952: ナハト :2018/01/04(木) 22:43:51
アフリカの某バザール
そのバザールは第二次ネウロイ大戦初頭において
スエズ防衛の為にカイロを見捨て、街を追われた民で結成されていた
そのため、ここのバザールの民は
守ってくれるはずだったブリタニア軍、そしてウィッチを嫌い、激しく憎んでいた・・・・
カッカッカッ
その男はイライラしながら足早に歩いていた
そして、いくつかの曲がり角を曲がりながら
目的地である店にたどり着き、入りながら大声を出す
「魔女!!おまえは二度と来るなと言ったのが分からんのか!?」
「えー、ケチケチすんなよ。ここの楽しみなんだぞ」
男が大声を出した相手は金髪で日焼けした肌色をしたウィッチがいた
「何度も言ったら分かる!!ここの町はお前たちに与える物資なぞ無い!!」
「なんだよー。私はちゃんと金を払ってるぞ。それに物資たって、この酒だけだろ」
そういうと、親父ーお代わりくれーというとあいよーと返事と共に新たな酒がそがれる
「ああああああーーーーーもおおおおおおーーーーーー、ここの町は魔女は嫌ってるんだよおおお!!お前が来るところじゃないんだよおおおおおおーーーー」
男は頭を掻きむしりながら叫ぶが女性は
「知らん。私はこの町が好きだぞ。みんな親切だし、アメちゃんもくれるし
あー、そうだ二番町のアメリーさんの子供が生まれたんだって。
今度お祝いを届けなきゃ」
「いらん!魔女からのお祝いをしたら子供が呪われるわ!!」
「おいおい、いつの時代の迷信だよ。あー、そろそろ帰る時間か。親父、お勘定ここに置いとくなー」
「あいよー。またのお越しお待ちしておりますよー」
店から出ようとする女性が振り返り
「そうそう、私はウィッチだが魔女と言う名前じゃないぞ。」
「ふん、お前は魔女で十分だ」
その魔女は最近来たものだった。
最初の頃は警戒心丸出しで、何も買い物せずに帰ったが
いつの間にか買い物してた、バーにいた、食事屋にいた、子供とサッカーしていた
などと神出鬼没的に町にフラーッと来ていたのである
その魔女の姿にだんだんと警戒心がさがり
今では仲良く過ごしていたのである。
しかし、まだウィッチという存在には許していなかったのである・・・・
953: ナハト :2018/01/04(木) 22:44:46
ウウウーーーーーー!!
砂漠の町に警報が鳴る
「ナセル大尉!ナセル大尉!!ネウロイの大群です!!」
「分かっている!女子供・非戦闘員は安全な場所に避難!総員戦闘につけ!」
「しかし・・・この数は多すぎます!せめて周辺の軍に援軍要請を・・・」
「ならん!数年前のあの事を忘れたのか!?あの思いを二度としないために整えてきたのではないのか・・・」
ナセル大尉が唇を噛み締めながら言い、一刻一刻接近してくるネウロイが立ち上げる土煙にゴクリとつばを飲み込む
と、その時だった
「おいおい、止めとけ。本当に呼んだ方がいいぞ。あれでは死ぬようなもんだ」
魔女がいた。いつも通り買い物に来たのだろうか
「何を言う!我々は軍にも!魔女にも・・・・頼りにしない!!」
「ほほう、それだけいう事は何か理由があるんだろ?」
「そうだ・・・・お前もスエズ運河が数年前に墜ちたことは知ってるよな。
ブリタニア軍は・・・我々の町を守るのではなくスエズ運河防衛に使われた!
普段から頼りにしていた軍が見捨てられたと分かった、その時の気持ちがお前に分かるのか!?」
そして、ナセル大尉はキッと睨みつけ
「我々は二度と魔女を信用しない」
「なるほど・・・・それは我々の軍の不備によるものだ。すまなかった」
と魔女は頭を下げる
「なぜ、貴様が下げる!貴様は当時参加してなかったのだろう!?」
「それでも、軍はお前たち民を守るためにあるのだ。勿論国家の利益にともあるが、第一は民を守ることだ
師匠の受け売りだが、民を守らずして国が亡ぶと常々に言ってたからな」
「そうか・・・・謝罪は受けよう。しかし!これはお前には関係ないことだ!
魔女はとっと去れ!ここは我々の力だけで守る!!」
「おっと、私は関係者なんだよ。ここの買い物をする客であるんだよ。
つまり、この街が破壊されたらたまらんのよ。それに」
魔女は乗って来た車の後ろの布のカバーを取り外す
そこには多くの銃器と弾薬と刀が置かれていた。
魔女は素早く銃器と弾薬をセットし、腰に予備弾薬ベルトを巻き、さらに刀を取り着け
ストライカーユニットを履き
「私はこの街が好きなんでね!!」
魔女は魔力を纏い、足元に大きな魔法陣を発動させ
轟音と共に飛び立つ
「約束しよう!
私は決して逃げない!
守り切って見せると!
この刀とマークに誓って!!」
魔女はナセル大尉に狐に雷を抱いたマークを見せつけながら飛んでいった
ナセル大尉達はしばし呆然とし、部下が何かを思い出したのか
「はっ!!そういえば・・・・聞いたことがあります!最近、上官命令を無視して
民間人を救助に向かってここに飛ばされたウィッチがいると」
「なに!?それが、あの魔女だと!?」
「ええ、あのウィッチこそが・・・・」
次の瞬間、大空を覆った黒いネウロイが次々と撃墜され
ガラスの光を煌めかせる
「ライトニングフォックス!ハンナ・ユスティーナ・マルセイユです!!」
これは、数日間ただ一人で守り切った
奇跡のお話であった・・・・
954: ナハト :2018/01/04(木) 22:45:17
プロローグ。
続きは評判次第で。
最終更新:2018年01月08日 16:22