168: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:47:42
大陸種×SRWOG アナザー・クライシス プロローグ


新西暦188年。CE71年。 冬。

○欧州某所


「皆様よく集まってくださいました。私は真なる一族を代表し、あなた方を歓迎します」

どことも知れぬ会議室の中で一人の男がそう宣言する。笑顔を張り付けた胡散臭い男である。
その男の前には幾人かの人物が集まっていて。その誰もが只者ではない雰囲気を纏っている。

「別にいい。あんたからは金をもらってるからな」

「私達の出資者であるわけだからな」

「………」

「コジマの教えを世に広められるなら何でもいいです」

「被検体融通してくれるのなら同じく」

「研究予算くれるなら同じく」

上から自由闘士を自称する過激派テロ組織リリアナの党首「オールドキング」
その危険性からかの「財団」からすら追放された過激派集団グリムニルの首領「モーガン・ベルナルド」
北アフリカにて現政権に抵抗を続ける反体制組織マグリブ解放戦線の英雄「アマジーグ」
余りにも無軌道なコジマ研究を行ったため追放された研究者たちがトチ狂って興したコジマ原理主義新興宗教組織EGFの教祖「エドワード・J・コジマ」
違法なAMS研究を行い、企業や学界から追放された者達が立ち上げたマッド集団アスピナ機関の所長「ヨラン・マキシム」
違法な遺伝子研究を世間に隠れ進める秘密結社ネオメンデルの主任「センシュウ・ヒビキ」

どいつこいつもCE世界では一級のヤバイ奴らである。
だからこそと男は思う。この面子だからこそやってやれる。灰色の男達にもロゴスにもDG同盟のオカマにも、そして我々の考えを認めず融和なんぞに日和った他の一族の連中にも負けずに!
我らが悲願。英雄が打ち倒される世界!必ずやブラックノワール様の残された志を完遂してみせる。
そのためにもまずは世界を混沌へ導かなくてはならない。まずは下請けの三次団体へ追加の資金と依頼を出さねば。

今こそ我らが真なる一族の復興を!





