443: ナハト :2017/08/24(木) 23:04:42
私達は扶桑に帰りました。
501の活躍は軍機に付き語ることできませんが
ガリアのネウロイの巣を破壊してリーネちゃんの故郷を
安心させることが出来ました!
扶桑に帰った私達は法術士学校の勉強を続けている日々ですが
ある日、坂本さんに呼ばれました
「えー?欧州の実戦体験談を語ってほしいのですかー?」
「うむ、私が語ってやってほしいが、同じ年代のお前の方がより共感しやすいだろ?だからやってくれないか?」
「分かりましたー!坂本さんの頼みですから!」
こうして、講談に出ることになりました。
主に私が経験したこと、如何にネウロイの攻撃から避けたり、シールドを防いでみたり
戦場で治療や弾薬庫の大切さを語ったりしてたのですが、一人の女性が大きな音と共に立ち上がった
「納得が行きません!なぜ、あなたのような人が501に入れたのですか?!
我々ウィッチは戦ってこそ華という物です!あなたは先程から避けるだのシールドを防ぐだのと
消極的な事ばかりを述べるのですか!?それに弾薬庫係なぞへたくそがやることです!」
「よさんか!服部!!」
「いいよ。坂本さん。服部さん、私はね確かに下手糞だよ。銃を使って撃墜なんて指を数えるくらいした経験がない
でも、この下手糞な手でより多くの人を救えたことが私の誇りなの。弾薬庫も同じ。必要な時に弾薬と薬を渡したことで
多くの人が救うことが出来た。戦いだけしかできないのはとても悲しいことです・・・・」
私はギュッと手を握ると
「私は出来ることは何でもした。裁縫も料理も畑仕事、放牧に出かけて迷子になった羊を探しに行ったこともあった。
きっと、服部さんは軍のやる仕事じゃない!っていうかもしれない。でも、この軍らしくない事でも
多くの人が笑顔になれたんだよ。私はみんなの笑顔が見たいから、戦うのです。
だから、皆さんも出来ることを見つけ、実践してください。そして、どうか自分の手を好きになってください。
みなさんがどういう手になるかはわかりません。もしかしたら、私よりも上手な手になるかもしれない、下手糞な手になるかもしれない。
ですが、いつかはこの手を好きになれて良かったと実感する日が来ると信じてます。
これが私のお願いであり、命令であり、希望です。
皆さん聞いていただいてありがとうございました。」
私が頭をペコと下げると盛大な拍手が帰って来た。
ただ、服部と呼ばれた子だけがとても悔しそうだった・・・・・
講演を終えた私は坂本さんと一緒に廊下を歩いてました
「ふはー、緊張したー。ちゃんと言えたかなー?」
「何を言う。あれほど素直な気持ちで言えるのは素晴らしいことだぞ。
今日、お前の講演を聞いて何人かがやる気になれただろう」
「そうですかなー?恥ずかしながら戦いの事あんまり言えてないような気がするんですが」
「なに、導術士がっこうはな、みんながみんなが才能がある状態で入るわけじゃないんだ。
お前のように銃が下手な者もいれば、ストライカーユニットが下手な者もいる、中には魔力がない物すらいる。
お前の話を聞いて、あの子らが向上心を持ってくれると嬉しいんだ」
「そっかー、私でも役立てたんだー」
そんな感じに会話してると、目の前を一人の女性が遮った
「お願いします!恥を忍んでですが、どうか私と一度戦ってくれませんか!?」
「ええーーー!どうしてですかーーー!?」
「私・・・分からないんです。宮藤さんの言葉が・・・・ですので、拳で通して宮藤さんの事を知ることが出来たらなと思いました!!」
「ええーとー・・・・坂本さーん」
私は坂本さんに助けを求めたのですが
「うむ、面白い!許可する!!」
裏切りました
444: ナハト :2017/08/24(木) 23:05:29
それから、飛行場に来ました。
飛行場には大勢の学生が集まってきました。
その中、坂本さんがルール説明を行う
「これから、模擬戦を行う!時間は無制限、弾薬は有限、どちらかが参ったを言うか、銃を当てて撃墜すれば勝ちだ!
対戦回数は1回だけだ!いいな?宮藤、服部」
「わかりましたー」
「了解しました!」
「では、これより始める!レディー、ゴー!!」
その合図と共に私達は飛び立ちました・・・・
宮藤と服部が飛び立ったか。
私は二人が無事に飛び立ち、規定高度を取るのを確認する
「あの・・・・教官・・・・?」
「ん?どうした?」
「宮藤さんは・・・・大丈夫なんでしょうか?
