876: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:23:21
OGクロス エステバリスシリーズ



  • エステバリス
全長:6m 
搭載:テスラドライブ Eフィールド ローラーダッシュ 重力波アンテナ IFS
武装:ラピッドライフル レールガン ビームキャノン ビームサーベル イミディエットナイフ フィールドランサー
技:ワイヤード・フィスト Eフィールドアタック

L5戦役後にネルガル重工が開発した新型AC。
新機軸の技術をふんだんに搭載した新スタンダードACを謳い文句にしている。

特徴的なのはその小ささ。従来のACの半分近くの大きさである。
これは従来機ならば搭載しているジェネレーターをオミットし、重力波ビームによるエネルギーに供給に割り振ったため、ここまでのコンパクト化に成功している。
またこの外部ジェネレータ―に完全に依存する方式による機体出力の大出力化にも成功している。
このため6mという小型な体躯ながらも既存のACやMSに勝るとも劣らない機動性を獲得。
非可変系機ながらも可変系機に次ぐ一線級の高機動性を手に入れている。
同じ理由でエネルギーフィールドの標準搭載にも成功しており、小型機とは思えぬ防御能力を獲得している。

操縦にはIFS(イメージ・フィードバック・システム)という新機軸の操縦インターフェイスを採用。
これパイロットにナノマシンを打ち込み、それを媒介としてイメージそのものを機体の挙動に反映するシステムである。
従来の操縦桿形式と違いより柔軟で高度な機動が可能となっている。
これは新西暦世界から流入した思考制御システムと初期的なサイコミュシステムを合わせたAMSの発展型ともいえる操縦システムとなっている。

またフレームに関しても新しい方式を採用している。
頭部を含めたアサルトピットというコックピットブロックを中心としたフレーム換装方式を採用。
これは従来のACのように全てのパーツを互換可能にするものでも、ストライカーパックにようにバックパックのみを換装するものでもなく、既に一通り決められた各種戦闘フレームにアサルトピットのみを移し替えるという方式である。
つまるところAC式とストライカーパックの間を取った換装システムとなっている。
この中核となるアサルトピットは脱出装置も兼ねており、小型のブースターも搭載しているため単体での戦場離脱能力も獲得している。

武装には超高連射銃ラピッドライフルの他、レールガンにビームキャノン、ビームサーベル、イミディエットナイフなどの標準的なものから対バリア用の近接戦闘武装フィールドランスなどを装備している。
このフィールドランスは機体から穂先にエネルギーを集中させ、敵バリアを一点突破するための武装となっている。
イミディエットナイフは名前こそ珍しいものだが所謂高周波ナイフの一種である。
その他には手首部分を撃ちだすワイヤード・フィスト、Eフィールドを機体前面に集中させて突撃するソニックブレイカーの派生技Eフィールドアタックなど多彩な装備を有する。

この機体は本格的な量産型を製造する前に作られた試作型であり、宇宙と地上両方に対応できる汎用フレームとなっている。
予定ではこの後陸戦、宇宙戦、空戦、重機動戦、低重力下など様々な用途に応じたフレームも制作されるはずであった。

…そう、はずであったのだ。

877: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:24:21
このエステバリス。自身満々にコンペに出したはいいが大洋連合軍から思いっきり駄目だしされた後に不採用に終わっている。
理由としては。

  • 6m代という既に普及している兵器と違った大きさのため整備施設を一から見直さなければならい。

  • アサルトピットと付属の各種フレームを運用するための新しいノウハウ構築に多大な予算がかかる。

  • 既に普及しているACやストライカーパックと比べて、大幅な修正と予算を出すだけの魅力があるわけではない(正規軍採用ACは最初から標準パーツが設定されているため)

  • 重力波ビームにエネルギー供給を頼っているため、これを断ち切られた場合極端なまでに稼働時間が減ってしまう(精々3分)。

  • そもそもビームが届く距離が半径100mほどしかない。頑張って伸ばしても200m届かない。

  • 母艦が落ちるか、何らかの理由で重力波ビームを発信できなくなってもエネルギー供給が絶望的になる。

  • 既存の艦艇に重力波ビームを発信するための機器の搭載や、そのためのエネルギーバイパス構築のため改修する必要がでてくる。

  • 操縦のための新型ナノマシンを含めIFSの搭載に非常に金がかかっているため機体コストが跳ね上がっている。

  • また全く新しい操縦形式のため一から訓練しなおさねばらならず、訓練カリキュラムも直さなければならない。

等々他にも様々。
総じて既存の運用体制と欠片も合ってないため導入コストが高くなりすぎるという点からあえなく不採用となった。
画期的なのはわかるが、だからと言って手間暇予算がかかりすぎ、尚且つ新技術ばかりのため実戦での不具合の割り出しと改善を考えるにとてもじゃないが正式採用が出来なかったのである。
これが一騎当千の戦闘力を持つ特機ならまだワンチャンあったかもしれないが、悲しいことに大量生産・大量運用前提の正規軍用ACとして設計されているため既存のACの運用体制を全て捨ててまで採用するほどの魅力はなかったのだ。