○南米某所


南米リオデジャネイロに存在するビルの一角に彼らは集まっていた。
皆一様に重い空気をまとっている。これが彼等の今後を決める重要な会議だから。

「では、計画は最終段階ということでよろしいか?」

「ああ。ノースアメリカ・グランダーI.G.や他の支援企業も了承している」

「新西暦の方でもクーデターにより独裁政権が誕生した。次は我々の番だ」

「ではこれより我々は計画の最後に移る。財団の方もよろしいか?」

「もちろん。むしろ我々とすれば願ったりかなったりですね。ロゴスの連中にこれ以上デカい顔をさせずに済みます」

「そういえばWLF(世界解放戦線)の連中からの話はどうする?」

「ふん。結局連中と我らは相容れぬ。精々利用してやれ」

「では我々財団から幾つか兵器を提供しておきましょう。そうすれば向こうもこちらへは悪戯に手を出さないでしょうから」

「頼む。しかし、万が一にも計画発動までばれるような真似はするなよ」

「それはもう。何…我々も伝手は広いのです。ご安心ください」

「さて。では諸君。我らが悲願への前祝として乾杯しようではないか」

「「「「「我らが悲願!真に統一された地球圏のために!!」」」」」

169: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:48:17
○日本某所

ここにもまた幾人もの人物が集まっていた。
とは言えこれまでの者達と違い、いささかコミカルな人物が多いが…

「さあ!始まるでざます!」

「いくでがんす!」

「ふんがぁ~」

「いったい何が始まるんです?」

「第三次大戦だ!!」

「儂らを集めたかと思えばなんだこの茶番は

「何って景気づけってやつよ。もうウォルフガングお爺ちゃんは固いわねえ」

「うるさい。気色悪い声出すなオカマ」

「だからオカマじゃないって言ってるでしょ!私は紳士よ!紳士!!」

「そうよ!わたくしと金持ちキャラが被ってるじゃない!やり直しよ、やり直し!」

「うっさいわね!私はあんたより金持ちよ!なら金持ちキャラも私のじゃない!」

「キー!言ってはならないことを!!」

「なんだこれは…」

「男は黙って~ 酒を飲む!」

「黙ってないアル…」

「まあまあ諸君。久しぶりに幹部一同集まったのだし、いがみ合いは良そうではないか。あ、このワイン上手いなあ」

「毎回思うんだが怪人二十面相。その仮面どうにかならないのか?」

「んんん?毎回シルクハットにタキシード&マントな君に言われたくないなぁルパンくぅん?」

「これは私の正装だからいいのだよ。娘も素敵と言ってくれている!」

「まーた娘自慢かい?あまり構い過ぎると娘さんに嫌われるぞ」

「うるさいアラフィフ!そんなんだからジャックちゃんにお爺ちゃんセンス古いとか言われるんだぞ!」

「私は知ってるぞアラフィフ。あんたジャックちゃんやその友達に加齢臭きついと言われたんだって?ざまぁwwwww!!」

「それを言ったら戦争だろ変態紳士ども!!」

ここはでデンジャラスゴールド(FG)同盟の拠点の一つ。今回は主要人物一同が集まっての集会であったが毎度の如く滅茶苦茶になっている。
他と大分違い騒がしい様子だが…まあこういった感じの秘密?組織なんだ。察してくれ。

首領マティアス(この中で一番金持ちという理由で決まった)

幹部
カトリーヌ・ビトン
ショーグン・ミフネ
ウォルフガング
ホイ・コウ・ロウ
エースのジョー
怪人二十面相
怪盗アルセーヌ・ルパン
犯罪界のナポレオンことモリアーティ

洋の東西問わず、ある意味錚々たる面子であるが、基本ノリが軽いためそこまで深刻そうに見えない。

170: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:48:51
カトリーヌと言い争っていたマティアスが一旦会話を切り上げ、机を叩き声を上げた。

「と・に・か・く!今回あんたらを集めたのは真面目な話!WLFを支援してる一族過激派連中が本格的に動き始めたらしいのよ!」

この一言に騒がしかった会場が鎮まる。今言われた連中はどこもDG同盟と敵対している勢力だからだ。

「詳しい話を聞こう。続けてくれ」

アラフィフことモリアーティが話の続きを促す。

「ほら。最近はエアロゲイターやらインスペクターやらELS(エルス)やらで世間が騒がしくて、ちょっと荒れてるじゃない?その隙にかこつけて何か大きなことをやらかそうとしているのよ」

「ほうほう。連中最近大人しいと思ったらそんなことを考えていたのか。それで何をやろうとしているのか掴んでいるのかね」

「いや、それが全然わっからないのよ!ごめんなさいねー!!」

マティアスが笑いながらそういうとメンバーからは明らかに落胆した顔を見せた

「はぁ。つっかえ。辞めたら首領?」

「それでもお前首領なの?オカマキャラは有能ってテンプレ知らないの?やめたらオカマ?」

「なら次はわたくしが。このわたくしが組織の首領ですわね!」

「否!今こそ吾輩が首領となり組織の名前を大江戸烈風隊に…」

「烈風ってなんだ。疾風の方がいいだろ」

「儂は烈風や疾風よりもMe262を押すぞ」

上から二十面相。モリアーティ。カトリーヌ。ミフネ。ジョー。ウォルフガングの言葉である。

「だからオカマじゃなくて紳士だって言ってんだろぉ!あとオカマは心でやるもんでそう簡単にやめられるものじゃない!」

「今オカマって認めた!認めましたよこの人!!やっぱ好きなんね~」

「ああもう!とにかく連中がどんな動きを見せるかわからないから各自警戒しておいて。特にウォルフガングお爺ちゃんやアラフィフはその技術や頭脳で連中にマークされてるから注意しておくこと。あとおまけにルパンと二十面相も。あんたら二人はWLFの連中から恨まれてるでしょ?」

「えぇ。ただ幼気な少女を浚って、実験に使おうとしていたから連中の支部をぶっ潰しただけなんですけど~」

「そうそう。そんな少女を助けようと諦めなかった少年の手を貸して連中の幹部の一人をライヘンバッハしてやっただけんですけど~」

「というかウォルフガング老のことはお爺ちゃん呼びで私のことはアラフィフって酷くない?」

「ふん。連中が来るなら儂謹製のロボで相手をしてやるだけじゃい」

二十面相、ルパン、アラフィフ、ウォルフガングがそう返事をするがマティアスは不安げな顔だった。
確かにここの面子は皆一門の腕前を持つ者ばかりだが、だからと言って連中を侮ってはいけない。
300年以上に渡り消えず灯り続けた過激派の思想は最早狂信や妄信の域だ。更に言えば各国の秘密機関や組織、ヒーロー達に定期的に叩かれても性懲りもなく復活してくるしぶとさも持っている。

