子供であるという自覚もマイヤーにとっては色々と感じる部分があるのだろう。能力的には大人顔負けで、なまじ一人前の働きが出来る所為でなお余計に。
そうフローラは考える……のだが、
「いえ、別にお酒は良いんです。お酒は! 深酔いしなければ。ですが…」
腹立たしげに話す少女は一度言葉を切ると、まるで力を込めるかのように一拍置き。
「…ですが! あのクルツ少尉の事ですから! ブラウン少尉を如何わしい! エッチな…そういうエッチな!…エッチなお店に連れて行く決まってます!!」
エッチ、エッチと連呼しながらそんな事を力強く言った。
手に握る箸が―――マイヤーが注文したのは日本食だった―――軋むような音を立てている。余程力が入っているらしい。
「……ハッ! ちょ…准尉! 落ち着いて周りが見てますよ!」
思わぬ発言に一瞬唖然としたが、視線を感じてこれ以上目の前の少女を思うままに喋らせては拙いと思い、フローラは落ち着かせようとするも、
「ええ、嫌がるブラウン少尉を!…純朴で真面目な少尉を無理矢理…無理矢理そういった店に!…如何わしくエッチなお店に…ッ~~~!」
何を考え…いや、妄想したのかエキサイトしたマイヤーはフローラの声が聞こえていないようで、ダンッと両方の握り拳をテーブルに叩き付けると―――
「―――エッチなのはいけないと思います!!」
そう言い放った。
その鈴のような透き通った声は食堂…いや、厨房にまできっと届いただろう。非常に良く響いた。
「……………」
シーンと静けさに覆われ、周囲の視線が一斉に集まるのを感じてフローラは今直ぐこの場から逃げ出したくなった。しかしマイヤーを置いて行く訳には行かないので、
「行きましょう。准尉。食事はもう終わりにしましょう。食堂から出ます」
「え?…あ、まだ鰹のタタキが残っ―――」
「―――いいですから!」
「そ、そんな、せ…折角の旬の初鰹ですのにぃぃーっ!」
フローラはマイヤーの手を引っ張って食堂を後にした。
彼女とて大洋から送られたこの時期旬の果実…サクランボとメロンを使ったデザートを楽しみしていたのだ。それを涙を呑んで諦めるのだから、この暴走した少女にも諦めて欲しかった。
食堂から離れて壁に両手を突き溜息を吐く。あの後、食堂ではどんな話題が飛び交ったのかという心配があった。発言をした少女自身への風評もあるが、少尉たち二人にも妙な風評が流れるかも知れない。ただでさえ目立つ三人なのだ。
それを自分が気にするのも変だが、フローラは我が事のように気掛かりだった。片棒を担いだという意識があるからだろうか?とも思う。しかし、
「軍曹…どうして?―――ハッ!…まさかあの鰹が痛んでいたとか!?」
元凶となった少女は鰹のタタキが気掛かりらしい。無論フローラとて果実盛り合わせのデザートが気掛かりだ。戦争中の昨今では次に口に出来るのは来年以降だろう。平時であれば、休日に専門店にでも行けば幾らでもあの…あの、サクランボとメロンをふんだんに盛り合わせたケーキやタルトを食する事が出来た。
しかし、戦争だから今年は無理だなぁと諦めていた所で大洋から差し入れがあったのだ。
「なのに…」
「軍曹?」
フローラはガックリと肩を落とし、それをマイヤーは不思議そうに見つめる。
そんなキョトンとした少女の顔を見て、内心で溜息を吐きながらフローラは、
(ブラウン少尉…恨みますよ。この借りは今度きっちり返して貰いますから)
そう心に誓うのだった。食の恨みは恐ろしいのである。
413: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:42:31
■
フローラとマイヤーは、医務室へと場所を移した。
幸いにもこのカーゴに詰めるデア・イェーガー中隊の隊員や整備大隊などの他の支援部隊にも怪我人や病人は居らず。担当医官も夕食で留守にしていた為、気兼なく秘かに貯蔵していたレーション(フランス製・及び日本製)を口にする事が出来た。
「そういえば、准尉…」
中途半端感があった空腹感を満たせ、人心地付いた事でフローラは先程のマイヤーの台詞の中で気になった事があったので尋ねる。
