438: ナイ神父Mk-2 :2017/03/13(月) 00:21:49
大陸SEED ゲート編 その3

始まる原作と大陸での見方

第一次ゲート開放作戦に置いて大敗を喫したザフトは、その後大陸側の連合各国の予想を裏切り講和を求めてきた。此れに対して大陸側連合は此れを受諾、当初はごねるかと思われた東アジアも大戦では終ぞ得ることの出来なかった勝利に水を差されたくは無いとして必要以上の要求は行わなかった為、講和条約はスムーズに締結される事となる。しかし、其れは同時に新たな戦争の火種となった。

このザフトのゲート世界への侵攻と言う暴挙の情報を得た連合各国はここぞとばかりにザフト脅威論を展開、各国はザフトとの開戦へと秒読み段階へと入る。だが、其れと同時にザフト軍より離脱したザラ派残党の一部がゲート侵攻に賛同して壊滅したサトー一派の計画を引き継ぎユニウス7の地球への投下作戦を実行する。この行動はプラントへの軍事行動を取っていた連合へも発覚、ナンバーズフリートを抽出して防衛に当たろうとするが此処で悲劇が発生する。

落下阻止に動いた連合艦隊は同じく落下するユニウス7の破壊に来ていたザフト艦隊と遭遇、先に到着していたザフト艦隊が既に戦闘を開始していた事もありそこに連合も混じった為、現場が混乱する。この事態によって何とかユニウス7の破砕は成功する物の原作以上に燃え尽きない残骸が増加、被害は未曾有のものと成る。

先ず残骸の直撃によってユーラシア、欧州、北米等の複数の都市が消滅、太平洋全域、大西洋、インド洋、地中海への残骸の落下によって津波が発生し、ハワイ、米東西海岸が完全に水没、特に東海岸側は5大湖まで津波が押し寄せた上、欧州方面の海岸線も水没、一部地域は旧来の国家一つ分が丸々水没した。これによって連合各国はエイプリールクライシスと同等かそれ以上の被害を蒙る事に成る。

一方で、この情報を受けた大陸側はこの事態に万が一にも戦中のザフトの作戦が成功していればと背筋を寒くすると共にと有る問題を発生させていた。ロゴスの臨時の集会に参加していた者達は、各々好きな様にビリヤードや酒を嗜んだり等リラックスしており、アズラエルもその中に混じって酒を飲んでいるが顔色は余り優れない

「向こうの連中も余計な事を・・・」

「全くだ・・・しかし、我々を集めたのは何の為だ?アズラエル」

アジア系の顔立ちをしたロゴス幹部からの問い掛けにアズラエルは自身のグラスを置いて話を始める。

「ええ、今回は向こうで起きたユニウス7の落下についてですね。」

「あれか。しかし我々で何をすると言うんだ?向こうにでも支援を行うか?」

「いえ、流石にあんな急に現れた物を使用して商売は面倒です。其方ではなく旧ザフトのコーディネイターの問題ですよ。」

「成る程、此方での反コーディネイター感情の再燃の可能性だな?」

そう自身の持つ葉巻に火を点けながら発言したのは同じく大西洋連邦内の出版業界を纏めるロゴスメンバーの人間である。その言葉に頷いたアズラエルは話を続ける。

「此のままでは又息を吹き返した制御の効かない過激派が増えかねませんからね・・・特にジブリール君にはその事を伝えたかったのですが・・・彼は今どちらに?」

そう言いながらアズラエルはチラリと柱時計を眺める。既に会合開始から2時間は経過しているが、未だに一部のメンバーが現れる気配が無い為、アズラエルはそう零した。それに反応するように先程アズラエルに話しかけたアジア系の男がふと何かを思い出したのかのように話し始める。

「其れならば先程連絡が来た。どうも本拠地の方で反コーディネイター運動が再発した、それに付随して過激派なんかも動き出したと言う話だ。其れを押さえる為に一時上海の方に戻るらしい。」

「そうでしたか、まあ東アジアは特に反コーディネイター感情が強い地域ですからね。そう煽ったのは彼ですが・・・良いでしょう。本題に移ります。今回、皆さんを呼んだ理由は簡単です。皆さんの方面からも反コーディネイターの世論の過熱を抑えて貰えないでしょうか?ブルーコスモス方面からも押さえていますが、限界が有りまして・・・」

「・・・良いだろう、此方としても折角雇った有能な社員に死なれるのは困る。ましてやテロの対象になられるのもな」

「此方からもコープランドには働きかけて置こう。此処まで来た復興を途中で邪魔されるのは我慢成らん。」

439: ナイ神父Mk-2 :2017/03/13(月) 00:22:22
ロゴスのメンバー達は口々に賛同の意を伝えるとその後間もなく屋敷より退室、本日の会合は終了となった。その後、連合各国では反コーディネイター運動は政界、財界等を初めとした有力者達によって急速に収束、更に此れを機に動こうとしたブルーコスモスの派閥から外れた組織は連合軍や各国の警察の強行捜査によって複数の団体が壊滅している。

一方であのザフトの侵攻以降再び沈黙を守るL1のゲート付近ではザフトが研究していた新造艦のデータをベースに独自の改良を加えた特務隊用の艦艇で有る、アクイラ級戦艦を中心にジュゼッペ級重巡洋艦が小規模艦隊を構成、ユーラシア宇宙軍のナンバーズフリート共に警備を行っていた。小艦隊の司令を勤めるウラジミール大佐は指揮官席に座りながらMS隊からの通信を受けていた。

