867: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:10:23

大陸ガンダムSEED支援ネタSS 「B-Day」3




Main Staring:
<Lagrange Point 1 Atack Fleet,Federation Atlantic Space Corps,Federation Atlantic,O.M.N.I.Enforcer>
Green・Wyatt (Vice admiral)
Christopher・Lennox (Commander) 

<22th Special Unit,Federation Atlantic Forces,Federation Atlantic,O.M.N.I.Enforcer>
Terence・Siward(Rear Admiral)

<23th Special Unit>
Richard・V・Nortwest(Rear Admiral) 
William・"Old”・Hunter (Captain)
Gerard・H・Eckert(Lieutenant)
Clara・“Private”・Juno(Second Lieutenant)
Rick・Simons(Enign)

<24th Special Unit>
Brandon・Menteith(Rear Admiral) 

<Lagrange Point 1 Atack Fleet,Pascific Union Space Force,Pacific Union,O.M.N.I.Enforcer>
Dozle・Zabi(Vice admiral)
Richard・Kamiyama(Commodore)

<Lagrange 1 Defense Forces,Z.A.F.T.,PLANT>
Max・Pellini
Selena・Trivia
Elizabeth・Walti
Angus

<“Cima Fleet”:,Lagrange Point 1 Atack Fleet,Eurasia Union Space Foces,Eurasia Union,O.M.N.I.Enforcer>
Cima・Garahau(Oberst)
Detlof・Kossel(Kaleu)

Extra Staring:
<Nikaya,2th Special Squadron,Pasific Union,O.M.N.I.Enforcer>
Akito・Sasahara(Ensign)
Mizuki・Sakagawa(Ensign)
Rachel・Ransome(Ensign)
Miyakoi・Shiiba(Captain:co-medical Staff)

Original:Mobile Suit Gundam SEED
Arranged by:ナイ神父Mk-2氏
Special Thanks:時風氏
Written by:弥次郎

868: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:11:39


    • C.E.71年8月12日 地球-月間 ラグランジュポイント1 周辺宙域



「総員、傾注!」

ユーラシア連邦宇宙軍L1派遣攻略艦隊の一角を占める第18特務艦隊、通称「シーマ艦隊」の旗艦「リリー・マルレーン」の格納庫に、艦隊司令を務めるシーマ・ガラハウ大佐の声は、鋭く響いた。MSパイロットとしても艦隊司令としても一線級の女傑のそれは、よく言えば現場を知る叩き上げ、悪く言えば荒くれの多いパイロット達にもよく効いた。

「お前たちも知っての通り、間もなくL1宙域奪還作戦が発動する。
 B-Dayなんてよばれてるけど、あたしらにはあんまり関係ないね」

一拍置いて、言い切る。

「戦争の日だ」

それは、どうしようもない事実。

「殺して、殺されて、そんなことをする日だよ」

そう、その為の兵器が、MSがリリー・マルレーンを筆頭にした艦艇には艦載されており、多くの兵士がパイロットや整備士として作戦に参加する。ここにはいないが、ブリッジクルーたちもそれらのアシストを行い、艦艇の運用を行う。
彼等の役目・役割は一体何か。

「あたしらの役目は、このL1宙域を封鎖すること。
 ドンパチ賑やかにやっていると、逃げ出すような奴らも出てくるからね。
 そして、終結後に宙域の掃除を済ませること。たったこれだけ」

短く仕事の内容を伝え、シーマはぐるりと格納庫に勢ぞろいした自分の部下たちを睨む。

「だけどね、この仕事はおふざけや慢心なんかが許されるものじゃない。そう思いな!
 下手を打てば宇宙に放り出されてそのままおっ死んじまうもんさ!
 宇宙艦隊の名折れになるような軟弱な奴は今すぐ出ていきな!」

その声に、しかし動くものはいない。
それどころか、表情を引き締め、あるいは--より獰猛な笑みを浮かべるばかりだ。

「よーし、いい子だね。肝っ玉がしっかりしている野郎どもらしい。
 それじゃあ、あたしからはこれまで!各員持ち場に戻って仕事を再開しな!」

「Jawohl !」

返答が格納庫に飽和。
それに一切の乱れはない。
ユーラシア連邦の派遣した後詰めの艦隊にして、L1宙域の包囲を担当する艦隊。
通称“シーマ艦隊”上品ではないが、実力は確かな彼らが乗る船は、いよいよL1宙域に到達しようとしていた。

869: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:12:40


    • C.E.71年8月13日 L1宙域 地球側
    • 大洋連合所属 第二特務艦隊旗艦 アーガマ級強襲揚陸戦艦ニカーヤ 格納庫


緩やかなアラート音が艦内には響いている。
戦闘態勢ではなく、準戦闘態勢。だから、急かすような音ではなく緩やかな警戒音のみ。
大規模な作戦が発令されるまでの待機時間は、いつも以上に艦内の緊張感が高まっている。
月並みだがピリピリした、という空気だ。