余りにも強力で斬新な技術に逸るため兵器を運用するうえで大事なことを見落とした結果である。
大洋連合のスタッフからも理論先行型の典型、技術を先に出し過ぎてパイロットや運営のことを考えていないと散々なお小言を頂いた。
コンペ落選の際には何故かツィマッドや倉崎の面々から「わかるわかる。技術屋やってるとこういうこともあるよね」と慰められたとか。

878: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:25:12
因みに…
このエステバリスだが機体そのものは不採用に終わり試作で生産した汎用フレーム十数機以外の各種フレーム製は計画のみで終わりついぞ製造されることはなかった。
しかし、この機体に使われている各種技術には見るところがあり、それぞれ後に別の機体やシステムに組み込まれることになる。

例えば重力波ビームはネルガル提供の整備都市では一定区画間のみを走行するエレカ(電気自動車)やリニア鉄道などへのエネルギー供給源として扱われている。

IFSはナノマシンを媒介とした思考制御という発想を評価され、イェーガーを始めとする特機の操縦補助のための簡易脳波制御装置にその思想の一部が生かされることとなる。

6m代の小型兵器という思想に関しては後のフォーリナー襲来時におけるハイヴ攻略戦のための5m代ACことVシリーズ開発の一助となる。

アサルトピットにせよ、体となるフレーム事取り換えるという視点は珍しく、後にMSやACが着込む形の大型補助ユニットの開発へその発想が活かされた。

このように一つの兵器としては失敗作と言ってもいい代物であったが、それに使われた技術は全て別の形で何かしらへと息づいていくこととなる。


なお自慢のエステバリスが不採用に終わったためネルガルは少なからず不良在庫を抱える形となり、致し方なく(意地も大きいが)自社の系列社である民間軍事会社CE警備保障のて残った汎用フレームエステバリスを運用していくこととなる。
また既に敷いてしまった生産ラインをどうにかすべく、民間作業用ロボットとして再設計が行われて販売もされている。

879: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:25:50
  • エステバリスカスタム
全長6m
搭載:テスラドライブ Eフィールド ローラーダッシュ 重力波アンテナ
武装:ラピッドライフル レールガン ビームランチャー ビームサーベル イミディエットナイフ ミサイルランチャー
技:Eフィールドアタック

ネルガルが自社系列であるCE(コズミックイラ)警備保障にて運用するためにエステバリスを改修した機体。
汎用フレームをそのままに近代化改修を行った機体となる。

変更点としては重力波アンテナを二つに増強し、エネルギー(電力)供給量と供給距離を底上げした点。このため通常でも半径150mまでは行けるようになった。
またエネルギー供給範囲外での行動も考え、高性能バッテリーを搭載。
これによりエネルギー供給範囲外に出た場合でも以前とは比べ物にならない活動時間を手に入れた。
電力供給内ではビームランチャーやレールガン、ビームサーベルなどの高火力兵器を使い、供給外ではラピッドライフルやミサイルランチャー、イミディエットナイフなどを比較的電力を使わない装備を使用する。
Eフィールドやテスラドライブによる浮遊などは電力供給下では連続使用可能だが、非供給下の場合は極力使用しないことが推奨されている。

基本は専用の重力波ビーム供給車輛の近くやネルガルの専門輸送艦「フリージア」の周辺にて護衛任務を行っている。
重力波ビームの供給が行われない環境下で活動する際は追加のバッテリーを搭載し、極力電力を消費しない武装構成で運用されている。

性能は電力供給下であるかどうかにより大分開きはあるが、基本的に運動性が高く、小回りの効く機体。
尚且つ電力供給下でならば強力な高火力兵器を運用可能である。

整備が面倒になるワイヤード・フィストは廃止され、Eフィールドアタックは使用すると機体へのダメージも積もるため推奨されていない(整備予算を極力ケチるため)。
また護衛や警備が主な仕事となるため対バリア用兵器であったフィールドラインサーは基本オプションに入っていない。

操縦形式は通常の操縦桿式へと変更されている。
これはISFを搭載したまま運用するにはコストがかかりすぎたためである。

元々の汎用フレームの生産数が少ないため運用機数は20機足らずで整備用のパーツのみが生産されている状況である。
インスペクター事件前に改修が行われた。

880: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:26:35
  • 民生用エステバリス

作業用の民生品として売り出したエステバリス。
武装は無し。重力波アンテナも搭載しておらず、操縦も通常の操縦桿式。
動力も普通の通常バッテリーで稼働している。
6mという今までありそうでなかった部分を埋められる隙間産業製品として販売中。
買い手からは痒い所に手が届く商品として割と売れている。

