387: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:40:24
大陸SEED支援ネタ プラント争乱後の南アフリカの風景






砂塵が激しく舞う中、巨人が砂漠を疾駆していく。
それは「SAfMS-09 ドム」。大洋連合から南アフリカ統一機構へと払い下げられた重MSだ。
カラーリングは茶色と薄い黄色がメインとなったデザートパターンで全身を染め抜いており、南アフリカ統一機構の所属と細かな所属を示すペイントが、その肩と胸部装甲に施されている。
彼らは、1小隊4機はその快足を飛ばし、時速200kmで距離をむさぼる。

標的となるのは、ザフトが建設した秘匿基地だ。一度放棄されたそれを、ザフト残党が復旧させ、立てこもっているらしい。
そのまま大人しくしているかと思いきや、近くの町や村を襲撃することで日々の糧食や物資を確保しているらしい。
その被害は徐々に大きくなり始め、MSの保有数も多く地方隊では対処しきれないと判断された。
だからこそ、ドムを擁する部隊が増援として派遣されたのだ。
すでに降伏勧告などは出されているが、その返答は「徹底抗戦」。
「ナチュラルに降伏などしない」とまで言い切り、こちらの呼びかけを一切拒否した。
それを受けて、掃討命令が下されている。捕縛ではない、全滅させるのだ。

敵の警戒線を突破して既に5分余り。
インターセプトが航空機であれMSであれ出てこないのは、こちらに気がついていないというわけではないだろう。
しかし、発見したのがドムという事実は、おそらくザフトに衝撃だったはずだ。何しろ、アフリカ反抗作戦においてその勝利の原動力となったのはこのMS ドムなのだ。「スカート付き」「十字目」などと呼ばれたドムは、地上最強と言われたバクゥを蹴散らし、ザフトに深刻なトラウマを与えた。迂闊に機動戦に付き合うより、待ち受けて迎撃するというのは間違っていない判断だ。

小隊長は、その時の反抗作戦にドムで参加していたからこそ、それをよく理解している。
随分と懐かしいが、今は仕事に集中だ。

『ケルン!観測情報は送ってあるな!?』

ドム4機で構成されるスティンガー小隊はその内1機が後方へと観測情報を送っている。
そのバックパックに、それ専用の装備を背負っているのだ。設置式のリコンユニットによる短距離通信によって、NJ影響下でもある程度の信頼性を持って情報伝達できるようになっている。

『はい!砲撃が開始されたと先程通信が!……うぉ!?』

そのドムの肩に弾丸が突き刺さった。
その勢いは、一瞬ドムの姿勢を崩したほどだった。しかし、コクピット内部のケルン准尉は即座に姿勢を整えさせる。
それは訓練の賜物であり、優秀なOSに由来する迅速な処理のおかげであり、そしてガンダリウム合金によるコーティングのおかげであった。
前方を見れば、敵陣から砲撃が飛んでき始めた。どうやら敵の射程内に入ったようだ。

『大丈夫か!?』

『問題ありません!このまま前進します!』

言いながら、ケルン准尉は乗機のドムのジャイアントバズーカをトリガー。
380mmの弾頭が、こちらを銃撃していた銃座の一つをあっけなく吹き飛ばす。
距離が迫ったせいなのか、徐々に短射程だが威力が高い砲撃が混じり始めた。
ランダム回避をとるドムでも、流石にまずいものがある。至近弾でも信管と炸薬の炸裂の影響は大きい。
おそらくはザウートの砲撃だろうと小隊長はあたりを付ける。流石に油断はできない。

