14: ナハト :2017/02/03(金) 21:05:01
私達を乗せた輸送船団は港に着きました。
大勢の患者たちを降ろして、私達は眠っているウィルマさん達と共に輸送機に乗ってワイト島に帰りました。
私達はウィルマさんの治療を行いながら、当初の目的である医療の勉強を行いました
こうして、数日が経ちました。
ウィルマさんが目覚めたと知らせが入り私が病室に急いでいくと、リリィさんがウィルマさんに抱き付いていました
「ウィルマさん!!どうして、約束を破ったのですか!?絶対に無理は禁物だと!!」
「ごめんね・・・・あのままだと皆死んじゃうと思ったのよ。私一人で多くの人が助かるならいいのよ」
「それでもウィルマさんが死んだら本末転倒ですよ!!私達に約束を守らせてください!」
「うんうん。ごめんね。次から気を付ける」
リリィさんが泣きながら、ウィルマさんをポカポカ叩きウィルマさんはよしよしと頭をなでて、その光景を見てお姉ちゃんほしいなーなどと思いました。
ようやく落ち着きだしたのか、リリィさんが部屋から出ていった。
私はベットの側に有った椅子に座る
「ごめんね。ドタバタして休む暇なかったでしょ?」
「いえっ!私の力が微力なりと言えども役に立ってよかったですよ!」
「そう?それなら良かった」
それから、私とウィルマさんは世間話をしていました。
そして、ふとウィルマさんの首に鳥の羽のようなネックレスをしてるのを見つけました
「あれ?その羽はなんですか?」
「うん?・・・・ああ、これはね私の大切なお友達がくれたお守りなのよ」
「お守りですか・・・?」
「ええ・・・・私の一番のお友達からのよ」
私は、代々ウィッチの家系で魔力が具現したからウィッチになろうと思ったのよ。
でもね、ブリタニア空軍の入隊審査、訓練期間が長かったのよ。
だから、私は新大陸のブリタニア連邦・ファラウェイランドに単独で渡って、訓練を受けたのよ
そこで、ドミニカちゃんと出会って、意気投合して訓練をしてたんだけど、たまたま、扶桑でのライトニングフォックスの修行の募集が来てその募集に、軍からの命令が届いて行く事になったのよ。
そこで出会ったのが、ティナちゃんことハンナ・ユスティーナ・マルセイユだよ
彼女はいつも一番になろうとして、ドミニカちゃんと張り合ってたわね
そして、周りもそれにつられて大騒ぎになって保護者のヘルちゃんやセシリアちゃんはいつも
お腹を押さえていたわねえ。その度に先生からの雷が落ちたわねえ
ウフフフフッ。あのティナやドミニカが黒焦げアフロ髪になったのは見ものだったわ
その後に晩御飯抜きにされて、こっそり私が作った夕食届けたら本気で泣いて感謝したてきたね
15: ナハト :2017/02/03(金) 21:05:31
こんな感じで楽しかったなあ・・・
あれは、私が偶々廊下を歩いていた時だった。
私が今日の晩御飯なにしよーかなー?と思っていたときに
向こうかろリリィちゃんが泣きながらやってきたのよ
どうしたの?と聞けばティナちゃんたちが先生が立ち入りを禁止してる
封印書庫に入って行ったというのよ。リリィちゃんは止めようとしたが
止めれなかったので誰か応援を呼びに来たところだという
私はそれを聞いて、止めるように部屋に入ったが
ティナちゃんが必死に頼み込んでくるから、私はしょうがないなあと
少しだけならと許してしまった。私
私が部屋の中で書物を探っていると
「なんだこれ?」
ティナちゃんが扉を開けようとしていた
「っ!ティナ!!それは開けちゃダメ!!」
私は詳しいことは知らなかったが、直感で危ない物だと分かり
間に合わないと判断して、ティナちゃんを押したのよ
次の瞬間、体のあちこちで激痛が走った。
よく見れば、中から飛び出た銀灰色の物体が私を貫いていたところだった。
薄れゆく意識の中で最後に見た記憶は
血だまりに沈む自分。
泣きながら化物を相手に戦うティナちゃんとドミニカ。
後ろ姿だけど、必死に敵から此方を守ろうとする直枝ちゃん。
深い傷を、まだ稚拙な回復魔法で治そうとするリリィちゃん。
だったわ・・・・
目覚めてみれば、病室で一か月が過ぎていた。
そして、みんなが泣きながら抱き付いてきたり、謝りに来たわ
私がいいよいいよと言ってるのに何度も謝るもんだから、
あれは私にも責任があると頭に置いて
「無理に謝らなくていい。自分で、自分を許せるようになったら来てね。」
と一区切りにさせた。
16: ナハト :2017/02/03(金) 21:06:28
ようやく、皆が病室から出ていき、落ち着いたところで先生からのお話があったわ
「ひとまず、命はリリィが稚拙ながらも適切な応急処置を施したことで危険性はないわ」
「そうですか。それは良か「でも・・・・・」」
先生は言いづらそうにして頭を下げて
「ごめんなさい!貴方の治療を最優先にしたことで、お腹の中に封印した物の怪がそのまま残留してしまった!
