670: トゥ!ヘァ! :2017/07/23(日) 20:01:28
アナザーseed if もしもゲートが現れたら 3


CE86年 西暦2014年 某月某日

この日、長年続いた地球と火星の緊張状態を緩和するためヴァース帝国から第一皇女アセイラム・ヴァース・アリューシア皇女殿下が親善大使として訪れることとなる。

アセイラム皇女の歓迎パレードが行われる中、突如としてヴァース側の車列へとどこからともなくミサイルが撃ち込まれた。
周辺は爆発によるパニックにより混乱し、状況の収拾はつかずにいた。

アセイラム姫は生死不明。この報告を受け火星側は地球側の宣戦布告とみなし休戦協定を破棄。
地球衛星軌道上や月面基地に駐屯していたヴァース帝国軍が一斉に侵攻を開始した。

ここに地球連合と火星ヴァース帝国の間に第二次惑星間戦争が勃発することとなった。

無理をした軍拡により原作よりも戦力を増していたヴァース帝国は事前の取り決め通り月面騎士は衛星軌道上における地球連合拠点に向かい侵攻を開始。軌道騎士の一行は先に各地の重要拠点へ隕石またはミサイルによる軌道上爆撃を慣行。
それに連合の目が剃れている間にそれぞれの欲しがる地域へと自らの揚陸城と貴下の艦隊共に降下していった。

衛星軌道上ではCE諸国から買い取った中古の軍艦による警備艦隊が降下しようとする軌道騎士の艦隊へと阻止攻撃を仕掛けようとしたが先んじて侵攻してきた月面騎士との戦闘になり降下を防ぐことは叶わなかった。
そんな中、大多数の騎士が大都市部に集中されている面倒な迎撃機構を避けるために地方都市や辺境などへ揚陸城を降下させる中で一部の慢心した騎士が揚陸城を日本の東京へ向けて降下。
しかし、東京と周辺に整備されていた超巨大対空砲台群(通称ストーンヘンジ)により貴下の艦隊と共にあえなく撃墜。
地上に降りることなく37家門のうちの一つが潰えることとなる。
その他の地域でも先んじて落ちてくる隕石やミサイルを迎撃する傍ら余裕のある地域では降下してくる揚陸場へも迎撃攻撃を行い、防備の固い揚陸城はともかく共に降り立つお供の艦隊には大小様々な被害が出ており完全に無傷で降りられた騎士は少数であった。

だが火星側もやられてばかりではない。同時的に世界中の通信施設やケーブルへと攻撃を行い、また揚陸場を中心とした広い範囲にジャミングを行うことにより地球側の通信能力を遮断。
各地に降り立った火星騎士は連合が有機的な連携を行えなくなっている間に電撃的に侵攻。
幾つもの都市や軍事基地が陥落することとなる。

連合側はこれに対し、事前に定められていたマニュアルの通りに現地部隊が時間稼ぎのために遅滞戦闘を開始。
未だ無事な都市などでは住民の早急な避難が開始されることとなる。

またこの事態に対してゲートの向こう側であるCE世界諸国は地球・火星両国へ向けて停戦と共同による事件の調査を提案すると共に自国の企業が進出している地域へと小規模な護衛部隊の派遣と人員の避難。またゲート周辺への防衛部隊の増強を行った。
このことに火星側が強く反発したが、名もなき馬鹿が東京へ直接ダイブ未遂を行った後では空しい言葉でしかなかった。
また火星側はCE側の部隊の即時撤退が行わなければ停戦も合同調査も受け付けないと通達。
いささか迂遠的であるがCE諸国とは限りなく熱い冷戦へと突入していくこととなる。
なお、37家門の中ではマズゥールカ卿をはじめとした一部がCE側の示した共同での事件調査は受け入れてはどうかとの意見を呈したが他の家門の騎士たちからは挙って無視された。
彼等からすれば折角新たな領土を手に入れるチャンスなのに何故停戦を受け入れねばならないのかという考えが強いためであった。