既にMSパイロット達は乗機もしくは待機室にいるし、メカニック班も出撃直前、いや出撃中まで入念なチェックを続けている。
CDCやブリッジは既に戦闘中のそれで、行きかうスタッフや要員の表情もいかめしい。
作戦事態の通達は、公式に話されていないが、すでに事前のミーティングで流れは説明され、役割分担も完了済みだ。
まあ、これも形式というものだ、と前世を思い出しながらも笹原明人は愛機であるZガンダムのコクピットの付近で、手持ち無沙汰に格納庫の内部を眺めている。

視界に映るMSはドーベン・ウルフが2機、さらにデブリ帯専用のチューニングと装備で固めたマラサイ、ガ・ゾウムなど。
特務隊の一つであるため、装備は上等であるし、パイロットに関しても上位級の人材がそろっている。
今日という日のためにすべてが準備されてきた。
L1宙域奪還作戦。B-Day。
これを以て、宇宙での反抗作戦の嚆矢とする。
連合全体でこうした大規模な作戦を行うのは初めてだ。
故に、その意義は途轍もなく重たいものとなっている。

「ふぅ…」

まだ気密が維持されているので、バイザーは降ろしていない。
それの方が、なんとなくだが呼吸が楽だ。
柄にもなく緊張している、と自己分析してみる。
前世でもこうだった。如何に訓練を積んでいたとしても、絶対無事であるなどという保証は何一つない。
前世において、長い時間と労力をかけて相当なデバフを掛けたアメリカ海軍と激突したが、その際も油断は死を招いた。
ザフトと戦う際も全く同じだ。こちらが基本優位であるが、絶対ではない。
ある意味では勝つことを当然とされている状態。プレッシャーを感じないわけがない。
ガムを噛みながら手持ち無沙汰になっている明人は、格納庫入口の方に人の姿を見る。

「え?」

ノーマルスーツ姿でやぁと手を振っているのは、ニカーヤのメンタルケア担当のコメディカルスタッフの椎原だった。

「椎原大尉?」

珍しい、と明人はメンタルケア担当の大尉の方へと身を飛ばす。
基本的にインドアというか、自らの仕事場がメインでたまにしか他の場所に姿を見せない彼女が、この重要作戦の前にわざわざ格納庫に足を運んだのが珍しい。
大規模作戦の決行日「B-Day」の前から面談やメンタルケアで忙しかったらしい彼女の姿も、久しぶりに見る気がする。
一応自分も面談の時間を作ってもらい、転生者同士の気兼ねの無い会話をしつつ面談を行った。

(一体どうしたんだ)

ちょいちょいと手招き呼び寄せられると、ハンドサインでふれあい通信をやると伝えられる。
どうやら、聞かれてはまずい話をするらしい。

『ちょっとお姉さんも来ちゃった』

『いや、驚きました。格納庫へようこそ』

んふふー、と笑う椎原だが、少し落ち着きが無いように思えた。

『レイチェルちゃんも水希ちゃんも…いないわね』

『ええ、二人は今席をはずしていますよ』

仕切りに周囲を、特にNTであるレイチェルの姿が無いか確認している。
以前きいたのだが、やはりレイチェルから少し他社と違うことを指摘されたらしい。
自分もフォローすることで切り抜けたこともあるが、やはり彼女としては気になるようだ。
それのせいか、あるいは仕事が多かったためなのか、疲労の色が窺える。

『大尉はどうしてこちらに?』

『お姉さんも人間だもんね、疲れるし、たまにはこうして気分を変えてみたいなぁーって』

『だから格納庫に?』

870: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:13:36

そうそうーと、格納庫の方を見やる。
メカニック班はいまだに忙しく整備に明け暮れているし、パイロット達は思い思いの方法でリラックしたり、作戦内容についてのファイルに目を通したりしている。そのほかにもMSだけでなくMSの武装のチェックを行う人間や、大型の作業機や作業ポッドで人手は動かせないものを動かしているのも見受けられる。
案外、にぎやかだ。普段彼女が仕事をしている静かな区画とはまた違う、騒々しい場所。

『椎原大尉が気分を変えるため、ですか…』

そんな場所に、似つかわしくない彼女が来るというのは気分を変えるためだという。

『あらあら、もっと砕けた口調でいいわよ、うふふー。今はプライベートなんだし。
 でも…そうね。なんというか、二人しかいない理容師、とでもいえばいいのかしら』

なぞかけの一つか、と明人はすぐに察する。
一つの村に二人しか理容師がいない場合、髪が整っている方に頼むべきか、乱れている方に頼むべきか。
自分自身の髪を自分で整えることはできないので、基本的に乱れている理容師に頼むのが正解となる。
そして彼女は、メンタルケアを担当するコメディカルスタッフの中では---