『砲兵隊より入電、砲撃が開始されたとのこと!着弾までカウントを開始します!15…14…13…12…』

『ケビン!トード!前に出ろ!』

『了解!』

『シールド展開します……!』

小隊長に促され、二機のドムが、ノーマルのドムとは少し違うドムが前に出る。
ドム・ヌクバ。大洋連合ではペズン・ドワッジとも呼ばれていたドムのバリエーションである。
南アフリカ統一機構独自の改良が加わったそれは、大型のシールドを前面に構えて、飛んでくる弾丸を受け止める。
先程ケルン准尉のドムを撃った砲撃、おそらくレールガンであるが、それもそのシールドを穿つ。
しかし、簡単には通さない。300mmの複合装甲は簡単には抜けないと自信を持っている。
これをぶち抜けるとすれば大出力のビームライフルくらいだろうが、そんな兵装を用意できるほどザフト残党は余裕はない。
第一、対ビームコーティングも何重にも施しているのだから、ビーム兵器において後進と言えたザフトには酷な相手だ。

突破を試みるドムに火器が集中する。しかし、ドムはひるまない。
その装甲とシールドを信じるが故だ。その速度で以てすれば、被弾する時間はごくごく短く済む。
ひたすらに、ドム4機は走る。自らの使命を果たすべく。

388: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:41:12

『弾着後に速やかに敵基地に突入する!油断するなよ!』

『了解!』

徐々に敵陣にMSの姿が現れ始めた。
どうやら、それなりの規模のMSを揃えているようだ。
やはりザフトが主体だ。ジンやザフトのPSがわらわらと湧いてきた。
陣地に引きこもっていればいいものを、と小隊長は半ばあきれる。
MS戦になれば勝てると思ったのだろうか?プラント争乱後に着実なアップデートを重ねたこのドムと、終戦時のままに何とか維持されていたジンがぶつかって勝てると、本気で思っているのだろうか?
まあ、陣地で待ち受けるというのが間違っているわけではないことは、改めて言うが間違っていないのだが。
いずれにせよ、捕捉され、逃げ出す前に攻撃を受けた時点でこいつらの運命は決まっているも同然なのだ。

(ならば、受けて立つまでだ!)

コクピット内に、部下のカウントダウンが響く。
ちらりと再度モニターを見れば、カウントは既に5秒を切っている。そろそろ、着弾だ。

『対ショック防御!来るぞ!』

その声を回線に乗せ、小隊長はぐっと身構える。

『3…2…1…弾ちゃーく…今ッ!』

瞬間、前方の大地が花咲いた。
大地が激しく振動し、膨大な量の炸裂と破壊が生じ、大地が耕される。
こちらから見た後方、ガンタンク・キリムとガンタンクから構成される自走砲部隊の支援砲撃だ。
敢えてドム部隊が前面に出て攻撃を受けたのは、敵の意識を引きつけるためだ。
これは、相手がザフト残党と分かっての行動だ。冷静に考えれば馬鹿正直に敵が突っ込んでくる時点で怪しすぎるのだが、目先の武功、つまり敵MSの撃破にこだわってくる傾向があるザフトが相手と予想されたために、このような方策をとった。
どうやらそれはうまくいったらしい。

(ブリーフィングは少々悲観し過ぎていたか…?)

ここまでとんとん拍子で進むと、逆に罠があるのではと勘ぐってしまう。
いくらザフトでもここまで容易く相手ができるわけではないと、智将アンドリュー・バルトフェルドの策や手強さを体験しているからなのか。
しかし、抵抗が薄い、というかお粗末なのは事実だ。これが高度に張り巡らせた罠という可能性もあるが、残当にそこまで余力があるか?と思い、その可能性を頭の中から棄却する。抵抗が少ないならば、そのように振る舞うまで。迅速に指示を飛ばした。

『正面 衝撃弾(ソニッカー)!3発!ナウ!』

指示を受け、腕部に3連装多目的ランチャーポッドを装備したドム2機が、特殊な弾丸を放つ。
衝撃弾。炸裂と同時に熱と爆炎ではなく衝撃をあたりにまき散らし、煙を払う。
煙の中に紛れてこちらを迎え討とうとしていたジン---恐らく砂漠戦に特化したジン・オーカー--が丸裸で現れた。
そこには、明らかな動揺がある。不明瞭な視界をいきなりあらわにされたのだ、当然ともいえる。

