777: 弥次郎 :2018/02/27(火) 21:10:16
大陸SEED支援ネタ 「ブリーフィングファイル」
Main Staring:
<Federation Atlantic Force,O.M.N.I.Enforcer>
William・“Old”・Hunter (Captain)
Christiana・Maia(Captain)
Original:Mobile Suit Gundam SEED
Arranged by:ナイ神父Mk-2氏
Written by:弥次郎
ブリーフィング:「宇宙に上がる前に」
「ハンター大尉、こちらにおられましたか」
「マイア大尉か。元気そうで何よりだ」
「ええ、アウグスト大佐のお守りを四六時中したいのは山々なのですが、大佐の方が拒否なさるので、使いに出されました」
「お守り……」
「大佐はまだまだ子供なところがあります。
子供っぽいぞ、と指摘されたことは何度もありますが、その特徴を教えていただいて大佐の行動を反芻いたしますと、より子供なのは大佐なのではと疑うところがございます。是非ともその証明をしたいので、つきましてはご協力を頂きたいですが」
「……いや、やめておく」
「そうなのですか…これまで大佐のことを知る人間に誘いをかけているのですが、すげなく断られてばかりです……」
(大佐が恐ろしいからな、くわばわくわばら…)
「では本題です。ハンター大尉に、宇宙に上がるまでに理解していただきたい情報が多数ありますが、追加でお持ちしました。
アウグスト大佐からもご指示がありましたので、私が大佐の元に戻れるようになるまでの間、お付き合いいただけますでしょうか?」
「ああ、よろしく頼む」
778: 弥次郎 :2018/02/27(火) 21:11:21
ブリーフィング:「アイルランド級について」
「大尉達に配属していただく予定の宇宙艦艇は、アイルランド級巡洋戦艦です。
この巡洋戦艦は、はっきり言いまして、ザフト保有のMS搭載戦艦であるナスカ級の鹵獲型となります」
「ナスカ級…ザフトの艦艇か?」
「はい。正確には、そのナスカ級の船体に我が軍の艦艇の装備と内装を盛り込んだ、改装艦艇となります」
「よくもまあ手に入れたもんだな」
「宇宙で負けてばかり、というわけでもありません。
状態が良い状態のものを回収して入手しているとか。
また、ザフトの艦艇はその手の連中にある程度放出されているようです」
「は…?」
「旧式になったマルセイユ三世級をわが軍は民間へ放出していますが、それと同じものです。
ザフトの場合は、傭兵やジャンク屋に対して現物を報酬としているか、あるいは戦場跡のものをジャンク屋が回収しているようです」
「それをずっと使っている、そしてそれを我が軍は得る、と…」
「ザフトへの積極的な協力が行われている時点で、擁護の使用がありません。ギガフロートの件もそうだったように。
こちらならばザフトをまともに相手取るよりも楽ですので、入手はたやすいのです」
「なるほどな」
「MSに対応した宇宙艦艇のアークエンジェル級については増産などが行われる予定ではありますが、その優れた艦の戦闘力、搭載能力、速力などと引き換えに建造コストや建造行程に影響が出ております。
よって、その就役を待ってから攻勢に出るというのは、あまりにも遅くなります」
「で、最低でも建造とその訓練が済むまでの間は、繋ぎの艦艇で我慢してくれと?」
「他の艦艇の改装についても進められてはいますが、ストライカーパックをはじめとした各種武装を盛り込むには艦の容積や格納庫のサイズに限界があります。よって、既にMSの運用がなされた艦艇で慣れていただくのがベストかと」
「……しょうがない。友軍誤射は勘弁してくれよ」
「それに関しては可能な限りの対策を行っておりますので、おそらくは問題ないかと思われます」
「思われます、と言われても、戦場なら誤認や見間違えは多数あるだろう?そこはどうするんだ」
「おっしゃる通りです。これに関しては、宇宙軍の努力に期待です」
「……ハァ」
779: 弥次郎 :2018/02/27(火) 21:12:32
ブリーフィング:「宇宙での戦闘について」
「ハンター大尉は、宇宙での戦闘経験がございませんでしたね?」
「ああ。戦闘どころか、宇宙に出た経験も少ないぞ」
「となりますと、やはり宇宙に慣れることから始めていただかねばなりませんね……。
申し訳ありませんが、小官も宇宙における戦闘についてはよく知りませんので、これについてはアルザッヘル基地の宇宙軍の方から現地で説明を頂くことになります。
また、地上でもシミュレーションを経験していただくことになります。その他の訓練と座学の予定は、このようになっておりますので」
「おい、何だこのびっちりと詰まった予定表は…?