マティアス自身も元は一族の出だからこそわかる。連中は決して侮ってはならない。最近ではエアロゲイターから始まる異星人の襲来のせいで民間から軍人まで異星人排斥の運動が広がっているともいう。
特にここ最近襲ってきて結果的に対話のなったELSへその矛先が顕著だ。まだまだ予断を許さない。
そんな心配事を顔には出さないようにしながらマティアスは言う。

「とにかく気を付けて頂戴ね!」

なんやかんやで彼も仲間たちのことを心配しているのだ。

171: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:49:37
○北米某所

「え、あいつらが動き出した?本当ですか?マジですか!?」

配下の情報組織ターミナルからもたらされた真なる一族を自称する連中が最近怪しい動きを加速させているという話に一族(正統派)首領のマティスは頭を抱えた。
何故このクソ忙しい時にあの跳ねっ辺り共が動き出すのか。もうちょっと大人しくできなかったのか。
彼女の内心は怒りや悲しみや過労や婚期逃したやらでもう滅茶苦茶であった。

つい少し前にゲートの先の新西暦世界では連邦政府内でクーデターが発生し、ブライアン大統領が更迭。代わりにグライエン氏が大統領の座に就いたという。

事前に通達は来ていたがだからと言って混乱は起きる。何よりインスペクター事件による混乱もそれに拍車をかけていた。
それらが終わった後もバルトール事件やら修羅の乱やらELS襲来やらもうひっちゃかめっちゃかだ。
そんな中で今回はあの馬鹿共だ。

せっかくこっちは平和にやってるのに、連中が暴れるたびにこっちも痛い目で見られる。最悪だ。
こちとら昔の決戦で負けてから300年かけて少しずつ少しずつ体制を変えていった。そうでなければ生き残れなかったからだ。
既に私達一族の目的はかつて崇拝していた神とは別のところにある。この世界の維持。人類の存続。出来れば平穏の継続。こんなところだ。
所謂平和・融和路線。このようの穏健化しなければ、とうの昔に我々は族滅されていただろう。
だがその路線について異議を唱えたのが連中の先祖だ。そして我々当時の主流派一族から離れて独自に行動を開始した。
その時に連中はどうやら既にガラクタになったかの神の御神体も持ち出したらしく、それをイコンとして未だに崇めているらしい。

そんな狂信者連中は自分たちのことを真なる一族と自称し、定期的に世界を混沌に落とそうと事件を起こしたわけだが、こちとらそんなことは望んでいないわけでどうにかしようと考えた。何せ当時はまだ悪名が残っていた時期。連中がアホやらかせばこちらにも他組織からの矛先が向く。
幸い配下の情報組織は辛うじて生き残っており、それを再建して今ではターミナルの名前で全世界に情報網を張り巡らせている。最もゲートの向こうまでは流石に手は伸びていないが。
彼等を使って情報を集め、それを他の組織やヒーローにリークした。いわゆるお助けキャラ事業を始めたのだ。
最初は怪しまれていたがまあ数百年も続ければ今では立派な情報屋ポジションだ。

だからと言って慢心はできない。過激派の中には我々の組織を吸収して再び勢力を盛り返そうと陰謀を巡らせた奴もいた。そして、向こうへと繋がった裏切者が出たことがある。
油断するとこちらが逆に食われかねない。

物事は慎重に運ばねば。それが例えかつての同胞であり、今の仇敵であろうと。
ふとマティスは思った。かつての一族とは真逆の行動をとっている我々の方が異端で、むしろ彼等過激派の方が正統なのではないかと。

「フフッ」

彼女はしょうもなく笑ってしまった。そんなこと今更だ。
結局この世はより世情に適する形となり、繁栄した者こそ勝者。そして勝者が歴史を作るのならば……
何ともくだらないことだ。

