429: トゥ!ヘァ! :2017/07/29(土) 14:06:22
アナザーseed とある転生者たちへのインタビュー



これは大洋連合において主に前世の記憶が存在する転生者と呼ばれる人々の証言を集めたインタビュー集である。

転生者及び魂の研究に関する重要資料であり、特一級の機密情報。
持ち出しは基本厳禁。規則に反したものは厳罰となる。





  • サンプル1 現代世界からの転生者 

はい。私はいわゆる現代と言われる世界においての記憶を持っています。
大体2017年までの記憶ですね。その時の私は30代も半ばでした。

恥ずかしながら昔見たガンダムのアニメにハマってしまい歳したおっさんになってもシリーズを追い続けていまして。

転生する直前の記憶では30連勤明けで頭がぼーっとしている時に赤信号に気づかず車に挽かれたものですね。
不思議と痛みの記憶はありませんでした。単に刺激が強すぎて脳が忘れているだけかもしれませんが。

この世界に転生した際には驚きましたね。なんせ30も半ばのおっさんだったのに突然13歳の学生ですよ?
そりゃもう混乱しましたよ。更にそれに拍車をかけたのがこの世界が元の世界とは違うという点でした。

ええ、前世の世界では宇宙進出なんて一部の機関がやってるだけで民間とは程遠い話でしたし、作業用の人型ロボットなんかも普及していませんでした。

もっと驚いたのはこの世界がガンダムseedの世界だったことですね。単純にガンダムの世界に来てしまったという歓喜と自分の知ってる原作とは大分違うという驚きの両方がありました。

その後は同じ転生者の方に出合い夢幻会に入らせてもらいました。その方というのが今の上司でして。
今の仕事は大洋連合の海上保安組織で巡視船の乗組員をやらせていだたいています。

妻の転生者でして、今年に入り三人目を妊娠中です。あ、子供たちの写真見ます?娘と息子です!これが可愛いのなんの!
え、別にいい? そんなぁ(´・ω・`)




  • サンプル2 昭和世界からの転生者

ええ。私はいわゆる昭和世界と呼ばれるとこでの記憶を持っています。
はい。大西洋大津波が起こり、ドイツと冷戦を行っていた世界です。

前世では商社マンをやっていまして。そりゃ世界中を飛び回っていました。
戦前から戦中、戦後で日本人への対応がガラリと変ったのが特に記憶に残っていますね。
戦前では門前払いだったとこへ戦後行くと手の平返しと言わんばかりに大歓迎されまして。
私も内心なんて奴らだと思いながらも笑顔で握手していました。そこらはプロでしたから。

こちらの世界に来る直前の記憶は自宅の寝室ですね。御年93歳。妻が先立った後も随分と生きてしまいまして。
息子夫婦に孫夫婦にひ孫と家族に囲まれ眠るように息を引き取ったのだと思います。
疑問形なのは眠った後に目が覚めたらこの世界だったからですね。

この世界に来て一番驚いたこと?そりゃ色々ありますが一番はSF染みた技術に関してでして!
なんせコロニーですよ!人型重機ですよ!宇宙戦艦ですよ!
あ、失礼。私前世からそういったものが好きでして。ええ、はい。宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999なんかにも嵌りましたが一番は草鹿退役中将のSFシリーズが大のお気に入りでした。
あの独特の発想は私にまったく新しい世界への扉を開かせてもらいました。

この世界では変わらず商社マンをやらせていただいています。
今の妻も転生者でして。実は彼女も前世の記憶を持っていまして、前世でも私の妻だったのです。
見た目は変わっていましたが一目見て妻だと気づきましたね。向こうも同じだったようでその後はとんとん拍子に結婚まで進んでいきましたよ。
あの時は縁とは確かに存在しているのだと思いました。

430: トゥ!ヘァ! :2017/07/29(土) 14:06:53
  • サンプル3 多重記憶保持者

確かに私には複数の前世の記憶がありますね。主に現代世界と呼ばれる記憶と昭和世界と呼ばれる記憶の二つです。
つまりは強くてニューゲーム二度目ということです。

現代ではプログラマーを。昭和ではコンピューター言語の開発に携わっていました。
この世界でも変わらずプログラマーです。
もう三度目ともなると慣れたものです。

前世…ああ、失礼。昭和世界の方ですね。あの世界に転生したときは色々大変でした。
なんせ最初はパソコンなんて殆ど普及しておらず、自分の培ってきた技術なんて殆ど役に立たなかったので。
途方に暮れている時に夢幻会の人に拾ってもらっていなかったらどうなっていたかわかりませんね。

この世界に来てからは昭和世界の頃よりも楽ですね。なんせPCもインターネットも普及済み。
しかも現代や昭和の両方とは比べ物にならない技術のがです。
いやぁ。実はフルダイブ式のVRゲームってのをやってみたかったので、この世界に来れて本当によかった。
ガンダムseedの世界と聞いて少し不安でしたが原作と大分違うようで心配事も大半は杞憂に終わりましたしね。

え、結婚していないのかって?
ハハハハッ。前世、前前世から独身街道突っ走ってますが何か?




