516: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:01:24
大陸SEED その24
ユニウス7落下と連合の対応
ザフトがジェネシスと平行して用意していた『オペレーション・ジャッジメントデイ』。
それは、フレアモーターによってユニウス7を安定した軌道よりずらし地球へと向けて落下させる作戦である。ヤキンドゥーエでも苦境に追い込まれたザフトは遂にこの作戦を実行する事を選択、残った戦力の中では比較的精鋭の多いサトー隊を中心に作戦は進められていた。しかし、本来極秘裏に進める予定であったこの作戦は「とあるジャンク屋」に見つかり口封じも失敗した事から連合軍側に露呈し、連合軍は地球軌道上の警備に就いていたナンバーズフリート2個艦隊と周辺艦隊へ指令を出してユニウスの停止乃至は破壊を命令する。
だが、ザフト艦隊もただ無策でいる訳も無く、製造していたミーティア9機の内6機をなけなしのジャスティスと共に投入し防衛を行い、その圧倒的火力を持って数に勝る連合艦隊に対抗しようと試みたのである。
『此方、第709パトロール艦隊、敵防衛艦隊の攻撃に遭い被弾。戦線を離脱する!』
『同じく第734パトロール艦隊、これ以上の追撃は不可能。応援を要請する。』
『クソ!まるでミサイルのシャワーだ!ザフトの連中とんでもない切り札、うお!』
「随分と苦戦している様ですね・・・」
「ザフトとて無能ではない、劣勢を覆すに足る切り札と其れを十全に動かすだけの策を整えて来たのだろう。」
通信機から聞えてくる友軍の不利を伝える通信に対してそう呟いた副官に対して、艦隊を預かるデラーズは振り向く事無くそう応えた。
其れと同時にオペレーターが指揮官席に座るデラーズへと振り向き、偵察に出していたアイザックの持ち帰ったデータをデラーズへと報告し始めた。オペレーターよる手元の画面へと映された映像にデラーズは目を落す。
「提督、偵察に出ていた部隊より方向が入りました。敵は赤いGタイプ・・・ジャスティスを中心とした部隊でその内6機に大型の追加ユニットとでも言うべき大型の兵器が装備されています。可動式の大型ビームサーベルも装備している為、実質此れはMAと大差無いかと・・・又、一機新型がいる様でその機体が指揮官だと思われます。」
「MSを核としたMAが6機・・・ノイエジールは出せるのか?」
「可能です。しかし、パイロットが居りません。ジオングの試験の為に着任しているホルバイン少尉に任せてみますか?」
「いや、ノイエジールは今通常パイロット用に調整されていた筈だ。此処はノイエジールをガトー大尉に任せホルバイン少尉には専用に調整されたジオングへと搭乗してもらう。」
副官へとそう伝えたデラーズは再び正面へと視線を向けた。視線の先には近づいてくる巨大なユニウス7の底だった残骸と周辺で瞬く無数の戦闘の光が見えていた。一方で、突然旗艦であるシャルンホルストに呼び出されたガトーは困惑しながらも格納庫へと自身のゲルググを操作して乗艦であるペールギュントより向かっていた。そして、ガイドビーコンに従って格納庫へと着艦したガトーの目に飛び込んで来たのは巨大なMAであった。
「このMAのパイロットを私がやれと?」
「はい、デラーズ中将からはそう言った指示を受けています。」
「しかし私には大型MAの操作経験など・・・」
「この機体、ノイエジールの操縦形式や挙動はMSに近い挙動と成るので寧ろMSのパイロットの方が操縦しやすいと言う話です。
それに、ノイエジールのパイロットに大尉を推薦しているのは中将です。」
「中将が・・・」
「私見ですが、大尉の操縦技術は艦隊のトップです。大尉ならノイエジールも十全に操縦できるかと・・・」
「解った。このノイエジール、有り難く使わせてもらう。」
『間もなく作戦エリアに到着します各員は速やかに配置に付いて下さい、繰り返します・・・』
ガトーがそう言うと同時に待っていたかの様に出撃を知らせる艦内放送が鳴り渡る。辺りを見れば既に各々武装を持ったゲルググやリックドムⅡが出撃する為のハッチに並んでいる。ガトーも手すりを蹴ってノイエジールのコックピットへと入ると機体のオペレーターの合図に合わせてMA用の発進口から出撃する。
517: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:01:59