「取りあえず、この情報を各国の機関にでも流しますか。あ、マティアスの方にも流しましょう。確か今の彼はDG同盟なる愉快な集団の首魁をやってましたね」

彼はより広い世界を見てみたいと一族を出ていった身だ。それて本当に身一つで億万長者となった。今年の富豪世界番付ではトップ10に入っていたかしら。
本来一族は女系だからと妹の私に厄介な立場を押し付けて出ていった悪い人。恨んだこともあれば、羨んだこともある。
しかし、今ではせんないこと。現在の私は一族の責を担うもの。自分の手に届かい物へ羨んでいる暇はないのだから。

かつては世界を支配しようとし、それを阻む者たちに敗れ、今では裏社会における情報屋の元締めともいわれるターミナルを抱える一族のトップ。
そんな彼女の望みは一つ。いい加減歳が歳なので結婚して、引退したいということである。
そしてその望みはまだ当分叶いそうもない。

172: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:50:24
○太平洋海底某所

そこは本来何もない深海の底であった。いつもは暗く、そして静かな場所だった。しかしこの日は違った。
突然地面が大きく割れたかと思えば、そこが不気味に輝きだした。光は徐々に収まっていったが、割れ目の底はほの暗く光っている。
そんな中から一匹の生き物がはい出てきた。巨大な体をしている。全高30mは超えているだろうか。
まるで古代の恐竜のような姿であるが、足が六本、瞳は複眼など所々で普通の生き物と違う様相であった。

彼か彼女か…どちらにせよ、この個体の役目は初めから決められていた。この世界を調査するための偵察である。

それはまるイグアナのように泳ぎながら割れ目を離れ、海の暗闇へと消えていった。




○新西暦世界 日本 伊豆諸島

この日。鋼龍戦隊のレフィーナ・エンフィールド大佐とテツヤ・オノデラ中佐は極東の伊豆基地へ赴いていた。
基地司令のケネス・ギャレット少将に呼ばれたからだ。

「表敬訪問ですか…」

「そうだ。お前たちハガネとヒリュウにはCE世界に行ってもらい、向こうの各国と交流してもらう」

「しかし、まだこちらでは修羅の乱以降の混乱が完全には収まっておりません。リュウセイやキョウスケなど行方不明の者もいますため」

「グダグダ御託はいい。貴様らは命令に従えばいいのだ。いいか。今連邦政府は大事な局面を迎えているのだ。新たな政権が立ち上がり、地球圏にハルパーの鎌をもたらすべくな。今向こうの世界の連中といざこざを起こすわけにはいかんのだ」

「………」
「………」

「よし。これが貴様ら鋼龍戦隊最初の任務だ。それと向こうで見たことはつぶさに記録を取り、帰還後に上層部へ提出するように」

「…我々に向こうの世情を探れと?」

「そうだ。交流があるとはいえ、それはゲート越しだ。向こうの詳しい情報な中々手に入らん。特に軍部や兵器の情報となればな。向こうには大勢の旧DC及びノイエDCの関係者が亡命している。あやつらが余計な技術を向こうの連中に渡していても可笑しくはない。貴様らはそれによってどのように向こうの戦力が変化しているか見てくるのだ。無論貴様らのところに出向している向こう側の連中には内密でだ。わかるな?」

「「…了解しました……」」

「よろしい。ハガネとヒリュウは太平洋ゲートからCE世界へ移動。そこでハガネは日本ア方面へ。ヒリュウは北アメリカ方面へと向かい歓迎を受ける。その後はそのままハガネはアジア方面。ヒリュウは大西洋を渡り、欧州方面へと移動し、各国との交流がてら情報を集めよ。一通り回った後には宇宙へ上がり、月での地球連合艦隊からの歓迎を受けた後にL1宙域のゲートからこちらの世界へ帰還だ。細かいスケジュールはおって渡す。以上だ。何か質問は?」

「………」
「………」

「ないのなら早速取り掛かってもらおう。」

「「了解です」」

こうしてハガネとヒリュウは同じ進路を進む。まずは太平洋のゲートへ向かうところからだ。

173: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:51:07
○CE世界 日本某所

ここはとある料亭。いつもの夢幻会メンバーが何度目からの会合を開いていた。

「我々の諜報部からの情報では主に欧州を中心に不穏な動きがあるそうです。指名手配テロリストから危険カルト宗教に過激な独立派ゲリラに宗教原理主義者まで。ありとあらゆる危険組織や人物が動きを活発化させています」

