39: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:05:39
OGクロス
共同開発機構 水中兵器開発話
地球と言う惑星はその表面積の大多数が海で覆われている水の星である。
そんな星であるため水中を自在に行動可能な兵器は非常に高い戦術また戦略性を持っている。
ゲートにより異世界と繋がり、あまつさえ宇宙人や怪生物との戦争すら経験した、この世界でもその重要性は変わりない。
具体例でいえば、四大国が整備した大型潜水母艦の艦隊はL5戦役において空間転移によって突発的な奇襲を可能とするエアロゲイター相手にその戦略的機動性を持って迅速な対応(つまるところ現地への援軍、援護)を可能としており、大いに活躍した。
インスペクター事件においてもインスペクター軍相手に場所を悟らせないヒット&アウェイ戦法を行い同軍が行うとしたCE世界への軍事拠点設営を大いに阻害した。
これらの活躍に際して、各国が用意した水中戦力の豊富さ以外にも、彼等外星からの侵略者が水中への効果的な攻撃手段を持っていなかったという点も挙げられる。
最も浮上したタイミングを奇襲され、沈められた例や半端に浅い深度では強力なビーム砲を撃ち込まれ、その熱量と圧力により力尽くで圧壊させられた例も多く存在しているなど、彼らが完全に水中への対応がなかったわけでもない。
ミサイルなどは大凡地球人類側よりも高性能なものを使っているためか、水中においても問題なく使用してきた例も多く、これらにより浅い深度の移動を主とした水中MSの多くが撃破されたことは記憶に新しい。
とは言え水中からの攻撃が効果的だったというのは純然たる事実であり、各国はL5戦役やインスペクター事件以降も水中戦力の整備には余念がなかった。
もっと深い事情を言えば、対異星人として一応はまとまっているとはいえ身近な国々への対抗としてこれらの戦力を整備している面も大きい。
幾ら全面的な衝突の可能性が低く、雪解けムードとなっていようとも有効な軍事力を保持しているという事実は外交の面でも大きな効果を発揮するためである。
宇宙に軸を移しつつあるとはいえ変わらず地球は重要な星のままであり、その表面積の多くは水が占めているからだ。
そんな中で中小国は色々と苦労していた。詳しく言えば大洋連合、ユーラシア連邦、大西洋連邦、東アジア共和国以外の国々のことである。
具体的に言えばオーブ連合首長国(通称オーブ)、スカンジナビア王国(通称スカンジナビア)、アフリカ共同体(通称北アフリカ)、南アフリカ統一機構(通称南アフリカ)、南アメリカ合衆国(通称南米)、プラント独立国(通称プラント)。そしておまけと月面独立都市群。
これら6国と1都市群らのことをまとめて中小国と呼ぶ。
40: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:06:20
さて。上記の大国とそれ以外の中小国をことを踏まえた上でこの世界の状況を説明する。
この世界はエアロゲイターの襲撃などを除けばこれといった世界全体を戦場とした戦争も起きていない。
大陸CEで起きていた冷戦においてもゲートの出現と、新西暦世界の地球連邦を警戒して大分早めに雪解けがなされている。
血のバレンタインもなければエイプリルフールクライシスもなく、コロニーや隕石落としもないためL5戦役における被害を引いても世界全体で見れば原作よりもずっと人口も経済も活力も残っているのである。
このため経済規模を始めとして世界各国の国力は原作と比べ大分高い水準に上っている。
多くの兵器を開発し、軍備を整えられているのはこの点が大きいだろう。
またゲート向こう側の新西暦世界においては幾度も世界規模での戦乱が多発しているため、それらへの復興特需に乗っかる形である種のバブルがCE世界で巻き起こっていたのも大きい。
そして、戦争が起こるたびに弾けるバブル経済に対して、四大国を中心とし、各国が手を組み経済的なダメージを最小限に抑え込んでいるのも大きなポイントだろう(近年まで冷戦構造を続けてきた大国にとって限定的な統制経済への移行というのは手慣れているものである)
このような状況のため四つの大国は国力的にも技術力的にも高い水準を維持しており、機体の開発には何ら苦労していなかった(技術的な苦労は各々しているが)
さて、それらの点を差し引いてもやはり中小国においては新型機の開発というのは荷が重いものである。
特に水中兵器という特殊な分野は特に純粋な技術力とそれを支え、維持する工業力が試されるため国力や技術力に不安がある中小国にとっては鬼門にも等しい。
