80: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:51:38
大陸seed アナザーストーリー その8 空
CE71年3月22日。
この時期においてザフト地上軍は既に南米、欧州、中東から追い出されており支配地域が北アフリカと西アフリカのみになっていた。
逆に各地から敗退したとはいえ戦力が集まってきたため、地上軍史上最も戦力が集まったのもこの時期である。
指揮系統としてはアフリカ方面司令官であるバルトフェルドに一本化。
各地から撤退してきた部隊はその指揮下に入ることとなった。
各方面軍を率いていた司令官たちをそのまま各戦線への指揮官としてスライド。
指揮官のいない部隊へは大軍の指揮を取れるものを抜擢。
バルトフェルドと各幕僚、指揮官たちはこれら再編のために多忙な日々を過ごす。
そんな中でプラント上層部から人員や新型機を優先的に回すので半年ほど時間を稼いでもらいたいという命令が届く。
これはダミーを含めたジェネシス建造を行うための時間を欲したためであり、できるだけの連合戦力を地上に釘付けにし、宇宙における均衡を保ちたいという考えもあった。
バルトフェルドとしては上層部も無茶を言うと困り顔であったが、必要なことだと理解していたため最大限の努力と苦労をする羽目となる。
最も新型機はともかく人員の補充に関しては余り期待していなかったことが戦後の副官へのインタビューにて明かされている。
しかし、敵である連合は待ってくれない。
4月10日
アフリカ戦線スーダン南部にて大洋が可変MSアッシマーの小隊を投入。
同部隊への迎撃に出たザフト軍航空部隊のうちディン7機、メッサ―5機、シュヴェールト3機がたった3機のアッシマーに落とされるという大損害を受ける。
上記のアッシマー隊指揮官は
アメリカ系大洋人であるブラン・ブルターク大尉
以後アッシマーは徐々にアフリカへ戦線へと配備されていき、ザフトを阿鼻叫喚の地獄で叩き落とすこととなる。
この報告の受けたザフト上層部は後にザフト最高傑作戦闘機と呼ばれるようになるファルケンの開発を加速させることとなる。
しかしながらも各方面からの動きは鈍かった。
欧州では戦場と化したスペインとイタリアの復興と戦力の再編のためにBU、AEUの動きは低調なものとなるが、海に負い手へは違った。
地中海では嫌がらせ目的の通商破壊を目論む残存するザフト水中艦隊とそれを狩り出すBU、AEU、新ソ連の艦隊との海上、海中護衛戦が繰り広げられることとなる。
南米では未だ散発的な襲撃を繰り返す反政府ゲリラや麻薬カクテルなどの抵抗勢力と各地で小規模な衝突が繰り返されており、戦力の再編と併せ大西洋連邦は当面の間は南米各地の火消しへ注力せざるを得なかった。
これは中東でも同じであり、各地で親プラント…というより反連合的な勢力によりゲリラ的な抵抗が続いており、5月頃までこれらの平定に新ソ連軍と東アジア軍は奔走することとなる。
アフリカにおいては大洋とBUアフリカ軍のタッグが変わらずザフトと激戦を繰り広げていた。
対するザフト側も昨年の決戦で大きく戦力が削れたとはいえ、各地から撤退してきた部隊と4月中頃に到着したプラント本国からの援軍を合わせ、大規模な戦力が揃っていたため大洋とBUの猛攻を様々な手管を使いながらしのいでいた。
なおこのザフトの援軍であるが、数だけでは数個師団と立派なものであったが、中身の兵士の殆どが訓練期間を短縮された若手ばかりだったため、単純な質という点では初期とは比べるまでもなかった。
現地のザフト地上軍は今のままでは碌に使い物にならないと彼らの再教練を並行して行なうこととした。
何より彼らが学んできた環境と地上の環境は違いすぎるためである。
各地から撤退してきた部隊と共にこの再教練を施された新兵達が後にザフト地上軍が戦い抜くのに必須な人員となっていく。
81: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:52:16
ところ変わって宇宙。時間を巻き戻して2月中旬。
昨年の世界樹決戦において大敗を喫したザフトは、残った戦力的にも兵器の質的にも大洋の部隊相手に真正面から戦うことは非常に難しいと結論。
通商破壊部隊の増強を行い、崩壊した世界樹コロニーのデブリが漂うL1宙域を中心として連合の補給路を脅かす作戦へと打って出た。
この宙域は世界樹コロニーや両軍の艦艇や兵器の残骸が密集しており、帯電した残骸から頻繁に雷のような放電現象が発生することからサンダーボルト宙域と呼ばれており、ザフト通商破壊部隊にとって格好の潜伏拠点となっている。