『もらった!』

すかさず、小隊長機のドムのジャイアントバズーカがそのジン・オーカーを吹っ飛ばす。
380mmの弾頭の炸裂を受けたジンは、前半分をあっけなく崩しながら倒れこんでいく。
白いカラーリングということは部隊を率いる隊長なのだろうか?しかし、それを斟酌してやる理由はない。
敵は見つけ次第潰すのが鉄則。情けや同情など不要なのだ。

小隊長機のドムは、そのままジャイアントバズーカを連続でトリガー。
その3連射は、直撃をとれないものの、威圧となって他のジンの動きを抑制する。
ついでに、その衝撃と威力で歩兵や基地内の兵器を吹き飛ばしていく。

『かき乱せ!各員、兵装使用自由(ウェポンズフリー)!150セコンドで離脱!』

ジャイアントバズーカをリアスカートに預け、取り回しの良いS-ARM120mmカービンとヒートアックスあるいはヒートソードに切り替える。
ここからは連携というより各個人の掃討に任せる方が効率的だ。相手の基地とはいえ、正面からジンに後れを取ることは少ないとの判断もある。

389: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:42:35
『そらぁ!』

小隊長のドムがつきだしたヒートソードの一撃が、ジンを構えていたシールドごと貫いた。
回避が間に合わないと咄嗟に割り込ませたのは良い反応だったが、相手が悪すぎる。
そのままヒートソードで串刺しにしたまま、兵器が収められていると思われる倉庫までジンを押し、そして、吹き飛ばす。
派手な破砕音が響き、倉庫をジンの巨躯が押し潰し、内部をあらわにしていく。

(やはりか)

案の定、様々な兵器が収められている。破損したものが多いことから考えれば、戦場跡から拾い集めた物だろうか。
それを修復するか、あるいは中から使える部品を選び抜いて、兵器として転用しているのだろう。
よく精査すれば軍用品だけでなく、明らかな民生品も含まれているのが分かる。匪賊同然の生活をしていたのは間違いないようだ。

『これで終わりだ』

ジンにカービンを向け、呟く。
そう、これで終わり。他者から奪い続けるという非道も、南アフリカ統一機構への、ひいては連合への抵抗もこれで終わりだ。
トリガー。120mmの銃弾が外れることなく命中していく。ジンはあっけなく形を失い、モノアイから光が消える。
コクピットも銃弾が突き刺さった。もう生きてはいないだろう。打ち込んだ弾丸が炸裂し、そこにあったMSを今度こそ破壊しきる。
そして、次の得物を求めて動き出した。

対するザフト側は、明らかに精彩を欠いていた。
真っ先に指揮官が撃破され、指揮継承がグダグダのままに終わったのだ。
もとより、このアフリカで連合への抵抗を続ける中で生じていた部隊内の不和があったことで、混乱に陥った。
敵への対処ではなく、味方との言い争いに発展している兵士までいる。それは、南アフリカ統一機構軍にも見えていた。

『おいおい……こんな程度かよ…?』

『事前偵察の想定以下なんじゃないか…?」

流れてくる部下の通信に小隊長は確かに、と一人頷く。
確かにこちらが奇襲を仕掛け、砲撃を浴びせるなどしたとはいえ、もっと抵抗を受けると思っていた。
MSにしても、こちらの保有するデータ以上のMSは出てこなかった。それだけ斥候や偵察が優秀だったと喜ぶべきか、
それともこの程度の戦力で抵抗を許していた自分達を攻めるべきなのか。複雑な思いだ。ともあれ、やることに変わりはない。

