203: ナハト :2017/06/25(日) 22:41:56
――--入学してから数か月が経った
逸見エリカが何時もの通りに廊下を歩いていると

「やあ、逸見。少し時間いいかな?」
「あ、教官。ええ、構いません。何か用ですか?」
「用というのはだな・・・・」

教官はそこで切ると、エリカの肩を掴んで

「航空ウィッチや・ら・な・い・か?」
「や・り・ま・せ・ん」
「うーん、残念。お前なら航空ウィッチでもいいとこ行けるんだがなあ」
「あら、高く評価していただいてありがとうございます。ですが、感覚的に違うって思うんですよ」


そう、入学してから暫くして魔法適正能力の検査が行われた。
私はそのテストに陸戦ストライカーと航空ストライカーに非常に優秀な数値をはじき出し
航空ウィッチの道を大勢の人が薦めてきたが、地上で走り回った逸見エリカにとって
空を飛ぶという感覚が合わず、陸戦ウィッチとして道を進めることとなる。


「まあ、それはついでで儲けのことだからいいとして、お前の戦い方どうにかならんのか?
周りの教官方も不評だぞ」
「申し訳ありません。私はそれしか知りませんので」

陸戦ストライカーユニットを履きなれたから戦闘訓練に入ったが
ここで逸見エリカは大爆発を起こす。

1対1の戦闘は勿論、1体複数の戦闘で常に相手に負け知らずの戦いを繰り広げてきた
これが、戦術によるものならここまで不評にはならなかっただろうが、逸見エリカは
自身の固有魔法自己再生の能力をフルに活用し、自分が傷つけようとも相手を喰らいついて放さないという戦術を取っており
一度、武器がすべてなくなった時には文字通り噛み付き、相手がギブアップするまで放さなかったという


このような肉を切らせて骨をぶった切るような戦術は到底認められず、何度も矯正を掛けられたが、エリカはこの喧嘩上等な殺法をガンとして変えなかった。
これが、同期生だけならよかったんだが、上期生・教官相手でも勝ってしまうのだから、強く言えなかった。

こうして、ほとほと困っていた時に

「エリカさん聞いたよ!」
「うげ!みほ!」
「教官達を困らせてどうするんですか!?」
「ち・・・ちがうのよ。効率よく倒そうと思ったらこうするしか・・・・」
「駄目!エリカさんが傷つけるような戦い方はしてほしくないの!」
「で・・・・でも・・・」
「やめないと・・・・泣くよ?」
「あーもー・・・・分かった、分かった。もうやらないわよ」
「ほんとう!?わーい!!」
「こら!抱き付くんじゃない!!離れなさい!」
「えー、どうしてー?」
「どうしてもよ!!」

二人がじゃれ合ってるところを教官はうむ良きかな良きかな
とみて、去っていった


と、ふとエリカが思い出したかのように尋ねる
「みほ・・・どうだったの?」
「・・・・ゴメンね。駄目だった。私は本格的に落ちこぼれみたい」

エリカが尋ねたのは魔力の発現で
ウィッチに囲まれることで、魔力の発現する可能性が高まるというが
あくまで確率的に高まるという事であって、100%発現する事ではなかった。

みほは魔力がいまだに発現することはなかった
「ごめんね・・・おちこぼれの私がいることでエリ・・・皆が迷惑をかけ「バーカ」痛っ!なにするのさ」
「私がいつ迷惑だと言った?私が好きでいるんだから、貴方は堂々としていればいいのよ」
「で・・・でも!」
「言いたい奴は言ッときゃいいのよそれに」

エリカはグイっとみほを引っ張って耳元でささやく
「私、待ってるわよ。みほが私の隣に立ってるのを。相棒の席開けてるから必ず来なさいよ」
「・・!はい!必ず行きます!」
「それでこそみほよ!・・・・時間かかったけど、お昼食べに行こか」
「今日は何かなー」


二人の学業はまだ続くのであった・・・・・

204: ナハト :2017/06/25(日) 22:42:43
終わり

色々批判あるかと思いますが、ご容赦を。
さあ、ルーデルの誕生日ssに取り掛かるか

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最終更新:2017年08月12日 09:11