481: yukikaze :2018/01/02(火) 23:05:08
本年もネタ投下。台湾って本当にきついんだろうなあ・・・

玉山級イージス駆逐艦

排水量 満載: 7,000 トン
全長 146.7メートル (481 ft)
全幅 18.6メートル (61 ft)
喫水 5.14メートル (16.9 ft)
機関 CODOG方式
キャタピラ16Vディーゼルエンジン (5,650kW / 7,580hp) 2基
LM2500ガスタービンエンジン(17,500kW / 23,500hp)   2基
推進器 2軸
速力 最大 28 ノット (52 km/h)以上
航続距離 5,000 海里 (9,300 km)(18ノット時)
乗員 180名
兵装 Mk.45 mod.4 5インチ単装砲 1基
Mk.15 20ミリCIWS 1基
Mk.41 VLS(48セル)1基
ハープーンSSM 4連装発射筒 2基
Mk.32 mod.9 短魚雷連装発射管 2基
艦載機 S-70B-2 LAMPSヘリコプター 1機
C4I インマルサット 衛星通信
NTDS(リンク 4A/11/14/16)
AN/USG-2 CETPS
Mk.7 AWS ベースライン7.1a(BMD3.6システム搭載)
Mk.99 ミサイルFCS (SM-2/6用)2基
SWG-1 HSCLCS (RGM-84用)
Mk.160 砲FCS (Mk 45 5インチ砲用)
レーダー AN/SPY-1D 多機能(4面) 1基
AN/SPQ-9B 低空警戒/対水上 1基
ソナー ウルトラ・エレクトロニクス社製統合ソナー・システム
(船底装備式+曳航式)
電子戦・対抗手段 ITT ES-3701 電子戦装置
Mk.53 NULKA 囮装置
Mk.36 SRBOC チャフ・フレア展開装置
同型艦 『合歓山』『雪山』

482: yukikaze :2018/01/02(火) 23:05:48
(解説)

2010年代後半に就役した台湾海軍の最新鋭艦であり、アジアにおいては2番目にイージスシステムを採用した艦である。(なおタッチの差で3番目がベトナム)

もともと、台湾国防軍において優先されていたのは、ミサイル防衛を司る防空軍であり、2番目に大陸からの浸透戦力排除の為の陸軍となり、海軍は予算的には最下位であった。
無論、これは台湾海軍の役割がないがしろにされていた訳ではなく、台湾政府も、日米海軍来援までの間に、大陸からの海上戦力を封じるための戦力が必要なことは痛い程理解していたものの、予算と人口という制約の前にはない袖も触れず、結果的にアメリカから供与された新北級フリゲート(米OHP級フリゲート)8隻、基隆級フリゲート(米ノックス級フリゲート)10隻によって、最低限の戦力を維持するのがやっとであった。

こうした状況に、台湾海軍関係者は、盛んに艦隊のリニューアルを申し入れたものの、遅々として進まなかったのが現状であった。
これは、2000年代に首相になった李登輝による『日米台MD防衛構想』を、台湾が国防方針として採用されたことが大きかったのだが、この李登輝の構想は、MD防衛システムを、日米台で構築することによって、日米が台湾を絶対に見捨てないように縛りをかけるという点では効果的であり、事実、アメリカは、台湾に対しF-16戦闘機の最新verを割引価格で購入することを認めると共に、パトリオットシステムの最新型の供与や、実用段階に至ろうとしていたイージスアショアシステムについても、台湾での導入を快諾。
日本も対巡航ミサイル用である03式地対空ミサイルや、AAM-4空対空ミサイルのライセンス生産を認めるなど、台湾の防空能力強化に寄与している。

後に李は回顧録で『大陸の盗賊どもは弾道弾という玩具の威力に万能感を持つのは確定的であり予算と人口から、大陸への侵攻能力が自殺行為でしかない我が国にしてみれば、日米を巻き込んで防空能力の向上に注力することこそ、最善の道と考えた』と述べており、同時代以降の人間も李の戦略の正しさを認めてはいたものの、いかに格安で得られたとはいえ、防空能力の更なる向上に
費やした予算は、陸軍と海軍にしわ寄せがいき、陸軍の18個旅団(歩兵旅団14個。機甲旅団4個。
編制は歩兵旅団は西ドイツ装甲擲弾兵旅団。機甲旅団は西ドイツ機甲旅団に類似)は、数こそ16個旅団と最小限の減少にすんだものの、米軍のUA旅団構想に合わせる形で、ストライカー旅団戦闘団8個機甲旅団戦闘団6個、空中強襲旅団2個というように、機甲戦力の大幅削減を受けることになり、海軍に至っては、基隆級フリゲートの代替予定として建造する予定であった新型フリゲート艦の計画が完全に消滅することになる。
無論、海軍上層部がその事態を唯々諾々と受け入れる筈もなく、「固定目標であるアショアよりも、動き回れるイージス艦の方が有用である」と、イージス艦導入に舵を切ろうとしたものの、「アショアの稼働率とイージス艦の稼働率を考えた場合、同数で見ればアショアの方が有用」という判断の元、海軍の願いは潰えることになった。
まさに海軍にとって2000年代は不遇の時代であったのだが、この時のツケはやはり大きく、基隆級フリゲートの陳腐化が進むことで、場合によっては一時的に台湾海峡での制海権が失われるのではという見積もりすら出る有様であった。
無論、台湾海軍も現状を座視する訳でもなく、OHP級フリゲートを新たに6隻導入し、併せてアデレード級フリゲートに近い形で大改装をしたものの、それが小手先の解決策でしかないことは誰の目にも明らかであり、海軍からは『早急に艦隊リニューアルをしないことには、台湾海峡防衛すらままならなくなる』と、悲鳴の如き要請を上げることになる。

