185: ナイ神父Mk-2 :2018/01/09(火) 22:23:52
大陸SEED ゲート編 その15
オペレーション・フューリー発動とオーブの動き
ヘブンズベース攻略戦に置いて実質的な敗北を受けた反ロゴス派の連合軍は実質的に海軍の主力の殆どを失った状態となり肝心のロゴス上層部の大半もロシア地域への逃亡を許す事と成った。そのダメージは唯でさえ疲弊した連合としては無視出来ない損害であり、止むを得ず連合各国はロゴス所属企業や人員等をスケープゴートにしつつ自国の治安維持に走る事と成る。
そして、ロゴス討伐を訴えたザフト自身も無傷とは言えず、戦力が潜水艦中心だった事も有り補給や基地制圧の為に艦内で待機していたディンやザクを初めとした戦力を抱えた侭沈められる等の被害を受けていた。これらの損害から、目に見える戦果を求めたデュランダル政権はロゴスの中でも反プラントの強硬派の首魁であったロード・ジブリールを捕縛する為、亡命先と成っているオーブ政府に対して引渡し要求を出すも交渉は決裂、ザフトは武力を持ってジブリールを捕縛するべくヘブンズベース戦後に完成した艦隊戦力を用いてオーブ攻撃に乗り出す。対するオーブも本来の歴史より余裕が出ていた事から追加の建造に成功したタケミカズチ級航空母艦を中心とした艦隊を組織して戦闘へと乗り出す事となる。
CE73年11月上旬、補給と修理を終えたミネルバを旗艦とした艦隊はマラッカ海峡を越えて赤道連合の領海を航行していた。
ミネルバ周辺にはレセップス級を改造したファヨール級が数隻並走している。その中の一隻である一番艦ファヨールでは艦長と特務隊であるミネルバ以外の舞台の指揮を任されているザフト司令官が作戦に関しての打ち合わせを行っていた。
「ではオーブ攻略に関しては予定通りイザナミ海岸から上陸する攻撃部隊を中心に?」
「前回の戦闘で水中用と飛行用のMSが大きな打撃を受けた以上其れがベストだな・・・潜水艦隊に関しては陽動の為のカーペンタリア攻撃に向かっている。主力を分散している以上、オーブ軍が優秀とは言え同数での戦闘なら此方が上だ。・・・なんだ?」
「き、緊急報告!15時方向の島影より艦隊と複数の航空隊が出現!艦形状からオーブ国防海軍所属の空母と思われます!!」
「馬鹿な、此処はまだ赤道連合の領域の筈だぞ!オーブ軍が居る筈・・・」
「其れより先ずは艦載機を出撃させろ!対潜哨戒用のアジャイルでは囮にも成らないぞ!!」
艦隊指令の言葉に従い火が付いた様に慌しくザフト艦隊が対空砲火や対空ミサイルを射出し始めているのと対照的にタケミカズチを旗艦としたオーブ艦隊のCICでは予定通り運ぶ状況に対して司令官が前方に備え付けられたモニターを確認していた。
「サミダレ隊敵への先制攻撃に成功、後退します。」
「ハルサメ隊、出撃してきた部隊と戦闘を開始しました。」
「思った以上に事が上手く運ぶな・・・」
「しかし、良かったのですか?赤道連合と我が国の関係をこんな形で明かしてしまって」
「先方の了承は既に得ている。赤道連合としてもこの混沌とした情勢で単独で居る事は難しいと判断したんだろ?どちらにしろユウナ様の決めた事に我々は従うだけだ。」
186: ナイ神父Mk-2 :2018/01/09(火) 22:25:14
艦長の言葉に艦隊指令はそう返すと再びモニターに表示された戦況へと目を移すと先制攻撃が功を奏したのかザフト軍は単独で迎撃に出た所をハルサメ隊や後詰めで出撃したムラサメ隊に包囲されて落とされていくがその状況は急変する。
「ミネルバよりGタイプの機体が複数出現!ムラサメ隊が一方的に・・・」
「慌てるな!ハルサメを中心に一撃離脱を心がけろ」
しかし、指令の指示も空しく先ほどとは比較に成らないスピードで味方を示す光点が消失していく、そして包囲が崩れた部分から生き残った艦艇を示す光点が後退を初めそれに合わせる様にザフトのMS隊も徐々に後方へと下がっていく。
