526: 弥次郎 :2018/03/15(木) 21:00:50
大陸SEED支援ネタ 「ブリーフィングファイル」4
Main Staring:
<Z.A.F.T,P.L.A.N.T.>
Ronald・Virta
John・Martinez
<FAITH:Special Forces,Z.A.F.T,P.L.A.N.T.>
Jonathan・Smith
Original:Mobile Suit Gundam SEED
Arranged by:ナイ神父Mk-2氏
Written by:弥次郎
ブリーフィング:「コペルニクス傭兵」
「コペルニクス傭兵は、その名の通り、コペルニクス所属のジャンク屋や傭兵などをザフトが雇用している人員のことです」
「コペルニクスから…?中立を謳う月面都市としては危ういのではないのか?」
「……そうですね。一応、国連の管轄下で月面における中立都市として開発が進んだ地域であり、一定の自治が行われています。
ですが、別にコペルニクスからプラントへの移住や短期労働に赴くのは別に禁止されてもいない。
コペルニクスに拠点を置くジャンク屋がザフトに協力をするとしても、それを止める権限は特にない。
ジャンク屋が多く存在し、経済的にも税制的にも無視しえないわけですから」
「おいおい……」
「勿論、これは詭弁でしょう。
ですが、ザフトの、プラントの公式見解上では、コペルニクスの自治組織に対してのアプローチは行っていても協力要請は受理されておらず、コペルニクスもザフトとの人道範疇の交易はともかくとしても、それ以外の協力は行っていません。従って、中立を維持しています」
「……」
「代わりにと言いますか、積極的な戦闘への協力は行っていません。あくまでも後方での作業を手伝うのみで、連合との戦闘には参加していません」
「公式見解では、だろう?」
「ですが、公式見解です。
彼らに委託されているは物資及び人員の輸送、偵察、訓練役、戦場後からの物資回収などです。
あくまでもそういった仕事のみに限定されていますが、正面戦力に人員を割くしかないザフトにとってはありがたい限りです。
一部の傭兵にはMSを用いての訓練を行ってもらっており、そういった方面でも不足しがちなザフトを支えています」
「何故だ?何故そこまでコペルニクスはプラントに肩入れする?ジャンク屋を介してプラントの手助けをする理由はなんだ?」
「おそらく、コペルニクスなりの事情があるのでしょう。コペルニクス以外にも、各国の月面都市が整備されて影響力を失ったことや、各国の資本がコペルニクスから抜けて別な場所へと向けられたことによって経済が不安定化したこと、開戦後にコペルニクスへの援助などが遅れてしまったこと……様々に考えられます。
また、ザフトからMSの実物や運用について知識を得るつもりなのでしょう」
「利用し、利用される。そんな関係か」
「L1宙域をめぐる戦いで、おそらくコペルニクスは態度を決めるつもりでしょう。
ザフトの脅威があるからこそ、脅されてやむなくという体をとっていた。ですが、地上戦線に片が付き、宇宙に戦場が移り、身近にザフトがいなくなれば、コペルニクスは自らを維持するためにも態度を翻すかと」
「大したタマだ……」
527: 弥次郎 :2018/03/15(木) 21:01:24
ブリーフィング:「新型MA」
「MAの配備を進めた、というのは本当なのか?」
「はい。元々、ディンの後継となる空中戦闘用の可変MSが開発されており、それを元手に偵察を主眼としたMAを開発しました。
また、MSを利用した砲台型MSなども多数…実質MAですね。それらについてはこちらの資料をご覧ください」
「これは……」
「あり合わせだな」
「性能自体は悪くはありません。急造品としては、連合のMA並か、それ以上に活用できます」
「性能はMSと比較してほしいですね……」
「ですが、こうした半分だけMSというのは非常に理にかなっております。
通常のMSに比べて整備箇所を減らし、構造を単純化し、整備性を向上。
MSの特有の運動である宇宙空間におけるAMBACこそ難しいですが、その分直線での航行能力は高いのです。
操縦が単純であれば訓練も短く済みますし、傭兵やナチュラルもいるジャンク屋にとっても扱いやすいものとなります」
「普及させるには都合が良かったわけか…」
「これで仕事をこなせるのですか?」
「問題なくこなせています。MSではエネルギーや労力にロスが大きい仕事を、比較的小さい消費で行えるという強みもありますからね。
マキシマムの力ではなく、ミニマムの力で以て仕事を効率的にこなす。ミニマムを多数そろえて役割分担させるか、
あるいはマキシマムの力を多目的に使うことであらゆる事態に対応させる。我々ザフトは後者を選び、連合は前者が基本としています」
「だが、それを見直しているんだな?」
「ええ。連合はMSの相手をさせるだけでなく、徐々にMSに拡張した機能を求め始め、一方で我々はミニマム戦力を用意し始めた。
片方への依存が危ういものだと、気が付いたためですね。残念ながら、ザフトのMS開発は性能向上や新機能の追加には熱心な一方で、そういった必要最低限のMSの開発には消極的でした。資源や戦力の消耗や前線配備が急務となってようやく目を向け始めましたが……」
「遅すぎたのですね」
「というよりも、何でもかんでもMSにしてしまったのですよね。
ジンというスタンダートMSがなまじ完成度が高くなってしまって、他のものを新たに作ることがかえって非合理的になってしまったのです」