『私なんて人生達観し過ぎて逆につらいのよねぇ』

『それはそうだと思いますが…』

主観年齢的に見ても、彼女は年上だ。
老成している精神性は、ある種異常とさえいえる。
勿論忘れているところもあるのだが、その人生経験で形成された人間性というのは他者とは違う。
それを認識し、前世の記憶を背負い、しかしそれを夢幻会のメンバー以外に絶対に口に出せない。
そしてその苦痛に共感できるのは、言葉だけでなく、根本的に、彼女に寄り添える人間。
世に殆どにはいないだろうというのは、明人でさえも分かる。

(いや、それでも……)

思わずピクリと自分の手が動きかける。
レイチェルとやったように、あるいは、原作でNT達がやっていたように、共鳴し合えれば、と。

『?』

いや、待て、と理性で押しとどめる。
踏み込んでいいのか。彼女とて悩んでいることだ。それこそ、自分の比にならないほど。
迂闊に踏み込んでしまうのはNTとして、人間として良識ある行動なのか。
勿論相手が困っているのは分かる。だが、自分は、NTである自分はどうすべきか---

『それじゃ、お姉さんは退散するわー』

『あ、ちょっと…』

迷った明人をからかうように笑った椎原は、身をひるがえしていた。

『お姉さんの中をのぞこうなんて、ちょっと生意気だぞー』

読まれていたか、と苦笑する。
NTでなくても、相手の行動を読むことはできるし、理解できる。
それに、自分と短いながらも話した結果か、少し顔色が良いというか、発する波長がよくなっている。

『NTもただの人…忘れちゃだめよ』

そう言い残し、今度こそ椎原の姿は格納庫から出ていく。
それを見送って、明人は思わずため息をついた。
人として、人間として、NTとして。もっともっと自分は強くならないといけない。
自らの弱さを認めて、踏み越えていく。それが人間だ。
それを思いつつ、明人は椎原の言葉をかみしめていた。

871: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:14:45

    • C.E.71年8月13日 グリニッジ標準時 午前2時00分 地球-月間 ラグランジュポイント1 月面側
    • 大西洋連邦宇宙軍L1攻略艦隊 総旗艦「アークエンジェル」級3番艦「デュナミス」



多くの艦艇が、L1の月面側に展開している。
一塊ではなく、L1を包囲するように、そして、L1からの攻撃に対して防衛がしやすいように計算された配置のそれは、壮観というほかない光景であった。艦艇だけでなく、ピケット役を務めるMAやMSも多数展開しているともあれば、なおのこと、壮大さに華を添えていた。

同じような光景は、L1の地球側でも同じく展開されていることだろう。
大洋連合の宇宙艦隊が包囲網の一角を担当し、ザフト勢力を逃がさないようにしている。
さらに主観的に見てL1の上方と下方の宙域には本作戦に置いては主体ではない物の、補助役として東アジア共和国とユーラシア連邦の宇宙艦隊が展開し、封鎖を行っている。
L1は確かに広い宙域。しかし、ザフトがこもるデブリ帯は広いとはいえその一角に過ぎない。
故にこそ、こうした包囲網を構築し、強引に決戦に持ち込むことが出来たのだ。

「時は、来た」

そして、MSや艦艇などの戦力もそろい、地上戦線も片が付いた。
これによって、ついに宇宙での反抗作戦の実施ができる運びとなった。
準備に準備を重ね、事前にできることを可能な限り行っている。

通常の艦隊のほか、3人の准将--リチャード・V・ノースウェスト、テレンス・シーワード、ブランドン・メンティスが率いる
ベテラン中心の特務艦隊を3つも用意した。バックアップとして東アジア共和国宇宙軍も動員した。
さらに偵察活動で犠牲を出しながらも情報を集めて、必死に分析した。

軍事的なことだけでなく、政治的な折衝も力を注いだ。
既にプラントとの戦争は政治の色が強くなっている。
大西洋連邦軍内部で、地球連合軍内部で、この日のために多くの話し合いを重ねた。

そして全てはここに整った。
盤面に駒は揃い、状況は整えられている。
故に、グリーン・ワイアット中将は、それら全てを束ねて、号令を下す。

「オペレーション・バーナム、発令!各員は予定通りの行動を開始せよ!」

マクベスへと3人の魔女から下された予言の一つから名をとった大規模作戦。
それが、ついに始まった。

872: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:15:41

      • L1宙域 大洋連合担当宙域



大洋連合宇宙軍のMS隊は定石に乗っ取り、事前の攻撃と偵察の後にデブリ帯に対してアプローチを行った。
デブリを破壊し過ぎると突入が難しくなるが、かと言って何の事前攻撃無しにMSを送り込むのも危険。
その中間というわけだった。危険を承知で、相手がどのように攻めてくるかある程度想像は出来ても咄嗟に対応が必要な状態。
ベテランが多いMS隊は早速ザフト側の歓迎を受けていた。