座学だけでも無茶苦茶あるじゃないか」
「宇宙での生活の時点でも、かなり学んでいただくことが多いのです。
操縦だけが出来ればよい、というわけではないのです。ことさらに宇宙では。
大尉も、航空機パイロットになるまでにかなり勉強をなされたと思いますが、それと同じことなのです」
「ぬぅ……」
「また、メビウスの他、コスモグラスパー、新型MAであるGAT-X304 スクィッドを用いた訓練で以て、慣れていただくことになっております」
「MSに慣れてついでに新型のMAにも慣れろと?MSに加えて三機種になれるのは楽じゃないぞ…?」
「アウグスト大佐の計らいです。立体空間での戦闘を理解するには、大尉が慣れている戦闘機での動きを通じて学ぶ方が良いと。
MAとMSの連携を研究する、という面もあります。操縦系統に関しては基本は変わっておりません。
慣れていただくのは、その操縦感覚の違いだけかと。こちらはもともと転向訓練を短くする都合もありましたので」
「だがなぁ……まあ、文句を言ってもしょうがないか。
MSパイロットもやってMAの試験もやる……楽じゃないな、まったく」
「航空機パイロットだった大尉はまだ楽な方かと思われます。
戦車兵に立体空間を教えるためにも、なかなかに酷な訓練が課されますので」
「……お手柔らかにやってくれ」
「私が担当ではございませんので」
780: 弥次郎 :2018/02/27(火) 21:13:25
ブリーフィング:「新型MAスクィッド」
「しかし、その、スクィッド…?というのは何だ?」
「GAT-X304 スクィッド。全長28.86m、重量98.6t。
形式番号からお分かりかと思いますが、こちらはXナンバーのMS『イージス』を元手にしたMAです」
「MA?MSからMAを作ったのか?」
「はい。可変MSとしてイージスは開発されましたが、その可変機構については問題点が多数ありました。
X300系列のフレーム構造は画期的で今日ではレイダーもその系譜に属しており、イージスからの反省を生かして改良されております。
一方で、無理に可変機構を持たせる必要もないのでは?という、ある種逆転の発想を行うことで、イージスの頭数を増やせないかと検討されました」
「確かにな…」
「イージスはMA形態による高速巡航の実現と強力な対艦攻撃を両立させるという挑戦的なコンセプトで設計されましたが、指揮官機としての能力も持たせているため、被撃墜時のリスクを考えると些かちぐはぐな設計思想でもあります。
MA化によって指揮官MSとしての能力は失いましたが、高速機動可能な対艦攻撃機としてはむしろ高い適性を得ました」
「数を揃えて対艦攻撃、か。元の可変MSの場合、MSとMAの両方になれていなければ乗りこなせんだろうし、理にかなっているな」
「運用上では、MSをMSで以て拘束し、速度に優れたMAによって敵防空網とインターセプトを突破して対艦攻撃を行う。
また、展開速度を活かしての奇襲なども検討されています」
「性能はどうなんだ?」
「アルザッヘル基地からのレポートでは、速力、火力の両面でオリジナルを凌駕し、MA兵の完熟もMSよりは楽、とされております。また、整備箇所が少ないことからも、運用上のハードルは減ったとも。
MS形態を排除した分、生産もだいぶ楽になったようですしね」
「察するに欠点はその特化させた性能そのものか?」
「御明察です。確かに火力と機動力では大いに評価を受けましたが、如何せん高すぎる推力と大きな機体はコントロールが難しく、対艦戦闘以外では流用が効きにくいのではと」
「だろうな」
「防御面ではPS装甲を採用しており、またアンチビームコーティングのシールドを側面に設けることで補うこともできるため、一概に既存MAに劣っている、というわけではありません。現状、可変MSが普及させられない以上、これが最善策と結論されております」