こうしてCE世界諸国から提示された早期停戦という一縷の望みも断たれ戦争は加速していくこととなる。

671: トゥ!ヘァ! :2017/07/23(日) 20:02:24
状況は加速していく。地球連合側はCE世界側の傭兵ギルドへと大規模な仕事の依頼を申し込んだ。
「給金大量!待遇良し!しかし命の保証なし!だが多大なる名誉はあり!しからば命知らずのみ求む!!」
意外なことにこの広告へ多数の傭兵が飛びついた。中にはギルドのランカーでも上位陣になる人物も応募しており、広告した側である地球連合側が困惑するほどである。

何故このような事態になっているのかというとCE側の世界では今のところ基本平和で今回のような大きな依頼は殆ど存在していないからであった。
無論輸送船や後方基地の護衛や守衛役。中東諸国の紛争への参加。ゲリラや政府軍などへの教導。各企業の新兵器テスターなどの依頼は変わらず存在し続けているがこの手の依頼は大抵は大手か伝手のある傭兵に依頼されるものであり、コネも名声も弱い中小や個人経営の傭兵は中々大きな依頼を受けられないでいたためである。
そんな彼等からすれば今回の依頼は高待遇であり、尚且つ名を売り出すチャンスに見えた。
命の危険に関してはもとより傭兵なんぞやっているのだから覚悟の上。ならばこの仕事に飛びつかないわけにはいかないと。
事実この戦争で名を挙げた傭兵やPMCは数多く存在しており、戦後は主にアルドノア世界において大手PMCとして大成していくこととなる。

打って変わって上位ランカー陣が挙って依頼を受けた理由は簡単。彼らほどの腕前がありながら傭兵をしているのは何かしらの訳ありか名誉欲を拗らせた御仁だからである。
つまるところ連合の出した広告が彼らの感性にドンピシャだったのだ。
これにより予想外の援軍を手に入れた連合は未だ各地で編成中の部隊に代わり時間を稼ぐための手駒を手に入れたのである。
中には単機で火星騎士のロボを落とすような人外ランカーも混ざっていたがこれは極一握りの例外であった。


さて、そんな両者のドンパチが盛り上がる中で我らが姫様というと原作のように民間人に変装して逃げていたのだがその途中でとある集団に保護されていた。
メカメカしいパワードスーツを着こんだ集団は極めて紳士的に姫様方をエスコートし、日本の神奈川県足柄の地下に築かれた秘匿要塞へとご同行頂いていた。

彼らの正体はCE世界の六大国及びアルドノア世界の地球連合から抜擢された精鋭によるエリート部隊。
その目的は生きているであろうアセイラム姫を保護し、この秘匿要塞へと連れてくることであった。
そして姫様ご一行が通された先にいたのはアルドノア世界地球連合政府高官数名とCE世界から来たのであろう各国政府の派遣員、
その中で特に胡散臭い雰囲気を持っている眼鏡の男が囁いた。
「姫様。突然ですが地球と火星両方を救う方法に興味はありませんか?」


次回へ続く。

672: トゥ!ヘァ! :2017/07/23(日) 20:03:41
○設定諸々

  • 火星側軍備

主に37家門が別個で軍事力を保持している。
それぞれの艦隊には主たる伯爵が座る揚陸城一隻とその半分ほどの大きさの小揚陸場が2~4隻ほど随伴している。
これらは主に軌道騎士を拝命している家門が所持している。

月面騎士の方は揚陸城を宇宙空間戦闘に特化した仕様へと改修しており、随伴の艦隊もそれに順次空間戦闘を目的とした形の船が用意されている。
こちらはいわゆる宇宙艦隊となり、主に地球連合の宇宙軍と交戦中である。

これら小揚陸城などの艦艇はそれぞれの伯爵の配下となっている子爵や男爵などが指揮官を務めており、原作よりもある意味出世していると言える。

また戦力も城主の乗るカタフラクトのみならずスカイキャリア―を基に改修を施した制空戦闘機や二期に搭乗したステイギスやその改良型が配備されているなど原作よりも大分戦力が増強されている。
この中で最も目を引かれるのが量産されている人型のカタフラクトであり、これにはステイギスのように主に外れのアルドノアドライブ主動力炉として稼働している。
これらの量産型には一般兵が乗り込むが、隊長機には従士と呼ばれる騎士未満の階級が乗り込む。
彼らは将来の騎士候補生であり、子爵・男爵・騎士爵などの下級貴族の二男三男坊であったりする。