デラーズ率いる艦隊がMS隊を出撃させているのと同時刻、ザフトのユニウス防衛艦隊は次々と襲い来る連合のMS隊に徐々に消耗を始めていた。当然と言えば当然である。元々はデブリベルトを出た辺りで連合からの発見を想定していた筈がデブリベルトでのフレアモーター装着時から見つかり延々と攻撃を受け続けていた以上、弾薬の消耗も兵士の消耗も凄まじい事に成っていた。それでも開戦時からのベテラン兵を多く有するこの艦隊は持ち前のコーディネイターとしての応力をフルに生かして攻撃を凌いでいたが其れも限界に達しようとしていた。ヒンメルに搭乗し部隊の指揮を執るサトー先ほどまで攻撃を仕掛けてきてた連合艦隊を撤退させると部隊全体へと通信を繋げる。
「全部隊欠員は居ないな?」
『此方アーサー隊欠員有りません!』
『同じくパウエル隊問題有りません!』
各部隊から欠員無しの報告を受けるとサトーは一安心と言った様子で一息つき、続いて各部隊へと檄を飛ばす
「そうか、しかし油断は出来ん。此の侭この調子で戦闘が続けば潰れるのは此方だ・・・」
『エターナルより報告!此方に接近する複数の艦隊を確認!内一つはナンバーズフリートです!』
「く、今までの散発的な部隊は全て囮か・・・各部隊残弾は幾ら残っている!」
『全部隊補給は十分です!ただ、これ以上の会敵は補給に影響が・・・』
「この戦闘を終えるまでにはデブリベルトを抜ける!そうすれば我々の勝ちだ!ナチュラル共に我等が墓標と底に眠るもの達の無念を味わわせるぞ!」
そう言うとサトーは此方に向かって来るMS隊のスラスターの光をヒンメルのコックピット内から睨み付けていた。戦闘が始まると、前面に展開したミーティア部隊が各方向へと向けて無数のミサイルとビーム砲を発射して出鼻を挫こうとするも逸早く反応したホルバイン少尉が動き出す。
「やらせねえよ!」
そう言ってジオングの有線サイコミュハンドを射出させると、ミサイルが飛来してくる方向に合わせて10条のビームを網目状に照射して着弾しようとしていたミサイルを全て撃墜、そして其れを飛び越えてきたビームを器用に避けて腰部メガ粒子砲で反撃を行う。対してこの攻撃に対してミーティア隊の反応は遅れる事と成る。
『な、防がれ・・・』
驚愕の言葉と共にミーティアを装備したジャスティスが胴を貫かれ後部のミーティア本体も付きぬけ一瞬の停止後に大爆発に飲み込まれた。
『ジョセフ!馬鹿な、この短時間でミーティアに対応してきたのか!?』
『総員散開しろ、此の侭ミーティアが落とされるのは不味い!』
518: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:02:36
そうサトーが指示を出すと指示に従ってミーティア隊はバラバラに行動を始める。しかし、動揺していたことは事実であり、それが決定的な空白を生む事になり敵の接近を許すことになる。突然上から降り注いだビームを避ける事が出来ずミーティア付きのジャスティスが又一機爆発する。機体への直撃は避けた用で爆炎の中から飛び出してくるが襲撃者は其処を更に攻撃を加えた。
「頂くよ!」
ゲルググJの海兵隊仕様に乗るシーマはコックピットでそう叫ぶと大型ライフル下部に取り付けられたロングタイプのビームサーベルを展開、降下の勢いと合わせてその侭脱出したジャスティス切り裂き撃破する。ジャスティスを撃破した隙を突いてシーマが搭乗するゲルググへとジンハイマニューバやゲイツが撃墜しようを接近を試みるもその目論見は続けて上から追いついてきたゲルググMの部隊の牽制射撃によって阻まれた。
「シーマ様!ご無事ですか!」
そう言って艦隊に所属する海兵の一人がシーマへと通信を繋げて来た。周辺には既に二個中隊規模のゲルググMが集結を始め、周辺のザフト軍機と戦闘を始めている。
「私に構っている暇が有るならとっとと敵を落としな!他の部隊の連中も続々と集まっているだ、グズグズしてると
手柄を取られるよ!」
「解ってますって!こっちは海兵隊上陸作戦には慣れっこですぜ」
「シーマ様!フレアモーターの位置が割れました、そっちにデータを送ります!」
「よし!中隊の半分は私一緒に来な!先にフレアモーターを叩く。」
シーマの指示に従って中隊規模の部隊がデブリを押しのけ進行するユニウス7へと取り付いていき、フレアモーターを制御していたと思われるジンハイマニューバ2へと向けて其々射撃武器を放ちながら接近していく。
『隊長!敵がフレアモーターにまで』
