968: ナイ神父Mk-2 :2017/07/16(日) 23:41:40
大陸SEED ゲート編 その11

始まる混乱と戦闘

欧州奪還作戦の緒戦が終わる頃、大西洋連邦の国防を司るペンタゴンにはコープランド大統領を初めとした大西洋連邦の主要メンバーが集結していた。集まっていた各大臣を初めとしたメンバーの顔は例外なく緊張に満ちており、此れから起こる事の重要性を示している。
そして、時計が約束の時刻を刻むと同時に室内奥のモニターと各席前方に備え付けられたモニターが機動、画面には一人のアジア系の男性が写っている。

『久しぶりですな大統領。』

「劉主席代行・・・」

『今は正式に主席です、間違えないで頂きたい。』

大統領がそう口に出した言葉に少しむっとした表情で答えた彼こそが、ユニウスセブン落下による混乱を利用して東アジアを立て直した功労者の人間である。そんな彼が今回大西洋連邦へと通信を繋げたのはある計画を実行に移す為で有った。

『既に我が国は人員の配置を完了している。後は貴国の準備を待つだけだが、状況は?』

「此方でも既に非主流派には渡りを付けている。後は命令を下すだけだが、本当に実行するのですか?この作戦を・・・」

『此処まで来て何を怖気づく事が有ると言うのですか?其方としても内政に幾度と無く干渉してくるロゴスのメンバーに対しては苦々しく思っていると聞いていますが?』

「其れは私人としての感想だ、理由や行動は如何あれ国内に大きな利益を齎している事には変わりない。しかし・・・」

『しかし?』

大統領は一旦言葉を止めると視線を主席から逸らす。その様子を、面白そうに主席はその様を見ているが少し経って、決意を固めた様な表情をすると大統領は主席へと向き直す。

「しかし、最近の干渉は余りに大きすぎる、此の侭では国の混乱を大きくするだけだ。・・・時間ですな」

『ええ、此方でも既に兵士達が動き出しています。』

「解った、これより『オペレーション・バスティーユ』を開始する!!」

その言葉に満足したのか劉国家主席は一旦通信を切り画面は作戦状況を確認する為のカメラ映像へと切り替わる。映像には作戦開始に合わせて動き出す連合兵の姿と其れと同時にこの作戦への協力を申し出たデュランダル議長が全世界へとロゴスを糾弾する映像と演説を行っている様子だった。その様子を見て大統領は椅子に深く身を預けるとモニターから視線を外して天井を見上げた。その様子に国防長官は心配そうに大統領へと声を掛ける。

969: ナイ神父Mk-2 :2017/07/16(日) 23:42:13
大統領、大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ、しかし、此れで良かったのか・・・幾ら一族が大打撃を受けたとは言えロゴスと其れに協力する将兵の勢力は強固だそれを・・・この国内が混乱している時に・・・」

「今だからこそとしか考える他無いでしょう。我々の行動が愚行か英断かは後の世が判断する事です。」

大西洋連邦の上層部がそうした心境を語っているのと同時刻、連合国内では既に劇的な効果が出始めていた。本来であれば敵国のTOPの言葉など聞き入れられる筈も無い事であるが、政府がロゴスの存在やその行動を認めた事と第三勢力からの情報の提供そして現在の困窮状態の責任を誰かのせいにしたかった大衆の感情が絡み合う事によって反ロゴスの風潮は一気に世界各国に広がった。各国ではロゴスの関係者又は一因とされる名前の挙がった企業の本社や地元に支社や工場、又はその人物の邸宅へと詰め掛けていた。

この行動によって多数の治安が悪化している地域で住民が暴徒化、近年MS等の普及に効果によって急速に旧式化して闇市場に流出した
兵器類酷いものに成ればレイスタや横流しされた軍用MSも使用して邸宅を襲撃する人間も出ておりそうした兵器の攻撃によって確保に赴いた連合軍の歩兵部隊なども巻き込んだ甚大な死亡者を出している。しかし、比較的上位のロゴス関係者達は自身に協力する私兵部隊を護衛に脱出に成功。メンバーは一路未だにブルーコスモスの影響力が有り、連合軍の一大軍事拠点であるヘブンズベースへと逃げ込んでいった。
しかし、唯一ユーラシアは隕石の影響で早い冬に入って居た事と国内の混乱が大きすぎてそれ所では無かった事から民衆や政府も余り積極的には動かず、一部の民衆が動いたのみに終わっている。

