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701: ham ◆sneo5SWWRw :2018/03/04(日) 13:27:26
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
というか、完全に趣味が入っています(笑)。
笑い飛ばす程度に読んでください。

また、今話において、「ワルキューレの騎行 第3幕「岩山の頂き」 序奏」をお聞きになりながらお読みになることをお勧めいたします。

以上の事を留意してお読みください。



GATEネタ GATE 皇軍 彼の地にて、斯く戦えり 第14話 戦女神の騎行 後編



1945年12月13日 日の出 特地 碧海沿岸のとある港街 南門


時系列は少し戻る。
夜明け前に出撃した第41飛行団は、一路東へ進路取り、海上に出たところを確認して左に半周し、目標地点の港街へと向かっていた。
先導役のSTOL指揮連絡機を先頭にして進む彼らは、臨時編成捜索第3中隊から随時報告される戦況を受けながら、太陽を背にした黎明攻撃を掛けようとしていた。

「大佐。目標地点まであと10分です」

回転翼機部隊の先任の飛行戦隊長である堂ヶ島少佐が、挺身騎兵連隊長の健軍大佐にそう伝える。

「よし、全機攻撃体制を取れ!突入するぞ!」
「了解。攻撃体制を取れ!朝日を背に突入する!」

健軍の命令を受け、挺身騎兵連隊第1大隊長の用賀中佐が無線で指示を飛ばす。

『連隊長機より全機へ。心理戦開始だ!音楽を鳴らせ!!』

連隊長機の命令を受け、各機の日本兵が備え付けているオープンリールのスイッチを入れる。
そして、ワルキューレの歌声が朝焼けに染まる空に、海に、高らかに響き渡った。


STOL指揮連絡機や各種武装を取り付けた多種多様の回転翼機は門外の盗賊に対して容赦のない攻撃を与えていた。
ロケット弾が放たれ、銃撃を浴びせ、通り過ぎれば在庫一掃とばかりに旧式の手榴弾や処分予定の爆弾や地雷、小口径の砲弾を転用したIED(即席爆発装置)までもが落とされていく。
東から西へ、南から北へ、南西から北東へ、あらゆる方向から航過攻撃が波状で行われた。
回転翼機から射撃を行う日本兵も手に持っている小銃で射撃を行っていく。
市壁上で女性の民兵を襲おうとする大柄な盗賊に対し、

「頭のイカれた大男がいる。民間人では手に負えん」
「オッケー、かっこいいとこ見せましょ」

と軽口を言って、盗賊を射殺して救う者もいれば、
ブツブツと射撃教練で習ったことを呟くように撃っていく者もおり、
ジャラジャラと落ちていく空薬莢に、後で回収するのが面倒だ思う者もいた。

市壁の上で打ち捨てられているバリスタやカタパルトが目に入った盗賊がそれで倒そうと操作しているところをSTOL指揮連絡機が連絡し、
武装した三式回転翼機が発射したロケット弾により制圧され、健軍大佐が「戻ったらビールを奢る」と報奨を約束する。
機長の堂ヶ島少佐も、逃げる馬車を目敏く見つけ、「よし、俺が片づけてやる。見てろよ」と、自ら狙いを定めてロケット弾を放ち、命中させる。
同乗するキルゴア中佐がこれに「お見事!」と称える。

まさにこの世の黙示録であった。

702: ham ◆sneo5SWWRw :2018/03/04(日) 13:28:00
南門の周囲が火矢と倒れた篝火などにより生じた燃え上っていた紅蓮の炎が、地平線から昇る太陽によって周囲は輝きと熱に照らされた。
しかし、そこに戦場の煌きも魔術的な美も無かった。

鋼鉄の鷲か、あるいは天馬か箱舟か。
死神の羽音と光の矢を撒き散らしながら、逃げ惑う盗賊たちが次々と打倒されていく。
襲い、奪い、焼き払った盗賊が攻守を逆さまにし、大地にひれ伏していく。

気丈な者が、弓を引いて矢を射かける。
だが、それは無意味だとあざ笑うかのように大小様々な光の矢と爆発する岩が落とされ、何十倍、何百倍と返される。

絶対的で一方的な拒絶であり、徹底的なまでに凶暴。
大地の何もかもが、あらゆる全てが破壊され、うち崩されていく。
伝説の龍を倒さんとする英雄に対する龍の蔑みなど優しい。
まさに神の裁きか、蔑みか。

ピニャは、突然のことに声を失い、呆然とした面持で惨劇をその目に焼き付け、自分を遙かに凌駕する偉大なるものの存在を知った。
死の交響曲を響かせ、竜騎兵など生易しい凶暴的な攻撃を加える『鋼鉄の天馬』。
あらゆるものが一瞬のうちに、人の手で逆らうことの許されない絶対的な暴力によって、叩き潰されていく。
人とはなんと無意味で、無価値なのかと、絶対的な無力感を突きつけられていた。

