165: ナイ神父Mk-2 :2017/02/24(金) 23:20:58
大陸SEED その24

原作キャラの動き 
収束する戦場

ムウ率いるアークエンジェルの第一、第二小隊は離脱したプロヴィデンスから散発的な攻撃を受けながらも追撃を続けていた。
既に大西洋が攻略を受け持ったフィールドでも既にザフトの防衛ラインはヤキン外壁まで後退しており、続々と連合のMS部隊も外壁へと取り付きつつあった。しかし、クルーゼと言うザフトでもTOPのエースを野放しにする事は出来ず、アークエンジェル隊にクルーゼ撃破の任が降りこうして戦闘が続けられている。

「くそ、チョコチョコ逃げながら攻撃を!」

「ウザイ」

「滅殺!!」

残骸の陰からムウのストライクとシャニのフォビドゥンの死角目掛けてビームを放ってきたドラグーンに対して2機は即座に反応して其々シールドを展開、ビームを防御している隙を狙おうとしたもう一機のドラグーンをレイダーがミョルニルを放ち其れを撃墜する。
撃墜された事を確認したのか、残りのドラグーンは一つの方向へと戻っていく。それをカメラアイの視線で追うと破壊されたネルソン級の残骸の中からプロヴィデンスが出現してきた。既に先の戦いでドラグーンの3分の1を失い、盾や装甲にも幾多の傷や溶解跡が有るが、致命的なダメージを受けている様子は無く、カメラアイは爛々と輝いている。

『ふむ、思ったより良く持つ・・・』

「な、クルーゼ貴様!」

「ムウさん、落ち着いて下さい!」

『年若い少年に諭されるとはな、底が知れるぞ』

「友軍から逸れてボロボロの貴様が言えることか!」

『元より生き残る心算は無い。しかし君達にも此処で死んで貰おう!!』

そう言ってクルーゼは繋げて居た通信を切ると残っていたドラグーンを全て射出し、アークエンジェル隊にオールレンジ攻撃を仕掛けてくる。其れと同時刻、移動を続けるユニウスセブンの残骸上ではユーラシアの海兵隊によるザフトのフレアモーターとその護衛隊の排除が行われた。その様子は離れた主力艦隊の足止めを行うザフトのMS隊にも見えており、彼らの焦燥を加速させる。

「くそ、くそ、何故ナチュラルが我々を此処まで追い詰められる!」

『その驕りが貴様等を追い詰めた、その報いは受けて貰おう』

「我々の故郷となる大地と我々の数多の同胞を焼きながらこの上報い?ふざけるな!」

サトーの呪詛に返答する様に通信を繋げて来たガトーの言葉にサトーは激昂、ヒンメルのブースターを更に加速させ、ノイエジールにダメージを与えようと攻撃を繰り返すが、接敵以降幾重にも塗装されたビームコーティングに阻まれ打撃を与える事は出来ず、サトーの苛立ちは余計に増加する。そして、その苛立ちを察知したのかその隙を付いてガトーはノイエジールのガンバレルハンドのビームサーベルを展開して射出、それはヒンメルの下半身の一部を焼き切ってバランスを崩した所で追撃の胸部の大型ビーム砲がヒンメルの斜め上を通り抜け頭部と右腕を破壊する。

『未だだ!未だ終れん!!』

「何!?」

バランスを崩し、武装の大半と特徴である下半身のブースターを失い、パイロットであるサトーも計器が爆発した際に欠片が刺さり血まみれで有るものの執念だけで機体を動かし、ノイエジールへと左手のビームサーベルを展開して突撃してくる。しかし、その決死の突撃も空しく突如下から飛来してきたビームによってコックピットを貫かれて爆発する。不意を付かれての突撃に対して反応の遅れたガトーは呆気にとられて一連の流れを見ていた。そして、突然入ってきた通信に気が付いてスイッチを入れる。

166: ナイ神父Mk-2 :2017/02/24(金) 23:21:51
「カリウスか!」

「少佐、ご無事ですか!?」

「ああ、助かった。其れよりもお前たちはフレアモーターの対応では無かったのか?」

「シーマ中佐の海兵隊に変わって頂きました。フレアモーターも80%が停止しています」

「そうか、中佐が・・・」

『各部隊に伝達、大洋の部隊がメテオブレイカーを設置した。各員は即座に所属艦艇へと帰還せよ、繰り返す・・・』

「此れで作戦は成功か・・・戻るぞカリウス」

「はっ!」

ガトーはそう通信でカリウスに伝えるとノイエジールのスラスターを起動させ、母艦へと向けてスラスターを噴かせ進み始め、後にはザフトのMSの残骸がデブリの一片となって残されるだけだった。そして、この30分後時限式でセットされていたメテオブレイカーが起動し、ユニウスの残骸は幾つもの細かい欠片となり大き目の欠片も艦砲射撃によって全て破壊されて無力化される事となる。

