123: ナハト :2017/08/14(月) 22:51:15
わらわはハインリーケ・プリンツェシン・ツー・ザイン・ウィトゲンシュタぞ
なに?名前が長すぎて呼びにくいだって?よかろう
特別にハインリーケと呼ぶがいい。決してプリン姫と呼ぶな!
わらわは今・・・・
「あ、領主様。見回りご苦労様です」
「うむ、何か変わった事、困ったことはないか?」
「それでしたら・・・最近森の様子がおかしいのです。いつもいるはずがない動物がいるのです」
「分かった。後で調査員を送ろう。大切なそなたたちに何かあったら遅いからな!ではな!」
「ありがとうございます。ご領主様」
軍を退役し、カールスラント奪還した私の領土を統治しておる。
ネウロイの脅威は未だに衰えておらぬから、予備のストライカーユニットを置いてはいるがな
だが、軍の招集はごくまれで、今は全力を挙げて領土を復興に注いでおる
見回りを終えた、わらわは自分の城に帰投する
城はネウロイの攻撃によって半壊したものの、領民の手によって修復しつつある
ありがたいことだ。
わらわは乗って来た車を車庫に入れ、城に入ると美味しい香りが鼻に入る
その香りを辿って、台所に向かえば
「あ、ハイン!お帰りなさい!!」
「うむ、ただいま。那佳よ」
わらわの愛おしい妻那佳が料理を作っておった。
あの夜間哨戒の墜落事故をきっかけに交際・婚約を経て、結婚した
那佳は遠い異国であるにもかかわらず、わらわの領地の復興を手助けてくれる。
復興に必要な材料をできるだけ安く仕入れ、領民たちに飢えを与えぬように
料理を振舞ってくれる。そして、お金も受け取らない。
これほど、ノブレス・オブリージュにあふれた貴族はなかなか見ない。
最初の頃に格下と見たわらわが恥ずかしいほどだ
「見回りご苦労様でーす。そろそろつくだろうと思い料理を作っておきました」
「ありがたい。ちょうど腹をすかせたところだ」
そういいわらわが席に着こうとしたら泣き声が響く
「あー、姫ちゃんお腹が空いてしまったのですね。ちょっと待ってくださいねー」
「うむ、わらわは後でいい。先に姫をお腹をふくらませてやれ」
「はーい」
そそくさに揺り籠の中に入っている姫を取り出す那佳を見ながら思う。
西住棒がなければややこは生まれなかっただろうなと。
女性同士であるが、あの娘は正真正銘のわらわ達の娘だ。
ようやくお腹を満足させて姫を寝かせた那佳がこっちに来る
「どうでしたか?領地の様子は?」
「正直言って・・・良くはない。元の領地に戻るだけでも10・・・いや20年かかるかもしれない。
わらわは領民やそなた達にこれほどの苦しみを背負うのが一番心苦しい・・・・・」
俯くわらわに那佳がそっと手を重ねてくれる
「大丈夫ですよ!ここの人達は皆笑顔ですよ!笑顔という事はハインの事を信頼している証なんですよ!!
それに夜はいつか明けますよ!どんなに苦しい生活でもいつか必ず前よりも発展できますよ!
だから、ハインはいつもの通りどっしりとやればいいんですよ!」
「そうか・・・・そうだな。そなたの言う通りじゃ。わらわは少しに弱気になってたようじゃ。
「いえいえどういたしまして―。お代は出世払いでいいですよー」
「馬鹿者が」
わらわは苦しいが、幸せじゃ。那佳と二人三脚ならきっとこの困難も乗り越えることが出来るだろう・・・・
124: ナハト :2017/08/14(月) 22:51:56
終わり
ハインリーケ誕生日おめでとう
という事でネウロイ大戦終戦後すぐのお話を書きました
最終更新:2017年09月16日 12:35