そこで期待されたのが中小国により結成され運営される共同開発機構である。
これは国力や技術力で劣る中小国が己の開発能力を補うための大規模な共同開発斡旋機構である。
オブザーバーとして四大国も参加しているため幾つかの型落ち機や実験機などももたらされており、更にそこへ企業連からもたらされる新西暦世界からの技術も加わり一つの団体として見れば中々の開発能力を誇っている。
無論共同開発と言うことなので上手く折り合わせができずコストが高騰し、立ち消えになった計画やプランがまとまった際には既に時代遅れになりこれまた立ち消えになった計画なども多い。
L5戦役以前には大多数の国から見向きもされていなかった機関であったが、L5戦役以降は否が応でも異星人という強烈な外部勢力の暴力にさらされたため一躍中小国間における重要機関として躍り出た。
41: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:07:05
詰まるところ水中兵器に関してもここへ大きな機体が寄せられているは確かだった。
各国もL5戦役時に既存の水中機の能力不足(主に火力)を痛感していたため開発の話は比較的スムーズに共有された。
ここで機体に求められたのは一に火力、二に機動性、三に防御力であり、これはバリアを展開する敵へ高速で接近し、強力な火力を叩きつけるような兵器が求めたからであった。更に言えば敵は高空に位置取っている状況が多いため出来れば飛行も出来ればよろしいとかなり多忙な要求がなされている。
そんな多種多様な要望に応え開発されたのが水空両用MAハンマーヘッドである。
水中は勿論、テスラドライブを搭載したことにより空中機動も可能となった汎用機。
これは水中から高速で接近し、高空に位置取る敵の真下から攻撃を行う強襲機的な運用を目的として開発されたため。
水中航行のための巡航形態と飛行するための航空形態の二つへ変形する。
水中、水上、空中と行動範囲を選ばず、重装甲で重火力なハンマーヘッドは瞬く間に中小国に採用されていった。東アジアなども試験的に採用しており、その性能は大国も興味を引くほどの物であるという証明である。
しかし、一つの機体に様々な機能を集約させた結果機体コストの上昇に繋がってしまい、主力として採用するにはいささかお高い機体となってしまった。
対異星人用としては十分な機体ではあったが、対人類用として見るとそう数多くは配備できなかったのである。
この点は各国がそれぞれローとなる水中用の機体を仕立てることで解決した。
南アフリカでは以前から運用していた大洋連合製水陸両用機の更新を行い、南米も同じく以前より運用していた大西洋連邦製水陸両用機の更新を行っていた。
スカンジナビアでは主力機であるジムを基に独自に開発したアクアジムを開発。これをローの方の機体として運用していた。
プラントにおいては半ば地上兵器については切り捨てているためハンマーヘッド諸共採用はしていなかった。
このように各国は自力でハンマーヘッドの補助となり得る兵器を整えていったのだがここで焦っていたのが北アフリカとオーブである。
どちらも自力ではこれといった水陸両用機の開発経験はなく、更に言えば今までの主力はザフト製の機体であったため、プラントが地上兵器の開発を半ば打ち切った現在では更新することが不可能であった。
他国の機体を輸入するという手もあったが北アフリカはともかくオーブに関しては政治的な状況で厳しい面に瀕していた。
大洋連合→言わずものがなオーブと言う国の建国理由からして無理。大西洋連邦→現在では雪解けしたとはいえ長年大洋連合と睨み合っていた国のため、この国の機体を採用すると大洋に下手な勘繰りをされかねないので厳しい。ユーラシア連邦→大洋連合の盟友のため脈無し。
はっきり言って詰んでいた。
42: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:07:43
そこでオーブは残っていた候補であるプラントへと取引を持ち掛けた。自国の技術を担保にプラントにて水陸両用MSを開発していた技術者をオーブへ派遣してほしいというものである。
プラントとしてはL5戦役からの復興と戦力の立て直しのために余り無理な出費は願い下げであったが、自国のみでの兵器開発にも限界が見えていたためこのオーブとの取引を受諾。
こうして(レンタルとは言え)オーブは水陸両用MS開発のノウハウを持った人員を獲得に成功したのであった。
