887: ナハト :2017/05/04(木) 15:51:00
ようやく導術士学校に入校出来た私であった。
本来なら魔力が発現していた時点で、入校出来ていた可能性はあった。
しかし・・・・
導術士学校は西洋の近代学校の概念を取り入れた新しい学校であったが
古くから、武闘巫女を育ててきた伝統ある神社がそのまま学校に格上げしたようなもので
この学校の卒業生の多くは大名家・天皇家などを守護する近衛など高い地位に就いた者が多かった。
それにより、自ずと求める人材のハードルが高くなり、逸見エリカが小学部に受験しようとした際には
その目標水準の高さに届かなくて、落ちたのであった。
では、その落ちた分だけの人材や戦力はどうするのか?
それは法術士学校が受け入れてくれたのである。
法術士学校はそれほど高い能力を求めておらず、誰でも入学可能となっていた。
また、学部も戦闘技術課があり、それによりウィッチの戦力を低下を防ぐことができた。
だが、これでは非効率であり、戦力は出来るだけ均一化した方がいいと言う意見が多く
統一しようという運気が高まり、道術士学校も渋々ながらも誰でも入学してもいいと条件を変えたのが
逸見エリカが小学部を卒業するほんの1年前の話であった。
この伝え聞いた話に、エリカは後十年早く改定しとけよ!!
と叫んだとか叫ばなかったとか。
―――閑話休題
逸見エリカは改めて道術士学校に入学した。
遠回りをしてきて、ようやく入ってこれた!とワクワクしていたら
目の前の新入生の中に特徴ある栗毛の女の子がコソコソと隠れていた
それを見た、エリカは頭を押さえて、声をかける
「ちょっと、そこのあんた」
「ギクッ。ナ・・・ナンデスカナー?ワタシハミホジャナイデース」
「わたしはみほの事を一言も言ってないんだけど」
「ひ・・・ひっかけをするなんてずるいよ!?」
目の前で涙目でブー垂れるのはここにいるはずがない西住みほであった
「はぁ・・・・それにしても、あんたなんでここにいるのよ?手紙では別の学校に行くとか書いてなかった?」
「えーと・・・・それは」
みほは手をモジモジしながらいう
「道術士学校が誰でも入校できるようになったから、入りなさいとお母さんから言われたの。
もしかしたら、ウィッチと触れ合うことでウィッチになれるかもしれないし」
「ふーん、それでもここはあなたが思っているほど、甘くないわよ。魔力発現できずに卒業した先輩もいるし」
「う・・・うん・・・それは覚悟してるよ。魔力が発現できなくてもしょうがないと思ってる
それよりも・・・わたしは・・・」
みほは笑顔で
「エリカさんと一緒に学校行きたかったの!私ずっと思ってたの
エリカさんとなら学校も楽しくなれそうだと!」
「はあ・・・そんな甘っちょろい理由で学校に来るなんて。呆れた」
エリカはあきれ顔に言うも、口元は楽しそうに笑う
「そうね、学校は楽しまなきゃ損だもんね。入学式に行くわよ!みほ!」
「はいっ!逝きましょう!」
こうして、軍神と狂犬は新たな一歩を踏み出したのであった・・・・
888: ナハト :2017/05/04(木) 15:53:16
終わり
次は学校生活を書いてみたい
最終更新:2017年06月19日 09:22