そういったのは情報部の男だ。要約するとどうやら欧州で一波乱置きそうということだ。

「まったくこちらはELS一件での混乱がまだ尾を引いているというのに。それで今回の黒幕は誰なんだ?」

そう答えたのは現大洋連合首相の神崎博之。彼はこの会合の責任者兼進行役でもある。
彼の質問に対して情報部の男も答えた。

「はい。どうやら最後には例の一族過激派がいるようでして。自らがスポンサーとなることでテロ組織と束ねWLF…世界解放戦線という名の一大連合組織を立ち上げたそうです。これは我が国の情報部の調べの他に大西洋連邦情報部やユーラシア連邦情報部。東アジア共和国情報部からも同様の知らせを受けています。また駄目押しとばかりのターミナルからの情報提供もありました」

この報告に一同はげんなりした。その黒幕の名は彼等にも聞き覚えがあったからだ。何かと混乱が起きた時にかこつけて面倒なことを起こしてくる厄介な連中だからだ。
これまでに何度か叩き潰した覚えもあるが、しぶとく生き残り続けている。

「まったく連中も懲りない……ただでさえゲートのことや新西暦世界からの表敬訪問もあるというのに」

「それだけではありません。昨今は相次ぐ異星人による襲撃で異星人排斥の動きが活発化しています。こちらにも気を配らなければ足元をすくわれることになるやもしれません」

「ELSと対話したばかりだというのに厄介なことだ…唯一の慰めは原作00よりも被害が小さく、あのELSが集まった華も土星圏に存在しているため、生半可な連中は手出しができないといった点か」

各々が感想や愚痴を零す中で辻本が己の懸念を言い出す。

「しかし、今回の件でもまだ動きを見せていない要注意団体がいます」

「ああ。あの他の作品で登場している企業と同名の奴等か…」

「アルテミス・グローバルセキュリティ、アンブレラ社…」

「少し名前は違うがノースアメリカ・グランダーI.G.なんかもいたな」

「それだけではありません。ゾディアック社名義で無人AC「UNAC」の販売を行っている会社もいます。今のところこれといった悪い噂は聞きませんし、調べたUNACにも異常は見つかりませんでしたが」

それぞれの懸念事項を言い合うメンバーたち。ゲートや新西暦世界のことばかり注目していられない。
この世界にも元々危険となりうるものは存在しているのだ。

「つまるところ、その全てに注意が必要と言うことだな」

山本がそういった。確かにそうだ。結局その全てに対応していくしかない。途轍もない苦労にはなるが。

「ゲームの予定通りならまだ第二次OGやMDの事件も待っていますし、手を抜いてはいられませんね…まったくいつになったら平和になるのか」

最後に愚痴を零した神崎は上を仰ぎ見る。そこには青空も太陽もなく、ただただ座敷の天井があるのみであった。

174: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:51:44
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○WLF(世界解放戦線)

一族の内の過激派(自称真なる一族)がスポンサーとなり、各地のテロリストや危険団体を支援。緩やかな連合を組ませ作らせた組織。
現在の腐った各国政権の打倒を謡っているが、その実体はただ無軌道に暴れるテロリスト連合である。
資金源は過激派一族が運営する麻薬農園や人身売買。または兵器密造・販売など。

形態としては一番上にスポンサーとしての過激派一族が一次団体として存在。その下に二次団体として参加している団体の中でより力を持っている主要組織が並び、その下に下請けの三次団体や四次団体が存在している。
一応はトップダウン形式となっているが、頭以外を幾ら叩いたところで繰り上げ式に組織が上位団体に昇格、または別のところから補充させるため意味がない。
そして肝心のトップ団体がしぶとい事で有名な過激派一族のため面倒この上ない存在となっている。

主にアフリカからロシア以外の欧州にかけて活動している。
昨今は大人しかったがエアロゲイターやインスペクターの襲来により世情が混乱したため、その隙を突いて動きを活発化させてきた。

本部は北アフリカにあるTR(トレジャ・ロボテック)社の地下に存在。
マイトガインに出てきた会社と同名だが、無関係の同じ社名の会社が世界中に存在しているため夢幻会を始め各国の情報機関や秘密組織も注視しきれていない。