またプラントの兵器開発局は方針として宇宙に注力すると言っても今まで培ってきた地上兵器のノウハウを一切無くすのは流石に惜しいとも考えており、それならばとノウハウ維持を目的として今回のオーブの話に乗ることとした。
なおオーブに派遣したチーム以外にもバクゥやディンなど他の地上用MS設計を行ったチームも共同開発機構に出向という形で送り込み、各種地上兵器の開発ノウハウ維持に努めさせた。
またこれらのチームが後にコマンドウルフやマルチファイターバビの開発に活躍することとなる。
なお、副産物として合法的な範囲のみであったが共同開発機構で得られた機体開発データなどをプラント本国へと送ることが許可され、プラントの兵器開発能力底上げに成功している。
このオーブとプラントの奇妙な共同開発?により誕生したのがアストレイ・ダイブである。
本来プラントが開発予定であった新型水陸両用可変系強襲機の設計を流用して水中戦闘用のロー枠として手直しした機体である。
水中機開発のノウハウがないオーブとしてはプラントからの派遣技術者の協力もあったため、それなりに使える機体として完成した。
以後はこの機体を基に独自の水中機開発が続いていく。
では北アフリカの方はどうかと言えば、自力開発は半ば放り出していた。
オーブのような技術力もなければ、南アフリカや南アメリカのように大国と協力関係を結んでいるわけでもなく、更に言えばそこまでの国力もない。
そのため北アフリカ政府が取った行動はいつもの共同開発機構に依頼を分投げることであった。
とは言えいきなり分投げられても困るため、ザフト系の機体を基にそこそこ性能を上げてくれれば良いとも説明した。
運良くザフトからは元水陸両用MS開発に関わっていた人材が共同開発機構に出向してきていたため、彼らを中心にザフト系水陸両用機の近代化改修プロジェクトが行われた。
その結果開発されたのがそして設計のみで終わっていたアッシュを手直ししたアッシュR(リファイン)である。
元となった機体は特殊作戦向けの強襲上陸機といった物であったが、上陸戦能力を削り、より水中戦と対空能力に特化した設計へと変更。
設計が従来のザフト機の延長線上のため導入コストを抑えることに成功しており、北アフリカはこの機体の採用に踏み切った。
その後は瞬く間に増産され、ハンマーヘッドの護衛として配備されている。
なお、アッシュRの採用試験の際にこの性能ではユーラシアや大西洋の機体に勝てないのではと一部で心配する声が上がったが、そもそもそれらと敵対してしまった場合はどのみち国力的に勝つことが不可能だと結論付けられていたため、心配の声は黙殺された。
彼らがあくまで求めたのはハンマーヘッドの護衛兼補完戦力であり、大国とタメを張れる機体でなかったためである。
このように国によっては多種多様な水中戦闘兵器が開発されている。
いささかまとまりに欠けているが、国によって軍事的、政治的に求められるものが違うという点では致し方ないとも言える。
まとめてみると
大洋連合:独自
大西洋連邦:独自
東アジア共和国:大西洋系及び独自
ユーラシア連邦:大洋系及び独自
南アフリカ:大洋系及びユーラシア系
南アメリカ:大西洋系及び東アジア系
プラント:開発放棄
オーブ:ザフト系及び独自
北アフリカ:ザフト系及び独自
スカンジナビア:独自
と水中機は大まかに大洋系、大西洋系、ザフト系に分類されているのがわかる。
そしてこれらはバルトール事件や修羅の乱ではさほど活躍しなかったが、その後のCE世界を舞台としたWLF蜂起や統一事変、怪獣戦争などで活躍することとなる。
43: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:08:19
全長24.2m 全高8.89m 重量:98.77t
装甲材:チタン合金セラミック複合材
動力:核融合炉
特殊:テスラドライブ
武装:前部スーパーキャビテーション魚雷 上部多目的ミサイルVLS 上部連装ビームキャノン 下部連装レールガン 翼上下マイクロミサイルポッド
技:ソニックブレイカー Eフィールド
共同開発機構が設計した水空両用MA。対異星兵器を念頭に置いて開発された強襲用兵器である。
元は水中を高速で動き回り、上空の敵を海中から攻撃することを想定していた兵器だった。
しかし基本高高度に位置する敵(バリア装備前提)相手では海中もしくは海面からのミサイル攻撃では効果が薄いと判断。
テスラドライブと空中飛行用のための変形機構(飛行翼展開と水中機動時では内蔵されている熱核ジェットエンジンの展開機能)を採用し、より至近距離からの高火力攻撃を行う機体へと変更された。