これらの兵器の起動権限はそれらが配備されている城の城主に存在する。これらの兵器を他の城主が無断でどうにかすることは出来ず、起動させたい場合は起動権を持つ人物から権限を委譲されるか、上位権限を持つ皇族の介入が必要となる。
なお上記の通り皇族の血脈を持つ人物であれば無条件でこれらの起動と停止を行うことができる。

なので待たれよ卿ことザーツバルム卿がクルーテオ卿を電撃的に殺害しても配下軍団の起動権は得られないのである。
まあ原作のように妹姫を連れてくればそれも解決できるが。



  • 地球連合の戦力
原作よりも大幅に強化されている。東京近郊を守ったストーンヘンジを見てもお分かりであろう。

現代は通信を遮断されたため各地で有機的な連携が行えていない状態であるが個々の戦力が上がっているので各地の火星軍は思うように侵攻が捗らなかったりしている。

どこも割と冷静に対処しているのは事前の対策マニュアルと種子島レポートから策定した対火星カタフラクト戦術のおかげである。
とは言え火星騎士のカタフラクトは機体によって性能がまちまちのためそこまで役に立っているわけでもないが。



  • 歓迎パレード爆破事件
原作のようにミサイルが撃ち込まれてご破算となった事件。原作と同じくザーツバルム卿の謀略であり、これを契機に戦争が勃発した。

実はCE側も地球連合側もおおよそ何が起こるか察していたが何も手を打たずにいた。
アルドノア世界は原作以上に復興し、軍備も増強している。CE側としてもアルドノア技術は運用するには不確定要素が大きいが、研究対象として興味深い。
何より煩い火星の狂犬共にはそろそろご退場願いたいのである。

つまりはそういうことなのである。

673: トゥ!ヘァ! :2017/07/23(日) 20:04:15
  • CE側の動き
未だ連合から正式参戦の連絡も火星側からの宣戦布告もないため大きな動きはしていない。
精々ゲートの向こう側で遠征艦隊を編成し始めている程度である。
とは言え現地に特殊部隊を派遣したり、傭兵ギルドの傭兵に混じってなんか正規軍っぽいのが少々混ざっているのはご愛敬だろう。

彼らが正式に参戦するのはもう少し後になる。今回は舞台が整うまでは黒幕に徹する方針のようだ。



  • 神奈川県足柄の地下に存在する秘匿要塞
通称第三新東京市。なんで第三なんだとか何故東京なんだとかは突っ込んではいけない。
因みに建設する際の資本はCE世界の主に大洋連合の企業群から潤沢にもたらされた。



  • 眼鏡をかけた胡散臭い男
辻さんとこの次男。多分辻さんの気質を一番濃く受け継いだ人。嶋田さん家の次男坊と幼馴染だったりする。



  • 超大型対空砲台群
主に複数の超大型対空レールガンとそれへと電力を供給するCE世界産核分裂炉からなる施設。
東京周辺を始め世界各地に建造されている。威力は揚陸城を最も装甲の熱い下部から打ち破れるほど。

他にも超大型対空レーザー砲台やら超大型回転式レールガンやらが存在している。



  • 今回の戦争に参加する傭兵たち
主に名を上げるために中小のPMCや個人経営の傭兵などが参加している。
無論中には安全パイを取り今回の依頼は見送りにした者たちも多い。

また新兵器のテストに丁度いいとばかりに企業と契約を交わしている、もしくはその専属となっている傭兵も多数参加している。

上位ランカーに関してもここ10年ほどで大分顔ぶれが変わってきている。
今回参加している上位ランカーはランク2黒い鳥 ランク4神威 ランク7オメガ。
この上位ランカー三名はそれぞれ参加早々に火星側の爵位持ちを撃破している。

