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800 :名無しさん:2011/12/21(水) 08:40:58
ゲートを越え、侵攻してきた韓国海軍だったが、彼らの船は今喧騒に包まれていた。

「レーダーはまだ回復せんのか!」

「駄目です!完全に通信も妨害されています!!」

「馬鹿な……!相手は20年前の時代遅れなんだぞ!!」

そう、ゲートを越えた彼らを待ち受けていたのは帝国海軍及び空軍であった。
元々向こうの朝鮮の要求に苛立ちを高めていたのは軍も同じであった。向こうの世界の歴史や情報を知るに従い不快感はより強まっていたが、それでもゲートの向こうである限り『金持ち喧嘩せず』とばかりに放っておいたのだが、それをいい事に連中は侵攻してきた。
『何様のつもりだ!!』
嶋田の命令が下るなり、帝国軍は嬉々として叩きのめす為に襲い掛かったのである。

この世界で技術が急速に発展を遂げたのは幾つもの要素がある。
絶え間ない緊張とそれに伴う技術開発。
限定的ながら入手可能となった未来技術。
また同時に、冷戦構造とはいえ、むやみやたらな核兵器の製造は帝国、欧州共に行わなかった事も大きい。これは軍産複合体が帝国は夢幻会、ドイツはヒトラーという卓越した指導者の影響でそこまで大きな影響力を握れなかった事もある。
『相手を確実に叩きのめせるだけの量があれば良い』
予備も含めたとしても何百回何千回も地球を滅ぼせるだけの量など必要ない、というのが各国の共通認識であった。そもそもそれをやったとしたら勝ったとしても何の意味があるというのか。
当然、その分の金が他へと流れた。
どこの世界もそうだが、そして辻が言い続けてきたように、幾等帝国とはいえ金が無限に湧く訳ではないのだ。

さて、そうして開発された技術は平成世界の技術を当の昔に凌駕していた。
結果として、侵攻した韓国海軍艦艇はその目を完全に叩き潰されていたのだ。
そこへ飛来したのが空母部隊と基地航空隊から発進した実に三百機に及ぶ超音速ステルス攻撃機の群れだった。
そこから放たれた飽和対艦ミサイル攻撃に気付いた時は既に手遅れだった。

「迎撃しろ!」

「間に合いません!!」

どのみち自慢の電子システムが完全に潰されている以上、AMMを放てる訳もなく、彼らがその攻撃に気がついたのはミサイルが視界に入った後。そして音速の四倍以上で突入するミサイル群(実はこれでも倉庫に眠っていた廃棄寸前の旧式ミサイルの在庫一掃であったのだが)によって韓国海軍は業火に包まれ、次々と沈んでいったのだが、帝国の怒りはこれで収まらなかった。
何しろ、この世界、人道的という部分が限定的にしか広まっていないのだ。
当り前だが、この世界ではナチスドイツが勢力を維持した結果、ユダヤ人の迫害は進んだ。
これを保護したのが帝国であった。
無論、帝国とて慈善事業で行った訳ではない。最初はアメリカ国内のユダヤロビーを味方に取り込む為に、続いてはロスチャイルド家などユダヤ系の大富豪達とのコネクションの為にある程度を受け入れた、というのが正しい。もちろん、帝国の法に従う事は求められたが、それでもユダヤ人が帝国に受け入れられたのは別名宗教の墓場とも呼ばれる日本の宗教に関する寛容性、判官びいきな日本人のユダヤ人という対立する国家であるドイツに迫害される人々を保護するという美談、更にユダヤ人に対する偏見がなかった事が大きかっただろう。
……もっとも実は帝国内においては気付けばユダヤ教も平成世界のキリスト教がそうであるように相当に変質を遂げてしまっているのだが……。
まあ、何が言いたいかというと、アメリカの事情もあって基本的に『敵対した相手には容赦しない』というのが平成世界のテロリスト相手並に徹底しているのだ。これが帝国と欧州双方ならば主に捕虜になった互いの兵士の身の安全の為にかつてのジュネーブ条約が暗黙の了解として徹底されている。
(規律には従うゲルマン、日本双方の民族性もでかい)
だが、ただでさえ怒りを買った韓国相手に帝国海軍が容赦する必要を認めていなかったのである。