「落ち着け。ジョンソン隊はフレアモーターの防衛部隊へ合流しろ。残りは此の侭防衛を・・・」
『隊長、大型の熱源が隊長の居るエリアへと高速で侵攻中!MS部隊が振り切られます!』
「数は?」
『単機です。気を付けて下さいかなりの大型で・・・』
そうオペレーターが言葉を続けようとした瞬間通信を行っていたエターナル級がビームを受けて轟沈、発射された方向へと目を向けると其処には全長80m近い大型のMAが此方に向けて加速して来ていた。
「あれがマーズを落とした機体か?私と・・・!高エネルギー反応、不味い各員回避を」
サトーが通信で指示を伝えきる前に大型MAノイエジールはその火力を正面のミーティア隊へと向けた、機体上部の砲門から放たれた巨大なビームはミーティア2機の間を掠り宇宙の闇へと消えたが大出力のビームの余波を諸に受けたミーティアはミサイルや推進剤が熱によって爆発。本体で有るジャスティスは無事だった物の此れでユニウス7防衛部隊は4機のミーティアを喪失し厳しい戦いを強いられる事となる。
519: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:03:35
戦況の変化と原作キャラの動き
ユニウスセブンのフレアモーターが稼動を始めたのと同時刻、大洋の決戦砲ヨルムンガンドの咆哮を受けたヤキンドゥーエでも戦況の変化は始っていた。砲撃の衝撃が要塞内全てを揺らした事で施設内のパイプラインの断裂やエネルギーの逆流によって固定砲台や一部の区画では爆発や機能の停止が発生、更に座礁したナスカ級によって要塞上部の港湾も機能に大幅な障害が発生した。此れをチャンスと見た連合艦隊は一気に戦線を押し上げようと攻勢の勢いを上げ、其れを防ぐザフトとの熾烈な争いは現在も過熱を続けて居た。
「まさか、たった一機で此方を此処まで足止めするか!」
「腐ってもコーディネイターの更に上澄み、そう言う事でしょうね。如何しますか?正直こっちも限界なんですが・・・」
自身の機体に装備されたガンバレルを全て叩き落とされ、シールドも失ったグレゴリーはそう吐き捨てるように呟いた。その言葉を聞いていたノボトニーに先ほどの接近戦で見事に叩き切られた対艦ビームブレードを視界に移してきた。良く見れば装甲の彼方此方が融解し、肩に搭載されたビームキャノンも片方が融解して途中から無くなって居るのが見て取れる。
「しかし、奴が逃がしてくれるか?何なら私が奴を引き止める方法も有るが・・・」
「馬鹿者が、お前一人残した所で無駄死にするだけだ。!来るぞ、全機散開しろ!」
通信を繋げて来たイメリア中尉へとグレゴリー中尉がそう返した瞬間、悪寒を感じたグレゴリーは僚機に散開を命じてその場を離脱したそれから一瞬遅れて先ほどまで機体が集まっていた地点を無数のビームが通過する。そして、その現象を起こした張本人であるクルーゼは余裕の笑みを浮かべながらビームライフルをバックパックを失い動きの鈍っているガンバレルカラミティへと向けて引き金を引く。放たれたビームは寸前の所で盾が間に合った事で防がれる物の限界に来た盾はその攻撃で爆散し中に仕込まれていたビームライフルが暴発したのか爆炎の中から飛び出した時には右腕を喪失していた。
「ふむ、全てを道連れとは行かないが、この戦場に居る人間程度は道連れにさせてもらうとしよう・・・さあ、私が行く先へ先に向かってくれ」
コックピットでそうクルーゼは呟くと更にドラグーンによる追撃を行おうとして、遠くから来る気配と殺気に気が付きライフルを殺気を感じた方向へと向け3度発射する。しかし、その仕返しとばかりに複数のビームがクルーゼの元へと殺到、それをクルーゼは盾とスラスターを使い最低限の軌道で交して見せた。その動きに対して背部のガンバレルと手持ちのビームライフルを使用してビームを放ったムウは思わず舌打ちをする。
「チッ、思った以上に上手く避ける。」
「やはり来たか、ムウ・ラ・フラガ!好い加減君に付き纏われるのはウンザリなんだがね。」
「戦場で毎度の如く狙って来る貴様が言えた立場か、クルーゼ!」
通信を繋げて来たクルーゼに対してムウはそう応えるも、プロヴィデンスの周辺に待機していた複数のドラグーンがムウへと砲身を向けた事で回避に入ろうとしたがプロヴィデンスの真横から飛んできたビームによってドラグーンが打ち落とされた事でその動きは無駄に終り、プロヴィデンスは一時後退する。其れと同時に通信画面開き画面にはキラの顔が映っていた。
「ムウさん、大丈夫ですか!?」
