918: ナハト :2017/03/06(月) 19:51:23
あれから、エリカが脱走してはお気に入りの場所に行くのが日課となっていた
毎日来るわけでもない。時間も決められた時間に来てるわけでもない。
それでも、いつもみほはそこにいたのである。
エリカはお気に入りの場所なのにと思いながらも渋々隣に座って
取り留めもなく過ごすことが多かった。
「あんた、私が来た時にはいつもいるけど、家族の皆は心配しないの?」
「えへへへ・・・・大丈夫だよ」
「ふーん?まあ、私が言うのもなんだけどね」
それからお話をすることが増えた
「そっか・・・・逸見さんは生まれつき魔力を持ってたんだ」
「そうよ。でも、こんなの邪魔臭いじゃない。変に強いから、みんなの所に入れてもらえないし。不必要な物よ」
「そんなことないよー・・・・・いいなあ」
「?」
エリカはぽつりと聞こえた羨ましがる声に疑問に思ったが
その理由が後日判明する
ある日の事だった。
いつもように脱走し、リンゴを二個持って歩いていた
「たまたま畑に落ちていた(本当に落ちていたとは言ってない)良いリンゴが拾えたわ
あの子も喜ぶでしょう」
だが、何時もの場所に行ってもみほの姿はなかった
「ん?いないわね。まあ、これで私も落ち着いていられるわね」
そういって、手に持ったリンゴを1個シャリシャリ食べていたが
だんだんとイライラが募りだした
「あー・・・・もう!あの子はどこを迷子になってるのよ!?」
我慢が出来なくなったエリカはリンゴを片手に周囲を探索するように歩き出す
しばらく歩いてると、大声が聞こえてくる
「なによ。こんなところで騒ぐ馬鹿は?」
そのこれがする方向を見てみれば
「この本家の面汚しが!」
「アンタがいるのが迷惑なのよ!」
「や・・・やめてください・・・」
「ああ?そんなんで辞めてもらえるとおもってるの!?」ドカ
「こういう時は土下座だろ」ガッ
「きゃっ!?い、痛っ・・・・・」
みほが複数の女性にいじめられていた。
それを見た私はスゥっと頭が冷える感覚を覚えた。
いつもならうっとおしいはずの相手なのに、こうもされるとムカつくという感情しかわかなかった。
だから
「ほらほら、さっさ「おっとー手が滑ったー(棒)」ぶぎゃ!」
エリカは棒読みのセリフを吐きながら殴り倒したのである
「ちょっ!あんたはなによ!!」
「い・・・・逸見さん・・・」
突然現れたエリカに周りは動揺するが、エリカは気にも留めない
「なに、みほがいつもの場所にいないから来てみれば、こんなくだらない事やってのよね。
これは私のお気に入りなんだから、傷つけると困るんだしい」
と、馴れ馴れしくみほの肩に抱き付く
「逸見さん!ち・・・ちか「ふざけんじゃないわよ!!」
みほが顔を赤らめて言おうとしたが、いじめてきた女性が殴りかかって来たので
920: ナハト :2017/03/06(月) 19:52:22
「リンゴ汁ぷしゃー」
「ぎゃあ!めがーめがー」
持ってきたリンゴを潰し、汁を飛ばして目潰し、殴り飛ばす
「うげっ!」
そして、右からも殴りかかって来たので
私はちょいと避けて、足を引っかける
「え?ちょっ!」
当然足を引っかけた女性は転倒し、もんどりうったところで
エリカが踵で腹を蹴り飛ばす
「うごっ!」
蹴り飛ばされた女性はうめき声一つで気絶してしまった。
エリカはそれを一瞥して最後に残った女性と対峙する
「さて、残ったのはあんただけだけど、今なら帰ってもいいわよ?」
「そう?私がそのまま帰れると思って?悪い子をする子はお仕置きしないとねえ!!」
そういうや、女性は使い魔の耳と尻尾を出し、魔力を纏って殴りかかる
その速度は早かったものの、エリカが間一髪でシールドを貼って防ぐ
「あら?あなたもウィッチだったの?」
「ええ、他のウィッチに出会うのは初めてですがね」
「そう・・・それなら本気でお仕置きできるわあ!!」
そういって、シールドをすり抜けようとしたので、私はみほをむこうに押しやって
手をさばき、殴ろとすると掴んできて投げ飛ばされたので、空中で立て直すと
目の前にやってきて拳が飛んできたから、エリカは腕を十字クロスして防ぐ
「やるわねえ。でも、まだまだ!」
そういって、顔に飛んできたので、避けようとすると手の軌道が変形して
エリカの腹に当たる
「がっ!」
エリカはうめき声を上げるも痛みを無視して、蹴りを放つもつかみ取られ
持ち上げられて、地面に叩きつける
「グハっ!」
苦悶の声が上がったところで顔を踏みつける
「年長者は逆らってはいけないって学ばなかったかなあ?あたし?」
さらに、踏みつけようと足を上げたところで、もう片方の軸足を払いのける
「おっと」
しかし、それすらも読まれたようで女性は軽く避ける
「まだまだねー「当たり前でしょうが!」がっ!」
そして、この隙を逃さずエリカは頭突きをして女性の鼻を折る
「ぐっ!この餓鬼が!」
「おっと、私の年齢は餓鬼だしい」
エリカは攻撃を避け、腹パンをかまし、アッパーカットをかます
マトモにアッパーカット喰らった女性はふらつき、それをみたエリカが追撃をしようとすると
921: ナハト :2017/03/06(月) 19:52:52
「なめんな!糞餓鬼!!」「がっ!」
逆に蹴り飛ばされ壁に激突する
それをみた女性はエリカに近づいて止めの足を持ち上げて
「し「駄目え!!な!離せ!」
みほが女性の腰に抱き付いて止めようとする
「もうやめて!」
「この落ちこぼれが!離せ!」
「嫌です!!これ以上私の友達が傷つくのは見たくはありません」
「くっ!この!!」
「きゃっ!」「っ!みほ!」
みほが吹き飛ばされ、女性がそちらに向かい、拳を振り上げる
「もう許さん!許さんぞお!!お前からだあ!!」
「つーーーー!!」
みほはやられると思い、目を瞑る
しかし、いつまでたっても痛みは来ず、おずおずと目を開けると
そこには満身創痍のエリカが女性の拳を握っていた
「なっ!死にぞこないが!まあいい、そのボロボロな体でなにができる!?」
女性は引こうとするが拳が離れない
(馬鹿な!振りほどけないだと!?どこからこの力が出てくる!?)
「私、この力はいらないものだと思ってた」
エリカが俯きながら喋る
「この力のお蔭で周りの人は怯えるかのように離れ、大人たちは腫物のように接してくる
だから、暴れるしかなかった。」
「エリカさん・・・・」
「だけど、この力は傷つけるための力じゃない!私の・・・大切な娘を守るための力だと」
ぐいっと女性を引き寄せ
「今、知った!!」
全力で殴り飛ばす
その拳は女性が咄嗟に張ったシールドごと殴り飛ばし
壁に激突させ、放射線状のひびを入れて、気絶する
「へっ・・・・ざまあ・・・・み・・・や・・・れ・・・」バタン
「エリカさん・・・・エリカさん!!しっかり!!別の場所にいどうしないと」
みほは倒れたエリカをかついで、その場を後にする・・・・
922: ナハト :2017/03/06(月) 19:54:41
終わり
結果的に逸見エリカの誕生日にss投下したのですが、偶然です。
そして、狂犬らしく出来たかな?と思います
最終更新:2017年03月13日 10:31