154: yukikaze :2018/01/21(日) 01:28:25
それでは韓国海軍に愛の手といいつつ、世知辛いネタを。

仁川級フリゲート

排水量 基準:2,800t
    満載:3,100t
全長 95.5m
全幅 14m
吃水 4.4m
高さ 33.4m
機関 CODAD方式
    SEMT ピルスティク6PA6 L280 BTC ディーゼルエンジン
    (6,470 kW/8,680 hp) 4基
    可変ピッチ・プロペラ 2軸
    バウスラスター(200kW) 1基
速力 最大20ノット
航続距離 8,000海里(15ノット巡航時)
行動日数 40日
電力 ボードワン12 P15 2SR ディーゼル発電機 (590kW) 3基
乗員 士官12名+海曹49名+海士22名+航空要員13名
兵装 Mle.68 CADAM 100mm単装砲  1基
F2 20mm単装機銃   2基
SIMBAD近SAM連装発射機   2基
     エグゾセMM40SSM連装発射機 2基
     533mm連装魚雷発射管   2基
艦載機 AS.565MA汎用ヘリコプター  1機
C4I シラキューズ衛星通信システム
GFCS ナジール 主砲用  1基
レーダー DRBV-21対空・対水上捜索用 1基
     DRBN-34 航法用  2基
ソナー スフェリオンB 艦首装備式  1基
     ATAS(V)2(後日装備)    1基
電子戦 ARBG 1A 電波探知装置
DAGAIE Mk.2デコイ発射機  2基

同型艦
<京畿><全北><江原><忠北><光州>

(解説)

時は1990年初頭。韓国海軍は、心の底から頭を抱えていた。
全世界は、冷戦が遂に終結したことを喜んでいたのだが、それはあくまで米ソ間の手打ちであって、アジア情勢は未だきな臭い情勢であった。
無論、共産中国にしろ満州にしろ北朝鮮にしろ、彼らがトチ狂って侵攻を開始したとしても、最終的には大正義アメリカ軍の来援を以て勝利を得るだろうが、いの一番に攻勢を受ける韓国としては何の慰めにもならなかった。
何しろ彼らは、約半世紀前に、一時的であるにしろ国を失陥し、しかもその時の政治的な混乱のツケに今なお悩まされている状況なのである。
故に、韓国軍としても、せめてもの抑止として、懸命に近代化に勤めていたのだが、史実と違い、漢江の奇跡もなければ、日米からの経済援助も最低限という状況から、史実よりも経済は弱体であり(それでも1990年代まではアメリカの経済顧問と、旧日本
統治時代を知る中間官僚層の必死の努力で、名目GDPランキングで50位以内と中間層の増大を達成している。もっとも、アジア通貨危機と極東危機以降の対応、そして李明博政権の経済方針により、中間層は壊滅的打撃を受けているが)、それでいて、史実と
違い軍部の権力も低いこともあって、陸軍と空軍の戦力構築は何とかできても、海軍に関しては全くの手つかず状態であった。
冷戦最高潮の1980年代においてすら、供与されたギアリング級駆逐艦8隻及びタコマ級フリゲート8隻が主力という状態が続き、東亜3国の潜水艦戦力の強化に全く追いついていない情勢であった。
無論、西側の盟主であるアメリカも手をこまねいていた訳ではなく、韓国に対してノックス級フリゲートの供与を計画していたのだが、如何せんノックス級及びOHP級フリゲートの供与やライセンス生産を求める国が多く、更に言えば韓国側が自国生産に拘りを見せていたこともあって、供与計画は頓挫。
最終的には米国域外調達(OSP、供与先国調達)を利用して、浦項級コルベットが建造されたものの、建造発注に伴う汚職事件や冷戦終結に伴い、当初24隻建造する計画が、8隻で打ち切られる羽目になったのである。
韓国海軍が頭を抱えるなという方が無理な話であっただろう。

