242: ナイ神父MK-2 :2016/07/09(土) 21:27:12
憂鬱
日本大陸化ネタ
1942年編 其の8
1943年8月ハワイ全島を制圧した日本は其の勢いに乗り、遂に合衆国がある北アメリカ大陸にも上陸を開始ししていた。目標は
アメリカ最北の州アラスカである。この攻撃に対し、日本の次の攻撃目標を西海岸への直接攻撃だと考え、西側の州へと戦力を
集中していたアメリカ軍は対応しきれず。日本のアラスカ占領を許しているしかし、問題は此れだけでは終わらなかった。
アラスカ、ハワイを攻略した日本は侵攻時に破壊した飛行場の修復を開始し、同時に富嶽、芙蓉、三式弾頭弾の大量配備を
推し進めている。更には枢軸とインドへ戦艦を初めとした主力水上艦を大盤振る舞いで売り渡し、イギリスの戦力を本土に釘付けに
している。そして、その枢軸へと提供した戦力が目下のアメリカ海軍の頭痛の種であった。
「確認するが、本当に海軍の機密は日本へ漏れていないのだな?」
「現在、EBI、CIAも動員して調査に当っていますが建造した造船所、海軍司令部共に情報が流出した形跡はありません」
キングの質問に対して報告に来た担当官はそう答えるも、キングは納得していない様子であった。
「ふん、あの狡賢い日本人の事だ、何らかの抜け道を用意下のだろう。しかし、実際に種が解からなければ対策は取れんか・・・」
「現状、機密管理の厳重化や暗号の変更等で対応していますが・・・」
「情報漏れについてはもう良い、それより戦力の回復はどうなっている?」
「現在、各造船所に納期をできる限り早めるよう要請を出していますが、年明けまでにアイオワ級1隻とエセックス級2隻が限界との事です・・・」
「それでは全く足りんぞ、それ以上の増産は望めんのか?」
「現状では不可能かと・・・」
「最悪は完成した新型艦のみを太平洋に回し、今有る戦力で大西洋を守るしかないか・・・」
「しかし、それでは太平洋での防衛戦力が足りなくなります」
「どの道両海岸を守るには戦力が足りん、それに下手に東海岸側の防衛に穴を開ければ
人口の多いニューヨークや首都であるワシントンが危機に晒される。」
この後、アメリカ政府は海軍の提案を受け入れ、西側の州へ引き続き陸軍戦力の集中を続け、逆に徐々に東側の防衛は薄くなっていく。
海軍が戦力不足を嘆く一方で陸軍でも兵器の性能不足が問題視され、其の情報は参謀本部長であるマーシャル大将へも報告が上げられていた。
「M4では現在日本の主力と成っている戦車には威力不足、か・・・」
「信じられない事ですが、日本はタイプ97-55及びタイプ3-64を中戦車として認識している様です。」
「それでは今まで我々が中戦車と認識していたタイプ95-41は・・・」
「軽戦車です・・・アラスカ防衛での防衛線で偶発的に撃破した歩兵支援用の軽自走砲も85mm砲を搭載しています。」
「最早75mmでは軽戦車にすら力不足か・・・新型重戦車の開発状況は?」
「AGFからの反発はありましたがやっと設計に取り組めます。」
「やっとか・・・」
「流石にカナダを挟んでいるとは言え、本土に上陸されて危機感を持った様ですね」
「遅すぎるのだがな・・・とは言え新型が配備されればある程度は日本の戦車に対抗できる様になるが時間が足りないな・・・」
243: ナイ神父MK-2 :2016/07/09(土) 21:27:42
「現状M12の量産を支持していますが何分」
「兎に角、日本が本格的な上陸作戦を行ってくる前に戦力を西海岸に集中させるよう指示を出してくれ」
「了解致しました。」
アメリカが本土決戦に向けて戦力を配備している頃、
夢幻会でも対米戦終盤へと向けて、調整が進められ嶋田が
陸海の進行状況をまとめていた。
「では、報告を陸軍の方からお願いします。」
「陸軍は現状、今年の10月までには爆撃機と弾頭弾の配備が終わるな、念の為に芙蓉の特殊型と特殊弾頭型の三式は今の所本土から動かしては居ないが・・・」
「どの道核兵器を使用するのは来年からに成りますからね、海軍は現在大和を中心とした第二艦隊、伊吹型を中心にした第七艦隊がハワイへと駐留しています。
白洲さん、枢軸と南米への交渉はどうなっていますか?」
「枢軸、南米共にやる気は有るようです、兵器の提供も順調に進んでいます。」
白洲の其の言葉に合わせるように辻も現在の財政状況を嶋田に伝えた
「日本から各国に販売している兵器は中々人気の様ですねえ、特にインドは独立後に国軍を再編成してチハや九七式戦闘機を大量購入しています。
武装についても小火器は此方の物を購入していますし、それなりの儲けは出ていますね。所で東南アジアには予定通りレーンと九七式突撃砲(戦後チハ)の
販売をするんですか?」
「大陸化で領土は元と比べ物に成らない程増加していますがやはり、友邦は作りたいですね
アジア全域を日本が支配すると成ると負担もバカに成りませんし
本来中東やインドを受け持つ筈の英国はあの様ですから・・・」
イギリスと言う言葉が出た時点で室内にいた夢幻会メンバーは誰もが苦虫を噛み潰した様な顔となった、当然であるがせめてイギリスが中立を取っていたなら
日本は態々インド洋まで攻め込まずに太平洋に集中できていたのだから日本国内でのイギリスへの怒りは上下を問わず相当な物となっていた。
「曲がりなりにも大帝国だったイギリスの裏切りの穴は大きいですからね・・・」
「せめてアメリカよりでも中立であれば時間を掛けて関係を修復と言う可能性もありましたが・・・」
「全てはもしもだ、現に裏切った以上は許すわけには行かないな」
「では例の機体とレーンをドイツへ?」
辻の言葉に嶋田は頷きながら肯定の言葉を変えした。
「あの機体で連合国が焼かれることになるのは皮肉としか言い様が有りませんがね」
その後、日本からドイツへと向けて出発する輸出用兵器を載せた輸送船が出発しようとしていた。
運用する輸送船の船員達は自分達が運ぶ兵器に付いての話で持ちきりとなっている。
「日本がこんな機体を作ってるとは予想外だったな」
「ああ、しかしこの機体を日本がなあ・・・」
「何かあるのか?」
「これ、俺が居た所だとアメリカ使ってきてた機体なんだよ・・・」
「そうなのか?てっきり日本製だとだと思ってたな」
船の中に鎮座していたのは、史実の人間から見れば忌むべき機体、そしてアメリカ軍からはスーパーフォートレスと呼ばれた
戦略爆撃機B-29に酷似した機体がドイツへと向けて運ばれようとしていたのである。
そして、1943年11月戦力が整いソ連とは小康状態となったと判断した枢軸国は、連合国であるイギリスへと宣戦布告し、此処に
第二次バトルオブブリテンが勃発する事となる。
244: ナイ神父MK-2 :2016/07/09(土) 21:28:14
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最終更新:2017年08月07日 21:25