713: ナハト :2018/07/01(日) 17:39:23
ルーデル大佐の誕生日は明日ですが、ss出来たので今から投下します。
まず初めに>>633のham様から
714: ナハト :2018/07/01(日) 17:40:13
ルーデルはこの時、ご不機嫌だった。
彼女が度々、飛行停止命令を無視したことに業を煮やした上層部が
強硬手段を取った。それが・・・・
「まさか、ストライカーユニットを全て取り上げるとはな。
ご丁寧にもオーバーホールという名目で」
ガランとした格納庫の中を見ながらひとり呟く
「ええ、我々がいる戦区は丁度他の部隊と部隊の中央部です。
ですので、襲撃する可能性は低く、襲撃があっても他の部隊から
の援護で防げれると踏んでいるのでしょう」
「ふん、舐められたものだ。他の部隊から手を借りるなんて
急降下ウィッチの名折れではないか」
ルーデルはやるせない表情で言う
「かと言って、他の隊員はみな休暇で行かれ、整備達もオーバーホールにと
後方へ送られ、ここですることはありませんよ?」
「そうだな・・・・・ちょっと散歩に行ってくるか。
ちょうど、近くにいい牛乳屋があるんだ」
「そうですか。晩御飯までには帰ってくるのですよ」
「なに、そんなに時間はかからんさ」
それから、毎日、牧場を見に行く、釣りをしに行くなどと口実を設けて
散歩するようになり、数週間後にはストライカーユニットが帰ってきて
毎日出撃するようになった。
その頃、最前線ではとある噂が話題になっていた。
強力なネウロイが出現し苦戦するとどことなく、扶桑の巫女服に狐の仮面を被った
陸戦ストライカーユニットを履いた女性が出てきて、刀と砲一本で殲滅しまくるという
ウィッチがお礼を言おうとするとすぐ様その場を離れていくため
正体はつかめず、お狐様といつしか呼ばれるようになったという
不思議なことは、ルーデルが街や牧場で散策してるとき、出撃している最中にも
お狐様目撃談があり、犯人の正体はルーデルだと思ってた上層部は
大混乱に陥ったという・・・・
基地の廊下を一人歩いているルーデル
と向こうから狐の仮面を被った女性が歩いてくるが
ルーデルは反応することなく歩き続け
二人がすれ違った後には、狐の仮面の女性の姿が無く
ルーデルはそのまま歩き続け牛乳を飲んだのであった・・・・
715: ナハト :2018/07/01(日) 17:40:45
次は>>634の影響を受ける人様のネタ
716: ナハト :2018/07/01(日) 17:41:23
―――194X年
501はガリア解放後も解散することなく
欧州解放作戦に参加していてサントロン基地に駐留していた。
その日も501の隊員は休日ということで皆が街に行く中、芳佳一人で留守番していたが
ルーデルが墜落してきたのである。
「もう、墜落してきたら危ないですよお」
「むう、すまない。もう少しで着陸できると思ったが見込みが甘かったらしいな」
医務室で宮藤芳佳の治癒魔法と説教をするルーデルの姿があった。
「はい、おしまい。それにしても、治癒魔法以上にルーデルさんの傷の治りが早いですねー」
「なに、私は昔から頑丈な女と言われてきたんだ。これぐらいはどうという事はない」
それから、ストライカーユニットに乗って帰ろうとしたが
ストライカーユニットが大破していて修理不能な状態であった。
「むう、困ったものだ」
「あ、でしたら泊まってはいかが?ちょうど、美味しいお肉が入ったんですよ」
「ふむ・・・・・そういえば、芳佳の料理は上手いな。よし」
ルーデルは芳佳の前に立ち上がると90度頭を下げて
「ふえ?」
「すまない、料理を教えてくれ」
その後、頭を下げ続けるルーデルを何とか頭を上げてもらうと
食堂まで移動し、材料をそろえる
材料は先程肉が入ったといった通りに
牛肉があり、他にも玉ねぎ、パン粉、卵などを用意する
「それじゃあ、カールスラント料理のハンバーグを作りましょうか」
「うむ、よろしく頼む」
黒いエプロンを着たルーデルに芳佳が言う
「まずは玉ねぎを炒めてみましょう。強火でフライパンが暖まってきたら
バターを一さじ入れて全体に満遍なく濡らしたら玉ねぎを入れて炒めます」
「よっほっ」
「玉ねぎが飴色になったら、フライパンを取り上げて冷ましましょう。
次は牛肉をミンチにしてみましょうか。このあらびき機でミンチしやすくするために
この肉の塊を大まかに切り分けます」
「ふむふむ」
「そして、肉の塊をあらびき機の上から落としてハンドルを回してミンチにします」
「よし来た」
「そして、半分は食感をよくするために残して、半分はもう一回あらびき機の中に入れて更にミンチにしてください」
「さらに回すと」
「二つのミンチしたお肉を混ぜ合わせて、粘り気が出るまで何回もこねてください」
「コネコネ」