「一長一短があり、か」
「結局は運用次第となります。大尉には、その経験を生かして判断をしていただきたいとのことです」
「宇宙にいる連中でもできるだろうに」
「MSの経験という意味で地上戦線のパイロットは勝っております。
ですが、宇宙の方々がそう考えるとは限りません。十分お気を付けくださいませ」
「ああ、無理のない範囲でな」
781: 弥次郎 :2018/02/27(火) 21:14:16
ブリーフィング:「クリスティアーナ・マイア」
「コーディネーターだったんだな、マイア大尉は」
「ええ。凡そのところはアウグスト大佐がおっしゃられた通りです。
コーディネートされたことに悲観を覚えるコーディネーターがおり、あるいは、コーディネート内容が反映されずに捨て子となるコーディネーターもおりました。私の場合は、後者となりますね」
「よくもまあ無事だったものだな」
「ええ、まったくです。当局に保護されましたが、あのままではお人形さんだったのではと嫌な将来を教えられました」
「お人形さん?」
「生きた着せ替え人形です。もっと言えば、役目(ロール)に従うように調教を受けさせ、金持ちに提供していたのです。
見た目は優れておりますし、能力が優れておりますので喜ばせる技術を覚えるのも早いですので」
「……そんなことがあるとはな。信じがたいが、事実なんだろう。
随分と好き勝手やったものだな、コーディネートというのは…いや、それを食い物にした連中が、か」
「ええ。遺伝学上の父親と母親は、比喩表現しますと、熱心に社会奉仕に励んでおりますのですが、その二人に言わせると、どうやら私の目の色が気に食わなかったそうです。あとは…髪の色が気に入らない、とかなんとか。
よくわかりません。赤毛に何の問題があるのかなど、私の関知するところではございませんので」
「育てられた時に、気にならなかったのか?」
「申し訳ありません。その頃の記憶に関しては随分と曖昧なものとなっております。
なにしろ、主体として振る舞うということを、あまり教えていただいておりませんでしたので」
「…そうか」
「客観的な資料などに依れば、私は3歳から5歳の間に売却されたそうです。
その後は名前を変えられて5年ほど養育所で調教と調整を受けながらも育てられ、その後出荷されかけました。
一般教育を受けて社会復帰をするまでにさらに時間がかかりましたが、二十歳を過ぎてようやく自立しました」
「平坦な道ではなかっただろうな」
「ええ、とても複雑でした。心理面での刷り込みを抜け出すのにかなり時間を必要として、大変苦労を。
安い三文小説のように、モノだった人間が人間に戻るのは楽ではないのです。
幸い、軍というのは特殊な刷り込みがなされた人間もある程度平常なものとして受け入れる土壌がありました。
紹介していただいたアウグスト大佐には感謝しております」
「大尉の大佐への敬意は、それに由来するのか」
「はい。大佐は、これまでの私を、モノだった私を殺してくださいました。
今から十年ほど前のことになります。ですが、死んだはずの人間がたまにやって来るので、私はその度毎に殺しているのです。
なかなか執念深いです。我ながらあっぱれといったところでしょうか」
「褒めているのか貶しているのか、よくわからんな」
「なかなかにしぶといのです。初めて大佐が殺した時は大佐ご愛用の拳銃で眉間を打ち抜いたそうです。
その後は、私が首を圧し折ったり、ライフルで蜂の巣にしたり、あるいは高い場所から突き落としているのですが」
「貴官の熱意に感服だ……」
「おほめ頂き恐縮です」
783: 弥次郎 :2018/02/27(火) 21:16:03
以上、wiki転載はご自由に。
少し書ききれていなかったところをまとめて書きました。
ひょっとすると追加になるかもしれませんねー
最終更新:2018年03月02日 09:55