「ブラウン少尉が純朴だとか言ってましたけど、真面目なのは分かりますが、何か根拠があっての事なのですか?」
フローラとしてはブラウンは真面目ではあるが普通の男性だという認識だ。だから純朴という言葉には違和感があった。どうしてそのような言葉が出たのか気になる。
「それは………」
マイヤーは口を濁す。何か後ろめたいものがあるのか、視線もフローラから大きく逸らして僅かに泳いでいる。
「それは?」
しかしフローラは追及を止めない。それを直ぐに後悔する事になるが―――この時は何となくだが面白いものがあるように思えたのだ。
「…それは、…その……少尉の私物には…その…そういった物が…ないんですよ」
「そういった物?」
「…ですから……そういった…エッチな本…とか……エッチなビデオ…とか、全く持ってないんです」
「………………」
思わぬ言葉…しかも恥ずかしげに言うも、妙に確信が籠っている台詞を聞いて黙りこくるフローラ。
「いや、待った。准尉と少尉は同室だから、そういうの気を使って単に目に付かないようにしているだけじゃないの?」
敬語を忘れて思わず素の口調でそう尋ねる。
ブラウンとマイヤーは故あって同室だ。士官といえ、まだ少尉・准尉では流石に個室とはいかない。だがデア・イェーガー中隊では女性はマイヤーのみ。しかもほんの16歳の子供。当初はフローラのような別の隊や所属の異なる女性と同室とする案もあったそうだが、同じ部隊の兵と寝食を共にするというのが基本であった為(別段絶対という訳でもないのだが)、特別扱いを嫌ったマイヤーが意地を張って拒否していた。
その為、最も信頼されるブラウンと同室なのだ。ちなみもう一つその理由を上げれば、高級将校や上官など軍内に影響力がある人間と近しく付き合いがある方が女性兵はセクハラや強姦などの性的問題を避け易いという事情もある。そういった意味でもエースとして一目置かれるブラウンは適任なのだ。
「ブラウン少尉も男だし、そういうのを持ってないって事は無いと―――」
―――思うんだけど? とフローラは言おうとした。
何故ならクルツやブリック、それに亡きナウマンやモーデル軍曹達とそういった雑誌を見たり、近場の街の風俗店や娼婦の事で馬鹿な会話をしているのを見た事があるのだ。まあ、確かにブラウンはそういった話に乗ってもがっついたりはしないが、フローラの見立てではムッツリなタイプだと見ている。何より身を持って経験しているから分かる。
しかし、フローラの声を遮ってマイヤーは力強く主張する。
「―――いいえ、ありえません! だってベットの下とか、鍵の掛かったデスクの引き出しとか、本のカバーによる偽装も、プライベート端末のフォルダにもそういったものは一つも無かったんですよ!」
聞き捨てならない事を聞いた!
「……も、もしかして准尉。ブラウン少尉の私物とか、デスクの中とか、全部家捜ししたの? その鍵とか、端末のロックとかも解除して…?」
「あ!」
ハッとしてマイヤーは慌てたように口を塞ぐがもう遅い。
「……………………」
「……………………」
気まずい沈黙が2人の間に漂う。
フローラはマイヤーの行動に末恐ろしさを覚えた。同時に准尉がどうしてそんな行動を取り、先ほど食堂で暴走した理由も察した。いや、以前から薄々そうではないかと思っていたが、だがそれを口にする勇気はない。何故なら―――
「ファットーニ軍曹…」
「は、はひ!」
「この事は他言無用に。秘密厳守です。もし誰かに…特にブラウン少尉に話したりしたら―――」
「―――は、話したりしたら…?」
不穏な空気を放つ少女の気配に、フローラは身体をビクビクさせてゴクリと唾を飲み込む。
「―――殺します。例え逃げたとしても必ず捕まえますから」
にっこりとした笑顔で、光を宿さない眼と絶対零度の言葉を向けられて、フローラの口から声なき悲鳴が零れた。
(ブラウン少尉ーーーーっ!!! 恨みます! 恨みますけど!! この子…この子ヤバいです!! 早く部屋を別にするか、軍を辞めた方が良いですよ!! このままだと絶対に碌な事に成りませんから!!)
