462: 霧の咆哮 :2017/09/07(木) 22:26:10
○大陸種世界の書籍 霧の咆哮ver その10


◇通商(補給路)破壊及び防衛のイ・ロ・ハ
出版:大洋連合

タイトルの通り通商破壊及びそれに対する防衛戦に付いての解説書。
戦争では特に素人には派手な正面決戦が注目されがちで、通商破壊の様な地味とも言える戦術は目立ち辛く、軽視されがちである。
だが、それは大きな誤りであると指摘したのが今回の著書。
実際古来より補給網の維持や整備、防衛等は軍が大規模化・高コスト化すればするほど重要となっている。
なにせ、古代や中世時代とは違い、物資の現地調達にしても精々食料品や生活物資辺りがやっとで、現行の主力であるMSや戦闘機等のパーツを手に入れるのは難しい。
そうなると必然的に後方の自軍の工場や領土等から運ぶか、敵軍の基地の兵器でも奪うしかない。
そこで発生するのが敵軍による後方輸送路や部隊への襲撃であり、それをいかに自軍は守るかという話に。
このように、軍に取って補給はどれだけ大事か。戦時中での対処法はどうだったとかを機密に触れない程度に調整し、解説している。
それでも完全な素人が読むにはちょっと難しい、アマチュア向けの本かもしれない。
なお、著書作成の際、そこら編の専門部隊であったサンダーボルト部隊の隊員にして、MAエースたるアンジェラ・バルザック及び。
第三特務隊結成前にはジオングを駆り、姉と共にサンダーボルト部隊と似た感じの襲撃任務をこなしてた山城六花にもご協力を頂いている。
また、襲撃を受ける側に取って防衛がどれだけ大変か、こちらは匿名希望の旧ザフト兵の生々しい体験談も載せられている。


◇アフリカ戦線の始まりにして終わり
出版:ユーラシア連邦

ヤキン戦役全体の流れではなく、あえて一つの地域での戦闘に注力して考察・解説を重ねた書籍。
地上において開戦初期から南米と並んでザフトが連合側と鎬を削り続けた激戦区、アフリカ戦線。
ジンやザウートと戦車隊がぶつかり合う初期も初期の戦いに、大洋から購入・配備されたゴブリン隊の活躍。
それに対抗するかの如くザフトが投入して来た4足の王者、バクゥの脅威。
砂漠の虎の名を轟かせた一大決戦だが、その勝者でありながら被害もザフトの馬鹿に出来ないもので、勝利で浮かれる者らと将来を想い気が沈む者らとの温度差。
以降は小競り合いに終始しながら双方ともに力を蓄える時期となり、時来たりて始動するアフリカ大反抗作戦。
陸戦特化機としてゴブリンらに一定レベルで対抗されながらも、優位を保っていたバクゥを玉座から蹴りだしたドムやハイザック(ディザートザク)の台頭。
空からディンを完全に駆逐していくドム顔の黄色い悪魔、アッシマーの本格参戦。
ザフト自慢の新型G、自由と正義に多大な被害を受けながらも、逆に連中を駆逐していく大洋軍特務隊の凄まじさ等と。
この戦線で、南アフリカと共に当事者として初期から戦い続けて来たユーラシア連邦視点中心で、どのような見解や認識をしていたかも表現されている。
恐らく似た様な解説書は南アフリカ視点バージョンや、それらに援助しながらもアフリカ大反抗までは直接的な介入は少しだけだった大洋視点のバージョン。
最終的に負けた側であるザフト視点バージョンも出版されていそうである。

463: 霧の咆哮 :2017/09/07(木) 22:28:06
◇MS大アート展
出版:大西洋連邦

基本的には競技用やパフォーマンス用MSにいる色々なペイント例や、派手な改修例とかを主軸にした書籍。
国籍問わず色々な塗装パターンや改修例が記載され、オーソドックスにかっこいい例や、滅茶苦茶奇抜でゲテモノな物まで含まれている。
その中には所謂痛MSまで。
変わり種としては新鋭気鋭の芸術家による、MSを操縦して描く巨大芸術も掲載されている。
そのサイズも描き方も実にダイナミックである。
今回はアートメイン故に載せられてはいないが、MSを用いる書道家や彫刻家とかも出て来そうではある。
最早MSは芸術の道にすら手を伸ばしているのだ。