連合側はこれに対し、護衛部隊の強化と共にL1宙域へ掃討部隊を差し向けている。
しかし、崩壊したコロニーのデブリ間を転々とするザフトの通商破壊部隊の本体を補足することは難しく、幾度もぶつかり合いながらも両者共決め手を欠きながら戦いは長引いていった。
なおこの戦いの最中掃討部隊へと配備された二機のフルアーマーガンダムに乗っていたイオ・フレミング少尉とダリル・ローレンツ少尉両名の活躍が有名である。
またザフトはこれ以外の宙域においてもザフトは小・中規模な襲撃を繰り返しており、4月1日の新ソ連DSSD要塞へのミラージュコロイドを用いた奇襲によるDSSD要塞そのものと新ソ連駐留部隊の半壊は宇宙において未だザフト宇宙軍健在ということを連合へ示した。
なお奇襲の際に使われた技術がG
シリーズ由来ということから新ソ連からの大西洋への目線が多少きつめになったのはご愛敬である。
この戦いでは現議長であるパトリック・ザラの息子であるアスラン・ザラ、また彼の同期であるイザーク・ジュール、ニコル・アマルフィ、ディアッカ・エルスマン、ラスティ・マッケンジーなどの活躍が有名である。
82: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:52:51
○諸々の設定
現在ザフトでは前線における人手不足が深刻な課題である。
昨年においての世界樹とアフリカにおける決戦の敗北により貴重な人員の多くが散ったザフトでは前線において一時的な人員の不足が起きており、これに対して上層部は安定している戦線からの引き抜きや本国からの追加人員派遣などで対処している。
また軍学校における教練を一か月ほど早め、若手を本来よりも早めに送り出すという苦肉の策を取っている。
71年の4月頃に地球へ送られた援軍は短縮教練で卒業した第一陣とその引率ともいえる本国部隊から引き抜かれた少数のベテランから編成されている。
なお本来の教練期間は半年ほどである。
指揮官として有望と思われたものには本人の承認のもので三か月ほど訓練期間が追加される。
因みに現実における訓練期間としてはアメリカの海兵隊の新兵養成所では90日ほど、空軍士官学校で4年ほどである。
各地でザフトを破りアフリカで追い詰めたはいいが戦闘後の混乱の収集と部隊の整理で一時的ながら進軍が停止している状況である。
特に本土が戦場となっていた南米と欧州においては復興作業も開始されており、手すきの部隊などは工作部隊と共に瓦礫の撤去などを行っている。
また初めての自国製MSの大規模投入により戦術やパイロット、機体そのものなどにおいて少なくない量の改善点が見つかっているためこれらの改善にも手間取られている。
83: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:53:27
○機体設定
連合
通称空の勇者。外見モデルはZガンダムなどで登場したアッシマー。
大洋の開発した可変系MS。もとネタの方は可変系MAなのだが、こちらの世界では元からMSとしてカテゴリされた。
ミノフスキー核融合炉と熱核ジェットエンジンから生み出されるマシンパワーは既存の戦闘機に追従できるまでの推進力を生みだしている。
ドラムフレーム構造とチタン合金セラミック複合材による頑強性は高い耐久力を示しており、円盤に似たリフティングボディと合わせた高い空戦能力の獲得に成功している。
武装は専用の大型ビームライフルと共用のビームライフル。
またマシンガンやバズーカ、レールガン、ミサイルランチャーなどの各種共通武装とビームサーベル。
本機の登場においてアフリカにおける空戦事情は一変し、ザフトは地上、空中問わず阿鼻叫喚の地獄に落ちることとなる。
大洋の開発したジムの改修機。もとネタはガンダム作品に登場するジム・コマンド。
ジムの性能を向上させた機体であり、宇宙戦用の地上専用の二つに分かれている。
現在ではジム改やジムⅡが登場してきているため順次改修されるか、二線級部隊へ下げられている。
大洋の開発した高級モデルジム。外見モデルは0083のジムカスタム。
特徴がないのが特徴と言われるほど目立ったものがない機体ではあるが、単純な性能面では初期のガンダムに匹敵するものを得ている。
その分コストが高いためエースや精鋭部隊を中心に配備が進められた。
ジムを更に改修した機体。外見モデルは0083に登場したジム改。
主に関節周りとジェネレーターを改善しており、既存のジムタイプと比べ1.5倍ほどの性能を誇る。
