79: ナイ神父MK-2 :2016/08/20(土) 01:36:32
憂鬱大陸化
爆撃と機能飽和
7月中旬、朝鮮半島南部がフィリピン沖に転移してから既に3週間近くが過ぎようとしていたこの日、偵察機から大型の爆撃機と思われる機体を含む
300機近い数の所属不明の航空機が向かって来ているとの報告後通信不能となった。此れを受けた韓国空軍は、此れを日本の爆撃機部隊であると断定しすぐさまF-15を主力とした
迎撃部隊を出撃させた。先の海軍の敗北も有り、念には念を入れた戦力で日本を迎え撃つべく空軍の主力であるF-15全体の3分の2に当たる40機とF-16を50機
投入、敵機撃墜へと向かわせた。そして、接敵した飛行部隊から管制室へと齎された報告は韓国上層部を揺るがす衝撃的な報告が成されていた。
「司令部、聞こえるか!此方、第155戦闘飛行隊今敵機を確認した敵は……」
「此方司令部、爆音で聞こえない!もう一度頼む!」
「敵は、敵はTu-95が約200機!それに護衛のSu-27が100機だ」
「馬鹿な!Su-27だと!?寝言は寝て言えあの機体がこの時代にある筈がない!」
「しかし、現に攻撃を受けている!援軍を、此の侭では突破……」
「此方司令部、応答を……ダメだ、通信が繋がらない!」
「他の飛行隊からの通信も途絶えている!まさか、ソ連が攻めて来たとでも言うのか?」
「いや、ソ連にしては可笑しい、この辺りは在っても日本か
アメリカの拠点の筈だソ連が戦闘機を出せる位置からだと遠すぎる」
「なら、日帝の戦闘機だとでも言うのか?其れこそ有り得ん、此れまでの戦闘で日帝は一度もジェット機を出していない
それは確認済みだろう!」
司令部が喧騒に包まれる中、今度は南部の泗川空港より通信が入り領空に侵入する多数の航空機を偵察に出ていた機体が
発見したと言う報告が入ったのであった。
「泗川空港より通信が入りました!済州島沖で複数のF-16を多数確認したそうです!」
「F-16ならば我が軍かアメリカの物では無いのか?」
「いえ、有り得ません。所属不明のF-16は現在200機近い数が接近中だそうです!」
「ソ連の次はアメリカだと!我々は朝鮮戦争に巻き込まれた訳ではないんだぞ!一体どうなっている!?直ぐに待機していた残りのF-16を向かわせろ!」
「ソウル空軍基地より緊急通信!」
「今度は何だ!」
「……旧北朝鮮方面より現在、東側から侵攻してくる航空隊と同規模の航空隊を確認、更にそれと同時刻ソウル市街の複数個所で大規模な爆発を確認、
前後の状況から弾道弾による攻撃と思われます……」
「は?」
80: ナイ神父MK-2 :2016/08/20(土) 01:37:03
指揮を執っていた少将のその反応が物語るように様に、その通信内容を聞いた空軍戦闘司令部の面々は思わずその場で凍りついた。
そして次の瞬間、司令部は正に蜂の巣を突いた様な大騒ぎと成っていた何せ、この時代の日本軍は保持している筈の無い
弾道弾による首都への攻撃である。此れには思わず指揮をしていた空軍少将もあたりに向けて怒鳴り散らす。
「監視は何をしていた!」
「現在、監視衛星を初めとする衛星消滅の影響で探知が出来ませんでした、又、日本軍が弾道弾を持って居る等当初の推測では……」
「言い訳はいい!其れよりPAC-2部隊を配置に着かせろ!」
「しかし、現在弾道弾攻撃で混乱が激しく……」
「これ以上の攻撃を許せば我が国の存続に関わる!何としても動かせ!」
「本部より入電!陸・海軍による対空ミサイルによる攻撃により50機近い敵爆撃機の撃墜に成功、しかし複数の釜山に停泊中の海軍艦艇に対艦ミサイルが
直撃打撃を受けた様です……」
「ある程度は撃墜できたか……其れならば続けてF-4やF-5を準備させろ!旧式でも空対空ミサイルが有れば十分撃破でき……」
「……ソウル他3箇所の空軍基地より入電……複数の空港に弾道弾攻撃が命中滑走路使用できません。」
「なんだと……」
その数分後、予定空域へと到達した無人富嶽は全速力を持って都市部へ向けて急降下を始めた、地上に激突した富嶽はその速度で激突した周辺の物体を派手に巻き込みながら
数kmを巻き込む大爆発を起こし、都市部に大打撃を与える事に成功する。特に首都ソウル周辺は弾道弾攻撃とその後の富嶽による攻撃によって大打撃を受けその機能を完全に
