96: 弥次郎 :2017/07/10(月) 00:23:05
大陸SEED支援ネタ プラント争乱後の南アフリカの風景2




「あ゛ー……」

「社長、大丈夫ですか?」

「あ、ん?あ、ああ……節電しようかと思って設定温度高めにしていたんだが、やっぱりきついな」

「体を壊されては困りますよ。電気代よりも治療費の方が高くつくんですから」

「こりゃ手厳しい…」

「コーディネーターといえど、ここでは環境と戦わなくちゃなりません。
 過酷な環境とまず戦って、その余力を以て争うのがこの大陸ですから」

「だな。だからこそ、温室(プラント)育ちの俺達にはきつかったんだろうさ。
 で、何か報告があるんだろ?」

「はい、そろそろMSのオーバーホールが必要だと思います。
 前回の出撃時、ちょっとアクチュエーターの調子がおかしかったですし、フレームも洗浄と交換だけでは足りないかもしれないと」

「もうそんな時期かー……よし、ついでにS-ARMの方にも武器とか消耗品の補給申請しておくかな。準備を頼む」

「了解しました。あと、現場の方からは76mmの消耗が激しいと声が上がってますので、Bf社に発注した方がいいかもしれません」

「OK。そっちにも依頼を出しておくか。
 仲介業者には暫くMS関連の依頼は受け付けないように伝えておいてくれ。俺は必要な書類をまとめておく」

「はい。とりあえずこちらが現場からの要望書です。
 既に足の方は準備は終わっているので、いつでも出せますよ」

「助かる」

「いつものことですから」

「失礼しますよ、社長。次の定期予防接種の申請書類できたので社長のサインお願いしますー」

「おー。今回ので大体終わりか?」

「いえ、風土病対策の新しいやつが出来たらしいんで、政府の方からお達しが来てますよ。
 ただ準備が終わるまではまだ時間がかかるそうです」

「それなら、MSのオーバーホールの期間中にまとめて受けてしまうか。どうせ開店休業になるんだしな」

「オペレーターとか輸送部門の方は?」

「んー…そっちはそっちで別個に仕事を募集しといてくれ。
 流石に仕事が0になるのは勘弁してほしいもんだ。オーバーホールやら政府への届け出だってタダじゃないし」

「了解しましたー……はぁ、少しは休暇、増えませんかね?」

「あきらめろ、俺は諦めた」


    • 南アフリカ統一機構 某所 民間軍事企業「エレメント・ワイバーンズ」本社での会話

97: 弥次郎 :2017/07/10(月) 00:24:08
〇メカニック紹介

SAfMS-1017 鹵獲型ジン(南アフリカ仕様)/SAfMS-278 ジンⅡ
全高:19.2m
基本重量:63.1t
装甲材:超硬スチール
動力:バッテリー
武装:
S-ARM 40mmバルカンポッドシステム
Bf-GM89 76mmアサルトライフル
Bf-EM77 400mm無反動砲
ヒートホーク/バトルアックス/重斬刀
携行式シールド
他、ザク及びジンの武装などを使用可能

概要:
南アフリカ統一機構が鹵獲乃至破壊したジンを修復して製造したMS。
大洋連合の鹵獲型ジンとほぼ同じ経緯をたどって配備された。

プラント争乱後は暫くは南アフリカ統一機構の二線級戦力として鹵獲型が運用されていたが、ザクⅡおよびドムの全軍への配備が進み、順次民間軍事企業や傭兵へと提供されるようになった。
その中で、稼働時間の延長、整備性の向上、装甲材の更新などのマイナーチェンジと南アフリカの国産化を行ったものがジンⅡとなる。
どちらも装甲や駆動部のスマート化とナチュラル用OSへの置換、インターフェイスの更新、ブレードアンテナへの変更、ザクなどのMSとのパーツ共通化が行われた。頭部に関しても、ザクに近い形状を持っている。

軍事企業や傭兵に提供するものであるために、全体としての性能はザクⅡ以下ジン以上といったところで抑えられた。
具体的にはコネクターの撤去によるビーム兵器の搭載の制限、使用火器の限定、装甲材の指定、OSの調整などで実現している。
また、販売されたジンⅡについては定期的に軍と南アフリカ統一機構政府に状況の報告を行うことが課されている。
これによって、南アフリカ統一機構政府は領内のMSの動向をある程度ではあるが把握できるようになっており、領内の治安維持に大きく役立てられている。この内、武装制限については上限がある程度解放される事が検討されている。


〇Bf-GM89 76mmアサルトライフル
(ブロック・ファイフティーン-ガンマテリアル89)

発射方式:セミオート/フルオート
マガジン方式:ボックスマガジン
総弾数:30発/40発

南アフリカ統一機構内の軍事企業「ブロック・ファイフティーン」が開発したMS用アサルトライフル。
ジンの用いていたMMI-M8A3 76mm重突撃機銃をリバースエンジニアリングし、大幅な設計変更の上で開発された。
分かりやすく言えばブルパップ方式だったそれを通常のアサルトライフルのように構成を整え、マガジンを下部に移した。
折り畳み式のストックとキャリングハンドルを兼ねたコネクターの採用によって、MSでの携行性に優れている。