現状の大洋における数的な主力ではあるが、後継機であるジムⅡが登場してきたことにより順次改修される予定である。
大洋の開発した量産MS。外見モデルはZガンダムなどに登場したジムⅡ。
ジムの使い勝手はそのままに全体的な性能をバージョンアップさせた機体。
カタログスペック上、装甲以外は初期のガンダムに匹敵するものを得ている。
現在はジムコマやジム改から順次改修作業中である。
84: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:53:58
大洋の開発した試作機であるガンダムにフルアーマー兵装を装備させた機体。
外見モデルはガンダム サンダーボルトのFAガンダム。
非常識なまでの推力による力業で強固な重装甲と高機動性の両立を果たした機体。
中身となっているガンダムもジェネレーターが新型に換装されており、初期型と比べ出力が数倍に上がっている。
ミサイル、ビームキャノン、ビームサーベル、シールドなど多彩な装備を誇る。
イオ機は原作と大方同じ装備であるが、ダリル機はビームバズーカやグレネードなどサイコザクに近い装備をしている。
大洋の開発した水中MS。外見モデルは水中型ガンダム。
未だ射程は短いが専用のビームライフルは水中におけるビーム攻撃を実現。
ビームピックやサーベル、魚雷なども装備しており、水中における本格的なビーム兵器搭載に成功した機体。
また機体部品の大よそ5割ほどをアクアジムと共用しており、他のガンダムタイプと比べると性能では劣るが量産性、整備性で勝る。現状エースや精鋭向けとして量産が進んでいる。
ザフト水中部隊にとっては悪夢に等しい機体である。
大洋軍が大気圏内で使うSFS(サブフライトシステム) 外見モデルはZガンダムに登場したベースジャバー。
最大MS二機と搭載できる無人機。戦闘機には劣るが、十分な速度を実現しており、現地への高速輸送を実現している、
また空戦能力も悪くなく、MSを砲台替わりとしてホバークラフトのように移動できる。
操縦はMS側から行い、離脱後は搭載されているコンピューターに打ち込まれた指示に従う。
機体の下部にメガ粒子砲を装備しており、これによって戦闘もできる。
また対地掃討用にガンポッドや空戦用にミサイルランチャーを装備したタイプもある。
大洋の開発した可変系MS。外見モデルはZガンダムに登場したメッサーラ。
可変系MSの可能性を探るために開発された試作機であり、メガ粒子砲兼大型ブースターを肩に当たる部分へ二門装備している。
このメガ粒子砲は使い過ぎるとブースターの性能低下を引き起こすので注意が必要である。
またこのブースターユニットはミサイルも搭載しており、多彩な戦闘を可能としている。
他には腕部のグレネードランチャーとビームサーベルがある。
本機は教導隊にて運用され、諸々のデータが取られた後は戦線に投入されず解体された。
この機体の運用試験を以て初期教導隊は解散され、各員は別々の部隊へ移っていくこととなる。
アッシマーと同じく原作では可変MAだがこちらでは可変MS扱い。
大洋の開発した可変MS。外見モデルはギャプランそのまま。
もとはザフトの軌道上降下を警戒して開発された高高度迎撃用MSであったが、情勢の変化からその加速性と火力を見出されて現状宇宙における通商破壊艦隊相手の戦闘へ狩り出されている。
バインダー内臓式ビームライフルに、サイドアーマーに格納されたビームサーベルが主な武装。共用ビームライフルなどの他の装備も運用可能である。
宇宙、地上問わず運用でき、大気圏内においてもMA形態で飛行ができる。
一応は量産されているが当機はその高性能と変形機構の複雑さからコストの高騰を招いており、アッシマーほどは量産されていない。
現状宇宙軍や本国の防空部隊を中心に少数が配備されている。
本機のパイロットで有名なのは初期教導隊に所属していたヤザン・ゲーブル大尉などである。
85: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:54:29
AEUの開発した量産MS。外見モデルはガンダムオルフェンズのゲイレール。
前回紹介し忘れてしまった可哀想な子。
可もなく不可もない性能。肩部や腰部にマウントを持ち各種オプションを装備可能。
整備性、生産性も高く、AEUの主力を担っている。
武装はマシンガン、実弾ライフル、シールド、アックス、実体剣など。
これはジェネレーター出力の不足によりビーム兵器と搭載できなかったためである。
またビーム兵器の開発においても遅れており、満足いく代物は未だ開発できていない。
