204: 霧の咆哮 :2017/07/19(水) 20:12:21

○大陸種世界の書籍 霧の咆哮ver その8


◇少年にとっての戦争
出版:東アジア共和国

東アジア共和国でエイプリルフール・クライシスに巻き込まれた少年が、成長し、軍人となり、ラクス戦争に参加していくお話。
一般兵士視点の書籍は幾つも有るが、一般市民時代からの視点も含めて成長譚として纏めたお話は意外と珍しい。
少年時代と大人時代の思想や主義の違い、若い頃だからこそ見えたもの、大人になってからこそ見えるようになったもの。
そこら編の変遷を楽しみながら、エースではない一兵士から東アジアの内情やラクス戦争の感想を垣間見える。
軍人と言っても役職次第だが、時代の流れを一番実感出来るのはMSかMAパイロットだろうか。
機種乗り換えな意味で。


◇戦後の煌めき~汝らの最強を証明せよ~
出版:大洋連合

ヤキンの煌めきシリーズの作者が書いた新作。
各国合同大演習だかで本当に有ったかどうかわからないが、あれば実現していたかもしれない、各国が誇るエース達による対決を小説で想像・再現した作品。
冷戦は継続中なんで同盟国同士ならともかく、ライバルの国とも演習するかは連合軍としての連携も合わせて実現するかどうかを含めて半々かもしれない。
ただ、ゲート開通後ならあちらとの対抗の為に実施の可能性は高まりそう。
ホワイトオーガVS白狼、青い稲妻VSアルテミスの守護天使、拳鬼VS切り裂きエドと言った同盟国同士の対決だけでなく。
血染めの暴風VSゼータオブゼータ、ムウ・ラ・フラガVSイオ・フレミング等、冷戦陣営の垣根を超えた夢の対決が記されている。
ゲート戦争終了後に恐らく出る新作では、スカンジナビアのエースとかも加わるだろう。

205: 霧の咆哮 :2017/07/19(水) 20:14:45
◇スカンジナビア王国の苦悩~他の中立国が頼りにならな過ぎて生きるのが辛い~
出版:スカンジナビア王国

各国でそれぞれの出版物と合わせて、苦悩シリーズと呼ばれてるかもしれないこちら。
ヤキン戦役で急激に台頭するMSやMT、大型MAと言った新機軸の兵器達への衝撃。
特にMAやMTはまだ通常兵器から運用方法や操縦感覚とかが共通するが、MSは全く新しい兵器故にスカンジナビア軍部や技術陣も難航。
中立国として直接的な戦火には巻き込まれてないのは幸いだが、それが逆に言うと実戦経験不足や人材不足へと繋がり。
そこら編を焦る日々だったが、戦争後半や戦後に次々移住してくるオーブやプラント、傭兵と言った人材に嬉しい悲鳴を上げる一方で。
その中には当然外れというかいた方が不利益になるような連中も混ざってるが故に、人材の選別作業を頑張る入国管理者や警備部門とかの悲鳴。
開戦後から中立国にしては妙な動きばかり見せるオーブと、それに同調する月都市連合への困惑といった、中立国同士だからこそ抱いた独特の違和感。
オーブを反面教師にした中立国の存在意義としての戒め。
国産MS開発に携わって改めて実感する理事国との戦力差、技術力差。
理事国の中でも正直格下であった東アジアの思わぬ発展等と。
非理事国でかつこの世界で一番全うな中立国だからこそ見えて来る、視点の違いとかが読めばわかる。


◇大洋連合の苦悩~世界一の超大国だからって楽してるわけではない~
出版:大洋連合

名実共にCE最大の大国である大洋連合の苦悩シリーズが一冊。
プラントや他の理事国の脅威に着目しつつも。
他国が戦争や復興で注目してるどころではなくなったエビデンス01から繋がる、外宇宙からの脅威、可能性の問題。
結果的には未知からの脅威という意味では正解だったゲートの出現、対応。
ゲート出現後に想定される様々な危機、対策に頭を抱える上層部。
それぞれ他国の苦悩シリーズを読んだ外国の読者からすると、贅沢な悩みだなと呆れられるかもしれないが。
最悪の可能性を考えるしかない政治家や軍人としては、大洋の考えは行き過ぎとも言えないから困るとも評されるだろう。
特にゲート開通後は。
他国の場合、そんな外宇宙の敵がどーの相手するよりも、身近の外敵というか仮想敵である冷戦相手や復興とかを重視するしかないと、国としての余力や優先度の差も有るのだが。