『どうやら警戒すべき戦力は無いようだ。しかし、油断はするなよ!あと30セコンドで離脱だ!』

『了解!』

『ラジャー!』

『敵PSを確認!各員注意を!』

そう通信が入り、足元を見る。なるほど、PSと歩兵が展開してきている。
頭部に外付けされた40mm機銃があっけなくそれらを蹴散らし、分厚いドムの装甲が決死の攻撃を難なく受け止める。
そもそもドムの移動だけでも歩兵レベルの戦闘ユニットにとっては致命傷となるのだ。文字通り一蹴されてしまう。
MSサイズの機銃の掃射を浴びれば、PSなどあっけないものだ。もっと姿を隠すか、あるいは不意打ちするなりすればいいだろうに。

『なんで出てきた…!』

そう憤りながら、120mmカービンで消し飛ばした。
地面が抉れ、PSや歩兵だったものが飛び散る。
これもある意味戦争。しかし、彼らにとっては戦争なのだろうが、こちらにとっては単なる残敵掃討の、悪く言えば作業だ。
そんな自己満足のために戦争をするとは、何処まで個人主義、いや、独りよがりなのか。既にプラントは降伏しているというのに。
その理由はなんとなくわかる。

(復讐か。そこまで俺たちが憎いのかよ)

彼らは、戦後に恐らく多くの事実を知った。
敗戦し、これまで知らなかったことを多くを知り、自分たちがどのようなふるまいを行ったのかを理解した。
知ってしまったが故に、その憤りや怒りは行き場を失った。ナチュラルに負けることが気に食わない感情にも火がついた。
だから、ここまで抵抗する。その復讐心は、自らをも焼き尽くし、このアフリカに残り続けている。
それを断ち切るためには、一体どれほどかかるのか。それは、全く想像できない。
その前にザフトが文字通り消えることは確かなのだろうが。

390: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:44:30
そして、150秒という短くも長い殺戮の時間はあっとう言う間に過ぎる。
好きなように蹂躙したドム達は、防御の硬いドム・ヌクバをしんがりとして基地から撤収を開始した。
既にザフト残当の戦力は、多くが力で押し潰され、身動きが出来ない状況に追い込まれている。
内部に置かれていた多くの火砲、MSの火器を流用したと思われる砲台は粗方掃討されている。
しかし、ザフトの兵士は諦めない。彼らを動かすのは、仲間を殺した軍人への、ナチュラルへの憎悪と報復心。

指揮官が真っ先に撃破されたことで事実上指揮系統が崩壊したザフトは止める物も存在せず、陣地の外へ飛び出す。
ドムを、時速200kmという快足に追いつけないとわかっても、心理はそれを追いかける。

「逃がすなぁ!」

「追いかけろ、絶対逃がすな!」

「殺してやる!殺してやるぞ!」

ジープや徒歩で、彼らは追撃を仕掛ける。あるいは無事だったMSがそのまま基地から飛び出してくる。
しかし、彼らはあまりにも迂闊過ぎた。
状況をころころと替えられたことで失念していたのだ。
特に、拠点の外への攻撃オプションが破壊され、さらに意識が前衛のドムのみに注がれてしまい、近くまで大火力を運搬するMSが前進できてしまったことを、すっかり忘れてしまった。

『ベアリーダーよりスティンガー小隊へ。これより飽和攻撃を開始する』

『スティンガーリーダー了解!間もなく離脱を完了する!吹っ飛ばしてやれ!』

ドム4機の前衛、スティンガー小隊の後続として、ドム・キャノン--南アフリカ統一機構ではドム・グローツラング--が展開していたのだ。
2連装のロケット弾ポッドと背中に180mmキャノン砲を搭載したそれは、脚部にあるアンカーと安定板を展開し、しっかりと砲撃姿勢をとっていた。
スティンガー小隊が突入して敵の重砲を潰し、目を引きつけたからこそ、安全かつ迅速に展開できた。
ならば、あとはなすべきをなすだけだ。

『各機、全砲門開け!砲撃開始!』

ベアリーダーの合図の元、4機のドムがその砲門を開き、一瞬の空白の後に、解き放った。
そして、それに上書きするようにガンタンク部隊の砲撃も飛来する。
悲鳴も人間も兵器も、何もかもが、砲撃の嵐に飲み込まれた。
その砲撃が完了した後、ザフトの基地は、文字通り動くものは皆無となった。

