影響を受ける人:バージョン 亡国ルート
<提督の憂鬱×
コードギアス 亡国の反撃 File-002>
――ルルーシュ視点――
俺の名前はルルーシュ。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。
もっとも、“ヴィ・ブリタニア”なんてもう名乗りたくないがな。
現在は偽名で“ルルーシュ・ランペルージ”を名乗っている。妹のナナリーもランペルージ性を名乗っている。
何故偽名を名乗っているかと言えば。早い話、ブリタニアの目を欺くためだな。
一応ブリタニア人として行動しているが、心情的には日本人よりだ。
それもこれも嶋田繁太郎氏・・・いや。父さんの御蔭だろう。
父さんか・・・
何時の頃からか、俺とナナリーは嶋田氏を“父”と呼ぶようになった。
最初は驚かれたが、俺達にとって父親とは彼しかいない。
ブリタニアにいた時はこんな考えなんて持たなかったが、アレは皇帝としての父親は正しくても、肉親の父親としては失格だ。
ナナリーも最近「ロールケーキがどうしました?」と言っているし・・・なんであの子はここまで黒い笑顔をするようになったんだ?
ま、まあそれはいい!
一年間日本で過ごし、今は中華連邦で過ごしている。
主だって動いてはいないが、将来はアシュフォード家を通じてブリタニアの情報を仕入れるつもりだ。
昔は「ブリタニアを破壊する!」などと言っていたが・・・破壊すると世界も破滅する事がわかってきた。
まずブリタニアの支配する土地が広すぎる事。
下手に開放すると、周辺国家に飲み込まれて同じ状態に戻る事がわかってしまった。
衛星国に成り下がってしまった国家の基盤が脆弱で、今だに抵抗を続けている地域の衆自立なんか調べてみると目を覆ってしまう。
昔は民に文字など教えずに支配する方が楽だったと言うが、まさにそれだな。
次にEUの腐敗が進み過ぎてガタガタだという事だな。
実際日本が負けた際には、私財を全てタダ同然を徴収しようとしたらしい。
しかし父の仲間達が売却する代わりに、日本人の国外退去・・・中華連邦方面の移動を認可させた。
これにより日本人の保護が容易になり、亡命政府も人員確保のめどが立つ。
次に中華連邦だが・・・大宦官等が問題だ。
此奴らはまさに腐った貴族ともいうべき存在で、お飾り天子無視してやりたい放題している。
しかし全員味方と言うわけではなく、時には対立しているらしい。
もっとも、同じ的には結託するというのだから始末が悪い。
一応澤崎敦氏が高亥との交渉を任されていて、なんとかやりくりしているという。
高亥自身は他の宦官同様に腐っていて性根が曲がっている。
しかし評価すべきことに、“贅沢をするためなら努力と労力を惜しまない”と言う人物だともわかっている。
この辺を把握し続けていれば何とかなるだろう。
後は地下組織との交渉だが・・・中華の人民は基本的に日本人を下に見ているからな。
どこまで出来るかわからん。
速くブリタニアルートのチャンネル構築を急がなくてはならないが・・・
まだもう少し勉強をする必要性があるようだ。
そう言えば、そろそろカレンに手紙が届くころか。
―カレン視点―
ルルーシュ達三人と知り合ったのは、近所の駄菓子屋だった。
まさか男子に間違われるなんて初めてだったので良く覚えている。その後打っ飛ばしたことも。
だけどその後も何かと付き合うようになり、いつの間にか仲良くなっていた。
三人とも、私がハーフだとは気が付いても何も言わなかったので、思い切って尋ねてみたら・・・
「何を言っているんだ。カレンはカレンだろ?」
「そうですよ。貴方は御友達の紅月カレンさんです。」
「そうそう。バカレンだk「ふんぬ!」げふぅ!」
嬉しかった。
ただ単純に嬉しかった。
学校だと良く髪の色で弄られ続けるのが日常で、反撃していたのも日常だ。
何も言わないのはお兄ちゃんだけ。そう思っていただけに嬉しかった。
その後、嶋田さん家とも交流が進み、家族ぐるみのお付き合いが始まった。
お兄ちゃんが嶋田さんの人柄に惚れて、軍政関連の勉強を開始するとは思わなかったけど。
楽しくて、思い出がたくさんできた時期だった。
ルルーシュたちは学校にこれ無かったけど、同級生よりも頭が良くて、よく宿題を手伝ってもらったけ。
だから勉強に関しては頭が上がらない。
お母さんが「ルルーシュ君て、優良物件だと思うけど?」なんて言った時には御茶を拭きだして死にかけた。
お母さんぇ・・・
だけどそんな楽しい世界は、唐突に終わりを告げた。
ブリタニアが攻め込んできたのだ。私達は逃げ惑い、ルルーシュ達の事を気にも留めずに逃げ回った。
ふと我に帰って二人の心配をしたけど、どうにもならなかった。
結局私は・・・ルルーシュ達に別れを言う事すらできなかった。
終戦後、私達はブリタニアにいる私の父親・・・私達を捨てたアイツを頼る事になった。
