222: ナイ神父Mk-2 :2018/03/21(水) 22:16:09
大陸SEED 外伝ネタ

戦争の断片 その4

砂上の楼閣と獅子身中

CE71年2月某日、プラントのコロニーの一つの街頭では戦時中とは言え未だ余裕が有るのか仕事帰りの会社員や子供連れの家族と
思われる市民で溢れている。そんな街中に設置された街頭モニターではザフトの国営放送に当る部署の人間がニュース原稿を置いたテーブルと共に映像に写され、先日のア・バオア・クーに於ける戦闘と思われる映像が流れている。

『・・・で、あり先の戦闘に置ける連合の被害は軍本部からの発表に寄れば、MA83機、MS28機、重巡洋艦4隻、軽巡洋艦12隻とされており、宇宙に置けるプラントでの圧倒的有利は変わらず。軍に寄る攻撃作戦は大成功を・・・』

モニターに流れる艦艇の撃沈映像やMAの撃破映像が存在しているが、中にはネルソン級やドレイク級の映像だけでなくメビウスや
ミストラルの映像等も映し出され、知る人間が見れば不審に思う光景も映し出されている。しかし、そう言った専門知識の無い民間人は連合の機体が撃墜される映像やザフトMSの活躍映像を見て歓声を上げている。

「見たかナチュラル共!」

「ユニウスの敵だ!」

「プラント万歳ー!!」

そう言った街頭モニターを見ている住民達より少し離れた所ではそう言った民衆を冷めた目で見ているスーツ姿の男が立っており
映像が消えて民衆が離れていく様子を見届けると路地の奥へと歩いて行った。男の向かった先には一見居酒屋に見える店が営業しており、店名を見れば大洋の出身なのか平蜘蛛と書かれた看板が立て掛けられており、男は馴れた様子で店内に入りカウンター席へと座り馴れた物で酒をカウンターに居た女将に注文する。

「何時もの・・・」

「何時ものですね解りました。」

男のその言葉に女将も馴れた様子で置くの棚から酒瓶から徳利に酒を移し換えると暖める事もせず男の前の摘みと共に静かに置く
男は渡された酒を煽って一息付いたタイミングを見計らって男へと声を掛ける。

「今日はギリーさんも色々大変だったみたいですね」

「ああ、作戦に参加した艦隊は其れなりの被害を出したみたいだな、上は民衆に本当の情報は隠すらしい・・・」

ギリーと呼ばれた男は更に酒を煽ると客の殆ど居ない店内で女将へとメモリーの入ったケースを渡す。其れを受け取った女将は
懐に其れを仕舞うと作っていた料理と追加の酒を男の前へと置くいて

「頼まれていた奴だ・・・」

「有難う御座います、三好さんも喜びますね。」

「ああ、中々に良い物だ同業の連中でもまだ手に入れていない物だからな、大事に扱ってくれよ」

「解って居ます。」

男は其れだけ伝えると代金を置いて店をから出る。外のコロニー内照明が既に落とされ時間は夜へと切り替わっており外には街頭が点灯しており、夜の闇へと消えて行った。こう言った大洋や大西洋に所属するコーディネイターの諜報網は各所に置いて存在しており、その活動の成果が後のジェネシスの露見や危険な麻薬である『ライトニングロット』の製造場所の発見等に繋がり連合の被害を減らす事に成功している。又、ジャンク屋や兵士に扮して機体を奪取する役割のチームも存在しており、そうやって奪取されたMSが大西洋では重要な戦力とも成って居た為、大西洋では特にこう言った奪取作戦は重視されていたと言われている。

223: ナイ神父Mk-2 :2018/03/21(水) 22:16:40
南米の空で

CE71年5月その日、南米の空は俄かに騒がしく成っていた。旧ブラジル上空の飛ぶヴァルファウ部隊は何かから逃げる用に機体の
限界まで速力を上げながら飛行を行い近くの基地へと向かっている。輸送部隊を指揮する白服の隊長は焦りの色を表情に滲ませながら艦内モニターに備え付けられたモニターを注視する。モニターを見れば自部隊の後ろで徐々に距離を詰める敵機を示す光点が見て取れた。