『ビーム砲台…!』

『そっちからミサイルだ!撃ち返せ!』

『落ち着いて対処だ、数は多くない』

『MSのスナイパーがいるぞ!射線に注意しろ!』

ベテランたちは、慌てずに対処する。
概ねインターセプトの部隊はほぼ一方的に迎撃が出来ている。
未だに散兵戦術に対する有効戦術を十分に持ち得ていないザフトにとって、連携と散開を組み合わせた大洋連合の相手は、大西洋連邦や東アジア共和国などよりもかなり難しかった。

マラサイを中心としているだけあって、性能差が歴然としているし、OS面でも差があったが故だ。
しかし、不利な状況であってもザフト側はこれまでの通り愚直に突っ込んでくるだけではなく、引き撃ちや遠方からの攻撃に徹し、消耗を抑えて時間を稼ごうとする動きが窺えた。
そう、簡単には踏み込ませないように戦術を変えてきたのだ。

「インターセプトと外縁部の砲台は少数だが、粘るな」

事前攻撃で破壊されないように、予めデブリの層を形成していたのか、存外多く飛び出してくる。
また、MSや作業用ポッドのコントロールする大型銃火器が的確に射撃を行うことで、MSの侵入を拒み続けていた。
ドズルとしては、広範囲にウルド1方向に向かって多方向からの接近を仕掛けているので防衛戦力が分散していると踏んでいたが、どうやら守るべき場所をしっかりと定め、出来ない所をトラップや自動砲台などに任せているようだ。
また、オーブ戦時とは異なり、内側にしっかりとこもり、ある程度近寄らせることも許容して防衛している。
過剰なほど、弾薬の消費が敵側ながら心配になるほど撃ちまくっていた地上戦線とは様子が違う。
総指揮官であるドズルの戦術眼は、それを見切っていた。

「恐らく、オーブ戦時の戦訓でしょう。
 寡兵である以上、乱戦や自軍の陣地内部に引きずり込んで戦うしかありません。
 オーブの時は地上であり、上陸そのものを妨げるという手も使えましたが、今回は宇宙ですから」

分析官でもあるリヒャルド・カミヤマの言葉に、ドズルは深く頷く。
単なる防衛戦とはいうが、地上と宇宙では大きく異なる。
海に落ちればMSといえどもおぼれてしまうだろうが、宇宙ではそれはない。
必然的に宇宙では立体的な対空攻撃が必須なのだが、それを行うには膨大な数の砲台と、砲台に供給されるだけの弾薬が必要となる。だからこそ、要所を絞って、機動砲台的に使うのかもしれない。

「なので、恐らくはこちらの動きを阻害するためのトラップがメインでしょう…」

カミヤマの言葉の通り、遠方で宇宙機雷が瞬く。センサー方式だけでなく、古典的なワイヤー式、接触感知式等々、考えられる限りのトラップが砲台を置けない場所に設置されている。

だが、大洋連合のMSは多くが頭部に弾数の多い機関砲などを標準化しているので時間こそかかるが対処できるし、超硬スチールやルナチタニウムなどならば多少の爆発物など怖くはない。
ただ、わずかばかりの時間を稼ぎ、弾薬を消耗させ、パイロットの体力を消費させている。
それらの積み重ねの後に、ようやくMSが本命として出てくるのだろう。

「だろうな。そして、トラップ網の内側は奴らのテリトリーということだ」

迂闊に手を突っ込むのは危険だな、と呟く。
デブリ帯というのは宇宙出身者だからこそ危険度の高さが分かる。
文字通りの全方位に注意を払う必要がある。MSで乗り込むだけでも命がけなのだ。
戦闘の危険度は言うまでもないし、トラップが仕掛けられていることを考えるともはや近づけもしない。
防衛側にとっては途轍もないアドバンテージとなるだろう。

「は。しかし、それに対抗するための手は用意できております」

「噂のサンダーボルト師団、そして第二特務艦隊の面子の力か。楽しみにさせてもらおう」

そう言い、ドズル・ザビは旗艦である長門型戦艦の艦橋で獰猛に笑う。
わざわざ戦艦という囮を見せつけても突っかけてこない理性は評価できる。
だが、そうであるならばこちらも手を変えて対応するまでの事。
手数の多さで優る大洋連合は、穴倉を決め込む奴の扱いもよく心得ていたのだ。