  • サンプル4 宇宙世紀世界からの転生者 その1

はい。私は俗に宇宙世紀と呼ばれる世界の記憶を持っております。
あの頃は連邦軍のMS乗りでして。一年戦争からシャアの反乱まで生き抜いたのですが、そのあとに袖付き…ああ、ネオジオンの残党との戦いでやられてしまいまして。
あの四枚羽のNT用MSは強かった。いやぁ、あと一歩のところまでいったのですがね。
スラスターの噴射で隙を作られビームサーベルでばっさりでしたよ。

そして気が付けばこの世界です。最初は驚きました。なんせMSは存在していますが私のいた世界とはまるきり違いましたから。
来たばかりの頃は色々混乱しましたが結局なるようにしかならないと吹っ切りまた軍に入りまして。
ええ。恥ずかしながらそれ以外の生き方を知りませんでしたから。
そのあと同じ境遇の転生者…つまり宇宙世紀の記憶を持った奴と知り合いになりまして、そこから夢幻会に入らせてもらいました。
最初は胡散臭い連中だと思っていましたが、入った後はとんとん拍子に出世してしまい、もう足を向けて眠ることはできませんね。
今の妻との見合いも用意してくれたのも夢幻会経由ですしね。

現在では微力ながらもMS教導隊にて新人教育に尽力させていただいております。
まさか自分のような者が第二期教導隊に抜擢されるとは思いもよらなかったので。通達が来たときには夢かと思いましてと!
実は前世でも一年戦争の頃から教導隊という肩書には憧れを持っていましたから。
なのでニューディサイズの反乱の際には哀しみを覚えましたね…




  • サンプル5 宇宙世紀世界からの転生者 その2

はい。はい。私は元ジオンの兵士でした。とは言え一年戦争の敗戦から諦めきれずに残党として地球で活動していたのです。

結局シャアの反乱の後まで生き残ってそのあとはダカールの襲撃に参加しまして。
そのでは近代化改修したジュアッグで奮闘したのですが結局やられてしまい、そこで記憶が途切れています。

そして気づけばこの世界です。最初は死後の世界って意外と現代風なんだと思いましたね。

こっちの世界でもMSパイロットをやらせてもらっています。
ジオンの水泳部にいた自分が連邦の水中MSとそっくりのに乗るなんてなんて皮肉だと思いましたね。
今では水中部隊の一つで隊長しています。いやぁ、元残党暮らしの身から今では一部隊の隊長とは結構出世しました。

夢幻会の集会では私と同じように元ジオンの転生者と知り合えましたし、元連邦の連中共会いました。
最初はいがみ合っていたのですが話してみると意外と馬が合いましてね。
結局どこも下っ端は辛い目に合っているということがよくわかりましたよ。
特に連邦水泳部。あれの話は酷かった…なんで残党である自分たちの方が装備が充実しているのかと頭をひねりましたよ。

431: トゥ!ヘァ! :2017/07/29(土) 14:07:29
  • サンプル6 宇宙世紀からの転生者 その3

ああ。俺は元ティターンズだった。グリプスの時まではブイブイ言わせていたんだが結局エゥーゴに負けてから不貞腐れてそのまま連邦にも戻らず乗機であったマラサイごととんずらしていたな。

地球に降りて適当に傭兵でもやるかと思っていた時によ。降りたところ現地でそん時の嫁さんと出会っちまってな。
俺の一目惚れでよ。脱走兵だなんだと自分の現状も考えずいきなりプロポーズしちまってさ。
そのあとは実は嫁さんが元ジオンで残党に身を置いているなんかの秘密があったりで、すったもんだあったんだが結局俺たちは夫婦になれて、晴れて俺は元ティターズからジオン残党に参加する反政府活動者になったってわけだ。

とは言え辺境も辺境だったんでジオン残党と言ってもこれといった活動もせず、精々MS使って畑の開拓や瓦礫の撤去なんかを手伝ったりの毎日でよ。
地元の連中とは仲良くさせてもらっていた。ジオン残党の連中も最初は俺を煙たがっていたんだが村の悪ガキたちの相手させられているうちにいつの間にか打ち解けていたなぁ。
妙にガキ共に懐かれたもんだからサッカーの相手をしてやっていただけだってのによ。元ティターンズの俺なんかに普通に接してくれんのよ…