既に飽和ミサイル攻撃を受けた時点で韓国海軍艦艇に無事な艦は皆無であり、殆どの艦艇は業火を上げて燃え盛り、沈み、僅かに二隻のみがミサイルを喰らいながらも運よく浮いているという状態であった。
そこへトドメとばかりに飛来したのが戦艦からの砲撃であった。
既に撤退すらままならない状況に追い込まれていた韓国海軍にそれはオーバーキル以上の何者でもなく、韓国海軍はその艦艇と乗員の全てを失い、文字通りの意味で全滅した。
そして、帝国は韓国海軍の殲滅を平成世界で宣言、極めて厳しく韓国への謝罪と賠償を要求すると共に後に平成世界でも恐怖の的とされるある言葉を嶋田は告げる事になる。

『これらの要求が認められない場合、極めて遺憾ながら我々としては断固たる態度を取らざるをえない』

817 :名無しさん:2011/12/21(水) 10:36:38
※続きが思いついたので更に投下

さて、艦隊を全滅させられた韓国だが、彼らは帝国の想定外の行動に出た。
そして、それへの反応もまた帝国の想定外にあった。

「……もう一度言ってくれ、何だって?」

自分の耳がおかしくなったのかと思い、嶋田は会議に出席している帝国情報局局長に聞き返した。
帝国は情報を極めて重要視した。
何しろ、自分達自身が今こうして列強筆頭でいられるのも逆行というか転生というかとにかく未来知識を得たお陰なのである。英国情報部やドイツのカナリア機関との裏での熾烈な戦いを経て、世界でも最強最良の情報部の一つと呼称される情報機関を保有していた。
ちなみに省ではなく局としたのは民間から選ばれた大臣連中では何時か帝国も衆愚政治になった時が不安だから政治屋とは離れた場所に置いておきたい、という事らしい。
とはいえ、その重要性から情報局長は官房長官などと同等以上の権限を有しているのだが。
とはいえ、それだけの重要人物とて嶋田の前では大きな態度を取れる訳もない。
まあ、今回の情報が何とも言えない情報である事は当人が一番理解出来ていたのもあったが。

「はあ、向こうの韓国とやらの反応なのですが…」

何と、平成日本に対して、「同じ日帝のせいだ!」と賠償の肩代わりに艦隊再建費用、遺族への保証金や年金の要求までしたという。
それだけでも唖然としたのに、これに対する平成日本のミンスの対応が帝国上層部をして開いた口が塞がらない、という状況に追い込む事になった。

「………『同じ日本がこのような非道な行為を行った以上、韓国の主張にも一理あると看做せざるをえない。それらを考えみるに賠償要求も真摯に考慮せざるをえない』……正気か?というかどこに理がある!?」

宣戦布告もなしに全く関係のない世界へいきなり軍隊を送り込んだ挙句、それが逆に壊滅させられた自業自得だというのにそれを受け入れるような事を言い出した平成日本に唖然とせざるをえなかった。そして、それは帝国をも想定外の方向へとロケットブースターをつけてぶっ飛ばしたのである。

「……帝国国内では大騒動です」

平成日本の情報は他ならぬ夢幻会の重鎮達があっちの情報という名のアメコミやハリウッド映画含めた各種のこちらでは存在しえないものを得る為に積極的にインターネットと接続というか交流していた。お陰で帝国内部にも今回の情報が思い切り流れた。
結果として、『あれが同じ日本人か!!!』という平成ドイツと憂鬱ドイツが即座に緊張状態に突入した以上の憤激ぶりが沸き起こったのである。

「……まだ向こうの日本人も怒ってる連中がいるだけマシか」

ドイツと異なり、こちらはまだ一部の売国奴の仕業という方向へ持っていくのが夢幻会をしても余りに熱く激しいこの流れでは精一杯であった。その為に、政治屋やマスゴミその他の外国から接待や献金を受けたりしている連中を情報局がこっそりと売国奴の集団として情報を流したりしている。

「お陰で、向こうの日本を救え、なんて動きが出てますけどね。全く、政治屋に困らされるのは向こうもこっちも同じですね。どんだけ手間と金がかかるか連中は理解してるんでしょうか」

やれやれ、と辻が肩をすくめたが、そこには彼をしてどこか諦めがあった。

「いかがされますか?」

夢幻会の一人……といっても彼は嶋田や辻とは違う。予想外の事態により未だ現役に(本人の意志を無視して)留まっている嶋田らの後継者として本来は育成されてきたいわば次の世代の夢幻会の人間だったが、彼を含めた周囲の視線はどこか諦めに似た、確認の為の言葉のような面があった。