873: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:16:24


      • L1 月面側 大西洋連邦担当宙域 最前線




《しつこいな、こいつらは…!》

所変わって、大西洋連邦担当宙域。
ウィリアム・“オールド”・ハンター率いる第23特務隊のMS隊は、ウォーミングアップというわけではないが、外縁部に展開しているザフトの防衛部隊との交戦を行っていた。既に遮蔽物のデブリやトラップは粗方除去されているのだが、かき集めたそれらを利用し、母艦と砲台による防衛をザフト側は行ってきたのだ。おまけに移動しながら攪乱するようにこちらにビームを撃ち込むスナイパーが2,3機存在していることで、意外と苦戦を強いられていた。

とにかく数が多いし、拘束されているという感覚が付きまとう。
下手に動きが固定化されると、敵艦か大型要塞砲の的にされかねない。
なので、適度に動きつつも囲まれないような立ち回りが求められる。

ビームライフルでシグーの構えたシールドを破壊し、こちらのシールドに懸架したビームマシンガンで蜂の巣にすると、すかさず上方へと飛び上がり、迫ってくる短距離誘導ミサイルをイーゲルシュテルンで迎撃する。
と思えば、アラート。メビウスが2機こちらに向かってミサイルをさらに放ち、時間差でレールガンを放ってきた。

《クソッ!》

姿勢を強引に整え、レールガンを回避。
肩部にある機関砲とビームライフルで反撃するが、無理に回避した状態から狙ったためかためか一機が逃れてしまう。
追撃したいところだが、生憎とミサイルへの対処が優先されてしまい、逃がしてしまう。
見事なヒットアンドアウェイだ。MAになれているということは、傭兵か。
だが、そのメビウスを逃さず極太のビームが貫いた。

《ご無事ですか、大尉》

《……良い腕だ、少尉》

ハンターの小隊で一番の重武装を施したEXストライクL。
その抱えたアグニMod.2は明らかなオーバーキルでメビウスをしとめていた。
だが、仕留めた感慨にクラーラ・ユノー少尉は浸らない。すぐにハンターのEXストライクLに背中を任せ、周囲を警戒する。他のMA隊は即座に離脱を選んだのか、遠くに推進の光が見える程度。追いかけるには少々遠すぎる距離だ。
少しくらい息を入れ直す時間はあるだろう。

《あれを確実に仕留めねばと思いまして》

《ふん、一丁前に。あとで評価は上げておいてやる》

ありがとうございます、と誇らしげな声。
第二小隊、ウィルキンスの小隊が現在ザフトのMSに応対中で、自分達は比較的余裕がある。
自分もビームライフルでスナイパーのいそうな所を狙って撃ち込むが、結果は芳しくない。

《なかなかに手強いな、L1は》

《はい》

ザフトが、という意味もあるが、攻略する、奪還する場所としてはオーブ以上の手強さだ。
防衛戦力が積極的に出てくるだけでなく、目標地点を隠すことで時間を稼ぎ、相手が優位な状況を得やすいのだ。
平面が基本だった地上と違い立体空間ということも後押ししている。
ともかく、ネガティブな要素が多すぎる。想定以上といっても言い。

874: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:18:10


《他の特務隊も同じように足止めを受けているようです》

《ああ、そうだろうな…くそ、事前に数を減らしたと言ったのは何処のどいつだ!》

他の特務隊、メンティス准将の率いる第24特務隊、シーワード准将率いる第22特務隊も同様に抵抗を激しく受けているようだ。
ザフトが長らく拠点として利用し、準備に準備を重ねたというのは伊達ではないらしい。オーブの時とはやはり違う。
地上軍出身者が最初に抱いていた楽観は既に消えていることだろう。
そこも含めてのMS隊の投入なのだろうか。将兵の運用にまで詳しくはないハンターには判別しかねるところ。

《ともあれ、一度補給に戻りましょう。スナイパーにしてもそうですし、敵の本陣であるコロニーがまだ見つからないのは厄介です》

《そうだな。俺達でさえ消耗は激しい、一度引き上げるぞ》

ほどなく、母艦のグリーンランドから信号弾が打ち上げられる。
あちらも、こちらからの情報を受けて一度撤退させることを選んだようだ。
幸い、こちらに被弾などはあっても被撃墜はいない。装備の重たさや宇宙独特の感覚を実戦で体験する分にはちょうど良かっただろう。

(あるいは、それが最初から…?)

