952: ナイ神父Mk-2 :2016/09/05(月) 01:22:04
憂鬱大陸化 入れ替わりネタ その4

日本の動きとソ連の近況

「中東で不審な動き?」

朝鮮戦争が終結し、漸く徹夜から開放されて出勤早々嶋田の耳に飛び込んできたのは聞いただけでうんざりする様なそんな報告だった。
しかし、夢幻会と一連の戦争で既に慣れきっていた嶋田はそんな事は表に見せずに列強のTOPとしての顔で部下の報告に耳を傾ける。

「はい、此処数ヶ月イスラエルに入港するアメリカやイギリスの船籍の船が急に増えているそうです。」

「其れだけでは不審な動きとは言えないだろ?情報局の方で何か掴んで居るのか?」

「はい、米国に潜り込ませていた局員が調査した所、どうやら余剰のM26やM46と言った兵器が積荷であると確認しています。
また、それに合わせてイギリスでも海軍が慌しくなっている子との情報が入っており、昨今のイギリスの世論等
と照らし合わせると・・・」

「チャーチルは民衆を抑えられなかったか…いや、枢軸嫌いで自ら扇動したか?何れにせよ中東で騒動は確実らしいな、
まあ、どちらにせよ余り此方には係わり合いの無い事だ此れがトルコや我々の勢力圏に火の粉を飛ばすなら別だが…」

「その事なのですが、如何にもインドがエジプトへと援軍を送ろうとしている様なのです。」

「インドか、彼の国もイギリスに対しては思うところが有るのだろうな、しかし、日本延いては此方の勢力から
前面的な支援は出来ないやるならインド単独で当ってもらう事になるぞ、外務省を通してそれだけは伝えてくれ。
それよりも枢軸の動きは如何なっている?中東とアフリカは枢軸の庭だ、その庭を荒らされて黙っているほど彼等は大人しく
無いぞ…」

「其方の方も情報が入っています。現在はどうやらTa450戦略爆撃機や現行主力機のMe284戦闘機等を初めとした空軍と
パンターⅡを含めた陸軍部隊が送られています。更に仏領アルジェリアの陸軍と仏・伊海軍でも動きが見られています。」

「其処まで動くと成ると、枢軸も本気だな…各枢軸首脳、特にヒトラー総統とアメリカのアイゼンハワー大統領との通信は何時でも
できる様にしてくれ、万が一にも過熱して核でも持ち出されたら敵わん」

「解かりました、各部署に通達しておきます。」

日本が新しい局面に動こうとしている頃、ソ連では先の朝鮮戦争で見られた九七式戦車とT-54の類似性及びその性能差に付いての
報告がスターリンに成されている最中であった。

「…ですから同士スターリン、先ほど述べたように日本の機体と我が国のT-55の類似性は恐らく日本がアムール周辺を
獲得した際にT-44かそれに近しい機体を手に入れ改良した事が原因では無いかと考えます。」

「だが、九七式戦車と呼称されている理由は如何説明をつける?アレはたしか戦前に開発された物だ、それでは説明が付かないぞ」

「恐らく偽称では無いかとアメリカの同士から送られた情報やインドへ諜報員を送り込んだ際に調べられた情報によると
性能も見た目もまるで違う戦車複数が九七式戦車と呼称されています。此れを見る限りは、恐らく通信の傍受等を受けた際に
相手を誤認させるカモフラージュでは無いかと…」

「一応筋は通るか、それで性能は?朝鮮戦争では一方的に撃破されたと言う話も有るが?」

「撃破した幾つかの機体を調査した所、此方で使用している部品より高精度の物を使用して運用してい部分で差が出たのではないかと
結論が出されています。また、日本が参戦した際既に朝鮮が疲弊しきっていた事も原因の一つだと考えられています。」

「ならば良いが、開発局にはT-54/55の改良と平行して新型戦車の開発を加速させろ良いな」

「はい、同士スターリン」

953: ナイ神父Mk-2 :2016/09/05(月) 01:22:35
この後、ソ連では軒並み陸上兵器と航空機の開発が活発化し、日本陸軍に対抗しうる戦車の開発に取り組まれる事と成るが、
史実より落ちた国力での急激な陸上兵器へのリソースの割り振りは唯でさえ遅かった海軍の発展を更に遅らせ、大型の対艦
ミサイルの開発などで他陣営に対する遅れを齎す事と成る。