この行動は後の歴史家達によって評価は大きく分かれ、評価する人間は此処で無ければ政府を蚕食するロゴス一派を駆逐できなかったと評価し、別の歴史家からはこの行動によって連合は有利な戦局を逃し後の大不況や戦争の発生に大きな影響を与えた元凶だと言う評価ガなされている。

970: ナイ神父Mk-2 :2017/07/16(日) 23:42:47

欧州戦線の異変と裏切り

大西洋を初めとした連合所属国が『オペレーション・バスティーユ』を発動したと同時に欧州戦線でもその報告を受けた連合の非ブルーコスモス派の将校やそれらの派閥に所属している部隊も一斉に動き出し、ロゴス派二所属している部隊やファントムペイン隊へと一斉に攻撃を開始した。突如としてありえない方向からの攻撃を受けたロゴス派の連合軍の混乱は大きく瞬く間に混乱は広がって行く。

「き、緊急入電!現在攻撃に参加している部隊の多数が造反!此方に対して攻撃を加えて来ています!!」

「馬鹿な、一体何故!?」

「わ、解りません。少なくとも現状判別できる数を確認する限りでは全参加部隊の内の約三分の一がこの造反に加わっており、後方から攻撃を受けた部隊に甚大なダメージが生じています。」

「・・・裏切っている部隊の詳細は解るか?」

「判別できる限りでは大西洋連邦や東アジアの将官指揮下の部隊が多く見られます。」

「ユーラシアは無事と言う訳か・・・本土への通信は?それが先ほどから連合の企業をロゴスなる組織として糾弾する声明がプラントより全世界に発信されておりまして・・・混乱はしていますが如何やら政府も認めたと報告が・・・中にはジブリール様を初めとした方々のお名前も・・・」

その報告をハンニバル級のブリッジで聞いていた将官は唖然とした顔で硬直し、報告を聞いて椅子に倒れるように座り込んだ。

「政府は何を考えてその様な流言を・・・兎に角、ユーラシア側は比較的安定しているのだな?」

「はい、既に冬季に入っているということも有りますが何分あのユニウスの落下の影響で寒冷化が著しく政府や行政もその維持に手一杯な様子でして・・・」

「ならば我々は此の侭、後方へと撤退、それが難しい部隊へはキールへと集結するよう伝達しろ、東ユーラシアの艦隊が
一時停泊していた筈だ。其処までそっちに向かえば逃げ切れる!!」

「りょ、了解しました!!」

971: ナイ神父Mk-2 :2017/07/16(日) 23:43:21
オペレーター達は指揮官からの命令に一斉に連絡の付く友軍へと情報伝達を開始して、後方へと向けて移動を開始する。しかし、この連合内の混乱に呼応してザフト軍が一転して攻勢強めロゴス派の連合軍はザフトと離反部隊。その二つからの攻撃を受けながら撤退を行わなければ成らなくなり被害が増大している。

そして、離反部隊の報告はファントムペインの下へも齎されていた、だが、デストロイを有するファントムペインの部隊は他の部隊より先行していた事が禍して、部隊が半ば包囲される形と成っており部隊は苦戦を強いられていた。

「くっそ、こいつ等行き成り何だよ!!」

「アウル、気を付けろよ、こいつ等ホントに落としに来るぞ!」

「わーかってるよ!てか何でステラはこいつ等に打たせないんだよ!」

ネオの言葉にアウルがそう反論したように現在デストロイは此方へと向けて進軍してくるザフト軍へと攻撃を加えながら後退しており他のファントムペインのメンバーが後方の連合離反部隊に対応する形で後方へと移動していた。

「仕方が無いだろ?この乱戦状態じゃこっちの機体まで攻撃に巻き込まれ兼ねないからなステラに後ろを守って貰った方が安全なんだよ」

「其れにしたって、どれだけ離反してるんだよこいつ等!」

「スティングも焦るな、前方を塞いで来る敵機だけに集中しろ!」

そう言ってネオはデストロイに後ろから攻撃を加えようとするウィンダムをライフルで撃墜しながらスティングを嗜めるが侵攻勢力の中でもデストロイを有し大都市への攻撃を担当してたファントムペインに対する離反部隊の攻撃は寄り一層激しさを増して、戦闘は激化していく。この数日後、何とかキール軍港まで着いたファントムペインで有ったが造反部隊と合流したザフト軍と友軍撤退の為の遅滞戦闘を行う事になり、出撃してきたザフトのエースミネルバ隊と激しい攻防戦を繰り広げる事となる

972: ナイ神父Mk-2 :2017/07/16(日) 23:44:26
少し短いですが以上ですWIKIへの転載は自由です。取り合えずロゴス暴露の動きを出させて
頂きました。

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最終更新:2017年07月19日 12:12