169: ナイ神父Mk-2 :2017/07/10(月) 21:41:31
大陸SEED ゲート編 その10

侵攻開始と快進撃

CE73年9月下旬、部隊編成と集結を終えた連合はAM6:00より一斉に旧ポーランドと旧ドイツを隔てていた国境線を越えてドイツ側へと侵攻を開始した。上空には先行して離陸した航空機やジェットストライカー装備のMS達が飛行しているが、ドイツ国境を越えて都市部が見えてきた所で彼らが受けたのは建物に偽装した対空砲からの無数の対空砲だった。ウィンダムを初めとした飛行MS達は其々盾を構えたり回避運動を行う等して対応しようと試みるが、航空機はそうは行かず砲火に捕まり次々と撃墜されていく。
そんな都市部の情報を先行部隊より連絡を受けた部隊の司令官は苦々しい表情でその情報を受け取っている。

「ザフトめ、やってくれたな・・・」

「司令如何しますか?先行部隊から対空砲への攻撃許可を求めて居ますが・・・」

「構わん既に都市部への攻撃の許可は出ている。攻撃を開始しろ。」

そうした司令部からの許可が出た事によってウィンダムを初めとした部隊を中心に一斉に爆撃を開始し、対空砲を沈黙させてるが一部の攻撃は対空砲では無く一般の建物へと直撃し、建物を吹き飛ばしていく。其れと同時刻、少し遅れて到着した陸戦部隊が都市の制圧を開始するが、陸戦部隊の迎撃に出て来たのはジンやストライクダガー、レイスタと言った2線級或いは作業用に回される様な部隊だった。

「なんだこいつ等は・・・傭兵か?」

「気をつけろこいつ等、錬度は兎も角数は其れなりだ」

そんな異様な部隊を確認して困惑したダガーLのパイロットに隣に居た隊長機のウィンダムのパイロットはそう応えると構わず射撃を初め、部下のダガー部隊も其れに習って射撃を始め、其れに応戦するべく傭兵と思われる部隊も各々の武装をダガーL部隊へと向けてくる。見れば一部のレイスタは大型のガトリングと思われる装備でしいる機体もありそれによって火力による対抗を試みようとしている様子が伺える。

そうした各地より同時進行した部隊が各都市で戦闘を行っている頃、本命の部隊も出撃しようとしていた専用改装が成されたハンニバル級の中央ハッチが開くと黒い巨大なMAが出現、其れに合わせる様に前部甲板に待機していたウィンダムやカオスが飛び上がりネオの乗るウィンダムを先頭に一路ベルリンへと向けて進軍を開始した。その時、ネオのウィンダムに対して指揮下のウィンダムより通信が入る。

「隊長、先行部隊からの報告では傭兵と思われる部隊や偽装や都市の建物に偽装したトーチカ等に攻撃を受けています。デストロイの火力では都市部に甚大な被害を齎す可能性がありますが?」

「其れは問題ない。もう上からは都市部への攻撃許可をもらってる。派手にやれとお墨付きだ。」

「しかし、それでは民間人に被害が・・・」

「流石に国境線沿いにアレだけ戦力集結させてたんだから避難もさせてるだろ」

部下の疑問に何でも無い様にネオはそう返すとその間に近づいてきたベルリンの町並みを見つめる。其れと同士に一部のトーチカ化された構造物から艦砲を転用したと思われるビーム砲がせり出してウィンダム隊を狙って砲撃を開始するが、その砲撃は前に出たデストロイのリフレクターによって全てが阻まれる。そして、返礼とばかりにMAの4門の高エネルギービーム砲を斉射して一気に前方に存在したビームトーチカ群を破壊していく。

170: ナイ神父Mk-2 :2017/07/10(月) 21:42:09
トーチカや対空砲の類が破壊された事を確認したのか迎撃目的のMS部隊が出現するも、デストロイの機体周辺に装備されたビーム砲によって周辺一体の建物毎吹き飛ばしていく。その強力無比な攻撃に晒される欧州防衛の為に借り出された欧州出身の元連合兵達はその威力に戦慄を覚える。

『くそ、その火力じゃ数時間足らずでベルリンは火の海だ!』

「何としても敵の大型MAを食い止めろ!ザウート隊は如何した!」

『先ほどの攻撃によって一部が喰われましたが未だ行けます!』

「なら、長距離から砲撃で・・・」

「敵大型MAの砲撃が来ます!!」

ベルリンの旧首相官邸を指揮所にしていた義勇軍部隊の隊長はそう指示を出そうとする物の、直後に叫び声に近いオペレーターの越えによって遮られ、其れと同時に着弾したビームによって焼き払われる。通信から来た凄まじい着弾音に顔をしかめながら司令部がやられたと判断したザウート隊の隊長は焦った表情で部下に対して指示を出す。

「不味いな司令部が遣られた、第二MS大隊の大佐は?」

『あの大型MAへ攻撃仕掛けた後、通信が途絶しています。』

「・・・下がるぞ。大佐も司令部も撃破されたと考える。防衛に出ている全部隊に通達しろ、遺憾ながらベルリンの防衛は放棄する。部隊はハノーファーへと後退後にザフト地上軍と合流、部隊を再編する。」