そんであの時。他の残党から作戦への参加を依頼されたUC96年。連中トリントン攻撃に参加するってんでさ。
俺はなんで今頃になってと思ったよ。連中にも現地で家族を持つようになった奴もいるってのに参加しやがんの。
何度も行くなと説得しているうちにいつの間にか俺も襲撃に参加するようなっちまってよ。
まああれだ…恩は返さなきゃと思ってな…
嫁さんには悪いと思ったがあいつはその時身重でな…手を振って送ってくれたよ。

そしてトリントンでドンパチしているうちにあのバイアランにやられちまって気づけばここだ。
ウミヘビを絡めたところまで上手くやったんだがなぁ。

今?今はMSなんざ乗らずにパン屋やってるよ。知ってるか?スペースノイドは夢破れるとパン屋を始めるんだとさ。

え、なんでMS乗りにならなかって?まあ軍にも誘いを受けたし、同じように元ジオンの同僚にも誘われたがよ…嫁さんがな。もう生まれてくる前の子供抱えて俺のこと見送るのは嫌なんだとよ。
まあ、そういうことだ。今嫁さんは身重でな。今度こそ生まれてくる子供の顔を二人そろって見るのが俺の望みだ。




サンプル7 宇宙世紀からの転生者 その4

はい。はい、そうです。私は宇宙世紀で強化人間として生を受けていました。目覚めたばかりだというのに簡単な調整の後にキュベレイに乗せられたわけもわからないうちから戦場に送り出されて…
え…あ、すいません。いえ、特に気にしていないので大丈夫です。
私はいわゆるプルシリーズと言われるクローンの一人でした。ナンバーは6。
あの時の記憶は朧気でしたが多分私は死んだんだと思います。

あ、はい。職業は坂田インダストリィで受付をしています。同僚の人や夢幻会の人にも良くしてもらっています。
なんでここまで良くしてくれるのかわかりませんが、正直助かっています。この世界では私は孤児だったので大学行くにも経済的な負担が大きかったので。
ええ、はい。夢幻会会員専用の無担保無利子学習ローンを使わせていただきました。おかげで帝都大学を無事卒業できました。

現在では姉妹たちとシェアハウスで暮らしています。姉妹と言ってもこちらでは全員血の繋がりはないですけどね。
知ってますか?12人も集まると大変色々なんですよ。でも毎日賑やかで楽しいです。




  • サンプル8 00世界からの転生者

ええ。まあ、はい。私の前世では地球連邦平和維持軍に所属していまして。ああ、宇宙世紀世界とは別の世界です。新西暦という暦の世界でして。統合以前はユニオン軍に所属していました。言うところのフラッグファイターの一人でした。

この世界で目覚める直前の記憶ではジンクスⅣに乗ってELSと戦っていました。
連中の一部が地球に降りそうになったのでトランザムを発動させて機体ごと特攻しましてね。そこで向こうの記憶は終わっています。

現在では大洋連合宇宙軍にてMSパイロットをしています。前世で乗っていたのと大分違いますがこっちのMSも中々調子がいいです。
特にリゼル。あれは良い機体ですよ。最高です。変形してからの高機動もそうですが、操縦のしやすさが素晴らしい。可変系機だというのにですよ!フラッグではこうも簡単にはいきませんでした。
え?ああ、失礼。私元々MSが大好きでして。前世で軍に入ったのもMSに乗りたいがためでした。
今世でもMSに乗れるなんて最高ですよ。素晴らしい。この世界で目覚めた頃にこっちでもMSがあると分かった時には神に感謝しましたね。

432: トゥ!ヘァ! :2017/07/29(土) 14:08:27
  • サンプル9 CE世界からの逆行者

はい。私は逆行者という珍しいタイプの前世持ちらしく。同じ世界の過去の自分へ転生するということらしいです。

前世ではプラントのザフトでMSパイロットをしていました。本職はエンジニアで地球のアクタイオン本社から派遣で来ていたのでしたが戦争がはじまり致し方なく残る羽目となりました。
あの時は私もさっさと同僚のように逃げておくべきだと後悔しましたね。まさかプラントが戦争をするなんて当時は思いもしませんでしたから。
幾ら世論が悪かろうとも人口2000万の工業コロニーが理事国と戦争するなんて思いもしませんでした。