155: yukikaze :2018/01/21(日) 01:29:50
こうした状況に対し、韓国海軍は、政府上層部に対して『仮に北韓が南侵を始めた際、彼らが大規模な通商破壊作戦及び特殊部隊による海路からの浸透作戦を行うのは必須であり、韓国海軍としては、現有戦力で対応するのは不可能である』という意見書を提出することになる。
これに韓国政府は『あまりにも敗北主義的な感想ではないのか?』という声が上がるものの報告書に書かれた内容と、しかもそれが『アメリカ海軍も認めている』という事実の前に不承不承黙ることになる。(一部の人間は『アメリカに対して恥をかかせるようなことをしおって』と、半ば八つ当たりで海軍の担当者を、左遷や退役に追い込むように動く真似までしていたのだが、幸いにも大統領が交代したことで、そう言った面々はあっさり青瓦台を放逐されていた。)
彼らにしてみても、万が一北朝鮮による南侵が発生した時に、『海軍やアメリカ海軍から警告を受けていたにも拘らず、何もせずに被害が拡大した』などと言う事実が暴露されれば、その後政治生命だけでなく、文字通り命や財産すら失われることは理解できていたのだ。
そしてそれは、1993年に『初めて大衆によって選ばれた』と当選時に豪語した、金泳三大統領とその取り巻き達にも理解できる代物であった。

そのため、金泳三政権において、ようやく韓国海軍のリニューアルが始まることになるのだが、この時の韓国海軍のリニューアル方針は極めて堅実的であった。
彼らは、大艦隊を建造することなど端から不可能であると断言しており、韓国海軍としては、ギアリング級代替として、主力駆逐艦を6隻、そして主力駆逐艦を数的に補佐するフリゲート艦を18隻整備することによって、『駆逐艦1隻、フリゲート艦3隻』による、6つの水上打撃部隊を編制。
これにより、韓国の東西海域にそれぞれ1グループが、常時対潜哨戒しうる体制に持っていこうとしたのである。(1グループが戦闘態勢。1グループが訓練。1グループが整備のサイクルである。)
そして韓国海軍は、これらの艦について、『主力駆逐艦は他国の艦を払い下げしてもらった後、改装』『フリゲート艦は、国内産業育成や外貨流出をある程度防ぐために、安価な艦のライセンス生産』という、当時の韓国の実情に合わせた内容になっている。

この韓国の状況に反応したのがフランスであった。
彼らは、次期主力戦闘機計画で、アメリカと交渉が難航していたのを受けて、ダッソー社のミラージュ2000の売り込みに札束と接待攻勢をしていたのだが、この韓国海軍の動きを奇貨として、当時、フランス海軍が建造していたフロレアル級の格安でのライセンス生産もパッケージとして提示したのである。
韓国海軍は対潜能力がないことを理由に乗り気ではなかったのだが、フランスからは『対潜能力や対艦能力の強化は十分に可能』であるという返答と、維持費がB+V社が提案してきたMEKO 200型よりも格段に安価であったこと、そして何よりフランスの札束と接待に、韓国大統領府がすっかり心地よくなっていた(第四共和政時代は、大統領権限が強かったこともあいまって、親族や取り巻きの汚職や疑獄事件が頻繁に起こった時代でもあった。)こともあって、最終的に1995年にフロレアル級のライセンス生産が決定されることになる。(併せてミラージュ2000の導入も決定されている。)

