822: 影響を受ける人 :2017/12/31(日) 00:51:02
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。というか、ほぼメアリー・スー状態です。
オリジナル設定、個人的解釈が入っています。
流血・グロイ表現が有ります。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第百二十三話 ―扶桑海事変:裏―06―

九曜葛葉本体の突撃に合わせる様に、三尾の分体一体も突撃をした。
次いでとばかりに【若狭】の主砲と、主砲の弾薬庫を全て引き抜き、念動でもって砲撃を敢行する。
幸いと言うか・・・双方に人間はいなかった。もし見ていたら、好き勝手に砲弾と弾薬が浮き上がり、砲身に装填されていく姿が見えただろう。
横合いから砲撃をくらう“七支禍皇”だったが、すでに意識は怨敵本体に向いていてまるで一顧だにしない。

「■■■■■■■■■■■■ッァァァ!!」(コッチミロヤァァァァァァ!!)

これにはちょっと短気になっている分体も怒り狂って、砲塔から下を切り裂いた。
ついでに砲塔も真二つにし、細長く押し潰す。
同時に一々砲身に詰めるのが面倒になったので、全ての砲弾と弾薬を取出し、シールドで砲身を形成。
用済みとなった弾薬庫も押しつぶし・・・全ての砲弾と、鉄の柱を発射した。
命中した砲弾が“七支禍皇”に突き刺さり表面を浅く破壊し、レールガンの射出で質量兵器となった鉄塊は体に深く突き刺さる。

副砲を一門もぎ取った攻撃だが、それでも無視を続けて本体を近づけさせまいと攻撃を続行。
その様子に歯軋りし、

「■■■■■■■■■ッァァァ!!」(フザケンナァァァァ!!)

身体を大量に分裂させて特攻する。狙いは溶解して再生速度が遅い、主砲砲塔内部。
小型となり、ミサイルに匹敵する速度で飛翔して突撃して行く。
進路を変えそこなった分体群が表面に着弾して小型砲台を破壊していく。

(うぉぉぉぉ!!??)
(む、無茶するな!! 拘束が剥がれたら・・・って、あの分体は短気だったな。)
(とにかく拘束の維持だけに集中しろ! 馬鹿力で気が抜けん!!)

時折八尾の分体近くに着弾する事もあるが、さすがに意識しているのか直撃弾は無い。
同一人物ながら、性格がここまで変わると自分でも引く。よく経験しているが。
“七支禍皇”も、これにはさすがに意識を向けざるをえない。

―GIiiiiiiGYAAaaaaaa!!!!!―

無理やり体を捻り、小型砲で張り付く邪魔物を攻撃しながら射界に入れようと奮闘する。
しかし接近してくる個小さい奴らは、こちらよりも早く接近してきた。
仕方なしに攻撃を中断し溶解した部分をパージ、剥き出しになっている核を方から順に、押し出すように再生させる。ついでに突き刺さっている鉄塊を喰らって補充もしておく。
そこに、分体達が群れを成して突っ込んできた。
幾分かが再生中の内壁にぶち当たって破壊していくが、それよりも再生能力が勝っているので押し出されていく。

「■■■■■■■ッァ■■ァ! ■■■ィ■■■ィィィ!!」(ゴルァァァァァ! ナメルナァァァァァ!!)

が、そんな事は短気な分体には関係ない。突撃を止めて合体し、

(ソンナニナオシタイナラナァ!)

全力で魔法を“七支禍皇”にかける。

(ナオシテヤル!!!)

シールドで己の周りと入口をしっかり補強しつつ、全力で魔力を注ぐ。
ネウロイに対し、魔力を運用するウィッチは天敵となる。
それは通常兵器を高威力にして叩きつけるから・・・、という他にもある。
瘴気の中でも行動が出来る。これもあると言えるが、ガスマスクが有れば一般だって行動できる。
一番の要因は、ネウロイに対して普通に魔法を か け る 事 が で き る と言う点だ。

ネウロイがもし、魔法のかかりが悪かったならば、人類は早々に敗退していた。
しかし彼等は魔法をかける事ができる。そのまた逆も然りではあるが、この世界ではとてつもないアドバンテージとなる。
炎なら燃やし尽くす事ができる。氷なら凍らせて砕く事ができる。風なら切り裂いて削る事ができる。大地なら押しつぶす事もできる。
透視も通用し、透過攻撃も効く。再攻撃可能な能力を止める事もできない。
このアドバンテージが有るからこそ、人類は優位に立て、ネウロイは苦闘するのだ。