674: トゥ!ヘァ! :2017/07/23(日) 20:05:01
○兵器設定



  • 小揚陸城
武装:ミサイル 対空砲 対空機銃 ビーム砲
モデル:オリジナル

全長約1km程。おおよそ揚陸城の半分ほどの大きさである。
量産型の揚陸城であり子爵や男爵など伯爵以下の爵位持ちに与えられる。



  • 宇宙要塞
武装:大型ビーム砲 ビーム砲 ミサイル 対空砲 対空機銃
モデル:オリジナル

揚陸城を宇宙戦闘用に改修した城塞。大気圏突入能力は失われているが、その分宇宙空間における戦闘力が増加している。



  • 戦闘型宇宙船
武装:ビーム砲 対空機銃 ミサイル

輸送船を再設計し、戦闘艦へと改修した艦船。
これといった特徴は見受けられないが量産性は高い。



  • スカイハンター
武装:機関砲 ミサイル ビームガン
モデル:オリジナル

原作でも登場しているスカイキャリアを戦闘機仕様に改修した機体。
元から高い機動性や火力を持っていたが、それを全て制空戦闘に向けている。

原作のような現代戦闘機相手ならば十二分に有利が取れる性能だったが、CE側の技術により性能が底上げされている連合の新型戦闘機やCE世界製の旧式戦闘機の前では互角がいいところであった。
有人仕様の他に無人仕様も存在している。



  • ステイギア
武装:ビームマシンガン ミサイル
モデル:オリジナル

原作でも登場したステイギスを改修した機体。
主に機体出力の向上とフレキシブルスラスターの採用による運動性の改善が挙げられる。
現在の火星軍において宇宙空間における主力兵器。
有人仕様と無人仕様が存在する。



  • ステイタス
武装:上部レールガン ミサイルポッド 下部20mm機銃
モデル:オリジナル

旧式となったステイギスを流用して開発した陸戦兵器。ステイギスに四つ足を付けたかのような外見。
基本的に無人機であり、歩兵の支援から対装甲先頭まで幅広い任務をこなす。

背部の武装を重砲に代えた砲撃仕様や武装を減らして歩兵の搭載スペースを設けた輸送仕様など幅広い派生機が存在する。

675: トゥ!ヘァ! :2017/07/23(日) 20:05:36
  • ステイマス
武装:ビームガン 100mmライフル 80mmマシンガン 対装甲ナイフ シールド
モデル:リュンピー(スパロボJ及びOGMD フューリー量産機)

ヴァース帝国の量産型カタフラクト。地球の復興速度を危惧した皇帝の勅命により開発された。
戦闘力はそれほど高くなく地球側の量産アルドノアと同程度である。本来ならば低出力ながらビーム兵器の搭載により装備の差で有利となるはずが、CE世界からの支援によって地球側のカタフラクトもビーム兵器及びレールガンなどを装備できるようになっているためそこまでの差は開かなった。

動力はいわゆる外れと言われるアルドノアドライブ。これといった能力が存在せず、出力も低いため今まで見向きもされてこなかったが量産機の採用によって一躍恰好を浴びることとなった。

一般兵の乗る有人仕様と数合わせのための無人仕様が存在する。無人仕様の方は動きが単調でぎこちないないため、数合わせ以上の戦力としてはあてにされていない。



  • ステイルフ
武装:背部大型レールガン 80mmマシンガン 対装甲ナイフ シールド
モデル:ドナ・リュンピー(スパロボJ及びOGMD フューリー量産機)

ヴァース帝国の量産型カタフラクト。ステイマスの砲撃戦仕様。
背部に大型のレールガンを搭載しており、これにより遠距離攻撃を行う。
レールガンに回す出力の関係上ビーム兵器との両用はできない。

こちらも一般兵の乗る有人仕様と数合わせとしての無人仕様が存在する。



  • ウォルテギア
武装:ビームライフル レールガン 高周波ブレード シールド
モデル:ヴォルレント(スパロボJ及びOGMD フューリーの指揮官機)

火星製量産型カタフラクト。その指揮官機。
主に従士と呼ばれる爵位持ち未満の貴族が乗る。

外れと呼ばれるアルドノアドライブの中でも能力は持たないが出力は高い代物を載せているため一般兵の乗る量産型と比べ高い性能を誇る。

全体的に出力や運動性などが高く、一般的な地球製カタフラクトよりもスペック上高性能となっている。
残念ながらCE世界製のMSの相手には旧式のバッテリー機相手でも互角がいいところである。

こちらは有人仕様のみであり、無人仕様は存在していない。
貴族の乗る機体に無人機は相応しくないらしい。

676: トゥ!ヘァ! :2017/07/23(日) 20:06:07
投下終了

久々に続きを投下できた。
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最終更新:2017年07月28日 09:53