覚醒(めざめ

「ステキです!素晴らしいです!パーフェクトです!この世界もまたメカが発達しロボが存在します!
魔法がなくロボが飛べないのがちみっと残念ですが別にかまいません!!!
さてこの世界のイカルガよ!キミはどんなキミになるんでしょうかねうひょひょひょひょ」

なにやら変な感じにテンション高い少年を差し置いて、15歳くらいのボブカットの少女が走る
もうなんかこんな感じの勢いで走る! ttps://www.youtube.com/watch?v=obRE0CdRrXU

時折立ち止まって右を向き、左を向いては「何か」を感じたらしい方向へ走る!

そしてたどり着いた場所は・・・・・・・
「こ、ここは!」
驚くのも無理はない
そこは自分が通いつめていた近所の家
何かわからないがそこの家の小さな女の子が気になっていたのだ
飛び込み駆け込み二階へあがる 勝手知ったるよその家、というやつだ

バタン!と扉を開けるとそこにいたのは「小さな水族館のようだ」とかつての自分が揶揄した部屋と
顔見知りの、10歳くらいの少女がにっこり微笑み「こんにちわ、どうしたのおねえちゃん」
その笑顔に彼女はきちっと敬礼を示し
「失礼します、少佐殿!ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ少尉、ただいま到着いたしました!」

すると少女は雰囲気を変える。
「ふむ、最初に接触してきたのは貴官か。わたしも『記憶』を取り戻したのは三日前でな 
他者が見たら異様な光景だ 楽にしてよし、というか座りたまえ
 この世界での『楽にしてよし』だ
 コーヒーを入れてやろう」

「うむ、かつての『帝国』に似た国を含む全世界を敵に回して『合州国』に似た国家が暴れ周り、しかも優位に立っている現状で
 我等が今住まう島国は敵に二正面作戦を強いるべく中途半端に積極的戦闘を行っているという現状
…・・・・・・・・・・・・・・妙だな」
「なにが、でありますか?ブリタニアとやらが危険で信用ならない国であるというのは間違い無いようですが」
「国力兵力を保持している現状ならむしろ早めに膝を屈するのが得と言えば得なのだが・・・・・
 現状この国を仕切っている者たち・・・『夢幻会』といったか?
彼らはブリタニアを信用『できない』・・・『してはならない』・・・『したら危険』と考える認識が見える」
「それは?」
「わからん だが我等の知らない何かを彼らが知っているのだろう
 それはともかく・・・・・・ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ少尉!」
「は、はい!」
「以後私との接触を禁ずる!」「!   理由をお聞きしてよろしいでしょうか!」
「我等が『帝国』から輪廻転生とやらをしてここにいるのか、記憶の複写のようなものをうけたのか、ただ単に思い込んでるだけのヤベー奴なのかはわからん
 だがそれが何者かによってなされたというなら、それが善意なのか悪意なのかも判らんが悪意だった場合、わたしの元に『記憶持ち』が一定量集まることが
 攻撃開始のトリガーとなる可能性もある
 状況把握が済まない以上危険を避ける必要がある  各個撃破の危険もあるが、現状ではそれは考え難い
 『記憶持ち』を自称するものによる接触には最大限注意せよ!」
「了解いたしました!」


「ふむ、わたしはなぜか幼少のみぎりから熱帯魚を買いたがり、なぜか特定の固体に固執した挙句『それ』が死んだら
 次に固執する熱帯魚をすぐさま見つけ出していた
 自分でもおかしいとは思っていたが、少尉との接触で合点が言ったよ」
一匹のエンゼルフィッシュを見る
「貴様・・・・・・・・『存在Ⅹ』だな」
エンゼルフィッシュが水藻の陰に隠れる
「他の何匹かは貴様の眷属どもか。神を自称する存在すら抗えぬ『なにか』が干渉している
 そして『それ』には貴様等すら抗えないということか
 ふふふふ、貴様らの今の気分を聞けないのが残念だよ」




何者にも捕らわれない浮遊感から、少なからぬ落下感へと落ちていく
めざめのこの瞬間が彼女は好きだ  
目を開く    まだ真夜中で、最初に目に入るのはピレネー犬のシルフィード
自分の姉妹というべき存在だ   だがあのだらしない寝姿は正直どうだろう、とは思う
野生というものを完全に失っておりひょっとして自分を思い込んでいるのではなかろうか
そして次に目に入るのは・・・・・・・・・サイトだ
先日久しぶりの休暇だ、と帰ってきて今日の朝まではわたしたちの当番だ