206: 霧の咆哮 :2017/07/19(水) 20:15:38
東アジア共和国の苦悩~自国が理事国最弱で生きるのが辛い~
出版:東アジア共和国

苦悩シリーズが一冊。
四代理事国の一国として名を馳せる東アジアだが、大洋連合やユーラシア連邦と歴史的に続く長い確執。
過激派の暴走からの、極東事変やヤキン戦役序盤での愚行。
及びそれらの尻拭いに奔走する穏健派を始めとした良識派の苦悩。
また、過激派と一括りに行ってもマジモンの愚者だけでなく、過激派也に国を想って行動した者もいたので、一方的に粛清していくと遺恨を残しかねない面倒臭さ。
それはそれとして足並みを乱し、足を引っ張った結果による、他の理事国の、同盟国である大西洋連邦からすら迎えられる呆れた視線への屈辱。
技術力不足や戦力不足なのに無茶ブリをする上層部への嘆きと怨嗟の声を上げる現場と、理事国の一角として無茶ブリだろうと何とかしないといけない現実への辛さ等と。
苦悩シリーズの中でも特に闇が深いと言うか、派閥争いの酷さや国を支える苦労人達の姿に涙を覚えるかもしれない。
そういう苦労の積み重ねで、ヤキン戦役後の東アジアの努力の結晶が、ティエレンシリーズを始めとしたまともな機体群に見えてるとも言えるが。


◇プラントの苦悩~理事国が意外とやばくて生きるのが辛い~
出版:大洋連合

旧プラントの官僚だった方が作者の、苦悩シリーズが一冊。
穏健派と過激派の対立とかは珍しくもないが。
楽観していた戦況やMSの優勢が、理事国の(特に大洋連合のせいで)ドンドン劣勢に陥っていく焦り。
コーディネイター優勢主義が打ち砕かれ、現実を認識し、それでもと足掻く者。
最後の最後まで幻想に縋る者と悲喜交々。
作者としてはエイプリルフールクライシスで大西洋と東アジア以外の国を巻き込んだことが、最悪の一手と思っていたのに。
その実、大洋連合はプラントが蜂起した時点で潰す気満々というか、最初からプラントの蜂起を想定し、殺意を潜めていた絶望。
それらに全く気付いていなかった己らの自嘲感等と。
敗戦国側ゆえに、東アジアの苦悩とはまた別ベクトルで闇が深い一冊である。

207: 霧の咆哮 :2017/07/19(水) 20:16:32
◇オーブ連合首長国の苦悩~自国はある意味最初から詰んでいたのかも~
出版:大洋連合

旧オーブの官僚だった方が作者の、苦悩シリーズが一冊。
素のままでは吹けば飛ぶような自国が、歴史的経緯からして対立不可避な超大国相手と長年対峙するしかない苦労。
大洋連合が途中で自壊すると読みながら、実際は自壊するどころか真の超大国として君臨してしまうと言う、当時のオーブ指導者ですら予想していた無かった混乱。
或いは予想していたとしても、独立した以上最早引き返せぬと、突き進めるだけ突き進むしかないとヤケッパチになっていた可能性も。
その中で現実を認識して何とか妥協点を探るサハク派やセイラン派を始めとした一派と、建国理念や今までの業績を重視するアスハ派の対立。
プラント同様にドンドン国が追い詰められている絶望。
それを超えた真なる絶望を見せられた、オーブ攻防戦における大洋連合を始めとした理事国の本気になすすべなく蹂躙されていく自国軍等と。
この一冊もまた、プラント版同様に末期戦風味全開というか、闇が中々深い。
同じ敗戦国側視点かつ、大洋に移住済みということで、プラント版の方の作者とは、リアルでも作者同士で繋がりも有るとか。


以上です。
久々に書いてみたが、この調子でドンドン行ってみる。

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最終更新:2017年07月28日 07:39