「ああ、俺は大丈夫だ。他の連中は?」
「後ろから付いてきています。如何したんですか急に先行なんかして」
「悪いな、何時もは俺が連携の重要性を説いていたのに・・・」
「大丈夫です。其れよりも相手は?」
「あのMSだ、ラウ・ル・クルーゼ俺達に取ってはある意味因縁の相手だな・・・」
『其処のMS救援を感謝する。』
「この声、まさかグレゴリー中佐か?」
キラとの通信中、突如として割り込んできた通信の声を聞いて、ムウは思わず素っ頓狂な声を上げる
520: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:04:06
『!?まさか、ムウか?こんな所で出会うとは・・・いや、今はそんな事を言っている場合では無いな、済まないが此方は下がらせてもらう。奴に手酷くやられてな・・・幸い母艦の方に向かった敵は直掩に付いていたダガー隊が片付けたそうだがこっちがこの様じゃあな』
「解りました。クルーゼに関しては俺達で遣ります。アイツには色々と因縁が有るもんで・・・」
『済まない頼んだぞ』
そう言ってグレゴリーは通信を切ると僚機である他のカラミティと共に戦域より一時後退し、因縁に決着を付ける為にアークエンジェル隊がプロヴィデンス追撃を行う事となる。一方で大洋とユーラシアが受け持つNフィールドは一段飛ばしに階段を駆け上がる様に戦況が悪化し始めていた。ヤキンの機能低下は唯でさえ不利であった戦況を更に悪化させザフトを確実に追い詰めていた、其れと同時にユーラシアのヤキン攻略艦隊旗艦で有る「グナイゼナウ」内ではジャミトフ・ハイマン中将が指揮下の艦隊へと指示を出していた。
「第二、第三MS大隊よりヤキンドゥーエへの着陸に成功、レオン・ガンベッタより基地施設への砲撃を開始したと報告が入っています」
「各部隊はその侭予定通りの作戦行動を続けるように通信を入れろ、大洋のヨルムンガンドの再発射までどれ位掛かる?」
「後10分程で冷却作業を終えるそうです。第二射はWフィールドに有るザフトの簡易補給基地だと報告が入っています。」
「Wフィールドの陽動に出ている艦隊は何処の物だ?」
「は、大洋の第三特務艦隊と我が軍特務隊Xです。」
「其れならば問題は無いか・・・」
「しかし、大丈夫で有りましょうか?」
「ユニウス7の事か?」
副官がふと漏らした言葉にジャミトフは指示を出していた手を止め副官の方を向いたそう返した、その言葉に対して副官は肯定の意を示す。
「はい、現在防衛ラインが構築されていますが万一にも抜かれれば・・・」
「デラーズは優秀な男だ、そう簡単に抜かれはせんよ。それにプロイツェン中将の艦隊も後詰めの為に出撃している万一の場合は核だろう何だろうと使うだろう・・・今は正面で起きている事に付いて考えろ。」
「失礼致しました。」
「構わんよ。」
「提督、MS大隊の上陸数が予定の50%にまで到達しました。」
「グナイゼナウを前進させろ!当艦も此れより後方からの砲撃を開始する!」
オーペレーターの報告を受け取ったジャミトフは再び正面を向いて忙しく指示を出し始め、それ以降の会話は途切れた。この十分後再びヨルムンガンドは咆哮し、ザフトの戦力を更に削り取っていく事となる。そして、ヤキンにMSが取り付き始めたのと同時刻Wフィールドでは陽動を行うべく動いていた第三特務艦隊の面々が動き出していた。
「感じた、其処!」
特務艦隊所属のパイロットである奈々子はそう少女特有の甲高い声を張り上げながらZガンダムを操作して敵機を撃墜していた。その後ろには両機のガ・ゾウムやドライセンの他、宇宙仕様へと改造を受けたサイコガンダムと特殊仕様のジオング2機が続いており、ジオングの腕には腰部には其々専用に開発されたと思われる大型のマシンガンやビームキャノンが装備されている。
521: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:04:42
「奈々子少尉先行しすぎです。もう少し僚機と連携を取って下さい!」
「あっ咲少佐、すいません・・・」
「貴方がZに乗れば気分が高揚する事は理解していますし、実力も理解しています。それでも勝手に突っ込んで行くのを見ているほうとしては辛いのですよ?」
「姉様お説教は其処までにして下さい。今は敵中ですよ・・・といっている間に接近されて居ますね。」
「そうですか。では敵機は私と舞鶴中尉、立花中尉が対艦攻撃へと移ります。その間に奈々子少尉は僚機と共に敵機を受け持って下さい。」