「……やむをえまい。【新たなる夜明作戦】を承認する」

それは平成日本の占領作戦へのGOサインであった。

※おまけ
辻「そういえば、新たな夜明けってFateのラストシーンの音楽名でしたね。遂に諦めました?」

嶋田「知らんわ!そんなの!?」

828 :名無しさん:2011/12/21(水) 11:34:07
新たなる夜明作戦。
平成日本占領作戦と題打ってはいるものの、実の所そこまで大したものではない。
同じ日本人である為に潜伏が極めて容易な事。
多々の実戦で鍛え上げられた特殊部隊の動員。
スパイ防止法などの存在しないザル状況。
これらにより、平成日本の政治中枢部とマスゴミはあっという間に制圧された。

この状況に至っても平成日本の場合は余り影響はなかった。
国民の大多数は「まあ、同じ日本人だしいいんじゃない?」とか「あっちの日本の方がマシ」「美少女宰相に率いられた無敵皇軍なんてサイコー」だの自分の生活に影響が出ない限り、無関心だったのだ。政治屋がどうなろうとどうでもいい、とか先だっての首相の台詞に腹が立っていたのもあったかもしれない。
左な人は大騒ぎしようとした、が。
これらにも帝国は容赦しなかった。
金は絶たれ、裏で外国と結びついていた連中は問答無用で制圧され、密輸された銃を持ち出した連中までいたが完全武装の精鋭特殊部隊相手にどうにか出来る訳もなかった。
平成日本の自衛隊はといえば、個人レベルでは歓迎の意を示す連中もいたが表立っては……何もしなかった。
自衛隊のある制服組曰く「シビリアンコントロールの下にあるから、出動命令が出てない以上何も出来んよ」とどことなく皮肉めいた口調で言ったという。もちろん、この時点で命令を出すシビリアン自体が完全制圧されている事は承知の上で、だ。

むしろ反応が大きかったのは外国の方だった。
アメリカはまだ大人しかった。
この時点で既にアメリカは向こうの帝国が容易ならざる相手だとしっかりと認識していた。この為に、在日米軍の安全を保障する約束と引き換えに沈黙を選んだ。
中国もまたこちらが強気に出れば引く日本とは名前こそ同じの別物と判断していた為に口で批判するに留めた。
ロシアは極東に即座に動かせる戦力で帝国を相手どる危険性を考え、こちらも中国と同様。
三国が口を噤むか、或いは口だけの批判に留めれば東アジアに影響を及ぼせる国で手を出せる国はない。
韓国は口では激烈な批判を口にしたが、既に動かせる戦力の艦隊は海の底、空軍も戦略爆撃機などはない、と払底していた為に手を出せなかった。
そして、北はといえば不気味な沈黙を保っていた。

マスコミはといえば、テレビは普通に流れていた。
無論、政治討論という名の政治にただ文句を垂れ流したりするだけの政治ショーや歪曲報道、捏造は完璧にシャットダウンされていたというか、売国奴として少なからぬ人間が逮捕・連行された状況で下手にそんなもの流せるはずもなく(御用タレントも睨まれていたのもあった)、大人しくドラマやスポーツ、アニメにクイズ番組や映画など無難な番組を普通に流していたが、それらが一斉に番組を中断して一人の美少女を映し出したのは作戦終了後三日目の事だった。
無論、その少女の名は平成日本でもよく知られている。
日本帝国宰相嶋田茉莉侯爵である。
公式声明として日本全体のみならず世界に向けて発信されたこの映像で、嶋田はまず平成日本が日本帝国の一時統治下に置かれた事を宣言すると共に外国と結託していた政治屋の国家反逆罪適用による処刑が行われた事を告げた。これは同時に未だ潜伏していた左な人間その他への強烈な警告でもあった。
そして……。

『日本帝国は極めて遺憾ながら大韓民国政府に対してここに宣戦を布告する』

それはその後の朝鮮崩壊のオープニングであった。

838 :名無しさん:2011/12/21(水) 12:34:41
対韓国への作戦。
通称光州作戦。なんで光州なんだ、という疑問点に関しては一部の者が「やっぱマヴラヴでしょ」「何か敗北フラグじゃね?」という台詞があったらしいが、定かではない。
まずこの作戦に関してはここまでの展開から朝鮮の戦力を見極めた日本帝国はあっさりと結論を出した。

「折角だ、この際廃棄前の奴、どうせ捨てるぐらいなら使っちまおう」

廃棄にもどうせ金がかかるなら盛大にばら撒いてしまえ、という事らしい。
まず作戦の第一波は日本帝国の誇る戦略爆撃部隊が担った。
この爆撃に対して、韓国は完全に後手というより対応出来なかった。