わたしの名はタバサ 本名はシャルロット・エレーヌ・オルレアン
かつて欧州にあった小さな国の姫、だった
でも今はそんなことどうでも良い
今のわたしはただのタバサ  サイトの事が好きなタバサ

サイトはなんか欧州のいわゆる貴人を自称する女を妙に惹きつける
先日もブリタニアによって滅ぼされたカリオストロやらいう国の皇女を連れてきて
「似たような立場だから面倒を見てくれ」などといってたがあいつ、まちがいなくサイトに「女としての目」を向けていた

…ボクが一番ガンダm・・・・・もといわたしが一番サイトを愛してるんだ
でもサイトは違う
間違いなくわたし達を愛してくれてる   でも一番じゃない
サイトの一番は間違いなくルイズだ
…・・・・・・・・・・・・・・・ずるい
ルイズはもうサイトを裏切らない 失望させない あらゆる意味でルイズはサイトにとって究極理想の女だ
『かつてルイズだった』ボールみたいなものを抱えて狂笑するサイトを見てわたし達は感じた

でも良い
ルイズはもうそこで立ち止まっていればよい
わたしは・・・・・・・・・わたしたちはサイトの子を生み、究極を越えた未来へとたどり着くのだから

「ふああぅ」
ちいさな欠伸とともに目を覚ました彼女の名はモニカ・クルシェフスキー
ブリタニア貴族にしてナイツ・オブ・ラウンズの地位にある

枕元にある水差しの水で軽く口を湿らせる
口元から水が一滴垂れ、見事な曲線を描く裸体を伝って布団へと落ちる
戦場ならともかく自宅で寝る時は精々シャツを羽織る程度というのが彼女のポリシーだ

水差しを枕元に置くと、五秒前にはなかった乳酸菌飲料が置いてある
「さすがね」
くすりと笑い、それを飲む
(でも今朝はもう少しさっぱりしたものが欲しかったかな)
そう考えながら器を置くと、そこには野菜ジュースが置いてある

かつて彼女が所属する組織と子供向け科学啓蒙雑誌を配達する組織を危険と考えた
諜報部&宮廷警備課が協力しての暗闘を繰り広げた結果、ブリタニア側が全面降伏したという
噂はあながち嘘でもなさそうだ

その時バタン!と扉が開き、メイド服姿の少女が飛び込んでくる
本来ならば決して許されない行いなのだが彼女はそれが許される立場なのだ

そのメイドはモニカがちゅーと飲む野菜ジュースにあちゃーと額を押さえる

なんでも「彼女」とモニカが目覚めてどちらが先にご奉仕するか、で競争しているそうだ
メイドの名はハルカ・アマミ
四代ほど前からクルシェフスキー家に仕えるアマミ一族の一人
特に彼女はメイドとしてはメイド・オブ・オール・ワークに至っており(ただしモニカの身の回り限定)
騎士としても有能でKMFも乗りこなす
その忠誠心の厚さと戦闘力の高さから「クルシェフスキーの狂犬」と呼ばれている
知名度もそれなりにあることから諜報員としての活動はできないが

「あ、遅れました。おはようございますモニカさま」
「おはようハルカ 目が赤いわよ」
「え?、ここここれは失礼いたしました」
「またチャットであの人とお話?」
「は     はいぃ」表情がどろりとろける
なんでも情報収集の一環としてネットに触れ、チャットとやらをしてみた所ひとりの男性と出会い
ネット交際をしているらしい
「わたしぃ、kuraってHNで話してるんですけどぉあの人ってばEGIってHNでぇ」
これは長くなりそうだ

とりあえず朝食としよう
後から入ってきたメイドの一人に軽い食事を持ってくるよう命じる
流石に朝からカップ麺というのはまずいだろうし正気に戻ったとき眼前に誰もいなかったら
ハルカの機嫌が悪い

「それでぇわたしペンドラゴンで花屋に勤めてるって事にしてるんですけどぉ」
うん、その話は49回目だ




はいここまでです

本日の目的は「春閣下と一繁がネット越しで既に出会っておりけっこラヴラヴ」というのを
皆様にお伝えすることでした

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最終更新:2018年02月28日 11:56