458: ナイ神父Mk-2 :2018/02/24(土) 23:40:57
大陸SEED ゲート編 その19

東アジアの動きとアフリカ侵攻

大陸の理事国のL1宙域の撤退及び実質的な敗北は大陸側に大きな波及を齎した他、原作側の国家へも影響を与えていた。ザフトの
影響を受けるジャーナリスト達は挙ってザフトの圧勝を書き立てており、地球圏各国に大陸側は長年の平和に寄って弱体化していると言う印象を強く与える事となる。

そして、その影響を大きく受けたのが東アジアである。ザフトに忍ばせた諜報員から齎された情報から東アジアでは元々資源獲得の為に準備を行っていた大陸征服作戦を実行に移す。先ず東アジアは自身の世界側の大西洋ゲート前で輸送船を撃沈して其れを
北アフリカ政府のテロ行為だとして一方的に宣戦布告を実施し、兼ねてより用意していた大型のギガフロートと複数の航空母艦等を用意して一気に大陸側へと進出すると周辺を警備していた艦隊を蹴散らして周辺海域を制圧する。そして、後続として送り込んだ揚陸艦隊を出撃させて一気にアフリカ沿岸の大都市 ダカールへと攻撃を開始する。

対する北アフリカに理事国が打ち建てた北アフリカ政府軍も対抗する為に軍備として許されていた旧ザフト系列のMS部隊を用いて迎撃を行い、大陸世界ではオーブ攻略戦以来の大規模な上陸戦が実行に移される。戦闘が始まったダカールの上空では東アジアが再生産したスカイグラスパーや新型のTMSとして開発されたメタスが飛び交い、北アフリカ軍の有するシューベルトやディンが迎撃にでる物の根本的な数が違う事もあり苦戦は曲がれない状態となっていた。

『此方、第12飛行救援を乞う!』

『クソ、敵艦隊は増援を沿岸に向けている早くしないと次々・・・』

一方で近距離通信から漏れてくる悲痛な声を聞きながら、陸上では自らのスラスターを使用して港湾から次々に上陸してくるMS部隊をゲイツを中心としたMS部隊が押し留めようと攻撃を繰り返していた。

『少佐、上は大分苦戦している様ですが・・・』

「聞えている。だが此方も余裕が無いジャベリンタイプのザウートも前線での支援射撃で手一杯だ、航空支援には・・・」

『少佐殿、第三混成大隊が壊滅したそうです。』

「なに?と言うことは港湾部は完全に突破されたのか?」

部隊支援に追従してくる支援車両から来た通信に対して物陰からビームライフルを発射しつつ通信を返すと、再びモノアイを敵が侵攻してくる方向に向けながら通信車両からの返答を待つ。

『はい、現在第27戦車大隊が対応に向かっている様ですが、何分27大隊はリニアガンタンク中心の部隊ですから長くは持たないかと考えます。』

「司令部から何か通信は?」

『ありません、何分戦況が変わりすぎています。本部へと通信を繋げても情報が錯綜して指示が下りません』

「ちっ、本部は当てに成らんか・・・」

ゲイツに乗る少佐はそう舌打ちをして悪態を付くも刻一刻と悪化してくる戦場に置いては怒りに任せて辺り散らす事も出来ず、頼りにならない上層部を恨みながらも接近する敵機に対して警戒している。

459: ナイ神父Mk-2 :2018/02/24(土) 23:41:29
「暫くは防衛を続けるしか無いか・・・」

『熱源反応!隊長、早速防衛線を突破して来た連中が来ました。』

「全機射撃開始!敵の足を止めるぞ!」

そう言うと少佐のゲイツは率先してビームライフルの射撃を開始すると、続けて指揮下のMS隊も其々装備しているレールガンや
ビームライフルを発射して接近するMSに攻撃を再開する。
苦戦を強いられている北アフリカとは対照的に優勢に戦況を進めている東アジアでは有ったが、実際に大陸側と戦闘を行い相対した北アフリカの戦力が想像以上に充実している事は東アジアにとっては予想外であった。当初、東アジアでは北アフリカの主力を比較的出回っているジンが担っているのでは無いかと言う予測を立てていたものの実際に出てきたのはゲイツやシグーと言ったザフトの旧式機でもミレニアムシリーズを除けば上位に入る物であったからである。

「驚いたな、連中思ったより質の良いMSを出してくる。」

『確かにそうですね、ジン位は予想されていましたがまさかゲイツを主力にして来るのは予想外でした』

隊長機から漏れてきた言葉に反応した部下は通信機を入れると軽い調子でそう返すと上官もそれに通信機越しで相槌を返す。

「ああ、北アフリカではこのクラスの戦力を運用するので有れば少し厄介かも知れんな・・・」

そんな話を行いながらも東アジア陸軍は予想よりも大きな被害を出しながらも、進出を進め最終的にはダカールと其れと前後して襲撃した複数の港湾都市を制圧、其処を足がかかりに内陸部へと進出していく。そして、その戦果を見たAEUも又、自身の資源不足や同盟国支援としてのアフリカへの進出を決意、東アジアとは別の北アフリカ領土へと上陸東アジアだけでも苦戦していた北アフリカ政府軍は南アフリカとの国境付近まで撤退する事に成る。