こうした動きに、李登輝の後を継いだ陳水扁首相も認めざるを得ず、台湾海軍は漸くの事で、艦隊リニューアルを実行に移すことになる。
後に『六六艦隊計画』と名付けられるこの計画は、『防空艦6隻、汎用護衛艦6隻』を10年の間に整備することで、最終的には『新鋭艦12隻と近代化改装が終了したOHP級12隻』によって、3個水上打撃艦隊を編制し常時1個艦隊は、台湾海峡防衛に寄与するというものであった。
そして台湾海軍は、国防海軍が続々と就役している秋月型(史実あきづき)と夕立型(史実あきづき準拠。
ただし防空能力は個艦防御)を導入することによって、建造期間と運用にかかるコストを大幅に下げるようにしていた。

483: yukikaze :2018/01/02(火) 23:06:23
だが、この比較的バランスが取れた計画に待ったがかかることになる。
この時期、台湾の防空戦力は、イージスアショアシステムの稼働によって、更に強化されていたのだが、同時に共産中国の短距離弾道弾ミサイルの性能も強化されていたことが明らかになっていた。
特に台湾が憂慮していたのが、『核弾頭こそないが数がやたら多いDF-11』と、『核すら打て、信頼性もDF-11ばりに優秀なDF-22』で、これらの移動式弾道ミサイルが飽和攻撃をしてきた際に、イージスアショアが潰されてしまえば、それ以降の攻撃を防ぐのが困難であるという問題であった。
台湾海軍にしてみれば『何を今更・・・』という気分であったが、『あらゆる攻撃を防ぐ』ことが至上命題となっている台湾首脳部にとっては、看過しえない問題であった。

故に、陳首相が『防空艦のうち、3隻はイージスシステムを搭載すること。ただし価格は、防空艦の1.5倍が限度であること』と、変更を指示した時、台湾海軍上層部は『台湾海峡防衛の為の戦力を求めているのに、何で台湾全土の防空システム構築に変更しているんだ』と、嘆いたとされるが、彼らにしても、陳の意図も理解できるものであり、新型コルベット艦(史実沱江級)建造予算を追加措置でもらう代わりに同意している。
(なお、OHP級についても陳腐化が目立つことから、2020年代に新型フリゲート艦9隻に、空母型DDH3隻を導入する計画がなされるが、こちらはまだ流動的)

同艦の特色は、イージスBMD機能が最初から組み込まれている事であろう。
当たり前と言えば当たり前のことであるが、同艦の役割は徹頭徹尾『台湾本土を共産中国の弾道弾攻撃から防御する』であり、スタンダードSM-3以外、VLSには詰み込まれていない。
台湾の首脳部としては、同艦こそが最後の盾とも言うべき存在であり、六六艦隊で建造される艦も、全てはイージス艦護衛の為の艦でしかない。
ここまで徹底的に割り切る辺り、台湾の防空に対する取り組みの執念が分かるというものであるが、逆を言えば、そこまで気を使わなければならない程、地政学的に台湾の軍事的緊張が強いものといえる。
ここら辺が、現実から目を逸らしまくっている韓国政府並びに国民との違いとも言えるものであるが、それ以外の機能については、予算の都合上、最低限のラインで抑えており、日本やベトナム海軍のように、必要に応じて巡航ミサイルを発射出来るようにはなっておらず、対潜能力もやや低い。
無論、これは取得コストの上限によるものではあったが、台湾海軍の中では、『無理をしてでも、日本海軍の妙高型(史実あたご)レベルを取得した方が良かったのでは』という声も根強い。

同艦は、台湾海軍においても最優先での建造が求められ、2015年に1番艦の『玉山』が就役し、以後2017年までに、『合歓山』『雪山』が就役することになる。

484: yukikaze :2018/01/02(火) 23:17:53
やっつけですが、三が日までにネタ投下したかった。反省はしない。

ネタ元はオーストラリア海軍のホバート級。
ただし、台湾海軍がイージスを持つ理由を、『徹頭徹尾、台湾本土の防空システムとして活用』というのがミソ。
だからこそ、本家にはなかったBMD3.6システムなんてのを組み込んでいる。

何気に史実よりも相当早くイージスアショアなんてのが出ているが、ここら辺はレーガンの軍拡と吉田機関の暗躍によるMD構想の余計な寄り道がなかったことが大きい。
まあ、カンボジアでドン引きな行動していた共産中国が、弾道弾能力なんてのを持てばアメとしても、李登輝の構想に反対する理由なんてないしねえ。(東南アジア防衛もアメちゃんの仕事である。)

同艦の特色は上に描いた通り。
『防空システム』能力に特化することによって、可能な限りコストを低減しつつ必要な能力を付与している点。
民主主義国家である以上、国防にかける予算にも制約ありますからねえ。(そうしないと経済や福祉にかけられる予算に制約が出る)
その分、本来求められていた台湾海峡防衛の戦力構築が先送りされてしまい新型コルベットを多数そろえないといけない羽目になりましたが。

なお艦名は、台湾で標高の高い山を選んだりしています。
最終更新:2018年01月08日 13:22