その後は人手が足りないのと適性が高かったためMS部隊へと回されまして、流されるまま戦争に身を投じていきました。

どうにかヤキンドゥーエ戦役を生き残って、その後もユニウス戦役を生き残れたのですが、二度の戦争でプラントでの生き方に嫌気がさしてそのまま地球に降りました。
だって、ユニウス戦役の後にプラントの指導者になったのラクス・クライン嬢ですよ?
確かにヤキン戦役の頃は私も彼女の歌に聞き惚れたものですが、最後には裏切りかましましたし。
世間ではなぜか美談扱いになってましたが当時の最新鋭機と最新鋭艦艇を持ち出して独自の戦力として扱うとかどう見ても裏切りですよあれ。
そしてユニウス戦役の時のことったらもう。私は議長側で戦っていましたて。議長のやり方も…ディスティニープランも正しいとは思いませんでしたがだからと言って裏切ろうとは思いませんでしたね。
いやいや。常識的に考えてダメでしょ。銃殺刑ものですよ。

そしてなんやかんや生き残ってクライン嬢の恩赦でザフトに復帰してもいいと言われましたが本当に嫌気がさしましてね。
やるならあんたらだけで好きにやってくれと。

そしてさっきも言った通り私はプラントを抜けて地球に降りました。そのあとは長年連絡の取れてなかった家族を探しました。
数年かけて調べた結果私の家族はヤキン戦役の時にエイプリルフールクライシスで死んでいました。
本当滑稽でしたよ。自分の手で家族を殺したようなものです。
その後は当てもなく流れのジャンク屋やっていましたが東アジアのフジヤマ社にスカウトされましてそこでMS開発に関わっていきました。

その後も50も半ばの頃に新型ビーム兵器の実験中の事故でぽっくり逝ってしまいまして。気づいたらこの世界です。
こちらでも最初はプラントに派遣されそうになったので慌ててアクタイオンを抜けてきました。
そして家族を連れて国元を出ました。幸いこの世界の私は大洋連合にコネがあったようなので、それを使い戦争前に大洋へと移住することができました。

移住後はエンジニアをやっていたのですが、途中で夢幻会のスカウトマンに引き抜かれました。
どうやら私が移住する際の行動が不自然に映ったらしくスパイではないかと秘密裏に身辺調査されていたそうで。
その調査の際に転生者特有の勘みたいなもので私が同じ転生者だと察知して、こうして接触してきたそうです。

今では軍の霧島重工のMS開発チームに所属しています。こちらの世界では前世よりも家族との時間を大切にしようと思いますね。もうあんな経験は嫌ですから。

433: トゥ!ヘァ! :2017/07/29(土) 14:09:03
  • サンプル10 FM世界からの転生者

ええ。はいそうです。私はまた少し変わった前世持ちでして。
MSとはまた別の人型機動兵器が跋扈する世界の記憶を持っています。
ヴァンツァーといいまして。大凡4~8mほどの人型兵器です。

私はそんな世界のOCUという国家に住んでおりまして。サカタインダストリィの研究者をやっていました。

まあかなり胡散臭い仕事でしたね。だって明らかに人の脳っぽいものをいじくりまわしたいたんですもの。なので薄々これヤバい仕事なんじゃと思っていましたが、我が身可愛さで黙っていました。

そして第二次ハフマン紛争という紛争の後はサカタの今までやらかしてきたことが公になっててんやわんやですよ。
私も前々から何か後ろ暗いことしてるんだろうなぁっとは思ってましたがまさかあそこまでヤバい事だったとは。

そのあとはイグチ社に吸収合併されたので私もそちらの研究チームに移りました。で、研究途中に頑張りすぎて疲れて帰える際に交通事故にあって死亡。
死に際には悪党なのに随分とマシな死に方だと思いましたね。

それなのに気づけばこの世界で…最初は何が何やらわかりませんでした。
そして何の因果かここでも私は坂田の社員。とは言えこの世界の坂田は真っ当な会社のようで安心しましたね。

ええ。現在は人工義肢開発チームに所属しています。前世では我が身可愛さで何もやってきませんでしたから…
せめてこの世界では正しく人の役に立つものを作ろうと思い志願しました。
こんな私相手ですが患者さん達が笑ってくれるんですよ。先生ありがとう。これでまた走れるようになるとか、また物が見えるようになったとか…本当にこんな悪人に…







今回のインタビューはここで終了する。インタビューに応じてくれた方々には相応の謝礼を払うこと。
彼らの新たな人生に幸多からんことを。

434: トゥ!ヘァ! :2017/07/29(土) 14:09:46
投下終了

人に歴史あり。人生とは一つの物語であり、見ようによっては奇跡の塊である。
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  • 大陸SEEDアナザー
最終更新:2023年11月05日 15:58