そして、北アフリカに駐留していた連合軍も軽装部隊が中心だった事も有り最終的には後退や北アフリカからの撤退を余儀なくされている。邪魔者が居なくなったと判断した両国はその後制圧した都市を基点にして臨時政府を立ち上げ、東アジアの打ち立てた
マシュリク共和国とAEUが立ち上げた赤道アフリカ連合と呼ばれる国家が出現する事と成る。

460: ナイ神父Mk-2 :2018/02/24(土) 23:43:07

スカンジナビアの現状と大洋の動き

地上では北アフリカが侵攻を受けているのと同時期、L1を制圧されて建造したコロニーを奪われたスカンジナビア宇宙軍は新因幡に一端避難した後、大洋の用意した軍需系の施設を中心に建造したコロニー「グリプス2」へと移動を開始していた。艦隊の中には多数の民間船舶も混じっており、スカンジナビアが民間人を連れて避難してきた事を伺わせる。

そして、艦隊を護衛するようにジムカスタムやジムキャノンが周辺を護衛しており、油断無く艦隊を警護している。艦隊旗艦である「イルマリネン」が港湾へと入港すると、艦隊の司令官は安堵のため息を吐き緊張を緩めて司令官用のシートへと身体を沈めこむ。

「此れで漸く一息付けるな・・・」

「基地から追い出されてこの方、艦に缶詰でしたからね。連れてきた国民達にも苦労を掛けました。」

「ああ、これで民間人もゆっくり休ませてやれる」

一息付いた指令に対して艦長は声を掛けると手元に有ったチューブ飲料を一口飲むと、話しかけて来た艦長にそう返す。艦の外を
見れば既に港湾に入った輸送艦や民間船から手荷物を持った国民達が降りてくる様子を見ることが出来る。5分ほどその様子を見て緊張した表情を緩めていた司令官では有ったが再び表情を引き締める。

「民間人は此れで一息つくだろうが、我々はこれからが本番だ。」

「はい、明確な攻撃を受けた以上。我々もこの戦争、無関係ではいられなくなりました。」

「・・・我々も中立ではなくなる。この戦争荒れることに成るぞ」

司令官は艦長にそう言うと席を立つと、艦の出口へと向かって歩き出した。その後、体勢を整えたスカンジナビアはザフト及びその同盟国へ対して宣戦を布告し、中立国と言う立場を捨てて戦争へと望んでいく事と成る。スカンジナビアが覚悟を決めている頃、大洋でも又、始まった戦争への準備を夢幻会が進めていた。

「全く、戦後処理も終えて漸く通常業務に成ったというのに・・・」

「まあ、仕方が無いですよ神埼さん、ゲートが開いた時から予想はされていたことですしね・・・」

会合の席で愚痴を零す神埼に対して辻本はそう返す物の、現実に成った事は気に入らなかったのか苦虫を噛み潰した様な表情を
している。

461: ナイ神父Mk-2 :2018/02/24(土) 23:43:42
「現状では原作側の東アジア及びAEUはアフリカに傀儡政権を建てて其処に拠点の設営や移民を行っている様だ。此れは少し早めに対処しないと北アフリカがチャイナタウンに成り兼ねん。」

「そうなると矢張り今回もアフリカへの派兵をしなければ成らないですかね・・・」

「オーブの方は如何します?サハク等からはアスハ派の将校の一部が怪しい動きをしていると言う報告がありますが?」

林からの報告に対してそう呟く神埼であったが、その横からオーブを担当している会員からの報告が成される

「確か、ナカノ准将だったか?」

「はい、その人物が何でもアスハ派内でシンパを募っているとか・・・」

「其方に関してはスパルタン隊を当てているが足りないか?」

「ええ、何分オーブ国民の中には大洋に対する反発もあって中々」

「解った他の報告も聞いて戦力の配置を決めよう。」

「お願いします。」

その後の会合での話し合いによって大洋では最終的にオーブに対する治安維持部隊の増員とアフリカへの派兵を行う部隊の編成を行う事と成るのだが、大洋がオーブに対する増援の気配を見せた事で焦ったオーブ国内の反連合派が計画していたクーデター計画を実行に移そうとして失敗、クーデターは鎮圧に成功する物のゲート越えて出現した南洋同盟の艦隊とにらみ合いに成り結果としてアフリカへの派兵が遅れることと成る。

その為、アフリカでの東アジアやAEUの動きに対してはユーラシアと南アフリカで対応する事が必要と成り、アフリカ戦線ではにらみ合いが発生する。又、アフリカに安定した人員の供給を行う事に成功した東アジアやAEUは攻撃の矛先を南米へと向けて侵攻を開始、大陸世界での戦線は徐々に広がりを見せていく。

462: ナイ神父Mk-2 :2018/02/24(土) 23:44:40
短いですが以上です。WIKIへの転載は自由です。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2018年02月28日 09:04