「ザフト艦隊、後退を開始しました。」
「指令、追撃は・・・」
「無理に行う必要は無いだろう、それに赤道連合の航空隊が攻撃を行う予定だ。我々は此の侭・・・」
「指令、カーペンタリアより通信が・・・」
後退を始めたザフト軍を確認して、出された撤退命令に従い着艦してくるムラサメやハルサメを見ながら司令官は次の指示を出そうとするも突然入った通信によって遮られる。そして、その通信で齎された情報はオーブ軍に大きな決断を強いる物と成る。
11.9事件ととある男の死
CE73年11月9日、オーブ軍ではタケミカズチに加えて新規製造された新型機中心の部隊を編成して対ザフトへと投入した後、本土では不穏な動きが加速していた。既に数少ないユウナの派閥となる人員は大洋州連合領土の統治や今回の作戦に際して投入されており、更にジブリールがダイダロス基地へ脱出する際に人員を裂いたことで内部を見張る人員が極めて少ない状態であったのである。
そんな中、兼ねてより少しづつ準備を進めていたオーブ若手将校達は一斉に蜂起し最後まで計画に反対していたトダカ一佐を初めとした反対派の兵士達を一時的に拘束して計画を実行に移した。
計画実行と同時に市街地には厳戒令がしかれて市民の外出は制限されると同時にムラサメを中心としたMS隊と国防陸軍のPS部隊を中心とした戦力が各諸島へと展開して見回りを開始した。又、同時刻各基地でも内部の若手将校たちが一時的に司令部を制圧して各基地の連携を遮断した。そんな中、拘束されたトダカ一佐は蜂起した若手を説得しようと自身を拘束する兵士に対する説得を
続けていた。
「この様な力ずくでの自体の打開はカガリ様の望む所では無い、考え直すのだ!」
「一佐とて勝手をするセイラン家の排除に賛成していたでは無いですか、何故止めるのです?」
「それはあくまで政権としての話だ、この様な武力による物では無い!」
「それでは甘すぎる!!此の侭奴等を野放しにして置けば、ウズミ様が残そうとした理念も志も全て失われて仕舞うのです!
此処で血が流れようと変えなければ成らないのです!!」
トダカを初めとした比較的良識派が強硬派の兵士達の説得を行っているのと同時刻、オーブの首相官邸では複数の銃声が鳴り響き自分なりにオーブを動かそうとした男は非業の際を遂げる事になる。しかし、拘束を行った兵士達の見張りを掻い潜り、一部のセイラン派の兵士達がオーブより脱出し、制圧が行われなかったカーペンタリア周辺まで逃れてクーデター発生の知らせがザフト
迎撃へと動いていた兵士達の下へも齎される事と成る。
その後、オーブはカガリ帰還まで強硬派の軍人達によって政権が運営される事となり、国内の安定化が行われるまで多数のセイラン派の官僚や兵士が死亡する。制圧を逃れたカーペンタリアや出撃していたオーブ艦隊は無事だった基地にて合流後にジャンク屋を通じてアメノミハシラへと亡命している。又、その際にセイラン主導によって開発された試験機のシグレやハルサメの実機やデータが持ち出された事でオーブでの新型機開発は大きく後退して、次世代機の開発に大きく影響を受ける事と成る。
そして、オーブを脱出したジブリールや其れを追いかけたデュランダル達の運命は大きく変わることが無いまま世界はCE74年を迎え、世界は益々混沌とした様相を呈していく。これは、世界を救った英雄でも如何にか成るような事ではなく彼らも又その悲劇と戦乱に其々の責任や立場をもって巻き込まれていく事となる。
187: ナイ神父Mk-2 :2018/01/09(火) 22:26:45
以上ですWIKIへの転載は自由です。取り合えず運命シナリオで変化は此処までなので短いですが終了をばこの後は取り合えずその後の国家状況とかを書いていく事に成るかと思われます。
最終更新:2018年01月14日 09:36