その日、アフリカに存在したザフトの基地は今度こそ消滅した。
この作戦による被害は、死者行方不明者多数 負傷者数十名 20機近いMSの喪失。
さらに重要であった基地機能…特に生活設備が破壊されたことが致命的に近い影響を与えた。
そのほかの施設にも徹底した破壊が行われたことで、ザフト残党はその勢力をさらに削られていくこととなる。
それは、人の心臓の形によく似た、ある種の泥沼でもあった。抜け出せず、重力に縛られたザフトは、ひたすらに自分たちの死に向かって進むしかなかった。

391: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:45:09
        • 南アフリカ統一機構 とある基地



「ふぅ……」

小隊長は帰投後の報告書を作成しがらも、すっかりぬるくなったコーヒーを飲む。
帰投してから既に4時間余り。休憩もとり、MSを整備班に預け終え、あとはこのデスクワークのみだ。
ドムのバリエーションの研究が進められている南アフリカ統一機構では、積極的に新型を投入することで技術の蓄積を重ねている。
今書いている報告書も、実際に運用しての現場の意見ということで上層部や開発部に回されることになっている。

「やはり、ドムは強い……」

改めてそう思う。その速力だけでも戦術的優位性はあるというのに、その拡張性は信じられないほど高いのだ。
そして、ドム・ヌクバはその速度に突破力という要素を付け加えた高性能機であり、ドム・グローツラングは砲撃力を加えた支援機である。
ちょっとひと手間加えるだけで、その用途がいきなり拡大したのだ。

コクピット回りが、操縦系やOSが優れていることもこの拡張性の高さを担保している。
そういった外付けの武装を取り付けることも想定しているために、システム面のアップデートも、そしてシステムを扱う人間の教育や訓練を最低限に抑えているのだ。

(げに恐ろしきは大洋連合の保有する技術か……)

プラント争乱時から、その認識は一度たりとも揺らいだことはない。
MS先進国と言えば、大洋連合なのだ。幸運なことに南アフリカ統一機構はユーラシアと並んで大洋連合の恩恵を受けている。
途轍もない幸運だ。ゴブリンに始まり、ガンタンク、ザクⅡ、ドムなどのMSが配備されているのもそのおかげだ。

(とはいえ、何時までも甘えていてはいかんな)

こちらは陸上国家で、あちらはどっちかと言えば海洋国家だ。
1から10まで鵜呑みにするわけにもいかないし、自分で努力しなければあちらにも呆れられてしまうだろう。
だからこそ、自助努力を重ねるべきだと思う。それは、大洋連合やユーラシアと轡を並べて戦ったからこそ、より強く思う。

「まずは、やるべきことをやらないとな」

そう呟く小隊長は、今日も遅くまで報告書の作成に精を出す。
全ては、将来の、この南アフリカ統一機構の発展のために。コツコツとやれば、いずれは報われるのだ。
そう、千里の道も一歩より、と言ったか。遥か先の先達に追いつけるように努力しなくてはいけない。
この日も、小隊長の個室は遅くまで明かりがともり続けていた。


        • これは、南アフリカのある日の出来事。国のために働く愛国者の、ある日の記録。

392: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:46:07
〇登場MS紹介


ガンタンク・キリム
形式番号:SAfMA-02K
全高:15.6m(装備により可変)
本体重量:56.0t
全備重量:83.0t(装備により可変)
装甲材質:超硬スチール チタンセラミック(部分的にガンダリウム合金α)
動力源:大洋連合製核融合炉/高性能バッテリー 
核融合炉出力:1050kw(ビームキャノン搭載モデルは1150kW)
搭乗員:2名乃至3名(火器管制兼通信管制+車長兼操縦士 若しくは 火器管制+操縦士+通信管制兼車長)
武装:
120mm低反動キャノン砲改×2/大型ビームキャノン×2/4連装120mm対空機関砲×2
腕部4連装120mm機関砲/S-ARM 160mmショットガン(腕部内蔵型)
12.7mm対人機銃×4
Sマイン
オプション:
大型対空レーダー
追加センサーポッド