これまで敵と言えば、等身大の存在であった。
だが、それは明らかに違った。
正視することの許されない、だが目を背くことすら許されない何か。
木霊する女性の歌声。
スピーカーから鳴り響くそれを、ピニャはワルキューレが自身らを、帝国を嘲り笑うかのように聞こえた。

誇りも、名誉も、彼女が価値あるものとして頼ってきた全てが、一瞬のうちに否定されたようであった。

なんと矮小な人間よ!
無力で無様で、醜い人間よ!
富だと?名誉だと?権威だと?
お前たちのそのようなものなど何ほどのものか。
お前達が築いてきたものなど、我らがその気になれば一瞬にして無きものにできよう!!

ピニャの心に沸き上がったのは尊敬であり、畏敬の念。
それら尊崇すべき存在に、自分は決してなれないのだと突き放される絶望。
そして、彼らの正体を改めて知り、見せつけられ、震える恐怖。

どうしてこうなったのか?
いったい何を間違えたのか?
我らが何をしたのだ?

出陣前、異世界の軍勢なんぞ何するものぞと思っていた彼女は今、自らの不明を恥じ、恐怖し、絶望に染まった。

703: ham ◆sneo5SWWRw :2018/03/04(日) 13:28:33
門外部において黙示録が作られている頃、門内部でも別の黙示録が作られていた。
エムロイの神官にして、亜神、ロゥリィ・マーキュリーが、自らのハルバードを手に、盗賊団と死のワルツを踊っていた。
浴びせられるのが歓声ではなく、血潮というのが見ている面々のSAN値を直葬していたが。
ダンスパートナーの盗賊達にとっては、たまったものではなかった。

「ったく、ロゥリイの奴、興奮しすぎだ!」

煩悶に苦しむロゥリィが突如走り出したのをジープで追いかけた伊丹は、南門の内側で暴れるロゥリィに舌打ちをした。
偵察行の途中で遭遇した盗賊相手に一人無双していた彼女が強いのはよく分かっていたが、かと言って、見た目が華奢で小柄なロリ少女を一人で行かせるわけにはいかなかった。

いくら個人の武勇が優れていようが、どんなに強い部隊であろうが、数の暴力の前には誰一人勝てない。
それが現代戦である。
そう教育されている現代兵士の伊丹からすれば、どれだけ強くても1対多数では無双しきれないと判断していた。
加えて、見た目幼女な彼女1人が敵のど真ん中に突っ込むのを見送ることは、さすがにどうよ?という感情も有った。

近くで止めたジープから降りた伊丹は、『着け剣』と号令し、一緒に乗っていた栗林と富田に着剣させる。
と、ここで、栗林がロゥリィと同様に単身駆け出した。
「あの馬鹿」と呟きつつ後を急ぎ追いかけ、暴れるロゥリィを見つけ、先ほどの舌打ちをしたところだった。

栗林は、昭五式小銃で射撃、銃剣での刺突、そして自らの格闘術も駆使してこれに加わっていた。
小柄な体を利用して、次々と斬撃を交わしながら盗賊を倒していく。

栗林を襲おうとする盗賊が居れば、ロゥリィが切り伏せ、
ロゥリィを倒そうとする盗賊が居れば、栗林が倒す。
集団でまとまっていれば、栗林が手榴弾を投げ込んで混乱を誘い、ロゥリィがハルバードでさらに穴を広げる。

完全に戦いに酔っている二人に対し、伊丹と富田に出来るのは、支援射撃をするくらいであった。

だが、そんな状況はすぐに終わりを告げた。
回転翼機部隊による門内への地上射撃予告が富田が背負っている無線から聞こえ、伊丹と富田はそれを二人に告げながら強引に連れ戻そうとする。

ダンスの時間が短かった所為か、ちょうど銃が壊れて少し冷静になっていた為か、すぐに状況を理解した栗林が持っていた昭五式を敵に投げ捨て、ロゥリィの手を引き、駆け付けた伊丹に預けて離れる。
追いかけようとする盗賊だが、既に狙いを付けた回転翼機からの掃射が始まり、それは叶うことはなかった。

かくて、門の内側の敵は一掃された。



ワルキューレの騎行をバックに、回転翼機が次々と降り立ち、搭乗している挺身騎兵連隊の兵士が飛び出していく。

飛び出した日本兵は急ぎ抵抗する撃ち漏らした盗賊の制圧にかかる。
門においても、門が一枚の壁となっているのではなく、門の中に兵士の休憩施設や開閉装置を動かす施設などの小部屋が存在する。
そういったものは窓が無い部屋で有ったりし、石が盾となって銃撃が届かず、中の盗賊が無事である場合もある。
そういった門の中の盗賊も何人か居るため、制圧する必要があった。

