128: ナイ神父Mk-2 :2018/02/04(日) 22:56:05
大陸SEED ゲート編 その17

ロシア攻略とAEUの動き

CE75年6月9日北アフリカを併合したユーラシアEU及び北アフリカ連合、通称AEUは未だに抵抗を続け、事実上完全にユーラシア連邦より離脱したロシアを含む東欧諸国に対して戦線を布告し、73年での侵攻作戦のルートを遡上する様に陸軍を侵攻、対してロシアもAEU部隊を迎撃するべく部隊をワルシャワに展開して此れを迎え撃った。

多数の戦車戦力と新型MSガンキャノンを有するAEUに対して旧ロゴス派連合兵を多く抱えるロシアは当初こそ優勢を保つもAEUは
徴兵制の復活と国内に多く発生した難民達を中心に兵士を徴兵しており、其れをMSにも打撃を与えられる戦車や簡易に量産が可能なガンキャノンに乗せることによって物量作戦を展開、対空弾幕や榴弾による砲撃での面制圧によって質に勝るロシア軍を押し始め、戦線は徐々に後退を重ね遂に臨時の首都であるモスクワまで遂に敗退を重ねる事と成る。

戦線ではザフトからの機体輸入やプールされたザフト系MSによってAEUのMSの質は徐々に上昇して行くのに対してロシアはダガー系のラインこそ確保出来ていた物の、ウィンダムのラインは十全に確保出来たとは言えず徐々にウィンダムは戦線で不足。ロシア軍の主力はストライクダガーやダガーLへと落ちて行き、初戦では充実していたユークリッド等も徐々にその数を減らしていた。

その為、ロシアでは止むを得ず今の所挑発だけに終始しているシベリア方面から主力機体を引き抜き、代わりにストライクダガーを中心とした機体が宛がわれていた。シベリアの国境地帯を巡回中のストライクダガーは随伴しているリニアガンタンクを手で制すると上空を此方へと飛行してくる航空機をカメラアイで確認した。

「此方、第28混合小隊。東アジア軍の空軍機は相変わらず此方の領空を侵犯している。空軍機を回してくれ」

『此方、司令部。了解した、スカイグラスパーを送るから其方は哨戒を続けてくれ』

小隊の隊長機が司令部との通信を切ると其れと同時に随伴している戦車からの通信が入り、戦車に乗る部下の声が聞こえてくる。

『しかし、欧州戦線は大丈夫なんでしょうか?』

「戦線は逼迫しているそうだ、此方もドンドンMSが減らされている。前までは大隊に一つは有ったMAも既に師団に一つ程までに減らされている。此の侭では・・・」

『隊長?』

通信の途中に何かに気が付いたのか通信での会話を止め、上空にカメラアイを向けた隊長機は暫く東アジア方向の空を眺めると急に踵を返すと基地方向へと機体の向きを変えた。

『隊長何か有ったのですか?』

「お前達、急いで基地へ戻るぞ!」

『しかし、哨戒任務はまだ・・・』

「良いから急げ、向こうの上空から無数の航空機が接近してる!!あれは尋常じゃ無いぞ!司令部へは緊急信号を送った。
お前等も急げ!」

『りょ、了解!』

隊長機の指示を聞いてすぐさま回頭を始めた小隊の上空を無数の東アジア軍の識別マークがペイントされたスカイグラスパーが通り過ぎ、小隊が離脱してから数時間後にはMS大隊が小隊が航空隊を確認した地点まで到達している。そして、東アジアはシベリアへと侵攻すると一方的にロシアへと宣戦布告を行い進軍を開始。この奇襲とも言える攻撃によってロシア軍はその戦力の多くを失いながらも数ヶ月間は抵抗を続け、一部の国民や残存兵力はジャンク屋を装いながらミハシラの設立したクレイドルへと合流その際に持ち込まれた戦力によってクレイドルの戦力や国力の増大に貢献する事と成る。

129: ナイ神父Mk-2 :2018/02/04(日) 22:56:40
東アジアの拡大と大陸での動き

一方で東アジアとAEUの戦争によって敗北したロシアは国境線一帯から攻撃を加えた東アジアがオビ川以東と制圧下に置いて一帯を領土宣言、旧ユーラシア連邦領土を完全に取り返す事を目的としていたAEUと対立していく事と成る。
又、第一の目的と位置付けていたユーラシアロシアの領土を制圧した事に寄って勢い付いた東アジアは更なる領土拡大に向けて意欲を高め、再建していた海軍艦隊を使用してミッドウェー周辺やハワイ諸島へ度々、艦艇を差し向ける等の挑発を行為を行い始める。

此れに対して大西洋連邦も反発はする物の、海軍に特に打撃を受けていた大西洋連邦は現状ではある程度再建したとは言え艦隊の主力は以前の艦隊とは見る影も無いほど弱体化している上に、先のユニウス落としで発生した大規模な津波によって大多数の住民に被害が出た事によって、領土としては兎も角経済的なレベルでは大きな負担の一つと成っていた事で大西洋はハワイ周辺から住民ごと撤退。