「国力の限界、か」
「MSというものを要にすることで、連合の既存ドクトリンを上回る。
しかし、国力が無く、人口にも限りがあり、コーディネーターだからと言って必ずしもMSを動かせるとは限らない。
だからこそ、何か一点に特化せざるを得ない。それがたまたまMSだったのです」
「そしてMSをコーディネーターの優位性を信じて疑わなかったプラントはそれにのめり込んで…」
「結果、国力の無さもあって、全てをそこに賭けた。正しく一点賭けです。
結果として、システムは必然的に現実との不適合を示しました」
「MSを相手にすることを考えていなかったんですね」
「その通りです」
528: 弥次郎 :2018/03/15(木) 21:02:15
ブリーフィング:「対MS戦闘」
「対MS戦闘メソッドについての知見は、正直なところ乏しいのです。
大西洋連邦と東アジア共和国はMSの導入がこれまでは少数で、そして本格導入が遅かったためですね。
アフリカにおいては小型のMSであるコードネーム『ゴブリン』と戦車から派生した機動兵器…さしずめモビルタンクが導入され、その後の大攻勢においてようやく本格的なMSが大量投入。多くの犠牲をだして我々は撤退しました」
「アフリカの激戦……連合のMSの本格導入で、アフリカ派遣軍は壊滅的被害を受けたんでしたね」
「そして、アフリカの兵士たちは情報統制のために南米に多くが置かれたまま、か……なるほどな」
「地上での報告を本国へと持ち帰った人間は多くありません。
連合のMS本格導入によって、人員の消耗は加速度的に悪化したことも拍車を掛けました。
南米戦線に情報統制のために留め置かれたアフリカ経験者は南米やオーブで命を落とし、通商破壊で情報がとぎれとぎれとなることで、本国へともたらされる情報にばらつきや不確実さをもたらし、信頼を落としてしまった。結果、マジョリティの意見を覆すに至りませんでした」
「俺の隊から送った報告も…?」
「握りつぶされてしまったのですか!?」
「……正確には、受理されながらも、『適切な形』にされたのです」
「ふざけている……それでどれだけの人間が死んだと思っているんだ…!命がけでつかんだ情報をっ!何故!」
「ご指摘はもっとも。ですが、プラントの大多数の人間が、連合がMSを動かせるはずもないという騙りを抱いていました」
「ですが、連合はMSも投入し、我々を圧倒していたはずです…!」
「そうだ。南米でもそうだったし、アフリカでもMSが見られていた。奴らは他の兵科と協力し、俺達に立ち向かってきた」
「マルチネス隊員のようなMSパイロットは例外的なのです。ロナルド・ヴィルター隊長が南米での損耗やアフリカでのレポートを受け取り、それを元にしたカリキュラムや訓練の変更、意識改革を行わなければ、おそらく同じ側にいたでしょう。
一応、地上戦線においては新装備への更新や新型の配備も進みましたが、それはあくまでも付け焼刃。
対MS戦闘能力の向上は図られはしましたが、それもあくまで連合の想定の範疇にとどまりました」
「連合は、こちらを徹底的に研究していて、予測さえ立てていたわけですか…」
「そうだろうな。連合の方が人口も国力も多く、MS研究の速度は俺達プラントよりも速くなる。
おまけに早期にエネルギー不足が解決されたことで、それは十全に発揮できた。
いや、俺達のMSさえ倒せばその他の面では勝っている以上、戦争にも勝ち目が見える、と考えていたから速くなったのか」
「恐らくですが、両方でしょうね。
MS戦闘とは駆け引き。これまでMAを相手にしてきたのと同じように対応すれば、負けるのはこちらなのです。
対MS戦闘のメソッドが無かったわけではない。けれど、連合は既に同じように研究し、我々の先を行きます。
だからこそ、既に連合との戦争はMSだけではもはや何も変わらない状態になってしまった」
「それが、戦争……」
「はい。MSが戦争ではない。戦争は国家と国家のぶつかり合いなのです。
プラントはそれを理解する下地を持たず、それを理解する民を持たなかった。
理解することもせず、理解を拒絶し、虚構におぼれた。その報いなのでしょう」
「っ……」
「堪えろ、マルチネス。これは、純然たる事実だ」
「……はい。すみません、隊長」
「ですが、ヴィルター隊はマルチネス隊員のように意識を大きく変えることができる隊でした。
意識を変える、行動原理を変えるというのは並大抵のことではありません。まして、凝り固まったコーディネーターを相手にしてるのですから。
あなた方の隊からの報告は、特に多彩な視点から現状を分析していました。紛れもなく、ヴィルター隊の手腕です」
「なるほどな。俺を、俺の隊を引き抜いたのは、そういう事情なのか」
「戦争がどういうものであるか、というのを素直に受け入れる下地。それを部下にも広めることができる手腕。
上司と信頼し合う部下。まさに理想的です」
「やめてくれ……そこまで言われるほどじゃない」
「正当な評価です」
「……ああ、くそ。こういうのは苦手なんだ」
529: 弥次郎 :2018/03/15(木) 21:03:19
以上、wiki転載はご自由に。
もう一つ話を挟んだら、いよいよL1本編……なのですが、環境が変わるので多分めっちゃ遅れます(小並
ふんわりとした流れは出来ているのですが、形にするまでどれだけ時間がとれるやら…
とまれ、お待ちくださいませー
最終更新:2018年03月17日 10:05