フローラは内心でそう絶叫を上げていた。
414: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:44:07
■
「うぷっ…流石に昨日は飲み過ぎたか」
「はい、これ」
「ああ、すまない」
渡されたミネラルウォーターのペットボトルを一口飲んで喉を潤す。それからアルコール分解錠剤を口に入れてまたボトルの水を口に含む。途端―――
「――――――ッッッゥ!」
全身…特に頭にゾワゾワッとした悪寒や痺れにも似た、虫が這うような感覚が数秒間奔る。
「…うはっ!」
「アハハッ! 分解剤が苦手なんだね。兵隊さん」
「……まあね」
これと言って否定する事でもないでの素直に頷いた。
「ふーん、強がらないんだ。私がそう言うと大抵の男は強がるか、否定するか、黙り込むのに」
「…? おかしな事を。こんな事で強がってどうするんだか?」
「私にも良く分かんないけど、男の見栄って奴じゃないの?」
「こんな事で強がっても見栄にならないように思えるけど…」
「だね…」
私もそう思うよ…と、言いながら彼女は未だベットに座る僕の隣に腰を掛ける。
波掛かった長く伸びた黒い髪に黒曜石を思わせる黒い瞳、やや褐色の肌。その肌の色と目立ちと顔立ちから白人とのハーフらしい事が伺える。
碌に衣服も纏わず半裸の彼女が何を求めているのかは察したが、
「それじゃあ、行くよ。昨晩は楽しかった」
僕は立ち上がり、手近にあったソファーや壁にあるハンガーに掛かった衣服に手を伸ばす。
「残念サービスしようと思ったのに」
「魅力的な提案だけど、それはまた今度だな」
そう言って財布から紙幣数枚を取り出す。勿論、中身のチェックも欠かさない。信用できないとは言いたくはないが、こればかりは仕方ない。
彼女は僕のそんな仕草を見て苦笑する。商売がら当たり前のようにそう言った事を見ているからだろう。そう思ったが違ったようだ。
「…また今度か。ほんとにそう思ってる兵隊さん?」
「……そうだな」
彼女の言葉に僅かに詰まるものがあり、僕は短くそう答えるしかなかった。偶々この近くに部隊が寄っただけで二度と此処には来ないのかも知れず、兵隊……兵士・軍人である以上は、そして戦時である以上は〝今度〟は無いのかも知れないのだから。
「ふふ―――」
僕の短い返事に彼女は苦笑を強めるだけだった。それに何となく彼女は誰かを待っているのではないかと思った。もう二度と此処には来れない誰かを。
バーで僕を軍人である事を見破ったのは商売上の経験や勘だけでなく、そういった事情もあるのかも知れない。
「じゃあ」
「ああ、〝またね〟。兵隊さん」
僕は彼女の部屋を後にした。
建物を出ると周囲はごく普通の街並み…住宅街だ。うらぶれたスラムなどではない。振り返って見ると彼女の住まうマンションも中流層が住まう物と何ら変わりない。
特にアフリカはナイル川沿いもそうだが、この北沿岸部付近も歴史的にヨーロッバに近い為に建物に欧風な物や近代的な物が多い。こうして辺りを見回すと本土にいるような錯覚に陥る事がある。それに…
「平和だな」
思わずポツリと呟いた。
そう、戦時とは思えない雰囲気があるのだ。街には活気があり、行き交う人々の顔も暗くはない。
恐らくアレクサンドリアのように民族主義全開な北アフリカの現政権よりも、地元の有力者の力が強く、その巧みな手腕でそれを守っているのだろう。そのお陰でこの近辺に潜む北アフリカ軍やザフトの残党を手早く捕縛できた事もある。
暗黒大陸などと揶揄される争いの絶えない土地で、上手く平和を維持する知恵と強かさがあるように思えた。
無論、それを維持せんが為にスラムが出来、見えない所で犠牲なっている人々もいるのだろうが……。
「…軍人の僕が考える事じゃないな」
暫く歩き、夜には良く見えなかった街並みを確かめるように道を進んでパーキングエリアに向かう。そこに在る地下から数層にわたる立体駐車場は前金で高い駐車料を取られただけに、警備が行き届いているらしく車が荒らされた形跡はない。また〝危険〟も無いようだ。亡き恩師達から叩き込まれた癖でついチェックしてしまう。
それから数分間、手持ち無沙汰なのもなんなので、待ち人が現れるまでメールでマイヤー准尉の面倒を引き受けてくれたファットーニ軍曹に今から戻る事を知らせる。幸いにも市内には警邏の兵士他、通信車両が展開している事から無事に届いた。
415: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:45:18
メールを送り終えた直後、少し待ち合わせ時間に遅れてクルツが姿を見せた。
「おはよーさん、待たせたか?」