その後は同じく太平洋に領土を持つ南洋同盟と東アジアとの対立に成るかと思われたが、元と成ったオーブは大西洋連邦より海軍用のMSを購入する予定で有ったが先の戦乱で海軍戦力の購入が不可能に成った事から海軍戦力が心許なく、最終的には東アジアが展開した数少ないディープフォビドゥンを前面に展開した事によって撤退せざるを得ず、最終的には東アジアがハワイ・ミッドウェーを確保した事によって東アジアは太平洋とユーラシア大陸に広大な領土を持つ巨大国家として再編成されることに成る。

一方で国家の安定とユニウス落下テロの疑いがかけられていたジャンク屋に関しては順調に衰退の一途と成っていた。
元々一族の陰謀に寄ってテロリストを支援した疑惑がかけられていた他にも、戦中戦後を含めて国家の制御を受け付けない大戦力を有した勢力が拡大を続けている事は最早看過できないものと成っていた。その為、連合全体としてのジャンク屋特権は廃止、各国ではジャンク屋規制法とでも言うべき法律が制定される事と成った。

その為、事実上ジャンク屋の活動は事実上連合の統制が弱い宇宙でのみのの活動に成り、契約や武装の購入等を行う勢力もザフトや月都市の一部だけとなっていた。その為、最終的にジャンク屋組合は人員が抜けていった事によって形骸化し、多くのジャンク屋は仕事を求めて国家の元に下るか又は再び宇宙海賊とでも言える無法者とでも言える存在へと戻り、戦中に存在した自由なジャンク屋像と言えるものは失われている。

130: ナイ神父Mk-2 :2018/02/04(日) 22:57:10
ゲート向こうの世界が徐々にその体制を建て直し始めているのと同時期、大陸側では大西洋や東アジアを初めとした各国が大洋より遅れていた宇宙開発の遅れを取り戻そうと宇宙開発を続けていた。人口を大きく減らした各国の分配したプラントコロニーにも人が新しく入植した他、大洋が有している様な40km級の大型の移民用コロニーも多く開発され、各国では移民の推奨や新たなフロンティアとして宇宙と其処への移民に対する謳い文句として売り出していたのである。

又、それに合わせる様に宇宙軍の拡大も実施され、宇宙艦隊も艦隊の補充とコロニー群警備の為の小艦隊を拡充して拡大の一途を辿っていた。そして、L5宙域の旧プラント設置宙域では大西洋が獲得したヤキンドゥーエ近くに置いて再建された第8艦隊とその旗艦として就役したQE級2番艦ウォースパイトを中心とした艦隊による観艦式を決行していた。

大西洋宇宙艦隊の旗印として建造されたQE級は周辺を護衛するアガメムノン級と比べて尚、2倍以上の全長を有し、大西洋連邦が如何に宇宙に力を入れているかが見て取れる。そして、艦艇内部では第八艦隊の新指令と成ったブラットレー中将が艦隊内部にて観艦式の様子を隣に立つ副官と共に眺めていた。

「大戦での損害から我が軍は此処まで持ち直したか・・・」

「はい、新型艦であるQE級も此の艦で2隻目、ネルソン級戦艦・・・いえ、巡洋艦も既に主力艦隊配備分は予定していた数の7割まで建造が終了しています。何れは大洋艦隊にも対抗出来るだけの艦隊を揃える事が出来るでしょう。」

「そう思いたいがな、大洋に関しても新型艦を次々就役させている。楽観は禁物だ」

「解っております。」

ブラットレーのその言葉に隣で待機していた副官は起立した状態で返答すると表情を変えずに、前方に写された艦隊の威様を眺めていた。その後、大西洋連邦では今までドレイク級が担っていた航路防衛等にもMS出現によって小型化した艦では難しく成った事から艦艇をネルソン級へと更新。ネルソン級は艦種を巡洋艦へと変更して新たな任務へと就いている。

又、これと同時期ユーラシアや東アジアでも新造艦の建造ラッシュやコロニー都市の拡大と発展が続き、宇宙に実質プラントと月都都市しか勢力が殆ど存在しなくなり、地上へと篭り始めたゲート向こうの連合とは対照的な光景が広がって行く事と成る。対して、各国からの統制や理事国が所有する月都市の再開発が始まった月面では元々理事国共同で建てられたコペルニクスが前大戦でオーブやザフト寄りだったと見られた事で影響力を大きく落としていた。信頼性の揺らいでいたコペルニクスはこれらの経済的不利を乗り越える為に、ゲート向こうで難民に成っている人間に目を付け人道支援の名の元に受け入れを表明した。

この行為は当初連合に渋られはした物の、既に独立国家と化していたコペルニクスに対して過度な干渉は内政干渉に成るとして連合では指定の航路を使用した上で連合の軍の監視艦艇を同伴させると言う条件付で了承。ザフトが突如ゲートを封鎖する79年まで難民の受け入れは行われ、その人員を利用した都市開発によってコペルニクスは難民受け入れ前の倍近い規模にまで拡大する事に成功している。しかし、史実に置ける難民の過剰な流入同様の問題は各地で発生しており、CE80年を迎える頃には既に軍の将官や佐官に多くの元難民が任官し、都市運営に於ける選挙にも大きな影響を与える事に成っていく。

131: ナイ神父Mk-2 :2018/02/04(日) 22:58:30
以上ですWIKIへの転載は自由です。
取り合えず此れで開戦までの大凡の動きは書けましたかね?何も無ければ次からゲート間での戦争の方に入って行きたいと思って居ます。

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最終更新:2018年02月08日 09:42