演説   そのに

壇上にコーネリアが立ち、マイクを口元に寄せる
そして芸術家が魂を注ぎ込んだ、といわれても納得しうるであろう美しき唇から、言葉が紡ぎだされる


先の宮廷風紀維持派の襲撃により、我等が芸術宝物庫は致命的とも言える大損害を被ってしまった
奮戦虚しく、多くの書きかけ原稿と貴重なレア同人誌が失われ、正に精も根も尽き果てんばかりであった
だが・・・・・・見渡してみるがいい
この絶望に満ちた宮廷に在っても尚、逞しく花咲かせし正門の桜のごとく、
甦りつつある我等が寄る辺を
傍らに立つ戦友を見るがいい。
この危局に際して尚、その眼に激しく燃え立つ執筆意欲を
我等を突き動かすものは何か。
満身創痍の我等が何故再び立つのか――
それは、全身全霊を原稿に捧げ締め切りに立ち向かう事こそが、生ある者に課せられた責務であり
即売会における勝利に殉じた輩への礼儀であると心得ているからに他ならない

机に突っ伏しよだれをたらして眠る者達の声を聞け

同人誌を優先させるあまり恋人に捨てられた者達の声を聞け

原稿をコンビニのコピー機に忘れた者達の声を聞け

彼らの悲願に報いる刻が来た
そして今、若者達が旅立つ
(社会的に)鬼籍に入った輩と、我等の悲願を一身に背負い、孤立無援の敵地(即売会)に赴こうとしているのだ
歴史が彼等に脚光を浴びせる事が無くとも
我等は刻みつけよう
名を明かす事すら許されぬ彼等の高潔を、我等の魂に刻み付けるのだ
旅立つ若者たちよ
諸君にBLを描く術しか教えられなかった我等を許すな
諸君を社会的廃人にしてしまった我等の無能を許すな
願わくば、諸君の挺身(原稿)が、BL同人作家を蔑む事無き世の礎とならん事を




はいとりあえずこんなとこで
ほかのんも頑張ってますので、請うご容赦

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最終更新:2018年02月28日 11:58