いくら501に居たからと言って学年主席の服部静夏相手では・・・・
ムリではないでしょうか?」
「そうか?お前は宮藤が勝てないと見ているのか?」
「はい・・・・・」
「はっはっはっはっは!心配はいらない。心配ならば、この決闘を見ておけ。きっとすごいことが起きるぞ」
そう言いながら、二人が戦闘に入ったことを確認する
「真正面・・・・狙う時は面積が大きい頭ではなく胴体を狙って、しっかり脇を締めて・・・」
私はブツブツと呟きながら正面から無防備に接近してくる宮藤を照準に入れる
「今だ!」
私は必殺の位置に着いたと確認し、銃撃したのですが
宮藤はまるで、鳥が飛ぶかのようにすっと浮いてストンと落ちてかわした
「かわした!?でも、まだ!」
私はもう一度銃撃するも、まるで後ろに目が付いているかのごとくスルスルとかわしていきます
「教官、あれは・・・?」
「確かに、宮藤は銃が下手糞だ。それは訓練を見てきた私が証言する。
しかし、それを補うために人一倍いや二倍か三倍くらいかわす訓練を行った。
あのエイラに教わりながらだ」
「え・・・あの無傷の撃墜王にですか?」
「そうだ。そのおかげで、宮藤は弾薬庫を多く抱えても、ネウロイの攻撃を完全にかわして補給できたほどだ
負傷者を数人抱えてネウロイの攻撃をかわしながら安全地帯まで運んだこともあったなあ」
私は懐かしむようにいいながら、空を眺める。
大空には、紙一重でかわし続ける宮藤とムキになって追いかけ続ける服部の姿があった。
「くっ!ちょこまかと!」
私は舌打ちしながら、銃撃を試みるもこれも当たらない
残弾を見れば後一連射分しかない
「でも・・・ここで決めて見せる!」
そういうと、わざと失速し、後ろに誘い出すように誘導する
「そーら・・・こいこい・・・」
私は声を出しながら後ろを見る。宮藤は後ろについて、銃を構えるのが見えた。
「今だ!」
私は勢いよく左右の回転を同じ回転に回し、ラダーで思いっきり蹴っ飛ばすように
イメージしながら、体を回転するかのようにひねり込みを入れる。
これぞ先輩に教えていただいた、秘技ひねり込み
これをやった相手は常に撃墜できた。今回もそうだろう
私はそう勝利を確信しながら、引き金を引いたが宮藤の姿は無かった
はっと横を見れば、横滑りをしながら銃を構える宮藤の姿があった
「私は確かに銃は下手糞だよ。でもね」
銃を構えながら
「こんなに近かったら、どんな下手糞でも落とせるよね?」
その言葉を最後に発砲し、私は赤く染まった・・・・・
445: ナハト :2017/08/24(木) 23:06:03
「はーはっはっはっ!流石だな!宮藤!エイラの教えをしっかりと守ってるようだな」
「はい!ありがとうございます!」
「服部も見事に赤くなったなあ!」
「は・・・はい・・・・」
服部静夏は見事に赤く染まっていた
これは宮藤が服部を中心にグルグル旋回しながら、ペイント弾を全弾叩き込んだ結果であった
「これで、501の実力は分かったな!みなもこの宮藤のようになれよ!」
「「「「はいっ!」」」」
「よーし、あとでレポートを書いて翌日までに提出すること!解散!!」
「「「「ありがとうございました!!」」」」
学生の人達がバラバラに解散していく
「ふうー疲れたね、服部さん」
「・・・・・・」
「・・・・?どうしたの?服部さん」
「宮藤さん・・・・あの・・・・今までの無礼を・・・申し訳ありませんでした!!」
「えーー!!いいよう!!実際に下手糞だし、エイラさんやエーリカさんほどの撃ち落としてないし」
「ですが!あの動きは初めて見ました!エイラ中尉に教えていただいたんですか!?」
「えーと・・・・確かに得意技だけど、教えてはもらってないよ。見て覚えたんだよ」
「え・・・・?見て・・・おぼえ・・・た・・・?」
「そだよー?エイラさんがすごく簡単な技を教えてくれたんだー」
「こ・・・これが・・・・本当の天才なのですね・・・・ガクッ」
それからなんやかんやで仲良くなった二人であった。
服部静夏いつか、宮藤さんと共に戦いたいと願ったが
その願いは一年以内にかなうのであった・・・・
446: ナハト :2017/08/24(木) 23:06:49
おわり
遅くなりましたー。
影響を受ける人様、ham様、お題の投稿ありがとうございました。
最終更新:2017年09月16日 12:52