  • 過激派テロ組織リリアナ
反体制を謡う無政府主義者の集まり。腐った現体制の打破を謳い文句にしているが、市街地での民間人を巻き込んだ無差別テロなどを幾度も起こしているなど、その思想と行動は過激の一言。
全世界からブラックリスト入りされており、主要なメンバーには懸賞金がかけられているほど。
現在の党首は「オールドキング」と呼ばれる男であり、その経歴の殆どが不明。一説にはかつては数学者を目指していたとも言われている。

活動資金目当てとしてWLFの傘下に入っている。


  • グリムニル
財団からすら追放された選り抜きの過激派マッドサイエンティストの集まり。
首領は「モーガン・ベルナルド」

主に情報伝達技術と脳科学技術に秀でており、人の脳を用いたマシーン開発を得意とする。
人間の脳を機械部品として取り扱った「B型デバイス」やAMSと組み合わせ機体自体を己の体のように動かす「S型デバイス」など現在では研究が禁止されている技術を有する。
首領であるモーガン・ベルナルドが複数存在していると言われており、その実体は闇に包まれている。


  • マグリブ解放戦線
北アフリカを中心に活動する独立派ゲリラ。
アフリカにおける現体制の打破を目指しているアフリカ系独立派ゲリラの元締め。
近年では各国共同の討伐作戦により、その活動を鈍化させていたが過激派一族の援助により全盛期近くまで盛り返している。

アマジーグはそんな彼らの英雄とも呼べる人物。AMS適性はあまり高くはないが、違法手術により無理矢理適正値を上げており、彼の操縦するAC「バルバロイ」は幾度となく連合軍を退けている。

WLFに参加している組織の中では最もまともと言えるが、援助により復興する際に取引として多数のアフリカンゲリラも組織内へと統合させたため、一昔前と違い方々で過激な行動が目立つようになった。
このためアマジーグを始めとして旧来の解放戦線メンバーは頭を痛めているが、スポンサーの意向もあり、強く出れないのが実状である。

現在アマジーグが名目上のトップとなっているのは従来の幹部達の悉くが連合の攻勢により戦死したか、再起不能になったためである。

175: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:52:40
  • コジマ原理主義新興宗教組織EGF
違法なコジマ研究を行い危険視されている集団。コジマが頭に回り過ぎたのか、遂には宗教にまで発展した。
基は各国で危険視され追放された過激なコジマ研究者が集まったサークルであったが、それが徐々に過熱していき現在のカルト宗教となった。

現教主の「エドワード・J・コジマ」も元は大西洋連邦のコジマ研究者であった。
本名はエドワード・ジョージ。コジマは歴代教主となった者が名前のどこかに加える襲名性となっている。つまりコジマ粒子を発見したコジマ博士とは何ら関係がない。
因みに彼で三代目。初期のコジマ研究において、その毒性が未発見だったせいか、歴代の教主は早死にしてしまったためである。

コジマを浴びれば元気になる!コジマによりストレスがなくなる!コジマが世界を救う!など胡散臭い効果を宣伝している。



  • アスピナ機関
基はアナトリア機関と並びAMS研究の最先端研究組織であった。
しかし、十数年前に違法な研究を行っていることが発覚し、取り潰しとなった。
それでもなお諦めきれなかったメンバーが地下に潜り再結成したのが今のアスピナ機関である。

現在一般で普及しているAMSはアナトリア機関の尽力もあり、安全な技術として普及しているが彼らが扱っているAMSは既存の安全基準を大幅に超える深度でパイロットと機体を繋げるため、機体のダメージが直接パイロットへとダイレクトで伝わってしまう。
これは通称「逆流」と呼ばれる現象で、普及しているAMSの方では既にセーフティが設けられているため安全とされている。

彼等はこの逆流現象を逆手に取り、機体の情報をよりリアルな状態でパイロットへともたらすことに成功している。
しかし、その代償としてパイロットへの身体的・精神的な負荷は計り知れず多くの被検体を廃人へと追い込んでいる。


  • 秘密結社ネオメンデル
かつてコロニーメンデルにおいて遺伝子研究を行っていた研究者達が集まり結成された秘密結社。
過度な遺伝子研究が違法とされているなか、倫理や道徳を無視した研究がお行われている。
組織のトップである主任は「センシュウ・ヒビキ」 ドクターゲノムの通称で呼ばれている。
かつてメンデルの研究にて研究主任であったユーレン・ヒビキの兄にあたる。
ユーレン以上に研究に没頭しており、現在においては大凡人のことを人とみなさないような研究を行っている。
キラ・ヤマトやカガリ・ユラ・アスハの血縁上の叔父にあたる人物であるが彼等兄妹はまだそのことを知らない。