「解りました!任せてください。」
その言葉を聴いた咲少佐は通信画面で笑みを浮かべると通信を切ってジオング2機を連れて隊列を離れた。其れを見送った奈々子はWR形態のZを更に加速させながら通信を繋げる。
「此の侭MA形態で先行します。ガ・ゾウム隊は付いて来て下さい!」
「「了解!」」
奈々子からの通信を受け取った僚機のパイロット達はそう勢い良く返すとその侭Zに追従して機体を加速させていく。対して迎撃に出てきたザフト部隊は隊長機であるゲイツを中心に射撃を開始するもZはその侭突撃を敢行して衝突寸前で機体をMSへと変形させて手に持ったハイパー・メガ・ランチャーを発射した。本来は対艦用に使用されるその火力は絶大の一言であり、射線上に居たMSは勿論の事、周辺を進んでいたジンやシグーさえも周辺を掠めた余波に当てられて爆発四散、又は半身を融解されて推力を失いあらぬ方向へと流れていく。そして、其れに続いて取りこぼした無事な機体をガ・ゾウム部隊が狙う形で戦線に穴を広げており、其処を狙うかのように続々とドライセンが突撃を始める。
「くそ、こいつ等早い!ナチュラルなんて簡単筈じゃ無かったのかよ!?」
「僕にそんな事聞かれても解らないよ其れより、ヒッ」
「落ちろ、落ちろよ、何で落ちナイン・・・」
「何でこんな、シュミレーションじゃもっと簡単に」
時折、一瞬の接触通信で聞える後味の悪い断末魔の声に奈々子はイライラしながらランチャーをラックへと仕舞い、ビームライフルとビームサーベルで相手を落として行く。
「ああ、もう!落とされるって解ってて何でこんなに突っ込んでくるかなあ!?」
「奴等もそれだけ必死てことでしょうよ、連中にはもう後が無いんだ使えるものは何だって使うさ」
「だからって、こんな子供まで!」
「この程度ならまだ優しい方ですよ。あの時の欧州や米国に比べたらね」
「それって?」
奈々子は此方に通信を繋げて来ていたドライセンのパイロットに聞き返そうとしたが、突然敵陣後方で起きた為其方に目が向いた。
見れば迂回してきた咲少佐率いる部隊が後方で動いていた艦隊へと攻撃を仕掛け始めたので有る。サイコの有する拡散ビーム砲のシャワーやビームソードを装備したジオングがナスカ級のエンジンを両断していく様子を見ながら奈々子はもう一度先程のドライセンのパイロットに先程の言葉の真意を尋ね様とするも等のサウンドオンリーの通信であった為戦闘が終了するまで奈々子はその話の続きを聞くことが出来ないで居た。そして、この戦闘より10分後ヨルムンガンドの第二射によって当特務艦隊の担当していた宙域よりザフト軍は撤退を始め、第三特務艦隊の面々は離脱する艦の追撃に回る事となる。
522: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:05:31
機体紹介
兵装試験型ジオング
全長:約38m
重量:基本231.9t
武装:頭部メガ粒子砲
腰部メガ粒子砲
200mmマシンガン
大型ビームランチャー
3連装ザクバズーカ
背部24連装多目的ミサイル
腕部内蔵型ビームソード
ファンネル(一部機体)
他大型MS用試験兵装装備可能
概要
大洋の開発したジオングのバリエーション機であり腕部以外の武装はジオングと共通している元より大出力のジェネレーターと固定武装しか装備していなかったジオングを大型MSが使用する武装の試験機として改造したのが当機である。その為腕部にはビームソードと有線サイコミュとしての機能も搭載されている物の、基本は武器を携行して戦闘を行うこととなり、その機体サイズに見合った大型へ武装を多数有している。又、戦中に加速した技術開発で新しく採用された機構も積極的に取り入れられる事で出力アップや運動性の大幅な向上も確認され大型機で有りながら一般機よりも良好な運動性を示している。
地上試験用にも幾つかのバリエーション機が投入され、ホバーや大型キャノン砲を装備した機体がアフリカやオーブに置いて投入され高い戦果を上げる事に成功。このデータは後に作られるジ・OⅡにも流用され早期の開発に繋がる事となる。
523: ナイ神父Mk-2 :2017/02/08(水) 00:06:55
以上です。WIKIへの転載は自由です。尚、作中の登場キャラの幾つかは霧の咆哮氏のキャラクターと機体を使わせて頂いています。
誤字脱字誤変換修正
最終更新:2017年02月13日 21:25