「まだ味方基地には着かんのか!」

「後15分で味方基地へ到着します。」

「敵機より熱源反応分離!」

「ミサイルか!?」

「いえ、サイズが大きすぎます、恐らくはMAです!」

「後部映像、モニターに出ます!」

オペレーターのその言葉と共に機体上部に付いたモニターの映像が切り替わり機体後部に付けられたカメラ映像が表示される。すると其処には円盤状の機体が此方へと向けて飛行して来る様子が見て取れ、内一機はエース機で有るのか他の黄色いペイントでは無く濃いブラウンに見える色に塗装されている。

「ちっ、向こうの方が早いか・・・護衛機のディンを出せ!」

輸送部隊を預かるヴァルファウ隊の隊長はそう指示を出すとオペレーターに向けていた視線を再度モニター戻し、前方に見えるMA部隊を睨み付けて居た。対して当のMA、大洋連合軍に所属するアッシマー部隊はと言うと編隊外周部のヴァルファウからディンが出て来ている事を確認しながら、隊長機に乗るガルマ少佐が僚機に指示を出す。

「私の隊と第二小隊で敵MS隊を攻撃する!第三、第四小隊は敵航空機への攻撃に専念するんだ!」

『了解!』

ガルマが出した指示従ってアッシマー中隊は二手に分かれるとガルマを中心とする二つの小隊が敵へと向かい分かれた後方の2部隊は其の侭、輸送機部隊を目指して更に機体を加速させる。予想外の速度で加速した事に対してディン部隊の一部は自分達を越えて行った部隊へと対応しようと後ろを振り向くが、その隙を付いてガルマ率いる部隊が射撃を加えて背中を向けているディンを撃墜するとディン部隊を通り過ぎて上昇する。

224: ナイ神父Mk-2 :2018/03/21(水) 22:17:13
すると今度は後ろを取る形となったディン部隊がアッシマーへと向けて攻撃を加えようとするが、変形を行うと同時に急減速と
方向転換を行って今度は一気に落下速度も合わせて機体を加速させながら手にしたビームライフルで更に機体を撃墜して見せる
それと同時に何らかの指示が出たのかディン部隊は輸送部隊が向かった方角へと引き返す。それと入れ替わる様に敵艦攻撃へと
向かったアッシマー部隊が帰還してくると、ガルマは近づいた来たアッシマー隊へと通信を繋げて、状況確認を行おうとする。

「輸送部隊は?」

『三機ほど落としましたが思ったより直掩の機体に粘られ、近隣基地からの増援を許しました』

「そうか・・・解った、我々も敵の増援が来る前に艦へと艦へと合流する。各員遅れるな」

その言葉と共にガルマはMS状態のままにしていたアッシマーをMAへと変形させると母艦へと機体を向ける。自身が所属する艦へと戻り機体から降りたガルマを迎えたのは同じく先ほどまでアッシマーに乗っていた隊員の一人であった。自身より年上である部下を見てガルマも気を緩める。

「お疲れ様で有ります。少佐殿」

「大尉か、君も疲れただろう?」

「なんのコレ位、大した事は有りませんよそれより少佐殿の方が大変では?」

大尉からの言葉をガルマは首を振って否定する。

「いや、経験豊富な大尉達に助けられてばかりだ、感謝しているよこれからも頼りにさせて貰う」

そうガルマは言い残すと格納庫の奥へと歩いていき、それを見送った大尉は機体内にも持ち込んでいたタバコに火を付けると
その場で一服して紫煙を吹かせた。歩き去るガルマの姿を見送ったその表情は息子の頑張りを見た父親の様な感情が見て取れ、
タバコを吸う姿も何処か嬉しそうに見える。

「当初来た時はお偉いさんのお坊ちゃんだと思って居たが、中々様に成って来た様だな・・・コレなら大将閣下にも良い報告が出来そうだ」

そう大尉は呟くと吸殻になったタバコを携帯灰皿へと入れるとガルマが先に向かったのと同じ様に艦の奥へと消えて行った。こういった富嶽を用いた艦載機の攻撃と爆撃に寄ってザフトは徐々に基地間で輸送艦での移動を初めとした空での行動が制限されて行くと同時に、陸軍特殊部隊の襲撃も受ける様になり徐々に後方での出血を南米でも加速させて行く様になる。

225: ナイ神父Mk-2 :2018/03/21(水) 22:18:55
以上ですWIKIへの転載は自由です。取り合えず戦時中のプラント内部の様子とか南米での行動を少し描写させて頂きましたけど、やはり他の作者様の様にキャラクターの心情を書くのはどうにも難しいですね・・・上手く表現できませんでした・・・

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最終更新:2024年03月07日 00:29