930 :名無しさん:2011/12/21(水) 20:52:01
韓国サイドからちょこっと。
絶え間なく鳴り響く低く重い音に青瓦台の住人達は、心底おびえきった表情を見合わせていた。
『何故こうなった?』
それが彼らの思考の多くを占めている。
簡単な事だった筈なのだ。
二十年以上遅れた軍備しかもたぬ腰抜け日本。
赤子の手を捻るかのように容易く征服し、膝下に引き据えられた筈なのだ。
そして、日帝三十六年の屈従を晴らし、搾取し、支配し、別世界に覇を唱え、彼ら韓民族の偉大さを示す事が出来た筈だったのだ。
なのに……
「……どうしてこうなった?」
歯軋りと共に、憎悪と憤怒に塗れた呟きが、現大韓民国大統領の喉から搾り出されるが、それに返る答えはない。
現実は、余りにも非情で、彼らの甘い甘い夢想を裏切っていた。
鎧袖一触とばかりに、彼らの艦隊は打ち砕かれ、将兵の悉くが虐殺された。
嵩にかかった日帝の賠償要求を、同じ日本に肩代わりさせようとすれば、その日本そのものが日帝の支配下に置かれた。
彼らの意思を理解し、その思想に共鳴してくれた進歩的な政治家や文化人達は、売国奴の汚名を着せられ処刑場の露と消えた。
それでもまだ、まだ逆転の目はあった。
あった筈なのだ!
「在韓国連軍は、何故動かん!?」
罵声が青瓦台地下シェルター内に響く。
日帝征伐を主導した議会の重鎮の一人が、顔を真っ赤にしながら周囲の官僚や軍人に食って掛かった。
避けるように伏せられ、反らされた視線が、全てを物語っていた。
あの恥知らずの米帝は、彼らをこの土壇場で見捨てたのだ。
『非道な侵略国家に味方する大義はない』
そうしたり顔で言い切った在韓米国大使の顔に、コーヒーを掛けてやった時の爽快感を思い起こしながら、苦り切った表情を浮かべる。
あそこは阿るべきだった。
何とか、在韓国連軍こと米軍を、日帝との戦争に引きずり込むべきだったと。
931 :名無しさん:2011/12/21(水) 20:52:46
「……ロシア、いや中国でもいい。何か返答はないのか?」
腹の内で渦巻く怒りを堪えながら、大統領は外交通商相に問い質すが、ここ数日で骸骨のように痩せこけた男は、黙って首を振るだけだ。
その態度が、大統領の大して強くもない堪忍袋の緒を切った。
「何故だ!
我が国が併合されても良いと言ってるんだぞ!」
それが、彼らに残されたラストカード。
自力で国を保つ事が出来ないと判断した彼らは、先祖と同じ選択をしたのだ。
だが、既に事態は、そんな選択を許さぬ域へと到っていた事を理解せぬままに。
「……『卑劣な侵略者を同胞とする義務はない』……それが両国の回答です」
目の前が真っ赤に染まった。
彼らが、日帝征伐を打診した際、止めようともしなかったのに、今更!
激情が溢れた。
理性的な、いや、理性的を装った仮面が砕ける。
残るのは、彼ら本来の顔。
「アイゴォォx!」
絶叫が響き、絶望が支配する地下空間に、狂騒のみが残された。
オシマイw
最終更新:2012年01月16日 20:21