これはL5戦役やインスペクター事件で得られた水中戦力による敵拠点設営妨害よりも積極的な運用であるが、大国と違い地力が弱い中小国では長期戦は耐えられないため速やかに敵戦力を撃破することへと注力した結果である。
このため本来ミサイルと魚雷のみであった武装も大幅に増設。このため機体の規模を拡大する羽目となり、重量もかさんでしまった。
だが水中における運用がメインであり、空中機動においてもEフィールドもしくはテスラドライブによるブレイクフィールドを張りながら接近を図ること前提のため問題とはならなかった。
水中機動時にはウォータージェット推進を採用。高速かつ静粛性を両立している。
空中機動時には機体に内蔵されている熱核ジェットエンジンを展開。水中機動時には半折状態の飛行翼を全展開し、テスラドライブによる重量軽減と合わせ飛行する。
このため飛行時にはテスラドライブの起動が前提であり、これがない場合は低空を滑空する程度の機動しかできなくなる。
武装は前部大型魚雷ポッドに収められたスーパーキャビテーション魚雷。機体上部後方に計六基内蔵されている対地・対空などを行う多目的ミサイルVLS。
上部に二基搭載されてる連装ビームキャノンと飛行時または水中においても使用可能な下部連装レールガン一基。飛行翼に上下取り付けられているマイクロミサイルポッド。
またテスラドライブ起動時にはEフィールドのエネルギーを機体正面へと集中させてブレイクフィールドを強化し、突撃するソニックブレイカーの使用が可能となる。
水中においてもEフィールドを展開させながら突撃することも可能。
この機体の運用方法として水中から高速で接近し、そのまま空中へと飛び上がる。それと同時にミサイルなどの武装を放ちながら敵艦体へ接近。ビームキャノン、レールガンなどの全武装を叩きこみ、そのまま海中へとダイブし逃れるというヒットアンドアウェイ戦法となる。
敵部隊が手に負えないと思えば、そのまま海中からミサイルなどを撃ちだす既存のゲリラ戦を行えばいいためさながら空中機動の出来る潜水艇のような働きが可能である。
機体の欠点としては大型であり、まるで魚類のようなデザインのため接近戦に弱く、小回りが利かない。
また大型で尚且つ重武装を求めた機体のため、中小国が運用する機体としては高コストとなってしまった。
このため各国は少数の生産と配備のみで終わっている。
当初はこの機体を各国の主力とする計画であったが、高コスト化により断念されたため、各国はプランBとして補完用戦力となるお求めやすい価格の水中兵器を求め、開発または輸入を活発化させた。
中小国以外では東アジアが大量に採用を決定しており、水中における戦闘力を重視した独自モデルへのマイナーチェンジなども行っている。
以前から開発の進めていた東アジア独自の水中戦用MAシュウェザァイと共に運用がなされ、後にこれらの運用で培われた技術を使い大西洋連邦と新型の水中戦用MAトリロバイトを開発している。
L5戦役後に設計が開始され、インスペクター事件時には初期生産型の20機ほどがロールアウト。実戦へと投入された。
幸いインスペクターの機体には艦艇を除きバリア装備のものが少なかったため、持ち前の火力を活かして遊撃に徹していた。しかし途中インスペクター幹部の乗る機体に捕捉され投入した内の半数が撃破されるなどの被害を受けた。
44: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:09:05
全長:18.m 重量:64.3t
装甲材:チタン合金セラミック複合材
動力:核融合炉
武装:肩部マイクロミサイルポッド 携行式多目的ランチャー 炸裂式ハープーンガン ハンドアンカー 対装甲トライデント ビームサーベル
スカンジナビアが独自開発したMSジムを基に水中戦闘用へ設計を変更したマイナーチェンジ機の一つ。
大本となったジムと比べ装甲を強化し、水圧に対する耐久性を上げている。
また背部ランドセル及び両肩部に装備したウォータージェットユニットにより水中における機動力を確保している。
武装は対地・対空用の肩部マイクロミサイルポッドと魚雷とホーミングミサイルを使い分け可能な携行式の多目的ランチャー。
水中においての使用を前提として炸裂式ハープーンガン。 両腕に装備された小型シールド兼ハンドアンカー。
水中における近接戦にて使用される対装甲トライデントと両腕の手首に内蔵しているビームサーベル。