一方、ヤキンでのクルーゼとアークエンジェル隊との戦闘も決着が付こうとしてた。半壊した機体での6対1と言う一方的と言って良い状況に有ってもクルーゼはアークエンジェル隊を圧倒、カラミティーの右腕をもぎ取り、ムウのガンバレルを全て撃墜、ドラグーンの制御パイプと引き換えにトールの搭乗するストライクの半身を切り落としてレイダーを半壊させた。

「くそ、あいつドンだけ化物なんだ!6対1だぜ?まだ落ちないのかよ!」

「無駄口を叩くな。あいつだって限界だ、畳み掛けるぞ。合わせろお前等」

『未だ向かって来るか、好い加減楽になれば良い物を!!』

「戯言を!お前こそ落ちろ」

「行きます!」

通信で煽ってくるクルーゼの通信に対してムウはそう返すと残ったビームサーベルを引き抜き、キラ、シャニと共にプロヴィデンスに向けて残ったブースターを噴射する。其れに対してクルーゼは唯一残ったビームライフルを発射し迎撃するも、後方に居たカラミティの援護射撃によってライフルが破壊され、両腕のPS装甲に換装されていない間接部を2機のフォビドゥンが切り落とす。
そして、残ったボディーをムウのストライクがクルーゼのプロヴィデンスを貫いた。

『これが・・・私の末、路か・・・』

「お前との因縁も此れで終わりだなクルーゼ」

『フ、フフフ、そう、らしいな・・・もう少し・・・道連れを増やす筈・・・だったが、如何やら・・・そうも行かないら・・・』

「なんだ其れは。如何いう・・・」

クルーゼの言葉の真意を聞こうとするもコックピット付近で爆発が起り、通信は途切れ、その応えは永遠に帰ってくることは無かった。見れば周辺の爆発光も見えなくなりヤキンでも戦闘は既に収まった様である。この時間後、各兵士達にパトリック・ザラ拘束とヤキンドゥーエ内全域の制圧による決戦の勝利を伝える報告が齎されている。

167: ナイ神父Mk-2 :2017/02/24(金) 23:22:42
ヤキンの陥落と終局へ

ヤキンドゥーエの内部では既にMS同士の戦闘だけでなく、PSや歩兵を用いた戦闘が始まっているのか、各所の廊下や部屋等で銃撃の音が聞えてくる。そんな中、指令室ではパトリックが指揮官席へと座り込み、最後の時を待っていた。10分ほど立つと後方の扉が開かれザフトの物とは違う緑色のノーマルスーツを着込んだ兵士達が指令室へと踏み込みパトリック・ザラを包囲、その中で隊長と思われる人間が一歩前に出る。

「プラント評議会議長パトリック・ザラだな?拘束させて貰うぞ。」

「此処まで、か・・・良いだろう、今更抵抗はせん。連れて行け」

その言葉に答えるように立ち上がったパトリックの横に大洋の歩兵が立ちパトリックを上陸した艦へと連行、そして指令室を制圧した大洋連合はザフト全軍へと降伏勧告をだし、ザフトの残存戦力もその殆どが降伏を申し出た事によってヤキンでの攻略戦は連合の勝利によって終結する。

そして、プラント本国へと踏み込んだ連合の兵士達の目に映ったのは驚くべき光景で有った。

「なんだ?これは・・・ザフト兵どころか、住民がまるで居ないでは無いか・・・」

「隊長、他のコロニーを制圧しに向かった兵士達からも同じ様な通信が」

「何だと?兎に角、各隊は各所を確認しながら施設を制圧しろ。我々も庁舎へと向かう」

各所よりの通信で極めて人口の少ないコロニーを制圧しながらヤキン攻略から数日以内にプラントのコロニーを全て制圧する事に成功しているが、その結果もたらされた情報は、根こそぎの動員による極度の人口減少と少年兵の動員による徴兵年齢の低下、そして、その結果がこのゴーストタウン化と言う事であった。このプラントの末路はその後連合の各国にも齎される事に成り各国国民に大きな衝撃を齎す事となると同時に、理事国各国の上層部の戦後処理のプランを大きく路線変更させる切欠と成っている。

168: ナイ神父Mk-2 :2017/02/24(金) 23:25:30
以上ですWIKIへの転載は自由です。今回で一応SEED本編分の戦闘は終了です。
色々機体を出していただけたのでもう少し機体を出したかったのですが私の文章構成能力ではどれも似たような結果に成ってしまうと考えた為、冗長に成らないよう此処で切らせて頂きます。後は次回で戦後処理の話を書いて他のネタへと移っていけたらと思います。

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最終更新:2017年03月01日 20:10