成層圏爆撃機。

ぶっちゃけてしまえば、大気圏上層部を水切りの要領で飛翔するマッハ7以上で飛翔する超高速超高高度爆撃機である。これが群れとなって襲い掛かってきた。

「駄目です!追いつけません!!」

そんな悲痛な声が迎撃部隊から無数に上がった。
何しろ、戦闘機はおろかミサイルでさえその速度に追いつけずに置いていかれるのである。
ましてやその高度まで上がる事自体が普通の航空機には無理だった。
クラスター爆弾と燃料気化爆弾とがミックスされた猛爆撃が韓国を襲った。
当初はダーティボムの使用も検討されたのだが、近すぎて平成日本にも飛散する可能性大という事で却下されたのは良かったのか悪かったのか。
いずれにせよこの爆撃は一度では終わらなかった。
連日の爆撃により基地も都市も工場も瓦礫の山と化し、この時点で韓国経済と政治は実質上崩壊した。
ついでに言うなら日本帝国は占領軍を送る気は毛頭なかった。

「そんな人手なんぞない!」

「何で面倒な占領統治政策なんぞやらにゃならんのだ。どうせ連中、自分達に都合の良いように解釈してメシだの何だの要求してくるに決まってる」

結果から言えば、国内インフラ、鉄道網に道路網。港に空港まで破壊され、封鎖された。
平成世界の中には「人道的観点」から韓国へ救援物資を送り込もうだの、ボランティアで医師団が訪れようとしたのだが、こらら全ては封鎖した帝国艦隊によって追い返された。
強行突破を図ったボランティア団体の船が容赦なく撃沈された事で、多数の真っ当な所も自称ボランティア団体も震え上がった。実際、この当時とその後に平成日本にちょっかいを出していた所もそそくさと団体人員を引き上げた所も多い。
最終的に「一世紀は後退した」「月面よりはマシ」と言われる程の攻撃を受け、更に津軽・対馬両海峡まで封じられた朝鮮は実質的に崩壊する事になった。
北も後に明らかになった事だが、当初は弱った所での南の併合を目論んでいたらしいが、そんな事を言っている余裕は瞬く間に消えうせた。原因は単純、余りの激しい攻撃に南から大量の難民が逃げ込んできたのだ。軍隊が38度線を突破し、そこを通って大量の南の住人が流れ込んでくる。
元々、食料事情が悪化していた北にそれらを受け止める余裕なぞある訳もなく、押し留めようとした北の軍隊は住民を護ろうとする南の軍隊と壮絶な戦闘に突入した。この間に難民は次々と流入した。海を通じて日本へ逃げようという住人もいない訳でもなかったが、その全てが追い返され、従わない場合は撃沈されるという評判が広がっていた事、日本帝国が北へ逃亡する住民に対しては敢えて攻撃せず放置した事も大きかった、というか密かに宣伝していた。
人口はおおよそ北朝鮮2300万強に対して大韓民国4800万強。
その全てがなだれ込んできた訳ではないが、北の全人口に匹敵する数の難民が雪崩れ込んできたのではないか、と後に推測されている。この結果として、北もギリギリで保たれていた体制もまた崩壊した。
各地で衝突が起こり、大量の難民と南の軍が雪崩れ込んだ事によって軍による統制が不可能になり、不満が爆発したのだ。
中国やロシアも必死だった。
ぶっちゃけ、「こんなんに来られてたまるか!!」とばかりに両国との国境線に軍隊を集結させ、朝鮮から雪崩れ込もうとする難民を当初は叩き返し、そしてすぐに銃弾でもって押し返し、激しい銃撃戦から紛争といってもいい戦闘状況へと突入した。

どれだけの人口の死亡が発生したのかは定かではない。
もっとも大西洋大津波とその後のアメリカ風邪の恐怖、更に日本帝国に喧嘩を向こうから売った事を知る憂鬱世界はまったく動揺の欠片も見せず、「まあ、当然の結果だろう」という反応だった。これは後に日本帝国を牽制出来ないかと憂鬱世界の自国と接触した国が「あの対応は当然」と見る憂鬱世界と「さすがに問題があるのではないか」と見た平成世界との認識の違いに驚く事になる。
いずれにせよ、はっきりしているのはこの後、半島に押し込められ、出身の道ごとに分裂し、国内騒乱に突入した朝鮮に唯一の半島国家としての国というものが成立する事はなかった、という事実であった……。

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最終更新:2025年03月14日 21:08