ビームサーベルは手首から発生器が飛び出してくる形であり、それをマニピュレーターで掴み使用する。水中での使用にはエネルギー兵器故制限がかかるため専ら地上における近接戦闘で使用される。
主力MSであるジムのマイナーチェンジ機のため共用しているパーツ数も多く、フレームも同様の物を使用しているため非常に低コストかつ良整備性を実現している。
しかし機体性能は他国の水陸両用機などと比べ今一であり、湾岸警備以上の役目は重荷であった。
そのため後継機としてフレームレベルで見直した新型機ガンダイバー(開発コード名はアクアダイバー)の開発が行われている。
DC戦争直前にロールアウト。以降配備が進むがL5戦役ではエアロゲイターの兵器に歯が立たなかった。
45: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:09:35
全長:18.53m 重量:70.3t
装甲材:チタン合金セラミック複合材
動力:核融合炉
武装:肩部多目的ランチャーポッド 胸部フォノンメーザー砲 ビームグレイブ 携行式小型バズーカ
オーブがザフトの技術者を招き開発した水陸両用MS。
設計はザフトにおいて開発が中止されたアビスガンダムの物を流用している。
このため全体的なデザインはアビスガンダムと酷似している。
開発にあたってアストレイのフレームでは水圧に対し脆弱すぎたため、基礎から見直されている。
このためフレーム強度からして通常のM1アストレイの2倍近い強度を保持しており、また使用されている装甲材もオーブやザフトにて一般的な発泡金属からチタン合金セラミック複合材へと変更されている。
一度は設計元と同じPS装甲の採用も検討されたが、コストが上昇しすぎるとされ不採用に終わった。
見た目はアストレイに似ているが両肩には武装ユニット兼ウォータージェット推進器となっている大型複合ユニットを装備しており、これと背部のランドセル型ウォータージェット推進機により水中での機動が賄われる。
このユニットには頭頂部分に多目的ランチャーポッドが内蔵されており、これは魚雷から対空・対地ミサイルからロケット弾まで幅広い弾種の使用が可能となっている。ユニットが大型化しているのはウォータージェット推進機以外にも多種多少な弾種を搭載しているためである。
機体胸部にはザフト系水中機でお馴染みの音波砲フォノンメーザーが装備されている。グーンやゾノと比べ発生器は一基となったが、その分出力が統合され威力が向上している。
誤解されがちであるが、この装備は一種の音波兵器であり、ビームに見えるのは照準補助用のレーザー光線である。
ビームグレイブは実体刃とビーム刃を合わせた複合兵器である。複合兵器と言っても複雑なものではなく、対装甲グレイブの実体刃の後ろ部分にビーム刃発生器を取り付けただけである。
水中では実体刃部分を使用し、地上ではビーム刃を使用する兵器となっている。
また携行式の射撃武器として小型バズーカを装備。これは従来の肩へ担ぐタイプの大型バズーカではなく、ライフルに似通ったデザインのバズーカである。このデザインに関してはユーラシア連邦や大洋連合で流通しているクレイバズーカを参考としている。
このように幾つかの武装を搭載しているが、当初は頭部バルカンの実装や大型複合ユニットへのビーム兵器や実弾砲の搭載など設計元となった本来のアビスと同レベルの重武装化が意見されていたが生産性や整備性に支障をきたすことを懸念され断念されたという。
これはフレームレベルで強度を上げたため基礎コストがアストレイよりも高くなっているため、武装を極力絞りこみ帳尻を合わせようとした結果である。
オーブが求めていたのはハンマーヘッドの補完(出来ればハンマーヘッド自体にもなり替わりたいが)としての戦力であり、過剰なまでの火力は現時点では求められていなかった。
しかし、内心ではハンマーヘッドに相当する重火力機も開発し、全てを自国産兵器のみで賄いたいという野望を持っていたオーブ軍は後に設計元となったアビスを再現する形で水中強襲機ともいえる機体の開発を行うこととなる。
L5戦役後に開発され、インスペクター事件の際にロールアウトされた初期生産型が実戦に投入されている。
しかし、他国のハンマーヘッド部隊と合同で行った新西暦世界のハワイ基地奪還作戦ではインスペクター側の幹部機により大きな被害を出している。
46: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:10:10
全長:20.65m 重量:77.3t
装甲:超硬スチール合金
動力:核融合炉