元々司令部は、作戦の侵攻を司る総司令部は突破は難しいと理解していたのかもしれない。
もっと別な意味を持たせ、自分達に攻撃を命じたのかもしれない。
少し考えるが、それは自分の範疇ではない、と判断を中止した。

《ウルド4の位置の特定もまだ候補が多いとのことであるし…》

《強行突入隊も我々の攻勢に紛れて突入して偵察しているようですが、結果はいまだ芳しくないようです》

小隊を構成するリック、トーマスも集合しつつある。
ちらりと上方を見やれば、スカイグラスパーが4機戻ってきていた。
あの黄色いカラーリングはサンダーバード隊のものだろう。

《アッカート大尉、そっちの状況は?》

旋回しつつ速度を落とすコスモグラスパーからの返答はややノイズ交じりだが、距離が近づくとはっきりしたものとなった。
画面に映るアッカートの顔色は良いとは言えない。一応サンダーバード隊が無事なのはわかるが、戦闘の余波なのか、機体にはそれなりに傷があるのが分かる。返ってきた声も、少し疲労を感じさせるものだった。

《戦闘は激しいが、何とか勝ってる。だけど、奴らの拠点についてはさっぱりだな。
 監視所や中継衛星の類はよく見つかるんだが…ダミーの可能性が否定できねぇ。
 大尉、このまま殴り合っても埒があきそうにないぜ》

通信して情報交換の結果は、案の定だ。
敵がそれだけ隠れるのが上手いということは、時間を確実に稼がれているということ。
こちらも多くの物資を用意してはいるのだが、無限というわけでもない。
パイロット達をはじめとした実働戦力の体力の限界もあるだろう。

《了解した。母艦からも信号があったので、俺達は一時帰投する!》

《了解!》

返答と同時に、第23特務隊のMS隊は整然と帰投を開始する。
焦る必要はない。ただ、目的を果たすべきだ。
余裕のある彼らは、そのように動けていた。

875: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:19:06

      • L1 月面側 大西洋連邦担当宙域 後方 総旗艦「デュナミス」ブリッジ




「ふむ…」

画面上と望遠鏡でL1宙域の戦況を見守るグリーン・ワイアット中将は余裕の表情であった。
現在の膠着に近い状況は端から計算に入れていたし、地上軍との混成部隊が実戦で色々とトラブルになるのも知っていた。
いや、正確に言えば、地上軍からの派遣部隊も意識を変えてもらいたかったのだ。
ここは地上ではなく、宇宙戦線。地上と同じような気分でいられては、勝てるものも勝てない。

「レノックス中佐、どうみるかね?」

「概ね予定通りといったところでしょう」

自軍の消耗、敵軍のトラップや艦載機への被害、補給や補修などの実施状況。
あらゆる情報が総旗艦ということもあって集中するデュナミスは、分析や戦況把握能力は優れていた。
特務艦としての戦闘力もそうであるが、こういった旗艦としてふさわしい能力も必要だ。
そして、その情報から吸い上げた情報を総括し、現段階の状況を判断したレノックスは自信を持って答える。

「戦場の流れも、軍としての行動も、予定通り進められておりますな」

「勝ちへの道を進めている、ということだな」

攻勢作戦であり、同時に宇宙での運用の試験でもある。
その側面でも順調であり、フィードバックを検証して反映させれば、今後の宇宙での対ザフトの戦争も順調にいくことになるだろう。

そしてもう一つ、目的がある。特務隊を含め、4つ以上に分散させて攻勢をかけているので、ザフトも対応で大わらわ。
そうなれば周囲の状況を把握する能力が、どうしても落ちてしまい、偵察機などの侵入を赦すことになる。
そのほかにも通信量の変化や移動する連絡機など、様々な変化がある。
よく観察すれば、宇宙というのは森のように様相を徐々に変えていくものだ。

「さて、そろそろウルド4が見つかってほしいものだが…」

目的である敵拠点のウルド4の所在。
スパイ活動や捕虜から得られた情報から外縁部の防衛用に使われていることは把握していたが、
事前偵察で早期に特定できたウルド1と異なり、座標については候補が複数存在し、特定できていなかった。
だが、有力な情報がB-Dayの前に入り、紆余曲折を経て、作戦は実行に移された。
「所在不明なウルド4の特定と即座の攻略」。
大西洋連邦がこの戦闘で得られる権益を増すため、あえて苦難のある役目をワイアットは自軍へと課した。
どちらかといえば政治的な意図が大きい選択だったが、艦隊派としてはこれくらいはしておかねば、大洋連合に大きなアドバンテージを赦してしまうことになる。だからこそ血を流すことを選んだ。

「ワイアット中将、各特務隊からの定時情報報告です」

「うむ。正面モニターに出したまえ」

了解の言葉と共に、モニターには各特務隊のMSやMAの状況が表示される。
大破判定はちらほらと見えるが、殆どが機体回収に成功しているし、被撃墜もごくわずか。
ただ、戦場が戦場だけに損傷機が多い。戦闘続行が可能な機体が多いのは良いことだが、その分だけ問題もある。