気が付いた時は内臓の大半に癒着していて、現在の医療や治癒魔法技術ではどうにもできなかった!ホントにごめんなさい!!」
先生が必死に謝ってくる。私が恐縮してしまうほどだ。
結局、あの事件では私の後遺症が残り、ティナの使い魔も死亡して
あの封じ込められた物の怪は取り逃がしてしまったそうだ。
それからは、試しにストライカーユニットを履いてみたり、銃に魔力を込めてみたら
お腹と胸がチクチク痛みだした。それでも、周りの皆には後遺症で全力出せないと誤魔化すことができた。
そして、卒業する時が来た。
皆は最初であった時はよそよそしく、ツンツンしてたけど
一年間共に過ごしてきて、みんな家族のようになって、この別れにみんな泣いて悲しんだわ。
その時に、ティナちゃんが離れてもウィルマを守ってくれるようにと
亡くなった自分の使い魔の羽を使ったアクセサリーを送ってくれたのよ
卒業後はそれぞれ皆は自分の国に帰ることになったが、私とリリィは治療の為に残ったので
二人で横須賀港でティナちゃん達が船に乗って帰っていくのを私達は手を振って見送ったのよ。
いつまでもずっと・・・・
それから、先生の監修の元、全力で魔力を込めて、ストライカーユニットを履いてみたり、銃を発砲してみたら、血を吐いてしまった。
先生の見解によれば、普段魔力で、物の怪を押さえていたものが、魔力を消費してしまうことで閉じた蓋が開いてしまって暴れまわって、体を傷つけてしまうそうだ。
それでも、何度も傷をつけながらも、安全なボーダーラインを見つけ
人前で血を吐くことを制御することができるようになったわね。
この前のは失敗してしまったけどね
私は、ひとまず大丈夫だと見切りをつけてもらって、欧州に帰って
教官役として欧州で多くの生徒を教育してるのよ・・・
17: ナハト :2017/02/03(金) 21:07:00
「これが、私の一番大切なティナちゃんのお話はおしまい」
「そうだったんですか・・・・」
私は、壮大なお話に圧倒されそうになった。
そして、リリィさんから聞いておきたかったことを尋ねる
「あの・・・・ウィルマさんがこんな体になって、誰かを恨んだりとかは思ったりはしなかったのですか?
例えば、封印を解いてしまった人にとか・・・」
「ん?・・・・ああ、私は全然恨んでないよ。あれは、ティナちゃんも想定外の事故よ。
事故なら、誰にも恨んだってしょうがないじゃない。だから、私は許すのよ」
「そうですか。それなら、ウィルマさんが飛び続ける理由は何ですか?
リリィさんはウィルマさんが辞めたら周りの人が気に病んでしまうからと聞きましたが
ウィルマさんが死んでしまったら、意味ないんじゃ?」
「うーんとね・・・・もちろん、それも理由の一つとしては入ってるよ。
だけどね、私は子供たちを育てるのが好きなのよ。私の教えで一人でも多く生き延びさせたい。
そして、教え子たちがウィルマさんありがとうと感謝の手紙を貰うのが楽しいのよ。
だから、空を飛び続ける。・・・・・・それにね」
扉の方を見て
「リリィちゃんがいつか、私を完治させると約束したからね。
だから、私は死ぬことなく生きるという希望を持てるのよ。私はずっと待ってるよ」
こうして、短くも長い研修を終えたのだった・・・・
おまけ
拝啓 加東圭子隊長殿。お元気で過ごしてますか?
私は無事ロンドンの街を探索してます?
そして、今・・・・
「お、当たりですか。幸先いいですね」
1ポンドのくじで60ペニー当たりました。
????
とあるところ、部屋に運び込まれ、ベッドに放り込まれた一人の男が放り投げられてた
男は酒をたくさん飲んでおり、泥酔状態だった。
それをこの部屋に運んだ二人の女性がヒソヒソ話する
(最近飲み過ぎよ。これだと体に悪いわよ)
(でもなあ、最近の境遇を考えるとなあ)
(だからって、酒を奢り過ぎよ。どうすんのよ?)
(だから、お使いのついでに持って行ったじゃないか
これ以上いると悪いから、出ようか)
(そうね)
二人の女性が、部屋から出ると、男は消え入る声で
○○○・・・・・と消え入る声で呟く
その声に反応したかのように机の上に置いてあった赤い石が輝きだし
輝きがなくなると、黒い人型の姿になり、その人型は男をしばし眺めると
外へと飛び出していった。
18: ナハト :2017/02/03(金) 21:07:31
尾張
ウィルマとリリーシャ編はひとまず終わりです。
最終更新:2017年03月13日 09:49