生活のために働かないといけないけど以前の仕事はもうないし、職場を見つける事も大変だ。
アイツの隣には、ブリタニアで結婚したと思われる女性がいたがあえて無視。
あっちも無視してきたし問題はいないでしょ。
ただ二人の間には子供がおらず、自分が養子に入る事でお母さんを雇うことになった。
お兄ちゃんは・・・レジスタンス活動をすると言って居なくなった。
その後は・・・もうギスギスした家庭にイラついた。
アイツは何も言わないし、怯えるように私を見るだけ。
連れに関してはずっと無視。お母さんを苛めるそぶりが無いのが救いか。
お母さんもなんだか私の顔を窺うようになってしまった。
ちがう、私が欲しいのはそんな顔じゃない。
もう以前の様に戻れないとわかっても、私は・・・
イラついていた私はお母さんに当たる様になってしまった。
お母さんは悪くないのに・・・
そんな時にお兄ちゃんがコッソリ帰ってきた。手紙をもって。
「お兄ちゃん!?」「ナオト?!」
「久しぶり、二人とも。」
「どこにいていたの!」
「ちょっと騒がないで、見回りの人が来ちゃうから。」
「う、うん・・・」
「ナオト・・・」
「母さん言いたい事はわかる。でも、いまレジスタンスを抜けるわけにはいかないんだ。」
「お兄ちゃん、私もレジスタンスに・・・」
「だめだ。お前はそのままでいてくれ。母さんを安心させるんだ。」
「え? で、でも・・・」
私は迷った。母さんとの関係が壊れかけていること言うべきかどうかを。
でもお兄ちゃんは笑って、昔みたいに頭を撫でてくれた。
「ルルーシュ君にも言われたろ。おまえはおまえだ。誰が父親でも、お前は俺の妹、紅月カレンだ。
そして母さんの娘、紅月カレンでもあるんだぞ?
お前は短気な所があるから、すぐに怒鳴らないで根気よく母さんと話すんだ。
母さん口下手だし、引っ込み思案なとこが有るからな。」
「うん・・・」
「泣くな。お前は強い子だ。そうだろ、母さん。」
「そうね。強すぎて、全部抱え込んでいないか心配で・・・」
「そんな、ことない・・・」
私は久しぶり泣いた。家族と一緒に、昔の様に。
ひとしきり泣いたあと、お兄ちゃんがやっている事を聞いて驚いた。
ゲットーの中で、学校を開設しているというのだから。
「これは辻さんからの受け売りなんだけど、習字率が低下していると国家的に不味いんだそうだ。
あとは文化面でも継承しなきゃいけないモノがある。
戦うだけが抵抗じゃないのさ。」
「で、でも。どうやって日本を取り返すの?」
「・・・今のままじゃ取り返すことは出来ない。
詳しい事は聞いていないけど、ブリタニアが作ったKMFに対抗できる兵器を作るべく努力しているって聞いている。
あとはバラバラに行動するんじゃなくて、一斉に行動するための連絡網構築が急務だって言っていたな。
ワザとブリタニアに協力して、情報・金銭・物資なんかを引き出している人たちもいるって聞いてるよ。」
「う、う~ん。」
いっぺんに難しい事を言われて頭が混乱するよ。
そんな私を見て二人が笑ったので、頬を膨らませて抗議する。
「ははははは。二人の顔も見れたし、自分は戻るよ。」
「ナオト、気を付けてね。」
「お兄ちゃん、頑張ってね。」
「ああ。がばるよ・・・ っと、帰る前にカレン。ルルーシュ君から手紙だ。」
「えっ!」
「もし返信を書くなら、再来週のこの時間にまた来る予定だから。」
「わ、わかった!」
お兄ちゃんはそのままレジスタンスの拠点に戻っていった。
本当ならこのままこの家にいて欲しかったけど、それは無理だとわかってもいた。
後ろ姿を見送った後、私はすぐに手紙を読んでまた泣いた。
二人は、嶋田さん達は無事に脱出したという事。
ナナリーちゃんも、リハビリを必死に頑張っている事。
一繁が勉強を頑張っていて、眩暈がするという事。
ルルーシュが将来、書類地獄になりそうだと嘆いている事。
嶋田さんをお父さんと呼んだら慌てていた事など、沢山書いてあった。
そして最後に嶋田繁太郎さんから、奥さんからの手紙が入っていた。
二人の気遣いが嬉しくて、この日は何度も泣いた。
私はこの日からお母さんにつらく当たらなくした。
お母さんだって辛いんだ。その心を守れるのは私だけ。
そしてお母さんも私を守ってくれている。だからお互いに守りあうのだ。
レジスタンス活動は出来ないけれど、貴族子弟の話は聞ける。
割と子供の前では親は口が軽くなったり、油断するモノだ。
その情報を集めるだけでも有益だと、後にい東条英機おじさんから聞いている。
総合すれば、相手の動きを把握することだってできる。
地道だけど、結果につながる重要な仕事だ。
でも・・・ やっぱり体動かしたいな!!
演技しないで活発に動いているけど、騎士なんてがらじゃないし、お母さんを心配させるわけにもいかないし・・・
あ~あ・・・ ルルーシュに会いたいな~
以上です。
カレンはルルーシュに恋頃を抱くのでしょうかwww
最終更新:2017年04月02日 20:33