◇MSアリーナのすゝめ
出版:大洋連合

ヤキン戦役後、普及していくMSに合わせて開催していくMSアリーナ。
その紹介・解説雑誌。
まずは基本となるMSアリーナとは何なのかの説明、概要。
ルールやレギュレーション説明と言った注意事項や、ランキング上位のチームや選手の紹介。
新たな希望者が通うならここの訓練所がお勧めだの。
新人でも注目株の選手へのインタビュー等と、ミーハー系で気軽に読める部類の本となっている。
MTレースやバトル、空戦MSレースとか用の似た感じの雑誌は他にも出版されている。

464: 霧の咆哮 :2017/09/07(木) 22:28:55
◇南アフリカ統一機構の苦悩
出版:南アフリカ統一機構

こちらも苦悩シリーズが一冊。
アフリカとしての別々の国としては、統一国家樹立以前から続いてるかもしれないアフリカ共同体との長年の対立。
じっくり積み上げて来た部族間との融和政策が実を結び、マスドライバー運営とかもあって中堅国家ながら順調に発展していく喜び。
それらをぶち壊すヤキン戦役開戦からの混乱。
直接国土が戦地になることでダメージを受けていく民衆や行政の苦労。
ザフトの最優先目標と同時に自国の最重要目標であるマスドライバーが設営されてるビクトリア基地を巡る凄まじい激闘。
ちゃんとバックアップしてくれる同盟国のユーラシア連邦や大洋連合の優しみ。
特にユーラシアとは開戦初期から共同戦線を取り続けて来たが故に深まる相互交流。
ザフトをアフリカから叩き出し、漸く一息つけた安堵と戦後を見据え始めたは良いが、混迷を深めるアフリカ共同体領への対処と悩み。
国力的には自国と同等かそれ以下のスカンジナビアが国独自のMS開発に成功していく中、内政重視で中々MS関連の技術開発が進まないことに対する軍民の一部からの不満、コンプレックス。
理事国と非理事国の格差の象徴とも言えそうな、ある意味悲願であった自国の宇宙進出や宇宙艦隊の設立。
地上戦の経験は豊富だが、未知であった宇宙での運用に四苦八苦する南アフリカ宇宙軍の将兵。
ゲートというまたファンタジーな代物が出来ながら、テロ屋とかの騒動も討伐が進んで収束に向かっていったところで攻め込んできやがったラクス軍への苛立ち。
再度戦地になってしまったアフリカの大地の嘆き等と。
未来への希望というか発展そのものは一応順調だが、発展による登りと戦争による降りとが交互に押し寄せて来る事態への、もう勘弁して欲しい的な空気が見える。
それでも旧アフリカ共同体とかから見ると贅沢な話だが。