プラント争乱後、南アフリカ統一機構においては大洋連合からザクⅡを輸入して全軍への配備を急ぐとともに、それまでは一定程度存在していたジンなどの鹵獲MSを二線級あるいは民間軍事企業や紐付きの傭兵へと放出し始めた。
鹵獲品や接収品をそのまま利用していたのであるが、供給が追い付きにくくなったことや、鹵獲したジンを使うPMCからの要望もあって、S-ARMを構成していたブロック・ファイフティーン社がプラントから接収した開発資料を元に開発した。
ブルパップ方式を捨てたことで全長は長くなったが、リロードがしやすくなり、銃としてのバランスの良さが向上。
バレルの延長によって射程も延長され、命中精度も向上している。
何より、ジンでもフレームに余計な負荷をかけることなく使いこなせる銃は傭兵たちにとってもありがたいものだった。

威力に関してはオリジナルとの大差はない。使用銃弾も若干の規格の変更以外、オリジナルの76mm重突撃銃とほぼ同じである。
同じジンやその系列に対しての効果は望めるが、ガンダリウム合金αをバイタルパートなどに採用しているザクⅡや重装甲のドムは効果が低く、ハイザックやマラサイなどのMSに対しては関節部を狙っても効果が低い。これもまた南アフリカ統一機構からの要請に基づくもので、治安を維持する側の南アフリカ統一機構軍がアドバンテージをとれるようになっている。

98: 弥次郎 :2017/07/10(月) 00:25:31
〇Bf-EM77 400mm無反動砲
(ブロック・ファイフティーン-エクスプロッシブマテリアル77)

「ブロック・ファイフティーン」が開発した無反動砲。
ベースとなっているのはキャットゥス無反動砲である。
構造はあまり変わっておらず、口径を小さくする代わりに炸薬を強化し、携行性の改善と威力の強化を両立させた。
こちらもジンを愛用する傭兵や民間軍事企業向けに販売されている。こちらもジャイアントバズーカなどに威力で劣っており、あくまで傭兵向けに販売されても問題ないと判断されたものである。



  • ワード解説

〇元ザフト兵士 元プラント所属コーディネーター
プラント争乱後、南アフリカ統一機構に帰属を希望するプラントのコーディネーターも少なからずいた。
ただし、プラントへの帰還が推奨され、渡航も難しいために、主に捕虜となったザフト兵士が主体である。
MSでの実戦経験者がいるということもあり、プチモビのオペレーター、民間軍事企業への就職などが見られている。
中には民間企業への就職を希望するコーディネーターもいる。

南アフリカ統一機構としてはある程度の帰属は認めているが、やはりその扱いについては厳しいものがある。
感染症対策という名目で定期的な出頭や面談、あるいはネットワークへのアクセスの監視、居住地域の限定など、制限や制約が課されている。
これは南アフリカ統一機構の国民の感情への配慮や理事国への体面というものが絡んでいる。



〇定期予防接種
アフリカ土着の感染症などの対策のため、現地で活動する傭兵や民間軍事企業には定期接種が義務付けられている。
特に、元ザフトの傭兵や民間軍事企業社員はコーディネート内容についての遺伝子検査とそれに合わせたワクチンの選択が必要。
コーディネーターによっては完全にオーダーメイドになるため、経費に関してはお世辞にも安いとは言えない。
勿論、所得や家庭状況によっては費用の免除や助成もある。


〇ブロック・ファイフティーン
S-ARMを構成する軍事企業の一つ。
南ア発祥の企業であり、アフリカーナー達の末裔が設立した。プラント争乱後に亡命してきたプラントの人間を、特に技術者やザフトの元兵士を積極雇用しており、その縁からザフト系MSや武装を引き継いで生産している。
規模としてはあまり大きくはないのだが、ザフト系MSを運用する傭兵や民間軍事企業において一定のシェアを獲得している。


〇民間軍事企業「エレメント・ワイバーンズ」

南アフリカ統一機構領内に存在するPMCの一つ。
主に南アフリカ統一機構軍からの退職者と元ザフト兵士からメンバーは構成されている。
一応は公認の民間軍事企業であり、各所の治安維持、戦場跡地のスイーパーの護衛などを任されている。
しかし、事業規模は大きいとはいえず、割と貧乏暇なしの営業状況となっている。
保有するMSはジンおよびジンⅡなどが主体。

99: 弥次郎 :2017/07/10(月) 00:26:45
以上、wiki転載はご自由に。
長く書こうとしてもうまくいかなかったので今回は短めにしました。
設定話という感じでしょうか?

次はアトラスの話を投下したいと思います。
ちょっと時間かかりそうなので、待っていただければ幸いです。

107: 弥次郎 :2017/07/10(月) 00:43:13
修正
98
遺伝子検査とそれに合わせた必要。 → 遺伝子検査とそれの結果に合わせたワクチンの選択が必要。

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最終更新:2024年03月05日 21:12