607: ナハト :2017/02/21(火) 00:05:27
森と湖に囲まれた北欧の小国スオムス
北極圏に位置するこの国もまた謎の敵「ネウロイ」の脅威に晒されていた
1939年欧州で始まった第二次ネウロイ大戦はオラーシャにも侵攻し
同時にスオムスへも襲来されたのであった。
後に「冬戦争」と呼ばれる戦争の始まりであった
ここにスオムスの空をネウロイの手から守り抜いた偉大なウィッチ達がいた
その名をスオムス空軍第24戦隊と呼ばれた。
スオムス・ベルツィレ基地
普段は朝食を楽しむ時間であったが、今は怒号が響き渡っていた。
「出撃急げー!!」「ネウロイだ!」
「A監視所から連絡がきたぞー!」
「始動機回せ!魔導エンジンスタンバイ!」
「中型3、小型多数だ!」
「燃料と弾薬確認急げ!」
その喧騒の中一人の少女が走り出していた。
彼女が自分のストライカーユニットへと向かっている途中で
「もうユニット壊すんじゃないぞー」
「わかってるよおおおおおおおーーーーー!!」
からかい交じりにかけてきた応援に返事しようとした時、足元に転がったネジを踏んで
ドンガラガッシャーンと盛大に転げまくった。
その様子を見た周りの人は
あーあとかやりい1ドルな、などなど様々な声が上がるも
いつもの光景であった
「いたたた・・・・どうしてネジが転がってんだよー!!」
「そりゃ、ここは格納庫でネジが落ちてることもあるだろ」
ぷんすか怒る少女に呆れたように声をかける一人の少女
その少女は・・・
「なんだよー。イツル隊長」
「おいおい、いつも通りにイツルでいいだぞ。二パ」
エイラ・イルマタル・ユーティライネンであった。
そして、先ほどこけた少女はニッカ・エドワーディン・カタヤイネン
通称ついていない二パである。
「ふーんだ!士官なんて面倒だから勉強しないといって私もそれに合わせたのに
勝手にやる気を出して、オイラに黙って士官様になったイツルなんか知らないよーだ」
「まあまあ、悪かったよ。それはそうと、今日お前は出撃しない方がいいぞ」
「・・・・なんでだよ」
二パが剣呑になるも、エイラは無視して
「先日墜落した怪我完全に治ってないだろ?僅かに左を庇ってるぞ
それに今日は気象予報によれば天候も悪い。二パは悪天候での戦績では悪いだろう?おまけに」
スッとカードを取り出し裏返す
描かれた絵は塔であった。
「今日、何かが起きるぞ。私の未来予知がそう囁いてるんだ」
「むかー!!なんなんだようー!!アクシデントが必ず起きると決まった訳でもないだろーー!
そう、何度も墜落とかしてたまるかよー!!」
二パはぷんすかと怒り出し、そしてブツブツと呟く
「今日は絶対イケる気がするんだ。無傷で帰投して任務明けのコーヒーをゆっくり
楽しんで、サウナで汗を流すんだ・・・・」
意固地になった二パの様子を見て、エイラはハアッとため息をつくと
「しょうがないなー。何があっても自己責任取れるなら出撃してもいいぞ
これより!全機出撃せよ!!」
「「「「「了解!!」」」」」
エイラの合図と共に少女たちがストライカーユニットを履き
一斉に出撃していった。
608: ナハト :2017/02/21(火) 00:06:59
どこまでも広がる大空を戦乙女たちが行く
彼女達だけなら、可愛くて美しい光景だろうが
手に持った銃がそれを否定する。
やがて、大空に黒い粒が見えてくる
「見えたぞ。敵は中型2、護衛の小型が10だ。ミカとアキは右、ミッコと二パは左から攻めろ。これより全機突撃せよ!」
「「「「了解!!」」」」
ウィッチ達が大型の異物
ネウロイ達へと突入していく中、エイラは違和感を覚えた
(可笑しい・・・監視所では中型3と報告してきた。それも複数の監視所からだ
それなのに、目の前の数があわない!)
チリチリと焼け付く感覚がしたエイラはバッと大空を仰ぎ見る
そこに今まさに急降下を仕掛けようとしていた中型ネウロイ1と複数の小型ネウロイがいた。
「全機上からも来るぞ!」
エイラは注意しつつ、ストライカーユニットの出力を上げ、急上昇しつつ手に持った機関銃を咆える
最初の攻撃は先頭に立った小型ネウロイを砕かせ、後続のネウロイがビーム攻撃を仕掛けてくる
そのネウロイの攻撃をエイラは発射する前から左・右、前後ろとスルスルと移動しつつかわし
手に持った機関銃を絶え間なく咆え続け、次々と小型ネウロイを落としていく。
まるで空の上でダンスをしてるかのように幾多のネウロイ相手取り
グルリと機関銃を周囲一周させて
「ほらよっと」
一気にネウロイが落ちる
「さあ、最後はおまえだけだぞ」
そういうと、ネウロイが豪雨の様なビームを発射してくるが
エイラは未来予知を駆使しながら、鼻歌を歌いだし
スルスルと抜け出して、ある一カ所を集中的に叩き込み
ネウロイのコアを露出させ、砕く。
コアを砕かれたネウロイはガラス片となって消え
全てのネウロイは空と大地に消えていった。
このように、毎日のように空戦を繰り広げ
最後までスオムスの空を守り切ったのであった・・・・
なお、二パは予想道理、墜落しアウロラ姉ちゃんに回収されたとさ。
609: ナハト :2017/02/21(火) 00:07:32
おまけ
とあるテラス
そこにウィッチとメイドがいた。
「ほらほらー。お茶入れろよー」
「ぐっ、どうぞ」
「おいおい、こういう時にいう言葉は何段だったかなー?」
「ぐぬぬぬ・・・・二パお嬢様、ただいまお茶をお入れします」
「うむ、くるしゅうない」
ふんぞり返ってるのはニパであり、お茶を入れてるのはエイラであった。
なぜ、こうなったかというと、エイラが気まぐれでカードゲームしようと言い出し
二パが負けるからいやだようと言い出したが、負けたらなんでも罰ゲーム受けると
いう条件の元カードゲームを始めたのだが、なぜか二パが連勝しだし
とうとう、エイラが全敗に終わり、罰ゲームとしてエイラがメイドになり
一日お嬢様となったのである
「メイド、肩を揉め。いつも肩こってんのさー」
「かしこまりました。お嬢様(オノレーーー!!今度は覚えてろよーーー)」
こうして、一日お嬢様を堪能した二パであった。
後日、同じようにカードゲームしようと言い出したが、今度はニパが全敗であったというのはいうまでもない
610: ナハト :2017/02/21(火) 00:08:32
というわけで、リクエスト隊長エイラとメイドエイラを書きました。
カイホウタケは九曜と入れ替わりのを考えてみたのですが、纏まりませんでした。
エイラ誕生日おめでとう!
最終更新:2017年03月13日 10:15