このように裏ではどろどろの状況ではあったが、フロレアル級の性能については、艦隊のワークホースとして考えた場合は、コスト的に見て悪くない代物であった。

156: yukikaze :2018/01/21(日) 01:30:32
確かに排水量の割には兵装が弱武装にも見えるが、最も重要な対潜能力については、後日装備のATAS(V)2を加えれば十分満足できる能力を備え(浅海面での対潜ならば現状でも対応可能とされた)、砲火力も100ミリ砲であるため、限定的とはいえ対地砲撃も可能。
対艦ミサイルもエグゾセの最新型を積めたことで、北朝鮮や共産中国の艦船相手にも無力ではなく(もっとも北の主力は、あくまで潜水艦であり、艦船整備については、機雷敷設艦や音響測定艦、潜水艦救難艦以外は、漁民防衛用の小型警備艦位しか整備していなかったのだが)、対空装備についても、『北朝鮮空軍の空対艦攻撃能力は米海軍相手にとっているだろう』と、半ば願望じみた(無論、北の立場からすれば、貴重な対艦戦力を『韓国海軍如き』に消耗したくはないだろうが)判断のもとに許容している。(なお、対潜装備等や対艦装備の強化の為、艦の全長がやや増加し、航続距離を減らして燃料タンクを削減することで、対潜装備の容積を確保したものの、そのままでは復元性が悪化する為に、艦底にバラストを積んでいる。)
何より、積極的に商船の技法が導入されたことでの建造および維持費用の安さ、警備・救難・漁業監視任務とともに、自国民・非戦闘員の救出をはじめとする戦争以外の軍事作戦への対処能力の増強対潜能力の肝であるヘリ運用能力(何気に韓国海軍では初のヘリ運用能力を備えた艦である。)の付与など、艦隊の数的主力を務めるうえで必要な能力を備えていたのである。
順調に進めば、韓国海軍にとっては明るい未来が待っている筈で『あった』。

そう。現実は非情であった。
1997年。韓国政界を揺るがす大疑獄事件である、大宇造船海洋事件が明るみになる。
韓国は、建造費用の圧縮を狙って、アメリカが行ったように、1社による独占建造を計画。
そして見事に契約を射止めたのが大宇造船海洋だったのだが、同企業が、この契約を勝ち取るために政府上層部や海軍への賄賂だけでなく、彼らの子弟や親族に対しても便宜を図ったことが明るみになったことで、既にレームダック化が進んでいた金泳三政権の息の根を完全に止めることになる。
この一件により、国防部長官や海軍の調達担当者等も辞任や逮捕されることで、同級の建造計画は、建造の進んでいた6隻以外については完全に凍結されることになる。
無論、韓国海軍も手をこまねいていた訳ではなく、仁川級の必要性と、調達の透明性を再度確保するために、新たな入札を行うよう声明を出すのだが、同疑獄事件による大宇財閥の崩壊と、アジア通貨危機の影響からくる不況を受けた韓国国民の視線は冷たく、また、韓国海軍の一部にあった『このような軽武装のフリゲートではなく、数は少なくとも重武装の艦を揃えることで抑止を図るべきだ』とする、決戦主義を志向する面々の活動によって、海軍の意見統一すら不可能になりつつあった。

こうした結果、新たに大統領になった廬武鉉は、財閥に対して怒りの目を向ける国民へのアピールと、海軍の非主流派である決戦主義派を後押しすることで、海軍への影響力を増大させることを目論み、仁川級の整備計画を中止することを決定すると共に、今後の海軍整備計画として、オランダ海軍が退役を進めていたコルテノール級フリゲートを4隻購入することを決定し、併せて、B+V社が提案してきたMEKO 200型の発展型であるMEKO A-200 SAN型の整備についても言及することになる。
これにより取得隻数は大幅に減少するものの(当初計画では、駆逐艦6隻。フリゲート艦18隻だったのが、駆逐艦8隻、フリゲート艦6隻になっている。)艦隊全体の攻撃能力は上になると、廬武鉉は獅子吼することになるのだが、決戦主義派の面々は、2年後に『廬武鉉に余計な知恵をつけさせるべきではなかった』と、酷く後悔することになる。

同級は、政治的な思惑で調達が打ち切られたものの、その必要十分な性能と安価な維持費用は、廬武鉉が導入した『金九』級駆逐艦(コルテノール級フリゲート)が、東亜危機後の部品調達の取り消し等で、稼働率が極端に悪化し、岸壁の女王として朽ち果てるに終わったのとは対照的に核開発疑惑による経済制裁以降も、浦項級コルベットとともに活動をしており、韓国海軍のワークホースとしての役割を果たしている。