「簡易のメンテナンスと補給でローテーションを現場で組むとしても…休息などを考えても再出撃までの時間が長いな」

要するにコストパフォーマンスというか効率が悪い。バッテリー機の宿命というべきか、非活動時間と活動時間の差が激しいのだ。
また、本隊では各特務隊に配備されたMSの数や種類はもちろん把握しており、定時報告の内容とあわせて反映が行われ、画面上でそれぞれのステータスが表示される。分かりやすくデフォルメされたマークで、多くの機体が簡易メンテに入っていた。
パイロット達もまだ疲労などは少ないので、続けての出撃ができるとのこと。

「細かな損傷が多いな。装備が多い分、それが乗算されている…」

「地上よりも僅かな損傷が影響を与える傾向にあるためでしょう。
 これについては予想はされていましたが…」

「母数を増やしてローテーションを組めば解決はできるだろうな。
 ただ、母艦や補給パーツのことを考えると易々とはいかんだろう」

876: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:19:58

その断言に、誰もが眉をしかめる。
MSを大量に運用する上で避け得ないこととして、パイロットの育成というものがあるのだが、一方でMSを入れる艦艇の絶対数という問題もある。現状、MAの搭載スペースを改装したり、数は多くある輸送艦をMS空母に仕立てるなどの手は打っている。そうなると今度は護衛艦艇が必要になるが、如何に艦艇の建造を急いでも限りというものがある。かと言って、母艦を護衛艦艇のいない無防備状態でよいわけがない。
解決が難しいジレンマだ。艦艇の運用にはもちろん人間が必要であるし、訓練期間やコストもMSパイロットと比較しても馬鹿にならない。

また、今回のようなデブリが多い戦場ではMSやMAの損傷が多くなり、メンテナンスに時間を喰うことにつながっている。
交換用のパーツも多数必要になるとなれば、その分だけ輸送艦も必要になるし、艦艇のスペースを占拠することになる。
フォルテストラやPSアーマーのような外装もあるにはあるのだが、それ自体も結局メンテナンスや予備パーツがいる。

つまり、総合的に見て、まだまだ足りないものが多いのだ。

「発言の許可を求めます」

「許可しよう、ドナルベイン大佐」

参謀の一人であるドナルベイン大佐が挙手し、ワイアットは許可した。

「今回のような戦闘ではない要因で損傷をうけることは、今後のボアズやヤキンでは少なくなるということでは?」

「うん?」

「つまり、デブリや障害物が少ない環境に置いての運用では今回の作戦ほどメンテナンスや損傷に気を遣う必要が少ないのでは、と」

「……そうか、あくまで今回は局地戦とみるべき、ということかな?」

肯定を示すドナルベインは、続けて自分の意見を述べる。

「ザフト側のMSの戦闘力が向上しているとはいえ、わが軍のMSの方もそれに対抗できる、いえ、上回るものとなっています。
 ある種不可逆的な要素以外では早々には負けはしないということです。今すぐとはいえませんが、時間をかけて後方支援体制を整えていくべきかと愚考します」

「そうとも取れるな。戦争継続の中でザフトの開発能力やリソースが削られているというのは既に一般的な意見だ。
 一考の価値があることは確かな意見であるが、それを断言することは出来んな」

「ハ。差し出がましい発言でした」

「構わんよ、大佐。我々はこの作戦で多くを学んでおかねばならない。
 分析や意見はいくらあってもいい。そう卑下することはない」

恐縮するドナルベインに鷹揚に頷いたワイアット。
MSを含めた機動兵器の宇宙での運用はまだ手探りなところがある。
少なくとも決戦までに情報を精査しなくては。そう考えれば、価値がある。
そして、戦闘開始から2時間余りが経過したころ、息せき切って一人の武官がワイアットの傍まで来て報告する。

「ウルド4について先程偵察機が捕捉しました」

思わず、幕僚を始めワイアットの腰があがる。
案外早い。少なくとも、あと2時間余りは必要と判断していたが。
ウルド4。L1開発開始の初期に手ごろな資源衛星を集めて建造された小惑星型コロニーの一つ。
これまでの偵察活動や諜報活動からザフト側の拠点として利用されていることは掴んでいた。
しかし、ザフト側がこれを定期的に動かしていたことから補足が難しく、結局候補座標を絞るだけで手いっぱいだった。
それが見つかり、特定できたつまり、攻撃目標が何処にいるのかを遂につかんだのである。

「確かかね?」

興奮が抑えきれない。すぐにでも特務隊に準備を整えさせ、突撃させたいところだ。
2時間。戦闘と休息を挟みながら、ひたすらに待ちわびた。
じれったい思いは積もっていた。これまでに積み重ねた準備が相当なものだっただけに。
武官も興奮をなんとか抑えつつ、報告を続ける。