中東戦争とイギリス

1952年10月イスラエル及びイギリスはエジプトに対して不法に占拠しているスエズ運河を開放するように通達、正式に拒否の
回答があった10月下旬より宣戦を布告し陸軍による侵攻を開始し、同時に空軍を動かしてスエズを直接押さえる様動く作戦に出た。

しかし、アメリカからの支援で投入したP51やイギリス空軍のミィーティアはインド軍の橘やエジプト空軍のMe262による対空網を越える事が出来ずに
多数の被害を出し、陸上ではエジプト側が用意していたヤークトパンターやパンターⅠ型によってM4を主力としていたイスラエル軍は想像以上の
打撃を受け、侵攻の足はスエズ手前で止まる事となるが問題はさらに重なっていく。

エジプト及びドイツ軍から構成される枢軸軍を押さえていた戦線へと今度はインド軍が攻撃を仕掛けてきたのである。戦力こそ主力はT-34-85相当の
九七式中戦車改で有ったがそれでもM4を中心とするイスラエル軍には辛い相手となり、最終的には12月に入る前に国境付近まで押し返されている。
そして、戦線が完全にイスラエル国内にまで押し込んだ時点でエジプト側は降伏勧告を行うも、イギリス海軍が到着すれば戦況を好転させる事が出来る
と考えたイスラエル軍は此れを拒否して戦争を続行しょうと動いていた。

イスラエルが戦闘を続けるとの表明を出した12月、ドイツ空軍はエジプトへと輸送していたTa450戦略爆撃機を使用してイスラエルの市街地へと爆撃を
開始した。勿論、イスラエルもこの攻撃に対して空軍を出して防衛に移るも護衛する戦闘機との戦いで多数が撃墜されている。そして、イスラエルが頼り
にしていたイギリス海軍もまた、海上で印伊海軍と激突していた。スエズ周辺へと攻撃を行うべく動いていたイギリス海軍は、ポートサイド沖で印伊海軍と
戦闘を開始、当初はイタリアが主な敵に成ると考えられていたが、戦後に日独両国の意図の下行われていたスエズの拡張工事のために通行可能となっていた
大和と翔鶴が参戦した事によって数的優位と失ったイギリス海軍は、この戦いデュークオブヨークとイラストリアスを喪失、ヴィクトリアスを大破させる
と言う大被害を蒙って撤退している。

そして、頼みの綱を失ったイスラエルも1953年1月にアメリカと日本の仲介によって枢軸側と停戦、最終的には何とか国土を維持する形で話が纏まっているが
今回の戦争で大幅に軍備失い、都市部にも大打撃を受けたイスラエルはアメリカ側の軍の駐留を受け入れる事となり、実質はアメリカに鈴を付けられるという
結果に終わる事となる。

イスラエルが鈴を付けられている一方、イギリスでは今回の戦争で出た被害に顔を青くしていた。

「まさか、イタリアは兎も角インド海軍に此れほどまでの打撃を受けるとは…」

「帰還したヴィクトリアスからの報告ではインド海軍が運用していたのは日本の大和型と翔鶴型であったと報告が入っています。」

「大和…日本が作った46cm砲搭載の戦艦だったか?アレがインドの手に有ると?」

「少なくとも海軍はそう判断しています。」

「たちの悪い冗談だ、インドにこれ程の戦艦を与えているなら日本は一体どんな怪物戦艦を作ったと言うのだ?」

「流石にそれは諜報の結果を見なければ解りかねますが…」

「しかし、こうなれば余計に新造艦の配備を急がねば不味いか…此の侭では制海権を維持する以前の問題になる…」

戦闘後、イギリスでは現場の声もあり陸海での新戦力配備に追われることと成るが、この戦力拡大によってイギリスは
核兵器の研究を諦める事となり、アメリカの核の傘の元に甘んじる自体と成っている。

954: ナイ神父Mk-2 :2016/09/05(月) 01:23:59
以上ですWIKIへの転載は自由です。なお、話題になっていたスエズ運河は日独両政府の都合によって15mまで拡張工事が行われたと設定しています。

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最終更新:2017年08月12日 10:07