概要:
南アフリカ統一機構が大洋連合から輸入していたガンタンクを独自に改良したバリエーション。
武装では新規にビームキャノンと120mmマシンガン統合兵装システムから派生した対空機関砲を採用し、肩部の120mm低反動キャノン砲のスペースへの換装によって搭載できるようになった。
システム及び機体面では、内装の近代化およびFCSの更新、大戦時の戦訓から対人機銃とSマインの追加、さらに無限軌道へのシェルツェンの追加による防御性の改善、主砲の弾倉の大型化と作業用MSによる補給可能な機構の組み込みなど、細々としたアップデートが行われた。特にFCSに関しては対空への意識を強めており、進化している可変飛行TMAや航空機に対する戦闘能力が向上した。
外見からは7つのセンサーがまるで目のように見えることから、ニャンガ族に伝わる伝承上の動物「キリム」から名前をとった。


ドム・グローツラング
型式番号:SAfMS-09C1
頭頂高:18.8m
本体重量:62.6t
全備重量:92.8t
装甲材質:超硬スチール合金もしくはチタンセラミック(部分的にガンダリウム合金α)
出力 1330kW
武装:
180mmキャノン砲×1(単装型と2連装型が存在)/長砲身120mm低反動キャノン砲×1
S-ARM 120mmマシンガン
S-ARM 40mmバルカンポッドシステム×1
S-ARM 3連装多目的ランチャーポッド
スモークディスチャージャー
Sマイン
他オプション多数

概要:
大洋連合から輸入乃至払い下げが行われたドムの中遠距離支援用バリエーション。
元々ドムのバリエーションのドム・キャノンが大洋連合で試作されており、戦時中にもそれを輸入し少数配備されていた。
本機はそのドム・キャノンを南アフリカ統一機構が国産化したものである。

武装は国産化あるいはガンタンクなどと共通化されており、主にS-ARMの製造した火器へと置換されている。
主兵装となる180mmキャノン砲は120mm低反動キャノン砲と比較して短い砲身を採用しているため、射程はガンタンクのそれに劣っているが、ドムの機動力でカバーできると判断されている。
ガンタンクと同じ折り畳み式の長砲身の低反動120mmキャノン砲への換装も可能。
そのほか、ドムやザクなどの武装も一通り使用可能で、実弾系で手堅くまとめられたそれは南アフリカらしさを象徴している。

素のドムと比較すると頭部にセンサーと補助カメラの追加され、バックパックには通信能力強化のためにアンテナが増設された。
また脚部には折り畳み式アンカーとプレートがあり、接地面積を増加させて砲撃時の安定性を増加させる役目を負っている。
装甲材に関しては若干ばらつきがあり、輸出型をベースとしたものはチタン合金セラミック複合材の割合が多く、
ライセンス生産品は国内の技術に合わせて超硬スチールの割合が多くなっている。とはいえ、パーツの交換や補修によって装甲材はガンダリウム合金かチタン合金セラミック複合材へと統一されていき、性能のばらつきは均質化された。

ドムの速力で迅速な陣地転換を行いつつ、前線へと的確な砲撃支援を行うというコンセプトを順当に継承しており、
必要な場所に迅速に駆けつけて高い支援能力を発揮するMSとして親しまれた。
名前はアフリカ南部 オレンジ川の付近に生息するとされる精霊の蛇「グローツラング」に由来。

393: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:46:49

ドム・ヌクバ
型式番号:SAfMS-09A1
全高:18.9m
本体重量:67.4t
全備重量:79.7t
装甲材:ガンダリウム合金α チタンセラミック
動力源:大洋連合製核融合炉 大型容量バッテリー
出力:1400kW
武装:
S-ARM 40mmバルカンポッドシステム×1
胸部グレネードランチャー
ヒートサーベル/ヒートランサー/ビームアックス
ジャイアントバズーカ/ビームバズーカ
スモークディスチャージャー
S-ARM 120mmマシンガン/S-ARM 120mmカービン
Sマイン