823: 影響を受ける人 :2017/12/31(日) 00:51:42

よって、“七支禍皇”にかけられた魔法。回復も、効果を表す。
再生速度が急激に上がり、すぐに内部が縮まってシールドに接触。異音をたてはじめる。
自分を押しつぶすような自殺行為に疑問符が浮かぶが、すぐに別の効果が表れ始めた。

―GYAAaaaaaa??!! GYAgiiiiiii???!!!―

ボコボコと、“七支禍皇”の体が膨らむ。
亀裂が入っては埋める様に膨らみ、膨らんだモノ同士がぶつかり、亀裂が入り治るように消えては膨らみ・・・
歪に発射口周辺から歪に膨らんで、どんどんその体積を増やしていく。
無理やり回復させられた体は、癌細胞の様に増えた装甲は脆く、回復能力を持たない。
それでいて痛覚はそのままなのでたちが悪い。

―GYALAaaaaiiiii!!!!―

“七支禍皇”が苦しみもがく。
しかし八尾の分体は逃がさない。必死にくらい付き、しがみ付く。
また強制回復の為に、一尾分の魔力を回している。中にいる分体を押し潰す結果になろうとも。
中で強制回復を続ける分体の尻尾は既に二尾にまで減り、もうすぐ一尾になりつつある。
そして同時に、内部に膨らんでくる装甲に押し潰されていた。

右手は完全に潰されて魔力に変わって砕け、左側が丸ごと押さえつけられて骨が砕けていくのがわかる。
しかし分体は基本的に己を顧みない。痛覚をマヒさせて内心で不敵に笑っていた。
増える圧力をシールドで耐え続けていたが、もう頃合いだろう。

(クタバレ。)

顔が完全に押しつぶされる前に全身を魔力に変換、障壁が消えて一気に壁が迫ってきたがそれよりも早く炸裂した。
外から見ると内部の分体は完全に見えず、パッと見ではわからない。
しかし念話でコンタクトを取ることは出来た。外部で抑えていた分体二体も少し遅れて自信を爆弾に変えて起爆した。

〔ゴッガアアアアァァァァァァン!!!!!!!!〕

強烈な爆音と共に“七支禍皇”の体がはじけ飛ぶ。
白煙があたり一面を一時的に覆い、結果を包み隠す。
九曜が突撃する中で風を巻き起こして煙を吹き散らすと、“七支禍皇”の様相は変わり果てていた。
まず、前が完全になくなっていた。続いて上部も殆ど残っていない。
両サイドに至っては少ししか残っておらず、後方から延びていた副砲が二門を残してすべて吹き飛んでいた。

何とか残った副砲も無事ではなく、ねじ曲がり、溶けている。
痙攣するように蠢き、もはや射撃する事など出来ないだろう。
しかし、さすがに核を覆う装甲だけは破壊されずに残っていた。
脚部が支える底面上部にある球体状の装甲。そこだけが残っている状態だ。
そこに九曜が襲い掛かる。

「■■■ィ■■■■■■■ッァァ■■■■■ィィィ!!!」

飛び掛かり、核を守る装甲に噛み付く。同時に爪を突き立てて引き剥がされないように。
“七支禍皇”とて黙ってはいない。
軋み、痛む体を振り回し、敵を振り落とそうと必死に抵抗する。
残った副砲を修理しようとするも、再び回復をかけられたら目も当てられない。
何しろ吹き飛ばされた部位の再生が思ったようにできなくなっているのだ。ナニカされてこうなった事ぐらいわかる。

―GIriryaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!―

憎悪と憤怒が混じった咆哮があたりに撒き散らされる。
射撃が出来なくなった副砲二門を鉄槌の様に叩きつけるが、手数が多い相手に防がれて有効打が入れられない。
小砲台群も機能を失い、再生もできない、打つ手がない。
これが終わりなのか? こんな終わりなのか?
ふざけるな・・・ ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!

今までで最大の憤激にかられた怒号が響き渡る。
まだ復讐が出来ていない! 報復が終わっていない!!
蹂躙できていない! 音的がまだ生きているというのに!!
こんな理不尽を受け入れろと言うのか!? クソッ垂れの現実を認めなければならないのか?!

―GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!GYUGIAAAAAAARIIIIIIIII!!!!!?????―

認められるか! 受け入れられるか!! 信じてたまるか!!!
激情に身を任せ、副砲を再生させながら叩きつけて敵を押さえつける。
更に脚部も下から抱え込む様に折り曲げ、敵を覆うように拡大させた。もう、浮くだけの能力さえあればいい。
すかさず過剰回復をかけていた九曜であったが、敵の動きが違う事を悟り慌てて魔法を中断。
同時に敵の意図を悟った。自爆する気だと。

824: 影響を受ける人 :2017/12/31(日) 00:52:51

ちらりと視線を動かせば、下手に動かせないように氷塊に閉じ込めた艦艇群がいる。
ここにきて強引な対処が裏目に出てしまった。動けていれば、戦闘領域から逃がせることが出来たのに。
今氷塊の魔法を解除したところで、間に合うはずがない。
ならば、その前に倒す以外に他無し。

「■■■■■■■■■■■ッァァ!!!」

体内に開けておいた異次元門に少しずつ溜めて置いた魔力の塊を引きずり出す。
同時に己の魔力を全て注ぎ込んでさらに圧縮。分体も必要最低限なだけ残し、全て魔力塊に投入した。
胃の中を、光り輝く力の塊が解放しろと圧力をかけてきて激痛が走る。
シールドで良から食道へ、食堂から口内に道を作る
そして最後に、

「■■■■■アァァァァッッ!!!」

強制強化増幅魔法をかけて全てを底上げした。
高まる噛み付きの圧力、四肢で抑える力。
押し潰さんと、逃すまいとする敵の圧力を防ぐ九尾の力。
そして・・・人型の時とは比べ物にならない出力の、超高圧縮魔力砲が放たれた。

「■■■■■ュ■■■■■■■■■■■■■■■■ァァァァァッッッ!!!!!!!!!」
―GiGIiiiiiiAAAAaaaaaaaaaGYAaaaaaaiiiiiiiii!!!!!!!!―

二体の化物が咆哮し、御互いの全力をぶつけ合う。
自爆のカウントダウンが進む“七支禍皇”。自爆を阻止せんと火力を注ぐ九曜葛葉。
“七支禍皇”の体が明滅し、その明滅する感覚がどんどん縮まっていく。
すぐに回復する魔力を、片端から砲撃に回して強固な防護壁を破らんとする白き巨獣
徐々に檻を狭めていく黒き巨獣。先程から響き渡る方向が協商に変わりつつあった。

その事に気が付かず、全力を振り絞って噛み砕こうとする神獣。
咬筋圧力に負けて歯が砕け、口内と食堂を高圧縮した魔力が焼いていく。
防護壁にぶち当たり、砕けずに飛び散った超高圧縮魔力砲の残光が体を傷付けてゆく。
時間にして10秒も満たない時間。
その光景を呆然と見る事となった安田艦隊の面々は、あまりにも幻想的な光景に心を奪われたままだ。

〔・・・ビキィ〕
―GIiiiii!?―

異音が聞こえたような気がする。

〔ミシッ・・・ギキィィッ・・・〕
―GIYariiiiiii!!!!???―

否、異音は防御壁から聞こえてきていた。
それは破滅の音。同時に副音の音。

“七支禍皇”がもし、臆病な面があったなら。
“七支禍皇”がもし、もう少し冷静であったなら。
“七支禍皇”がもし、節約するような戦いをしていたなら。
“七支禍皇”がもし、主砲の使用頻度を下げていたなら。
“七支禍皇”がもし、自爆を速めていたなら。
“七支禍皇”がもし・・・仲間の扱いを改めていなかったなら。

“七支禍皇”の勝利で、この戦いは早々に終わりを告げていただろう。
もう、彼に勝利の女神は微笑まない。
当初より薄く、硬度が落ちた防御壁は、攻撃に耐えらずに罅が入っていく。
“七支禍皇”が喚き散らし、自爆を速めるよりも早くに最後の守りが砕け散った。
そして、通常のネウロイとは違う刺々しい球体の核が露出。

黒紫色の核に、純白の光が襲い掛かった。
最後の執念なのか、6秒ほど攻撃に耐えた核だったが、徐々に周りから溶け始めていく。
その速度はどんどん早まり、同時に罅が走り始めた。それでも・・・・砕け散る事は無かった。
全てが光に呑まれて消え去るまで砕ける事は無く、全て溶け落ちる前に最後の断末魔を脳裏に刻み込ませてまで粘り続けた。

核が全て溶け落ちると、身体を構成していた物体が砕けていく。
通常形が残る事が多い陸戦型だが、“七支禍皇”の体は空戦型の様に砕けていく。
しかし天に昇るのでなく、海面に・・・地の底に向かうように黒く、消滅していった。
“七支禍皇”の体が全て消え去り、氷塊の上に降り立った傷だらけの白き偽神。
“七支禍皇”の憎悪を憐れんでか、やっと勝てた事による安堵なのか。小さく、咆哮を天に上げた。



以上です。

825: 影響を受ける人 :2017/12/31(日) 00:55:11
今年もあと少し、皆様の応援もあって零編もラストスパートになりました。
語録が少なく申し訳なく思いますが、来年もよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えしましょう。

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最終更新:2018年01月08日 16:18