「おはようクルツ、まあまあかな?」
「そこは今来たところ…って言うのが定番じゃね?」
「恋人同士ならな」
「ハハッ…」
馬鹿なやり取りをしながら合流したクルツと車に乗り込む。
「さて、マイヤー嬢ちゃんはどうしてるかねぇ?」
「…考えないようにしていたのに」
パーキングエリアを出て、車を走らせているとクルツが余計なこと言ってくれた。
「お前は良いよ、彼女と顔を合わせずに済むんだから」
「まぁな。お前さんを連れ出したなれば、余計に睨まれるからな。作戦が終わるまでは直接顔を合わせなようにするさ」
「……羨ましく文句を言いたくもなるが、そうしてくれた方が良いか。その方が機嫌を損ねずに済むし」
アルコールは抜けた筈なのに強く頭痛を感じた気がした。昨晩、僕に付いて行こうとしつこく食い付いていた准尉の姿を思い出す。一応納得はしてくれたが―――
「―――失敗だった。お土産か何かを用意しておくべきだった」
「ご機嫌取りか、いや、それは寧ろ止めた方が良いんじゃね? なんか逆に機嫌を損ねそうな気がするし」
「………」
ふいに思った事であるがクルツの指摘に黙り込む。そうかも知れない。ご機嫌取りなどされたと感じたら余計に怒りそうな気がした。准尉は知っての通り勘が良いし。
「昨日の事を改めて謝って普段通り接するのが一番か…」
「だと、思うぜ。もしくは昼まで時間があるし、また―――」
街での楽しい時間も僅かに、憂鬱な気分で部隊がある郊外を目指した。
――――と。
部隊が留まる無数のカーゴからなる仮説基地の…これまた金網フェンスで覆われた仮設のゲートを潜って車を返却し、程なくして、
「少尉!」
ファットーニ軍曹に呼び止められた。
「軍曹、如何してここに?」
「ん、わざわざ迎えか?」
敬礼する軍曹に答礼しながらクルツと尋ねると、ふいに彼女に顔を近付けられた。
「な、なんだ。どうした?」
「あー、やっぱりですか。少尉から連絡を受けて、ここへ来たのは幸いでした」
「え?」
「あん?」
軍曹の行動に戸惑う。クルツも怪訝顔だ。顔を胸元に近付けるなりに匂いを嗅がれたのだが……酒臭いか? しかしそれは仕方がないし、軍曹が気にするよう事でも……と思ったのだが違った。
「女性物の香水がこれでもかと付いてます。ブラウン少尉、直ぐそこのカーゴでシャワーを浴びて来て下さい。水洗いで結構です。許可は貰ってます。それと服を預かります。20分で洗濯と乾燥を終わらせますので」
矢継ぎ早に軍曹は言うが……女性物の香水? 確かにそういった店に行って、一晩そういった仕事の女性と共に過ごしたが……いやいや、意味が分からない―――ああ、そっか。
「分かったよ、軍曹。確かに年頃の子がいる部屋に酒のもそうだが、そんな匂いを付けてだらしなく帰る訳には行かないな。けど、そんな神経質にならなくても自分所のカーゴで直ぐにシャワーと着替えを済ませれば……それにわざわざ洗濯の必要なんて」
「―――いいですから! 言われた通りにして下さい! ブリック曹長も何時まで押さえていられるか分からないんですから!!」
「ええっ!?」
「命令です! さあっ!!」
な、え、お…おおっ!? 何故か怒鳴られ、何故かブリックの名前が出て戸惑ったまま僕はファットーニ軍曹に引っ張られて行った。
「………何なんだ、一体?」
微かにクルツが訳が分からないと言った風な声が聞こえたが、それはこっちが聞きたい事だった。
416: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:46:50
訳が分からないまま、シャワーを浴びさせられて洗濯が終わったばかりの服を着た。
「ん? 微妙に酒と煙草臭いような…」
「そこは細工しておきました。そういった匂いまで無かったら流石に怪しまれますので」
「? 軍曹の言いたいこと…いや、したい事がさっぱり分からないんだが」
自分達のカーゴへ帰る道程、前を歩く軍曹の三つ編みにしたプラチナブロンドの髪の揺れる房を見ながら首を傾げる。
「…少尉の為です。それと今後は風俗のお世話になるのは控えた方が良いと思われます。しかしどうしても持て余し、お困りなら……―――と、やはりブリック曹長では押さえられませんでしたか、ギリギリでしたね」
話の途中、既視感のある言葉を言って軍曹が足を止めて一点に視線を向ける。彼女の視線を追って僕もそちらに顔を向けると。
「准尉?」
赤みを帯びた黒い髪をなびかせてマイヤー准尉こちらに向かって走って来る。砂漠砂に足を取られずかなり早い。見事な健脚だ。…一方その後ろにブリックの姿が見えるが、こちらは情けなく足をもつらせている。陸軍の兵士としてはどうかと思うが……少し後で走らせるか?