ザウート部隊を指揮する中佐は機体を方向転換すると後方へと向けて移動を開始した。その数時間後、連合軍の攻撃によってドイツ東部都市のほぼ全域が連合軍によって制圧されている。この侵攻によって連合はザフトに制圧されたベルリンを初めとした欧州の都市の一部を奪還するも、防衛の中心は連合から離脱した欧州義勇兵部隊であったことからザフトへのダメージは殆ど与えられる事無く終えており、連合は欧州を奪還するべく更に軍を進める事になる。

171: ナイ神父Mk-2 :2017/07/10(月) 21:43:16
海戦開始とオーブ軍の動き

連合の陸上部隊がドイツ方面へと進軍を開始している頃、フランス海上でも連合海軍及びオーブ軍が動き出していた。
作戦開始の合図を聞いた艦隊からはウィンダムやダガーLが次々と離陸してフランス地域へと向けて飛行して行き、其れに合わせる様にオーブ軍のタケミカズチの飛行甲板からも最新鋭機であるムラサメやシュライク装備のアストレイが発進してザフトが出撃させたディンやバビと空中戦を演じ始める。しかし、此処でもやはり数の差は大きく3倍近い数で攻撃を仕掛けてくる連合に対してザフトは対抗できず包囲されて逃げ切れずに落されていく。

「いやー流石にあの数じゃあ、流石のザフトも形無しだねえ・・・」

「まだ戦闘は始まったばかりです。油断はできません」

其れを艦載モニターで確認しているユウナはのんびりとした様子で戦況を確認する。其れを嗜める様にトダカがユウナに対して声を掛けるがユウナは気にした風でも戦闘の様子を眺めている。しかし、もう少しでザフトの航空隊を落せると確信した瞬間、その横面を思い切り殴る様な形で無数のビーム砲によって、複数のウィンダムが腕部や脚部を破壊されて後退していく。その攻撃にユウナは指揮官席から身を乗り出してモニターを凝視する。

「一体何が・・・」

ユウナのその言葉に答えるようにビームが発射された方向から現れたのは、オーブでカガリを誘拐して以降姿を消していた前大戦の英雄的存在、フリーダムであった。そのフリーダムが嘗てオーブで連合に立ち塞がった時の様に再び、連合に立ちはだかったのである。
連合の部隊とザフトの航空隊の間にザフト庇うように入るとザフトの航空隊は動揺を見せるものの其の侭引いて行った。

しかし、黙って逃す程連合も甘くは無く逃げ出そうとするザフト機へと攻撃を仕掛けようとするがフリーダムの方が一歩早く近くに居たウィンダムの腕を切り落として攻撃を止めると、他のウィンダムやダガーLに同様の行動を取り次々と武器だけを破壊してMS隊を後退させていく。

そして、そのフリーダム後方より更にアークエンジェルが出現、カタパルトからMS隊が出現その中にはカガリ様に獅子の紋章が肩に描かれたストライクルージュだった。彼女はオーブ軍を見つけるとスピーカーとオープンチャンネルでオーブ軍へと呼びかける。

『私は現オーブ連合首長国の代表、そしてウズミ・ナラ・アスハのカガリ・ユラ・アスハである。現在訳有って国元を離れているが其れは代わらない。オーブ軍は直ちにオーブの理念にそぐわない戦いから軍を引き国へと戻れ』

ストライクルージュから放たれるその言葉に連合やオーブ軍の兵士達は思わず行動を止める物の、艦隊の指令部はそうは行かずユウナの元にはストライクルージュの言葉の真意を問う通信が次々に入って来ていた。その通信を聞くユウナは思わず頭に血が上りそうに成るが其れをぐっと堪えると停止している部下に対して指示を出す。

「アークエンジェルとその艦載部隊は気にするな、攻撃を実行しろ。我々の目的は連合の上陸支援だ、其れさえ終われば問題ない。」

「しかし、アレは!」

「あの紋章と声は確かにカガリ様のものです!」

「其れを誰が証明できる!!今の時代、紋章や声程度何処の国でも偽造できる!アレに確実にカガリが乗っている証拠は無い!」

「ですが・・・」

「其れに、自国の首長も守れず、同盟国との約束すら守れない国を何処の誰が信頼すると言うんだ!!僕等の今の同盟国は地球連合だ。
同盟国のとしての責務は果さないと行けない!!良いからさっさと攻撃を続けろ!」

「・・・解りました」

そう、ユウナは普段からは想像も付かない様な強い口調で怒鳴ると硬直したままの兵士達に再度命令する。其れを見ていたトダカは諦めた様に首を振ると他の兵士達へと命令を下す。

「攻撃を続行しろ、ストライクルージュへの応対は連合に任せ我々はザフトへの攻撃を再開する。」

「一佐あれは・・・!」

「現状はユウナ様が我が国の最高指導者だ、命令を覆す事は出来ない・・・」

トダカ一佐は搾り出すようにアマギ一尉に対してそう応えるとモニターに写るストライクルージュを見つめていた。その数時間後フリーダムよって無視できない打撃を受けた連合艦隊はイギリス側へと退避し、機体の修理や補給を行った後に再度上陸作戦を決行するべく出撃を開始する。第三勢力が加わり混迷を深める戦場へと

172: ナイ神父Mk-2 :2017/07/10(月) 21:44:34
以上ですWIKIへの転載は自由です。取り敢えずはゲートネタの欧州攻略戦の序盤をば・・・
一応連合有利ですが、此処から不利に成っていくと思われます。

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最終更新:2017年07月13日 18:12