「はっ。以前から候補地については絞り込みが進んでいましたが、例のルートの情報もありましたので」

「ふ、例のルート、か。我々にとってはマクベスの将来を約束する予言を打ち破るマクダフそのものか」

まあマクダフには相応の対価を払ったのだが、と苦笑する。
マクダフの側にも彼なりの事情があるのだろう。わざわざ自分達に連絡を取って来たというのは。
ともあれ、マクダフの思惑を今さら考えたところでしょうがない。復讐にとらわれたマクダフがマクベスを殺すのは確かなのだから。

「では諸君、猟犬(パスカヴィル)を解き放つとしようか」

ワイアットの言葉が、遂に大西洋連邦が伏せてきたカードを切る合図となった。

877: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:20:42
        • ザフト L1防衛部隊司令部「レイヤード」


戦闘開始の情報は、L1宙域のデブリ帯中央に位置するレイヤードにも届けられていた。
数日前から通信量の増大や偵察機が増えていたことから、大規模作戦が発動されるというのは掴んでおり、故に、艦隊が光学視認された数時間後にはL1宙域全体のザフト基地が戦闘態勢若しくは警戒態勢に入っていた。
そして、司令部の面々も戦闘の情勢を逐一確認していた。

「やっと第一波攻撃がひいたか…物量任せの長い攻撃だったな」

マックスが自分の座席ではーっと長く息を吐き出す。
事実、L1のデブリ帯外縁部に対する連合軍の攻勢は、様子見にしては苛烈で、長い時間行われていた。
MSやMAが主体で、今のところ設置していた防衛装置や戦術はうまく働いたようだ。
その事にホッとしつつも、マックスは副官であるウォルティが自分を呼ぶのを聞いた。

「総司令官、正確には第二波攻撃ですよ。
 トラップや防衛砲台などをターゲットとしたMAによる事前攻撃がありましたし、艦砲によるデブリの破壊とMAによる回収も見られました。
 私の計算では外縁部の防衛装置の3割以上は破壊されたでしょう」

その訂正の直後、さらなる情報が表示され、オペレーターが読み上げる。
ウォルティの予想通り、外縁部の防衛装置は3割以上、場所によってはほぼ丸裸にされたところもあった。

「うげぇ…3割もかよ」

「さらにMS隊の投入で艦載機部隊にも被害が。
 こちらも相応に被害を与えたとは思いますが、戦闘の余波や戦果稼ぎに防衛装置も破壊されたでしょう。
 詳しい数字に関しては報告を待たねばなりませんね」

「そっちは任せる。数字は苦手なんだ」

露骨に嫌がるマックスを放置し、トリウィアは自分なりに分析を試みる。
連合はいかなる意図で、目標でこのL1宙域に攻撃を始めたのか。

「相手もいきなりは踏み込まなかった…様子見でしょうか?」

「トラップが多いことは織り込み済みなのでしょう。
 私が攻略をする側ならば、そのような装備を持たせ、最初に排除を試みます」

トリウィアの意見をウォルティは肯定した。

随時各地の監視所や中継所を経由して集まってくる情報は、決して良いものが多いとは言えない。
苦手なりに目を通して被害の多さにうめくマックスだが、それに悲観しているのが自分だけだと知ると慌てて表情を引き締める。

「まだ表層だけです。そう悲観しなくとも大丈夫ですよ、総司令」

「わ、わかってる!まだ決着はついてないからなぁ!」

「ここからですよね?」

「トリウィアさんの言う通りです。相手の母艦の位置と投入戦力についての情報は把握できました。
 次はこちらも攻撃隊を出し、積極的な攻勢に出ます。よろしいですね、総司令」

「おう、任せた」

仕事を任せることを隠すこともない上司にため息を一つ着いたウォルティは自分のしごとっを始めるべく動き出す。

「ペルウスや他の駐機基地に連絡を。ジン・ボマーやダイナミック・ホーク隊の出撃は近いと」

「了解しました!」

アンガスの返答と共に、レイヤードも俄かに忙しく動き始める。
L1をめぐる争いは、未だに始まったばかりだ。

878: 弥次郎 :2018/07/29(日) 18:21:32

以上、wiki転載はご自由に。

場面転換が多すぎるし、簡潔にしようとして場面ごとの描写が淡泊に…
もうちょい反省して改善しなくてはなりませんなぁ。
かと言って、長すぎるとダレて来ますし…

メカニック紹介などは追ってやります。
めっちゃ疲れました(小並感

あと、今回は時風氏の明人君たちを登場させました。
許可を頂き、本当にありがたく思います。
次回も出番がありますのでお楽しみに。

993: 弥次郎 :2018/07/30(月) 17:28:06
959
これは失礼をば…
やっぱ赤疲労で書くもんじゃないですよね

×寡兵である以上、乱戦や自軍の陣地内部に引きずり込んで

〇寡兵である以上、乱戦や自軍の陣地内部に引きずり込んで戦うしかありません。

転載時に修正お願いします…orz

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最終更新:2018年08月19日 14:07