他国と違い本土が本格的な戦場となってしまったAEUは諸々の混乱が足かせとなり技術的に他国に一歩劣ってしまっている。
後に新ソ連からの技術提供によりビーム兵器の実現に成功。
後期生産型からジェネレーターの改良によってビーム兵器の運用も可能になり、ビームライフルやビームサーベル、ビームバズーカなどを運用可能としている。
ゲイレールの重装型。外見モデルはオルフェンズに登場する同名MS。
ビーム兵器未搭載による火力を重装備化させることによって補うことをコンセプトとした機体。
ゲイレールとの武装を共通するほか、ガトリング、180mmキャノン、ミサイルポッドにグレネードランチャー大型メイスなど多数の重火器を装備している。
後期型になるとビーム兵器も搭載され、追加のホバーユニットを装備することにより地上においての高速移動を可能とした。
86: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:55:09
ザフト
ザフトの開発した大型戦闘機。外見モデルはエスコンのADF-01ファルケン。
自軍よりも優勢である連合の航空戦力に対抗するため戦前より研究を進めていた高性能戦闘機であったが、如何せんコロニー内だけでは満足な実験も行えず、更にノウハウ不足も祟って開発が滞っていた機体。
残念ながらCOFFINシステムは開発・搭載されていない。
しかし、地上に降りた際に北アフリカ共同体や南米合衆国からの協力もあり航空機関連のノウハウを獲得。
メッサ―やシュヴェールトの開発から得られた技術や経験を踏まえて開発が進むようになった。
全長だけで24mと連合のスカイグラスパーの12mと比べて倍ほどの大きさを誇る。
これは武装として高出力なビーム兵器を搭載するために専用のジェネレーターを装備する必要があったためである。
機体の大型化、武装の重装化によりかなり重い機体となってしまったため、従来のエンジンでは満足な機動性を得ることができなくなってしまった。
そこで専用の開発した大型エンジンユニットを二機搭載し、力業で高い推力を確保している。
無人機という構想もあったが、NJの開発により有人仕様に切り替えられている。
武装は専用の大型ビームユニット、機関砲、ミサイル。
このビームユニットは対空・対地両方に使える優れものではあるが、固定式のため射線が一方通行であり、地上に掃射する際は機体を地上方向へ傾ける必要があるため注意が必要である。
重火力、高機動を両立した高性能機ではあるが、機体の大型化のため機体が重く、離着陸には一般の戦闘機より長めの滑走路が必要となる。
また大型機故小回りが利かず、ドッグファイトは従来の戦闘機より苦手とされている。
連合がアッシマーやエアリーズなどを投入してきたことから開発が加速。
5月中旬頃には戦線に投入され、華々しい戦果を挙げる。
パイロットによってはアッシマーの撃墜記録があるほどである。
反面高性能化を突き詰めてしまったため、シュヴェールト以上の高コスト化を招き量産性、整備性は低い。
また要求されるパイロットの腕前や耐G能力も高いため乗る人物を選ぶ機体となってしまっている。
そして何よりも投入された時期が遅かったため、既に地上の劣勢は覆せないほどに進んでおり、連合側もレイダー、フラッグ、イナクト、Zガンダムと続々と高性能機を繰り出してきており、少数の本機のみでは如何ともし難かった。
そのため華々しい活躍の反面飛べていた期間は他の戦闘機よりも短いものになっている。
連合側は本機の投入によりザフトの技術は未だ侮りがたしと気を引き締めたという。
余談だが大型故に格闘戦能力が低い本機ではあるが、逆にこの機体の頑強性と重量を利用し、わざと失速させてからの木の葉落としで連合機を撃墜してのけた猛者が存在している。
本機は他の戦闘機よりも大分重いため失速時には面白いように落ちていくことを利用した戦法である。
因みにこの戦法はパイロットと機体にかかるGが非常に高いことと、機体を失速から治せなくなる可能性があるため推奨されていない。
87: トゥ!ヘァ! :2017/01/30(月) 18:56:45
投下終了
アッシマー登場。
説明ではさくっとしてますが現場じゃ阿鼻叫喚ですね。
そこら辺の会話をいつか載せたいものです。
ザフトのファルケンは一見凄いように見えますが、連合側のスカイグラスパーはあれの半分の大きさで一応はビーム兵器搭載可能というね。
なのでザフトとしてはファルケンは大型化して火力を増す方向性になっています。
最終更新:2023年11月05日 15:50