775: ham ◆sneo5SWWRw :2017/04/29(土) 21:43:05
ちょっとしたジョーク的なもので。
wikiに載せるかは、コテハンと名無しの皆様の好感次第。


ロンドン 扶桑軍ブリタニア派遣軍司令部

「・・・帰っちゃダメですか?」
「ダメ♡」
「いや、せんせ・・・少将の容姿だと、可愛く言うのは似合っていませんよ」
「悪い。自分で言って後悔している。だが、断るのはいけないのは事実だ」

派遣ウィッチ隊の司令室で、対面している北郷と坂本はそんな会話をしている。
彼女らを挟んで机の上にはいくつもの薄い本が積まれていた。
中身は読者諸兄らが考えているものではなく、男性の写真と経歴であった。
いわゆる御見合い写真である。
扶桑ではウィッチの義務として、ウィッチの血を残すべく婚活が奨励されている。
既に20歳が迫っている坂本も例外ではなく、彼女にも結婚相手の紹介が行われていた。
当人としては、普通に恋愛結婚したいと考えていたが、ミーナの主導でウィッチと男性の接触が禁じられている501では出会いなんてなく、なかなか相手が見つからない状態であった。
「副官としている土方は?」という考えもあったが、今まで上官と部下という関係が長かったため、いきなり恋愛対象として見るのは戸惑いもあったし、そう思うのは難しかった。
かつて扶桑海事変で目の前の北郷が悩んでいた苦労が今になって分かってきた。

「私は少将や竹井と違って平民出身なんですが・・・」
「そういうな。501に入った時点でこういうのは予測できたんじゃないのか?」
「その頃には相手が決まっているものだと・・・」
「見通しが甘いな。今度鍛えてやるか?」
「い、いや、今は余談が許されないので・・・・・あ、あの、この御見合い写真は間違いじゃないんでしょうか?」
「間違いではない。殿様も宮様もご期待のようだ」
「勘弁してください・・・(泣」

第501統合戦闘航空団の戦闘隊長として活躍してる坂本は扶桑でも大々的に喧伝されており、知名度は上位に常に位置していた。
そのため、皇族や華族からも関心を持たれていた。
なので、御見合い写真にはその方面からも来ていた。
北郷や竹井は名家の出身であるため耐性があるが、平民出身の坂本には全くなかった。
おまけに、自身の魔眼を抑える魔眼殺しの眼鏡の値段でトラウマになってから、そういうことが大の苦手であった。

「とにかく来年までに決めてもらうからな」

北郷はそう言った。
果たして坂本の相手は誰になるのか・・・。
それは誰にもわからない。

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最終更新:2017年06月19日 09:18