152: ナハト :2018/05/16(水) 21:32:01
「エイラさん!!」
私はエイラがネウロイの攻撃をかわし、最期の一撃を浴びて
ネウロイが大空に砕け散った時、大声を出して近寄ろうとした。
「エイラさん!やりましたね!!沢山ロケットが撃ってきた時は駄目かと思いましたよー」
しかし、どんなに大声を出してもエイラからの返事はない
「・・・・?エイラさん」
私がより近づこうとしたその時
「・・・っ!近づくな!!」
「坂本さん!?」
坂本さんによって抱き留められた
「どうしたんですか!?突然!!」
「近づくな!!あいつは・・・あいつは・・・・」
坂本さんが何かに気付いたのか声を震わす
私もエイラさんの方を見ると
歯に牙を生やし、体中に毛を生やし、目が真っ赤に染まったエイラがいた
「エイラさん!?どうしたんですか!!エイ「グワオオオオオオオオォォォォーーーーーーン!!」」
エイラさんは私達を無視するかのように遠吠えをし、私達を睨みつける
「よせ!アイツは喰われた!!総員!エイラは喰われた!
仲間と思わず!!撃墜しろ!!」
「坂本さん!!どうしたんですか!?辞めてください!!」
「黙れ!!撃て!撃てええええ!!」
「やめてえええええ!!」
私達の言い争いにエーリカ達が戸惑っているうちに
エイラは猛高速で飛び立ち、慌てて追いかけるも森の中に入っていき姿を見失ってしまった・・・・・
その部屋の雰囲気は暗かった
いつもな陽気なシャーリーが真面目な顔で手を組み
バルクホルンは腕を組んで瞑想し、ルッキーニはグズグズ泣き続けてる
エーリカもキリッとしつつ・・・・目を開けたまま寝ていた
やがて、部屋の中に坂本が入る
「すまない、色々と遅れた・・・・・これより、作戦会議に入る」
「あのう・・・・坂本さん・・・・エイラさんは・・・・どうしたんですか・・・?」
私の言葉に坂本はギリッとしつつ答える
「エイラは・・・・使い魔の力を使いすぎて、飲み込まれてしまった。
一度、ああなったらもう二度と戻れない。学校の授業で学ばなかったか?
厄介なことに自分自身も妖怪化して周りに被害をまき散らす
だから、我々の手で楽にしてやれ」
「そんな!何とかならないんですか!!」
「これは決定事項だ!!民間人に被害が出るのを防ぐためである!
ミーナも同じ意見だ!」
「坂本さん!坂本さんはいつもウィッチは不可能は無い!と仰ったではないですか!!あれは嘘だったんですか!?」
「・・・・・・宮藤」
坂本がまっすぐ私を見て
「お前の治癒魔法を使って既に死んでいるものを蘇らせることできるのか?」
「・・・っ!それは・・・・」
「そういうことだ。もう手遅れなんだよ。
私も昔何度か戦友が飲み込まれるのを見た。そして二度と帰らなかった。
周りに多大な被害を与えながらだ」
坂本は部屋中を見回して
「仲間を撃つことに躊躇いを持つのは理解できる。私もそうだった・・・
だが、これは必要な事だ。迷いは捨てろ」
「やだー!やだやだやだやだ!!やだーーーーー!!エイラお姉ちゃんを撃つなんてやだーーー!!」
「・・・・・作戦は明朝より開始する。それまで準備しておくことだ」
坂本が部屋から出る時、小声で
「・・・・・すまない」
それから部屋に重苦しい空気が包まれた・・・・・
リーネは下を見ている
シャーリーは天を仰ぐ
ルッキーニはグズグズと泣き続ける
バルクホルンはギリッとしたかとおもうと机をダンっ!と叩き壊す
153: ナハト :2018/05/16(水) 21:32:32
ベッドの上で体育座りをする私
思い返すは昼間の事、そして、その後の撃墜命令
グルグルと回るが思うことはただ一つ
「どうしてこうなっちゃんだろう・・・・」
私はより膝を抱えながら
「エイラさんはどうして・・・・あんな無茶を・・・・」
色々と考えれば、考えるほど
闇深く、闇深く沈んでいった・・・・
「・・・あれ?ここは?」
私が気づくとどこかの部屋みたいなところにいた。
和室のようだが部屋の隅には洋室があったり
廊下が板張りだったり、畳だったり、突然階段が生えたりと
統一性が全くなかった。
「どこだろ・・・」
とりあえず、起き上がってみて部屋を探索してみる
誰かーいませんかー?と声かけても帰ってくるのは無音だ
と、外に出る扉を見つけ、開いてみると
空には一面光の波がうねっていた
「うわあああ・・・・・綺麗・・・・」
私が見とれていると
(綺麗ダロ)
「この声は・・・!」
私は声が聞こえてきた方に急いで振り返りました
この声はいつも聞きなれた・・・・
「エイ・・・・ㇻ・・・・・さん」
(こんな姿で、ごめんな)
エイラさんは屋敷の縁のようなところに座っていました。
ただし、半透明の姿で
(ミセタカッタンダ。私の故郷の空のオーロラを私が、ワタシじゃなくなる前に)
「どうして・・・・エイラさんは私の為になんかに命をかけて!!あんなことを!!」
(ヨシカを守りたかった。特別な理由なんてイラナイ。ただそれだけサ)
私はそれを聞いて、エイラさんに抱きしめる
「馬鹿ですよ・・・・エイラさんは大馬鹿ですよお!!」
(ああ、大バカな人さ。・・・・・もうそろそろみたいダナ。
元気に暮らせよ。じゃあな)
抱きしめたエイラさんが光と共に消え去り
それと同時に屋敷が崩れ、地面が崩落し、私は落ちていった・・・・・・・
154: ナハト :2018/05/16(水) 21:33:02
終わり
エイラはこうなりました。
自分としては九曜さんが最初に使い魔と一体化した際に
悪の心を持った物が子孫のエイラに代々受け継いでしまった感じで
想像しながら書いてましたね。
前々からこういう風に書きたかったので書けて良かった(まだ描きたいシーンは他にもある)
最終更新:2018年07月30日 13:16