176: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:53:13
○DG同盟
デンジャラスゴールド同盟。じゃんけん大会を制したカトリーヌ・ビトンにより命名。

世界有数の富豪マティアスが築き上げた秘密組織。主に正規組織では対応できない裏事情を請け負っている。
世界中から伝手で集めた優秀だがちょっと抜けている面子を集めた組織。

モリアーティ、ルパン、二十面相など歴史に名を残している有名どころから裏社会の競争に負けて落ちぶれた中華マフィアや金持ちの道楽お嬢様や偏屈なマッドサイエンティストに似非日本オタクなど様々な人材が所属している。

主に各国の凶悪犯罪組織と敵対しており、特に過激派一族とは彼らの陰謀を幾度となく邪魔したことから犬猿の仲である。

主にマティアスの稼いでいる株や不動産、特許などが資金となっている。

各国の秘密組織や情報機関とは敵じゃないけど味方でもない。ちょっとうざいと思うけど憎めないと感じられている関係。


  • ピンクキャット 影の軍団 ウォルフガング一味 アジアマフィア
勇者特急マイトガインにて敵として出てきた組織。
スパロボVの世界のようにこの世界でもDG同盟を結成するが、その元締めは元一族の男であるマティアスである。

ウォルフガング一味は研究資金欲しさに参加し、アジアマフィアは別のマフィアとの抗争に敗れ、落ちぶれていたところを拾われた。
影の組織は主な収入源であった大江戸ランドが経営悪化により倒産したところを拾われ、ピンクキャットはカトリーヌが投資で失敗し、資産が赤字になっていたところ保証人ということで救われた関係から。

つまるところ彼らは揃ってマティアスに頭が上がらないのである。その割には言動が酷いが、これは彼らなりの照れ隠し…のはず。

エースのジョーこと雷張ジョーは原作同様父親が何者かに殺され、その敵討ちのためにフリーランスで動いていたところをウォルフガングに拾われ、またそのウォルフガングがDG同盟に入ったため、成り行きで彼も参加することとなった。


  • 怪人二十面相
昭和の時代より連綿と続く怪盗の系譜。その今代が彼である。

本名不明。経歴不明。わかっていることは日本人だということである。
言動が軽く、適当なことばかりを言うお調子者の彼の盗みの腕前はかのルパンとも伍する。

今代ルパンとは悪友と言える関係。先代は真面目な人物だったらしく、度々お小言をもらっている。彼等二十面相は血筋ではなく、腕前にて今代が決められる。
子供好きでマティアス経営の孤児院へ度々赴いては子供たちの遊び相手をしている。
ついたあだ名が変な仮面のおじさん

177: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:53:47
  • アルセーヌ・ルパン
欧州を代表する大怪盗。その今代。彼で7代目となる。
女好きで、言動が軽く、しかし弱きを助け強きを挫く紳士な男。最も毎回そのことで二十面相にからかわれ喧嘩しているが。

二十面相と共に気に入らない過激派一族の邪魔を何度もしているため幾度も刺客を放たれているがその全てを退けている。

今代はシルクハットにタキシード&マントという古き良きクラシックスタイルで活動している。
娘がいるが、最近は思春期のため避けられがちである。


  • ジェームズ・モリアーティ
かのシャーロックホームズ最大の敵。犯罪界のナポレオンとまで呼ばれる傑物。

彼等は代々その頭脳を見込まれてその名を継承していく。
今代のモリアーティは50代と思われる男性であるが、本名は不明。元数学教授という経歴しかわかっていない。

元々はDG同盟の人間でなかったが、その頭脳を過激派一族に狙われ襲撃さえたところを居合わせたルパンと二十面相に助けられて縁で同盟に参加した。

普段は調子の軽いアラフィフ爺さんであるが、時折冷徹で鋭い事を言う。
慈善家であり、孤児の子供を何人か引き取り養育している。
また次代の後継者としてレナード・テスタロッサという青年に己の手練手管の全てを指南している最中である。

最近の悩みは家の子達に加齢臭が匂うと避けられていること。
因みに英国で喧嘩を売ってはいけない四人のうちの一人。残り三人は今代のシャーロック・ホームズとヴァン・ヘルシング、そして007である。