停止させた。又、東部沿岸にも複数の富嶽が突入防衛のために展開していたミサイル発射用の自走車両が巻き込まれて大破、更に弾道弾迎撃用の装置も複数が破壊されている。
81: ナイ神父MK-2 :2016/08/20(土) 01:37:42
韓国の混乱と崩壊の楔
青瓦台では現在、静まり返った中で被害状況に付いての把握中であった、最近はある種の見慣れた光景に成っていたデモを行う民衆達も姿は見えず、見えるのは遠くから立ち上る
煙と紛争跡地同然になった町並みのみである。
「それで被害は、被害はどうなったの?」
「落ち着いて聞いて下さい。現在までの時点でソウルの約50%近くの市街地が爆発に巻き込まれ、一部住宅街では未だに引火した航空機燃料が原因で火災が続いています。軍の被害は
F-15戦闘機は全滅、F-16も140機近くが撃墜又は使用不能、他多数の空軍基地に弾道弾が命中した為F-4及びF-5等の待機していた空軍機にも被害が出ています……そして、弾道弾迎撃に
出たPAC-2と牽引用のトレーラーも被害を受け現在は平時より70%近く迎撃能力が落ちています。」
「続いて海軍からも報告させて頂きます。海軍では釜山停泊中のイージス艦を初めとする艦艇に深刻な被害が出ています。又、被害状況から見ると潜水艦が集中して狙われており
浮上していた潜水艦5隻とドックに入っていた3隻が撃沈又は修理不能の被害となっています。」
「続いて陸軍です。陸軍では兵器の損失は少ない物の、周辺警備に出ていた中国人兵士と避難誘導に出た部隊の多数が爆発や火炎、建物の崩落に巻き込まれています。」
「何で……」
一言そう静かにポツリと呟いた大統領を見て被害を聞いていた側近達や各指令は青い顔を更に蒼白にさせた、見れば下を向いていた大統領の顔は此れまで以上に真っ赤に成っており
その怒り具合が伺える為である。
「何で、ソ連やアメリカまで私達を攻撃するの!?日帝とアメリカは敵対していた筈でしょ!ソ連だってアメリカや日帝と敵対しているはずよ!
何でそいつ等が纏まって此方を攻撃してくるわけ!?何で!」
最早癇癪としか言いようの無い調子で有ったが、無理も無い話しである。韓国から見れば完全に米ソから一斉に爆撃を受けた様な状態である為、国内全体としても軍としても
その混乱は非常に大きな物となっていた。此処最近の連戦連勝を考えても余りに大きい代償と言えた。
「一部の報告では今回出現した戦闘機や爆撃機には日帝の識別章が着いていたとの報告があります。考えたくはありませんが恐らく今回出現した航空機は全て日帝の物かと……」
「あ、アレが全て日帝の戦力だと!ふざけるなそんな事が有って良い筈がない!大体、転移した時代は50年代の筈だろう!?其れを調べてたのはお前達軍じゃないか!」
そう言って大統領の側近の一人が怒鳴るも其れに対しては軍も流石に頭に来たのか反論を始めた。
「ええ、確かに我々軍が近くを操業していた漁船を拿捕したさい調べた物です。線領域でも調べた事ですから間違いは無いかと、しかし、戦端を開いたのは政府の筈です!」
「日帝を排除するのは我々に与えられた天命だ!大体軍が情けないから……」
「今はそんな低俗な事を喚いてる場合ではないだろ!其れより、首都機能を南部へ移転しなければ不味い此の侭では再度弾道弾攻撃に遭うんだぞ!」
「其れなら釜山へと……」
「いや、釜山にはアメリカ軍が在韓外国人を集めて保護している。今機能を移すのは危険だ」
「ああもううんざり!首都移転に外国人が邪魔なら排除すれば良いじゃない!」
「しかし、それでは在韓米軍と……」
「其れが如何したの!?あいつ等だってもう本国は無いんだから気を使う必要は無い筈よ!こんな事ならさっさと潰して兵器を接収するべきだったわ!」
大統領が血走った目で過激な発言を一通りしたのと同時に、秘書官が一人焦った様子で執務室へと駆け込んできた
「た、大変です!先ほど陸軍から連絡が有り、海兵隊及び陸軍の一部と在韓米軍が反乱を起こし釜山の海軍基地が制圧されたと報告が!」
この報告は持って戦局は遂に最終局面へと向かい、この混乱も終局へと向かい始める。
82: ナイ神父MK-2 :2016/08/20(土) 01:38:12
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最終更新:2023年10月20日 16:48