◇ユニウス・インパクト
出版:ユーラシア連邦

ヤキンの終盤で発生したユニウス7落下未遂事件に対し、その事態収拾に動いたユーラシア艦隊視点中心のお話。
その作戦関連のザフト側の資料も閲覧できたので、ザフト側の裏事情というか作戦実行前の動きも描写されている。
事態はヤキン決戦の最中、ザフト側が仕掛けて来たのは崩壊したユニウス7の片割れを地球に落とすという、作戦コード:オペレーション・ジャッジメントデイ。
時の司令官は最初聞いた時、冗談はよせと軽く答えた後、事実だと判明した際は素で間抜けな声を出したほどの驚天動地の事態であった。
とはいえ、ユニウス落としそのものは想定外であっても、ザフトの別働隊による大規模陽動作戦や後方撹乱辺りは想定していた連合軍。
地球軌道上を警戒していた大洋・ユーラシアの二個艦隊を中心に中小のパトロール艦隊も集結させて対処に当たり、最悪は後詰として本来ヤキン決戦艦隊への予備部隊であった残りの艦隊にも準備させていた。
母なる地球を守る為という、これ以上ない大義名分の元、士気旺盛な連合艦隊側。
それに対し最早死兵化と同時にユニウス7の犠牲者縁の者ら中心で固められたが故の、復讐鬼達の執念で機体性能差や物量差に抗おうとするザフト側。
徐々に迫る地球とゆっくりと堕ち行く、かつて人々を育むゆりかごであった砂時計の骸を背景に、一つ、また一つ新たに命が散ってゆく。
その結果は史実の通り連合側の勝利であったが、当事者達に取ってはただの勝利以上の価値が有ったのだろう。
特にかつて衛星軌道での戦いで、Nジャマーの投下を阻止出来ずにエイプリルフール・クライシスを防げなかった者らがいた場合は。
今度は守れたのだから。
最後に原作世界で実際に落ちたブレイク・ザ・ワールドの被害や、大陸世界側での予測データを元に、実際にあのままユニウスの落下を阻止出来なかった場合。
どれだけの被害が出てたか纏められており、被害模様を想像した読者の背筋を凍らせている。
後に大洋とユーラシアのチーム合同で映画化され、実際に地方隊に配備されてたゲルググやマラサイとかを撮影に用いた迫力全開の戦闘シーンは圧巻。
その際、戦闘シーンを盛り上げる為にザフト側の錬度や戦力面が史実よりいくらか強化されてるのはご愛嬌。
なお、映画化した後ガトー役を見たオリジナルであるガトー当人としては、役者の演技は良いんだが、役者が些か老け過ぎじゃないかと思ったとか。
ガトーだって年齢の割に老け顔じゃないか、とは言ってはいけない、多分本人も気にしてるから。

465: 霧の咆哮 :2017/09/07(木) 22:30:03
◇憤怒の大地
出版:大西洋連邦

コズミック・イラの時代においても、大自然の驚異がどれほどやばいのか。
MSやMAが普及した時代では人類は災害にどれだけ抗えるのか、という感じの災害パニック系ジャンルの書籍。
突如発生した大噴火に、同時に起こる大地震にパニックに陥る民衆。
被災地に駆けつけ、救助に動く軍のMS隊やMA隊。
大型輸送機隊だけでなく、爆撃機隊すらその高いペイロードで民衆を避難させる為に出撃する。
地震で倒壊しかけたビルをウィンダムが直接的に支え、その間に工作型ダガーがこれ以上の倒壊を防ぐために急いでつっかえ棒というか支え場を整える。
民間作業用ダガーが瓦礫を撤去して避難場スペースを確保し、降下したSFSに積まれた救援物資を降ろしていく。
ホバリングするSFSに乗ったレスキューダガーが抱える救護カーゴに、下層部が火災で燃えてて高層マンションから逃げ遅れた人らが乗り移る。
このように現場では軍用・作業用・医療用問わずMS達が一致団結してただ、人々を救う為に動き、そちらをサポートする為にPSやプチモビ達も忙しなく働いている。
ここいらだけでも転生者視点では凄く未来的である。
そして、まだ避難が終わっていない都市部の近くでまた噴火口が発生し、大量の溶岩が流れ込んでくるのを防ぐために。
普通に掘るだけじゃとてもじゃないが間に合わないと判断した大西洋軍が持てる火力を駆使して、溶岩を逸らす新たな堀を強引に造ると言う回避方法を魅せる。
軍事演習上から帰還する途中で、たまたま近くにいた陸上戦艦や大型MA隊、MT隊も参加させて演出したその最後の一斉砲火は、軍の手で作りだされた人造の噴火に等しい。
こちらも後に映画化されている。
上記のMS隊の動きや砲火は、映画化された後の方が迫力満点と高評価(特に転生者組から)
イメージ的には現代の映画ボルケーノの噴火が、都市部からもう少し外れた地域で起きた感じ。
現代映画の方は都市部からのあのような噴火はちょっと荒唐無稽と言われるほどなので、そちらよりリアリティ重視となる。


以上です。

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最終更新:2017年09月10日 10:04