  • レナード・テスタロッサ。
フルメタルパニックに登場する同名人物のこの世界での同位体。
今回のDG同盟の集まりでは厨房スタッフとして頑張っていたためセリフはなかった。

原作のようなウィスパードではないが幼年時より頭の回転が速く、天才的な頭脳を持っていた。
このため自分以外の全てが馬鹿らしく見えており、18の時に家を飛び出し裏社会で名を上げようと中二病を拗らせていたところをアラフィフのおっさんと出会ってしまったがために頭脳勝負でコテンパンにされて鼻っ面をへし折られた。
その挙句強制的に弟子にされてしまった。

その後は家の家事手伝いや子供たちの面倒を押し付けられながらもモリアーティから様々な知識や手練を教えられている。
最近は家の子供たちの面倒を見て「うちの妹も昔は可愛かったなぁ」っと感傷に浸っている。
少なくともこの世界のレナード青年は別の世界の同名の人物よりはずっと幸せそうである。

178: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:54:20
○灰色の男達
組織名ではなく、とある組織における中心人物たちの総称。
独裁政権による地球圏統一政府の樹立を望み、異星人や怪物による災厄から地球を守ることを使命としている。
しかし、地球圏を守るために役立つならば違法な研究すら積極的に取り込むなど思想的には過激である。

彼等の手は世界各国の軍部やPMCに及んでおり、着々とクーデターの準備を進めている。
最近新西暦世界の方で起きたクーデターによる強権的な政府への移行は彼らの行動の正統性と行動性を後押しすることとなった。

今のところ各国の情報部や秘密組織も彼らの詳しい全貌を掴めておらずイタチゴッコが続いている。



○財団
南アメリカを中心に広がる秘密研究機関。人類の進歩を謡い、そのためには手段を選らばない。
元はロゴスの一派閥だったが、その手段を問わない過激な思想からロゴス主流派から追放された研究者達が集まって起こした。

人間のクローニングから意識の電子化、薬物やナノマシンによる肉体強化措置から始まり、洗脳によるマインドコントロールや脳波強化など非合法な研究の多くを行っている。

この一切の倫理観を捨て去った研究姿勢のため、その技術力は国家と比べても一級品のものを誇る。
表立ってはゾディアック社の名義でACの開発と販売を行っており、同社が販売する無人AC「UNAC」は世界中のPMCが買い求める売れ筋商品である。

現在は灰色の男達と協力し、国家転覆を目論んでいる。
WLFに属する過激派組織のグリムニル一派の古巣でもある。


  • UNAC
財団の隠れ蓑であるゾディアック社が販売する無人AC。
無人機であるが、財団独自のAI技術と機体制御チップにより様々な戦術パターンを構築することが可能な機体。
ACの御多分に埋もれず様々なパーツを組み合わせることが可能で、それと同時に制御チップも戦術に沿うものへと変えることにより柔軟な運用が可能となっている。

基がACのため安いが、柔軟に動ける無人機として各国のPMCに爆発的に売れている。
しかし、政府機関や軍などでは自前の無人機を運用しているところが多いため余り国家機関では採用されていない。
今のところ南アメリカ合衆国と北アフリカ共同体の二国のみが軍や警察への大々的な採用を行っている。



○一族
かつてブラックノワールに従っていた秘密結社の末裔。かつては人類のより良き未来をのために全世界の支配を目論んでいたが現在ではすっかり牙が抜け、人類の存続の名のもとに裏社会における情報屋の元締めをしている。
彼等の情報機関ターミナルは各国の情報機関に劣らない能力を持っており、侮れない存在として注目されている。

情報収集能力は一流なのだが、かつての経験から直接的な戦力をあまり有しておらず、専ら自衛程度にしか用いていない。
これは過度な戦力を有して各国から危険視の末、潰されないようにするための生存戦略である。
このため幹部一同の逃げ足はとても素早い事で有名。

困った時にお金を払えば大体の情報は融通してくれる便利屋ポジションを目指しているが、元が基なのでやはり各国の情報機関や秘密結社からの目線は厳しい。

179: トゥ!ヘァ! :2017/12/01(金) 17:55:45
投下終了

OGクロス外伝の題名はアナザー・クライシスにしました。

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最終更新:2018年04月15日 13:55