武装:背部多目的ミサイルポッド ハンドクロー 腕部90mmハンドマシンガン 腕部ビームガン 胸部フォノンメーザー砲
アフリカ共同体(北アフリカ)が共同開発機構に依頼し、開発された機体。
ザフトで開発中止となった水陸両用特殊作戦機アッシュをより水中戦闘向けにマイナーチェンジさせたものである。
装甲材は超硬スチール合金を採用。
本来は発砲金属かチタン合金セラミック複合材として設計するはずだったが、発砲金属(この場合の発泡金属とは宇宙空間でしか生成できないCE世界の装甲材)は宇宙でしか生成できず、チタン合金セラミック複合材は全面採用してはコストがかさみ北アフリカでは生産し難くなるため合えなく別の装甲材を使用することとなった。
かといって無暗に安いものを使ったのでは必要な耐久性を得られない。流石に北アフリカとは言え浅い深度ですら水圧で圧壊するような兵器はごめんである。
そこで白羽の矢がたったのが上記二つに劣らぬ剛性を持ちながら安い、超硬スチール合金であった。
水中試験の結果必要水圧にも十分耐えることを示した超硬スチール合金がそのまま採用されることとなる。なお欠点としては発砲金属やチタン合金セラミック複合材よりも大分重い素材のため初期の想定よりも20t以上も重くなってしまったことだが、そもそも浮力の働く水中での運用がメインとなるため問題視はされなかった。
地上戦においては精々橋頭保確保が想定される程度で海岸線より内陸への侵攻する運用は想定しなかった。
地上においては二足歩行での運用となるが水中では専用の航行形態へと変形する。
変型と言っても前屈姿勢となり、足を畳むだけなのでそこまで複雑なものではない。
水中における推進には背部の多目的ミサイルポッドと一体化したウォータージェット推進器によって行われる。
これにより既存のザフト水中機に劣らぬ機動性を発揮する。
武装においても幾つか変更が加えられている。肩部の連装ビーム砲はそもそも水中では使う機会がないと廃止。
腕部のクローは鎌型から使いやすいカギ爪型へ変更。上部にビームガンを搭載し、下部へは取り外し可能な90mmハンドマシンガンを搭載。
ビームガンの方は固定だが、下部の90mmハンドマシンガンは大洋連合の三連35mmマシンガンをモデルに取り外し可能な兵装として設計。
どちらも大本の設計で搭載されていた兵器よりも射程が短くなっているが扱いやすい兵装となっている。
クロー自体にはこれといった機能はなく、ビーム刃発生機能も水中では使いどころ無しとされ削除された。
胸部のフォノンメーザー砲は設計元と変わらず二基搭載されることとなる。これといった変更点はない。
背部多目的ミサイルポッドは魚雷から対空・対地ミサイルまでを発射可能な汎用兵装。代わりに多様な弾種を搭載するため大型化している。
総じて地上における戦闘力を削り、コストを下げたアッシュという形の機体に仕上がっている。
設計を担当したザフトからの派遣技術者は文句を言っていたが北アフリカとしては無為な陸上戦闘のための火力や大国と真正面から戦えるような性能は求めていなかったのである。
そもそもがコストがかさんで少数配備しかできなくなったハンマーヘッドの補完戦力のため、コストが安めでなければ意味がないのだ。
L5戦役後にロールアウト。インスペクター事件までにそれなりの数が配備される。
インスペクター事件においては正直これといった活躍はなく、地球連合においての水中戦力の数合わせであった。
これといった見どころのない機体であるが、割と使い勝手が良かったため武装を撤去し、動力をバッテリーにした民間モデルが発売され、サルベージ業者を中心に結構売れている。
元が軍用機で頑丈なため乱暴に扱っても壊れにくいと評判。
なお、そのため再武装が行われテロリストに運用されるといった事態も起きている。
47: トゥ!ヘァ! :2018/02/21(水) 21:13:12
投下終了
思えばこの世界はエアロゲイターの襲撃はあったものの、原作種のような世界規模での破滅的な被害ってのがないので割と国力高いまま推移してるのではないかと考察。
ハンマーヘッドは異星人の量産型相手なら十分活躍したが幹部クラス相手には流石に分が悪かった模様。
後にこれじゃいかんと本家ゾイド並みに魔改造・強化された機体も出てくるかもしれない。
地味に殆どの国が多様な装甲材や核融合炉を標準化しているので原作種よりも強力な機体にはなってる模様。
今回の話の中で一番弱いであろうアッシュRでさえ水の中でなら原作のアッシュの数倍強いはず。
最終更新:2018年02月23日 09:09