また、門の外側の兵士も壊走を始めているが、日本軍は逃がすつもりは全くなかった。
逃がせばどこかでまた盗賊を始める。
そんな連中を逃して、知らないところで盗賊をされるのは気分が良いものでもないし、今後の特地での行動で何か影響しても困る。
禍根は完全に絶つつもりであった。
盗賊たちは僅かな手勢を集め、拠点としている近くの森に身を隠した。

704: ham ◆sneo5SWWRw :2018/03/04(日) 13:29:05
キルゴア中佐らの回転翼機は、戦場から少し離れ海岸部を旋回するように飛行していた。

「どうだ!?」

観戦武官らが乗る回転翼機でキルゴア中佐は同行している部下に言った。

「敵は壊走しつつあります!」

部下は戦闘のことだと思いそう答えたが、キルゴアが訊ねたのは別のことであった。

「違うよ、あの波だよ!」

そう言って、キルゴアは波立つ海を指さす。

「左右に立ってる!見ろ!8フィート(約2.4m)は固い!」

どうやら、彼の頭にはもうサーフィンのことしかないようだ。
キルゴアは海岸に降りるように求めた。

「いくらなんでも危険では?」

機長はそう止めたが、

「俺が安全だと言ったら、ここは安全なんだ!」

と、キルゴアは返し、機長も半ば諦めて降りることとした。
海岸に着陸した回転翼機から、キルゴアは自らのサーフボードを手に降り立った。
戦闘は掃討戦に移行していたが、未だ銃声が鳴り響いている。
部下の一人がもう少し待っては?と言ったが、

「俺は何が何でもサーフィンをするぞ!」

と、キルゴアは上着を脱いで、サーフィンを実行する意思をアピールした。
そして、同行している通信員が背負っている無線機の受話器をひったくった。

『健軍大佐、キルゴアだ。鬱陶しい森の敵を掃射してくれ!』
『了解した。ちょうど爆撃隊が来た。一気に片付ける』
『頼んだぞ!』

705: ham ◆sneo5SWWRw :2018/03/04(日) 13:29:38
キルゴアとの無線を切った健軍は、すぐに爆撃隊の指令機に無線を繋ぐ。

『挺身騎兵連隊、爆撃隊へ。森の敵を掃射してほしい』
『爆撃支援受諾した。これより攻撃に入る』
『原始時代に戻してやれ!』

健軍はそう最後に伝えた。

爆撃隊はアルヌスの飛行場から出撃してきた一式陸上攻撃機「銀河」の一団であった。
夜明けを待って出撃した彼らは、先に夜明け前に出撃した回転翼機隊に遅れてようやくやってきた。
機体には250kgのナパーム弾が計4発、1t分が積まれていた。

「心配するな!すぐに敵はいなくなる!」

キルゴアは周囲にそう言う。

爆撃隊は、V字編隊を組んで高速で森に近づき、ナパーム弾を投下した。
投下されたナパーム弾は、着弾と同時に信管が起爆し、内部に充填されているナパーム剤が激しく燃焼され、地獄の業火が森を覆った。
まるで現代の映画のような爆発が森を包み、すぐに森は無くなり、炭の山と化した。
抵抗していた盗賊団は、己が罪を裁かれるように、等しく業火に覆われ、神の御許へと旅立った。

そして、焼き払われた森を見ていた健軍大佐が、キルゴア中佐が、堂ヶ島少佐が、ほぼ同じタイミングで、同じセリフを呟いた。

「「「朝のナパームの匂いは格別だ・・・」」」




以上です。

やっと盗賊戦が終わった。
このまま完結できるんかな・・・

今回、趣味に走りましたw
まず、堂ヶ島少佐は、クレしんの焼肉のあの人です。
彼もまた、キルゴア中佐のモデルですので、登場させてみましたw

頭のイカレた云々のセリフはコマンドーからです。
民間人は手に負えないからねw

栗林はやはり銃を壊しましたw
ただ、そのタイミングでの引き上げ指示なので、冷静さが戻っているタイミングであり、原作みたいに富田に連れ戻されませんでした。

門というのは一枚の壁で中には何もないと思われるでしょうが、
中には小部屋が中にあるタイプも有るので、そういった小部屋の盗賊は無事だと思い、描写に入れました。
ちょい役ですがw

最後のナパーム、やはり黙示録としてはこれが無いとですねw

今回はここまで。
リアルの関係、そして他にネタを抱えている関係上から、GATEネタはまだ期限未定長期休載になりがちですが、今後もよろしくお願い致します。

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最終更新:2025年03月05日 17:07