インスペクター事件前に販売が開始され、戦中は余り売れなかったが戦後の復興需要に乗っかる形で売れ行きが伸び出しヒット商品となった。



  • ネルガル専門輸送艦フリージア
全長:250m
搭載:ディストーションフィールド 重力波ビーム送信機 テスラドライブ
武装:対空機銃 迎撃ミサイル

ネルガルの保有する武装輸送艦。ナデシコ級の試作艦を流用した艦船であり、ディストーションフィールドや重力波ビーム送信機が搭載されているのはその名残。

主にネルガルの主要産業地域である火星から地球や木星間で運行。
ネルガルにおいて重要な取引の際に使用されており、搭載貨物は鉱物から食料、機材に人材までその時々に幅広く取り扱っている。

輸送船ではあるが、元から輸送目的に建造されているわけではないので居住性が高いことで知られる。反面輸送力は余り高くない。

護衛としてエステバリス6機と予備2機の計8機を搭載可能。またテツジンやダイガードなどのネルガル製特機の運用も可能である。
このせいで更に輸送能力が下がっているのだが元々試作艦を流用したワンオフ輸送船なので気にされていない。

ネルガルの意地と見栄とその他諸々が合わさり運用されている船である。

881: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:27:24
  • エステバリス2
全長:6m
搭載:テスラドライブ ローラーダッシュ
武装:ラピッドライフル レールガン ビームガン ミサイルランチャー 腕部30mm機関砲 イミディエットナイフ

エステバリスを再設計した新型AC。
元々新技術ばかりで駄目だしされたエステバリスを普通に扱えるように手直しした機体だったが対フォーリナー戦の際にハイヴ攻略用として急遽投入された。

元の設計が汎用フレームのままのためテスラドライブとスラスターによる大気圏内低空飛行能力と宇宙空間航行能力の二つを持っている。
動力は高性能バッテリー。このため電力消費を考え大気圏内飛行能力も低空時という限定的なものになっている。
またEフィールドの搭載もその電力消費から見送られた。

武装はラピッドライフル、小型レールガン、ビームガン、ミサイルランチャー。腕部30mm機関砲、イミディエットナイフと極力電力を消費しない低燃費のものを取りそろえている。
地上走行時には脚部のローラーダッシュを用いて高速移動が可能である。

従来のエステバリスやACから見ると非力ではあるが、そもそもの目的なハイヴへ侵入して内部の怪生物を殲滅することのため、そこまで強力な火力は搭載できなかった(下手に火力が高ければ洞窟の崩壊を誘発してしまうため)

とは言えハイヴ内では基本怪生物が相手となるため、この程度の火力でも十分活躍が可能である。
KMFやV系ACと比べ機体出力や空間機動性では勝っていたが、前者二つと比べ機体構造が複雑なため整備性で劣っている。



  • ゴーストエステバリス
全長5m
搭載:Eフィールド テスラドライブ 重力波アンテナ
武装:ビームマシンガン ビームガン ビームランチャー マイクロミサイル フィールドランサー

エステバリスを基に開発された無人機。
主にAFカブラカンに護衛として搭載されている。

元々敷いてしまったエステバリスのラインをどうにかするための腹案の一つとして計画されていた無人機仕様エステバリスにより強力な護衛用無人機を望んでいたアルゼブラが目を付けた形で開発された機体。

高性能AIを搭載し、コックピット部分を完全に排したことにより更なる小型化を実現。
カブラカンに収納するためによりコンパクトな形になれる変形機能も搭載している。

主だった指示や重力波ビームはカブラカン本体から出す形により、指令を受けたゴーストエステバリスが自立行動を開始する形となる。
重力波ビームの射程に関してもあくまで護衛のため電力供給圏外へと移動する必要のないことから問題視はされていない。

テスラドライブにより常時浮遊していること前提のため脚部が存在しておらず、代わりに推進用スラスターとなっている。
重力波アンテナを装備したことによりカブラカンさえ健在ならばEフィールドも使い放題である。

武装はビーム系が中心。弾幕展開用のビームマシンガンと近距離兼牽制用の腕部ビームガン。そして対艦・対特機用のビームランチャーとなっている。
これは弾薬搭載スペースを極力なくし、変形機構に自由さを与えるためである。
またカブラカンからの電力供給との兼ね合いにより理論上弾切れが存在しないビーム兵器の採用へ至った。
対アンチビーム対策には極力機体スペースを圧迫しないマイクロミサイルが採用された。これは機体肩部に内蔵される形になっている。
また対バリア対策として折り畳み式のフィールドランサーも装備。
無人機特有の鋭角的な動きにより接近し、これを突き刺す。

総合的により小型化と低コスト化がなされ、より高機動化したエステバリスとなっている。

性能が良かったためネルガルの一部施設の警備などにも採用され増産されている。
なおカブラカンの運用目的から民生用エステバリスを基にした土木用無人エステバリスも存在している。

882: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:28:18
火星に本拠…フリージア…うっ頭が

883: トゥ!ヘァ! :2018/05/25(金) 17:28:57
あ、投下はこれにて終了です。

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最終更新:2018年05月26日 11:50