157: yukikaze :2018/01/21(日) 01:31:05
※ おまけ 『金九』級駆逐艦

性能的にはコルテノール級フリゲートそのもの。
もっとも、仁川級の打ち切りに怒り心頭のフランスをなだめる為に、主砲を仁川級と同じ主砲にし対艦ミサイルや対空ミサイル、更にはレーダーやソナーも、タレス製品に改装時に替えることをフランスに確約している。(フランスも賄賂攻勢の一件があるため、矛をおさめざるを得なかった。)
まあ、ここら辺は、元々反米志向のある廬武鉉が、靖国の一件でアメリカから不快感を受けたことに対して、より一層、反米感情をこじらせており、欧州製兵器に軸足を移そうとした要因も大きかったのだが・・・
艦名については、一番艦である<金九>は、廬武鉉が尊敬していた人物と公言していた人物であり、格段に評価の低い李承晩に暗殺されたという事実もあったことから、そこまで問題視されなかったのだが、二番艦に<安重根>、三番艦に<尹奉吉>、四番艦に<李奉昌>と発表されたことで、同級が『日本に対してテロ行為を行った面々への顕彰』という、明らかに日本に対する挑発であったことから、韓国外務省の日本担当官は顔面蒼白になり、韓国海軍の上層部は『高麗や李朝時代の名将や猛将にしておけよ・・・』と、頭を抱えたとされる。
なお、東亜危機前夜における、所謂『竹島ピンポンダッシュ』を行ったのが、<金九>であったのだがこの時の行動は、中曽根総理をして『名は体を表すとはよく言ったものだ。まああそこは反日を唱えれば泥棒も一夜にして英雄なのだから、当然か』と、地面に散乱した生ゴミを見るような視線で論評され、東亜危機直後に行われた、対馬沖での大演習において、<李奉昌>が演習海域に近づくも、国防海軍から『貴艦は標的役になりに来たや?』と、国防海軍から警告を受けて、慌てて逃走する位しかエピソード
はなく、核開発疑惑以降の経済制裁によって、韓国経済が崩壊して以降は、維持費と稼働率に問題を抱えた同級は岸壁の女王と化し、錆びつかせるだけであった。

同級は、2010年代に揃って退役をすることになるが、退役時は禄に整備をされていなかったせいか、船内はボロボロになっており、中曽根からは『テロリストの名を冠した艦の末路に相応しい』と、塵ひとつ落ちておらず、今なお往時の威容を誇る『長門』を愛おしげに見ながら、新聞のインタビューに答えている。

164: yukikaze :2018/01/21(日) 01:49:03
これにて投下終了。
これまで名前だけでていたフロレアル級とコルテノール級をネタとして具体化することに。

正直、韓国海軍の性癖からしてフロレアル級は導入するのかという問題はあるのですが(彼らは基本的に小型の船体に重武装積む傾向にあります。理由は海軍に予算がないので少ない隻数でも攻撃力を高めることで、数の差を縮めようとするもの。帝国海軍そのものやんけ)『北や共産中国の潜水艦部隊の拡充への対処として、対潜フリゲートを欲していた』という理由づけにしてみました。

まあ原型のフロレアル級そのものは、コスト低下の為に対潜能力ないのですが、ラファイエット級が後付けで対潜能力持ったのを見れば、フロレアルも船体を改正すれば何とかなるかなと。
で・・・ある程度の対潜能力があれば、後は数を揃えることで、一定の対潜バリヤーがはれると。
実際、韓国海軍の当初計画では、OHP級の改正型をフラッグシップにして、仁川級を猟犬として連携して対処する予定だったのですが、まあ金泳三達を恨めとしか。

コルテノールの艦名ですが、割と真面目に史実韓国の潜水艦の艦名を見れば、普通にやらかしていますからねえ。常識がないにも程があるというかなんというか・・・
独島級揚陸艦もですが、廬武鉉以降、あの国の海軍関係は『反日アピールで予算獲得』が露骨ですし。まあそれが最悪な形で裏目に出たのが東亜危機前夜のピンポンダッシュ事件です。

なお、個人的には、天地級補給艦の機関爆発ネタを金九級に入れようかと思いましたが
ネタがくどくなりすぎるんでやめときました。
最終更新:2018年01月24日 10:48