「そうか、今の所変化は無しか・・・」

『今の所ザフトや向こうの連合艦艇が転移してくる事は有りません。』

『此方B地点、此方も特に変化は起きておりません。極たまにジャンク屋が転移して来ようとして撤退している様子ですが・・・』

「ジャンク屋には構うな、潰しても向こうから幾らでも沸いてくる。手を出して来ないなら此方からは仕掛けるな。
イワン、フランツ両名は指揮下の小隊と共に引き続き偵察を続けろ。」

『は、』

偵察部隊からの通信が切れると其れを待っていた様にアクイラの艦長が話し始める。

「しかし、大丈夫でしょうか?」

「それは向こうの地球の事か?」

「はい、此方には幸い落下の影響はないと言うことですが、それでも同じ地球の事で有る以上は少々・・・」

「・・・曲りなりにも向うの連合もクライシスを乗り越えた国々だ、今受けた痛みも、流れた血も何れ糧として立ち上がる筈だ。」

「しかし、向こうには大洋が居ませんよ?」

「大洋が居ないにしろ大西洋や我が国は有るはずだろう?」

「まあ、其れはそうですが・・・」

ウラジミールのその言葉に艦長も納得した様であり、後方の司令官席より視線を外し前方のモニターで艦外の様子を眺め始めた。
結局ユーラシアの警備担当期間中は他国の艦隊がゲートより出現する事は無く、無事に次の部隊へと交代している。そして、大陸側では徐々に明らかに成る此方との被害の差と徐々に明らかに成るユニウス落としの被害に連合各国の関係者は顔を青ざめさせる事になる。

440: ナイ神父Mk-2 :2017/03/13(月) 00:22:54
その頃のアフリカの情勢とテロリスト鎮圧

向こうの連合がユーラシアの落下に四苦八苦している頃、アフリカの大地では反連合の拠点の一つが南アフリカ軍のガンタンクから盛大な砲撃を受けていた。組織はソコソコ大きな組織だったらしく、MS用のマシンガンや無反動砲等を改造した簡易の砲台などで応戦するが根本的な火力が違いすぎる為、施設から軍のMSを排除するべく旧式の戦車やザフト残党から手に入れたと思われるジンオーカー、バクゥ等が中隊規模で出現する。

其れに対して南アフリカ軍も大洋より購入したディザートザクを中心にMS部隊を出撃させる。その中でも目立つ専用の白い塗装とトカゲのマークを付けたザクの出現に反連合側のMS隊の動揺は大きくなる。

『白いザク!まさか、ホワイトオーガー!?』

『怯むな!我々の悲願をたっせ・・・』

怯んだ部下を叱責しようとした指揮官機であるバクゥに対して白いザクのラケーテン・バズから放たれた砲弾が命中、指揮官機が落ちた事を確認したザクのパイロットであるエルマーは笑みを深める。

「先ず、一つ!」

エルマーはそうパイロットシートで一人呟くと動揺して動きの乱れたジンオーカーへと更にバズーカで追撃の射撃を行いながら後方に見える戦車隊へと旧ドイツ国防軍の手榴弾にも似た投擲式の小型ロケットを発射して攻撃を加え小隊規模で打撃を与えていく。

『く、部隊の連携を崩すな!!敵に狙われるぞ』

『クソ、ジンの武装じゃ攻撃が弾かれる!』

『格闘戦を仕掛けろ!格闘なら・・・』

『無茶を言うな!あんな速度で動く機体に格闘戦なんか仕掛けられるか!!』


しかし、反連合側とて唯で終わる事は良しとせず、縦横無尽に動き攻撃を加えて来るザクに対して手持ちの無反動砲やマシンガンで打撃を与えようとするもドムクラスの機動性を有するディザートザクへ有効打は望めず周辺で砲撃を行っていた砲台も次々に南アフリカ軍のMSからの砲撃によって沈黙していく。

この1時間程の後には大半の火器や保有MSを潰された反連合組織の拠点だった廃墟だけが残され内部制圧の為に後方に待機していたケト車やコウブを含む制圧部隊が送られ、MS隊は制圧部隊の拠点まで戻ってきていた。そして、部隊が戻ってきた事に今回の反連合組織の制圧作戦の指揮を取っていたバン・バ・チュン大佐は無事作戦が終了した事でため息を一つ付く

「何とか無事作戦は終了した様だな・・・」

「新たに手を入れた北アフリカ領の反連合勢力でもMSを多数所有できるような勢力は大半が壊滅状態です。後はケトやコウブの部隊が主力として動く事に成るでしょうな。」

「少なくとも此れでマスドライバーが武力攻撃によるテロを受ける可能性は減らす事が出来るか・・・」

「はい、此れで我が国もやっと本格的な宇宙開発が望めます。」

「宇宙か・・・」

その後、アフリカ大陸では南アフリカの積極的な反連合勢力壊滅作戦の実施や、連合軍による北アフリカ地域への駐留によって少しずつ治安が回復傾向となりMSを使用した大規模な反連合勢力は徐々にその姿を消していく事と成る。又、南アフリカが得た旧北アフリカ領も安定の兆しを見せたことで南アフリカも他の理事国やスカンジナビアと同様に宇宙開発に着手し、その勢力を宇宙へと広めて行く事と成る。

441: ナイ神父Mk-2 :2017/03/13(月) 00:23:24
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最終更新:2017年03月13日 09:44