そんな事を思っている間に准尉がもう目の前まで来る。
「ブラウン少尉、お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
敬礼しながら挨拶する彼女に答礼しながら挨拶を返す。そして答礼を解くと何を思ったのか、敬礼を解いた准尉は僕の傍に寄り、顔を胸元に近づけると鼻を鳴らして匂いを嗅ぐ。
……最近、流行の挨拶なのだろうか? 先程の軍曹と全く同じ仕草な為にそんな馬鹿な事を思った。
「お酒臭くて煙草臭いですね」
「え、ああ。そうだな」
「………うん、良かった。やっぱり少尉はそうですよね」
「…?」
何故か嬉しそうする准尉。そして横を見るとホッとしている軍曹の姿。追い付いたブリックも、
「ああ、少尉。ご無事なようで何よりです」
と、何故か酷く安堵した様子だった。
「………何なんだ、一体?」
皆の様子に僕は首を傾げるしかなかった。
■
事の起こりは昨晩の事である。
ブリックを始めとした幾人かのイェーガー中隊の面々は、街には出なかったが飲酒の許可はアリ。休憩ラウンジで酒を飲みながらカードゲームに興じながら馬鹿話で盛り上がっていたのだが、
「少尉は街に出たらしいな」
「ああ、クルツ少尉と一緒に」
「なら、また良い女を引っ掛けているだろうな」
「そうだな。クルツ少尉はあの性格だが、見栄えはそこらの俳優やモデル顔負けだし」
「我らが隊長もあれで女受けする顔だしな。…母性本能くすぐる感じの」
「つーか、ショタ? クルツ少尉と一緒だと良く困ったような顔をするのが良いとか?」
「ああ、そうそう。だからクルツ少尉と居ると余計にそんな感じがするって、情報科の女たちがブラウン少尉の事を、可愛い時があるよね、とか話してたのをこの前聞いたぜ」
「なら、今頃は街でお楽しみの真っ最中かも知れないな。全く羨ましいぜ…くそぅ」
「ハッハッハッ、僻むな、僻むな。その内俺達にも良い事はあるさ。名立たるイェーガー中隊の一員なんだしな」
この会話を偶々通り掛かったマイヤーが聞いてしまった。無論、傍にはフローラも居た。
これにマイヤーは隊の男どもに食って掛かった。少尉はそんな人ではない!という感じで、一方楽しく飲んでいた所で食って掛かられた男達は面白くなかったらしく…いや、新たな酒の肴としてまだ幼さを残す少女をからかい挑発してしまった。
普段であれば、ブラウンの薫陶が行き届いて自制し紳士的な振る舞いも出来る彼等だが、この時ばかりは良い具合に酔いが回ってすっかり出来上がっていた。
―――結果。
手を赤く染め、呼吸荒く肩を怒らせて立つ少女の足元に無数の屍……に見える酔っ払い共が転がる事となった。
その惨状に至る経過を部屋の片隅で震えて見ている事しかできなかったフローラは、慌てて医務官に連絡。謂れのない怒りを受けた憐れな酔っ払い共(半分は自業自得だが)はこうして残りの休みを医務室で過ごす事に成る。
417: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:47:48
そして怒りが収まらない少女は、何を思ったか駆け出してカーゴの外へ飛び出す寸前、唯一ノックアウトを逃れたブリックとフローラに取り押さえられた。
「少尉の所へ行って確かめて来ます! もしそうであってもあの男…クルツ少尉に言い包められての事の筈です! ブラウン少尉をあの男の魔の手から救わなくては!」
何とか取り押さえた少女は、フローラ達にそう言いながら尚も駆け出さんとブリックの拘束を振り解かんと暴れ、その度にブリックの身体には生傷が出来上がった。
そこで仕方なくフローラは、
「貴女が信じる少尉を信じられないの?」
「ならきっと大丈夫。あの酔っ払い達が言う事なんてないんだから」
「もしそうだったら、きっと少尉には女物の化粧だとか、香水の匂いが強く残る筈よ」
「でも、そんな事はないわ。だから大丈夫よ」
等と言って落ち着かせたのである。
そしてフローラはこれ以上の事態の悪化を防ぎ、ブラウンの身を守る為に朝早くから色々と動き回り、ブラウンからメールが届くのを見て街へと続くゲート前へ急いだのである。