オプション:
大型対ビームシールド(40mmバルカン×2)
ハンドグレネード

概要:
南アフリカ統一機構において技術蓄積を十分に行ったうえで開発されたドムのバリエーション。
原作でいうところのペズン・ドワッジに該当する、エースやベテラン向けのMSである。
開発においては大洋連合からペズン・ドワッジに該当するMSを輸入して研究を行っており、その影響が各所に見られる。

高い突破力と速力で、敵陣を強行突破あるいは敵陣後方や側面に速やかに展開する目的で開発されているのが特徴。
そのために全体的な装甲の増設による耐久性の向上とホバーシステムのバージョンアップを行った。
ドム系でもガンダリウム合金αの割合を増やしているのが特徴であり、生半可な射撃武器では貫通することが困難である。
それに加えて、高い耐久性を持つガンダリウム合金αを主要材料とする対ビームシールドをオプションとしている。
これが元々高い耐久性をさらに向上させ、シュツルム・ファウストや予備弾倉などを懸架することで火力の向上も見込める。
鈍重に見える機体も各所に追加されたスラスターによって機動性が補われ、概ね隙の無い仕上がりになっている。

武装は南アフリカ統一機構のMSの一般的な武装がそのまま流用できる。
また、一部には高出力高収束のビームバズーカが採用されており、燃費こそ悪いが高い火力を実現できる。

しかし、純度の高いガンダリウム合金の採用や複雑化した機構は高コスト化を招いており、より構造の単純で素のスペックの高いドムトローペンが輸出されてきてからは徐々に地位を譲った。
名称はアフリカの伝承に登場する雷の精霊「ヌクバ」に由来する。



S-ARM 40mmバルカンポッドシステム
概要:
S-ARMがMS向けに開発した近接防御機関砲を内蔵した外付けポッド。
ベースとなったのはユーラシアから輸入された40mmイーゲルシュテルン改である。
原作においてガンダムMk-2に搭載されたガンポッドに形状がよく似ており、その構成(右にセンサー系、左に砲口)も同じである。
スペースがあり、FCSとのマッチングが出来れば多くのMSに搭載ができ、固定火器が少ないザクやドムに装備されることが多かった。
丸ごと取り換えが可能で単純な構造であるために整備性は非常に高く、手ごろな近接防御を担う火器として使われた。

S-ARM 3連装多目的ランチャーポッド
概要:
S-ARMがMSの汎用武装として開発した多目的ランチャー。外見はデザートザクのミサイルポッドに近い。
非常にコンパクト且つ単純な構造でコストもかなり安い。発射できる砲弾も極めて多い。
総弾数は多いとは言えないが、手軽に火力を補えるというのは現場での好評を得た。

S-ARM 2連装ロケット弾ポッド
概要:
通称「ビックガン」「スカートフレンド」。大洋連合から輸入したビックガンの国産化バージョン。
腰部に外付けするロケット弾ポッドで、中距離での手軽な火力源とみなされている。
逆手に持つグリップが設けられており、これを手で保持することでグリップセーフティーが解除され、使用可能となる仕組み。
腕の破損に備えて安全装置をマニュアルで解除することもできる。

394: 弥次郎 :2017/03/25(土) 16:48:18
以上。wiki転載はご自由に。
リハビリというか、そんな感じに書いてみました。

今回の話は、ある種のパラレルのつもりでかきました。
ナイ神父Mk-2氏にこちらからあまり設定を押し付けすぎるのも悪いと思いましたので。
都合が悪ければ無視してもらっちゃって構いません。

最近、南アフリカの担当となりつつある気がします。
まあ、これもある種の棲み分けですからね。

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最終更新:2024年03月05日 21:08