■
と。
昨晩から今朝にかけての事を思い出し、
「はぁ~~~」
フローラは盛大に溜息を吐いた。
今になってどっと疲れが押し寄せてきたのである。しかし、
「准尉、昨日はすまない。除け者のようにしてしまって」
「いえ、そのような事は……少尉にも付き合いという物があるのは判ってますし。ただ…やはりあのクルツ少尉と一緒に居られるのは良くないと思います。その…不謹慎すぎますし、あの人」
「…准尉の言いたいことは分かるけど、アイツはアイツで良い所があるんだ。だから少しでもいいから過去の事を水に流して欲しいんだけど…」
「………それが命令でしたら」
「いや、命令では無くて……はぁ…まあ、それは今度にしよう。それで准尉…」
「はい」
「この後、時間は空いているかな? 昨日のお詫びという訳じゃないんだけど、一緒に街に出ないか? まだ時間はあるし」
「!―――……是非! 喜んで! お付き合いします少尉!」
「そっか良かった。じゃあ一度着替えに戻ろう。朝食はまだだよな。外で食べよう」
「はい! はい!」
フローラの苦労を知らずに、眼の間でこのような見様によっては恋人のように語らうのだ。
やってやれない!という気持ちが芽生える一方で、報われたように思いつつも、
(ブラウン少尉、行けません、それ以上は。その子は危険なのです。それに早く気付いて下さい! 絶対取り返しの付かない事に成りますから!)
結果的に泥沼に進んで足を付けようとする上司兼友人を止められず、必死に警告の念を送る事しかできない事実に膝を付きたい思いがあった。
いや、もう少し正確に言うと、
(ですが、私には止める事は出来ません。命が惜しいですから…ですから、気付かないのでしたらとっととその子の生贄《モノ》になって下さい。私の命と平穏の為に!)
我が身可愛さに魔女《マイヤー》へ売ったとも言う。この時からフローラ・ファットーニは、マイヤーとブラウンが円滑に進む為の影の支援者となる。
それに気付かずにブラウンはマイヤーに腕を絡め取られながら歩き、カーゴへ足を向けるのだった。
418: ゴブ推し :2017/01/21(土) 21:49:36
以上です。
MS戦記には似合わないようなコメディ回です。前書きであったように自分的には実験的な話でもあります。MS戦記でもギャグがやれるかどうかの。
しかし今一つな感が拭えませんね。やはりMS戦記には似合わないのかも知れません。しかしもう少し挑戦したくもあります。
ブラウンの読んでいた本については、論文の事も含めて
夢幻会が関わっている可能性もあります。将来に備えてNTが受け入れられる土壌作りとして少しずつそれらしい話を一般にも匂わせる感じで夢幻会も動くのではないかと考えての事です。
ジョージ・グレンが何の議論も土壌も無く、コーディネーターの存在を暴露して世を混乱させた轍を踏まない為という事です。
フローラについては簡単にキャラ説明しますと、イタリア系の女性。年齢は25歳。ブラウンより一つ上。
性格は基本面倒見は良いですが、割り切ったあっけらかんとした部分もあります。
青い目で本文にある通りプラチナブロンドを三つ編みに一房に纏めて後ろに垂らしてます。外見的には某潜水艦の艦長に水陸両用戦隊の指揮官の大佐殿を20台の大人にした感じです。「極北からの声」に出ていたテッサママと言った方が良いかも。
ブラウンとの付き合いはそれなり長く、友人以上恋人未満と言えますが、ある意味ではそれ以上でもあります。
多分、マイヤーが知ったらエライ事になります。
少女っぽい純真さあれど、何気に生身でもとても強いマイヤー嬢。
実は大洋に留学中に合気道と薙刀を学んでます。そこにNTの人外めいた反射神経や空間把握能力などが加わっての事です。
MS戦もそうですが、中隊の中で真面に相手をできるのはレンジャー資格などを持つブラウンだけです。
あと例の発言は、マイヤーのイメージCVが安藤さんの中の人だからです。
最終更新:2017年02月12日 21:39