「粘ってきましたら、ここで塩・砂糖・香辛料を入れて味を調えて、牛乳を浸したパン粉・卵・先ほど炒めた玉ねぎを入れて混ぜて下さい」
「さらにコネコネ」
「出来ましたら、コブシ大の大きさに種を取り出して、丸く形を整えて、手と手を何度も叩いて空気を出しましょう」
「よっほ、よっほ」
「フライパンに強火で熱し、暖まってきたら油をしいて、ハンバーグを入れましょう」
「うむ、こうか」
「片面が焼けたらひっくり返して、もう片面に焼き目をつけて肉汁が逃げないように二します。
そして、焼けてきたら火を弱火にして、水を少し入れて、蓋を閉じて蒸し焼きにします」
「なるほど。なるほど」
「その間にソースを作りましょうか。ケチャップ・ウスターソースを2:1の割合に入れて
ちょっと醤油を足してよくかき混ぜて、蓋を閉じて、少しオーブンに入れて水分を飛ばします」
「なるほど、この味は初めてだ」
「ハンバーグが焼けてきたらお皿に盛り着けて付け合わせの野菜を載せて完成です!」
「うむ、出来たな」
717: ナハト :2018/07/01(日) 17:42:14
ルーデルと芳佳の目の前にはホカホカに焼けたハンバーグがあり
それを食堂に持ってきて試食する。
外はしっかりと焼けてるのに、フォークを切り入れたら、中からジューシィな肉汁があふれ出し
その上に酸味を利かしたトマトソースがよく絡み、口のなかが躍るようだった。
二人はハンバーグの感想言い合いながら食べていたが
ふと、芳佳は気になったことを尋ねる
「そういえば、どうして急に料理を教えてくれと聞いてきたんですかあ?」
「む?・・・そういえば言ってなかったか?私は恥ずかしながら料理をしたことが無かった。
だから一品でも大切な家族に食べてほしかったんだ。家にいないからその罪滅ぼしのだ」
ルーデルはそういうと胸のポケットの中から写真を取り出して芳佳に見せる。
写真は身をかがめたルーデルと椅子の上にキャキャッと笑う女の子と
その隣に少し大きな男の子がいた
それを見た芳佳は
「うわあ、可愛い子ですね」
「うむ、私の旦那と娘だ」
「へえ、そうだったんですか・・・・・・え?」
芳佳は一瞬何を言われたか分からなかったが
ようやく理解すると
「ええーーーーーー!?ルーデルさんって結婚した上で、娘さんがいるんですかあ!?」
「そうだ。この娘はエマで、芳佳と昔作戦で組んだ後に生まれたんだ。
エマは可愛いぞお。私が近寄ったらキャッキャッと呼んでくれるんだ。
この前も絵を描いてくれたんだ。母の日としてだ。
この前も帰ってきた時なんか全力でママーと抱き付いてくれてなあ
こっちの旦那もかっこよくてなあ、私の傷を見て怖じ気ないどころが綺麗だと言ってくれるんだ。
それと他にもなあ私が欲しかったブローチをプレゼントしてくれたりとな。
花とか安いのでいいのに、頑張ってお小遣いを貯めてたみたいで
あ、それから・・・・・」
こうしてルーデルの惚気話がえんえんと続き
ようやく惚気話が終わった時には翌朝になっていた。
―――――その後
ルーデルは迎えに乗って帰っていき
基地に帰るや否や休暇を一週間とると、ノイエカールスラントに向かい
愛する旦那とエマに手料理を振舞ったという・・・・
718: ナハト :2018/07/01(日) 17:42:56
次は>>637の新人艦長様のネタ
719: ナハト :2018/07/01(日) 17:43:53
―――1944年1月
502統合戦闘航空団による
オラーシャ解放作戦ミロラドヴィチ作戦が立案された。
これはペテルブルグを起点に、南方をノヴゴルド、西をナルバと広範囲に及んでいた。
これらの地帯を解放することで、最前線を構築し、防空網を充実し
基地ペテルブルグの安全を万全にする作戦であった。
隊員たちは準備に大わらわになっていたが、ここに一つの航空団が参加してようとしていた・・・・
「第二急降下爆撃航空団司令官ハンナ・ウルリーケ・ルーデル大佐以下32名が502統合戦闘航空団の指揮下に入ります」
見事な指揮をするルーデルに対し、目の前にあるラルは机に突っ伏し、お腹を押さえていた
「だ・・・・誰だ、この極秘作戦を漏らした大バカモノは・・・・・
この魔王を面倒見ろとか・・・・皇帝陛下を拝謁するよりは嫌だぞ・・・・・」
そして、漏らした張本人ヴァルトルート・クルピンスキーは
たまたま休暇で街に出かけた際に、たまたま出会った記者に極秘作戦を漏らしてしまい
それが巡りにめぐってルーデルに届いてしまったことに気付いたので
こっそりと忍び足で部屋から抜け出そうとしていたが、ミニロスマンに見つかり
簀巻きにされ、ラル隊長からボコボコにされたのは言うまでもなかった。
ラル隊長はルーデル大佐に丁重にお断りを申し出たが
ここにルーデルの鼻の傷をつけ、ルーデルの恩師エミーリア・シントラーが殺された大型ネウロイの目撃情報もあり
これを撃破しないといけないとという個人的な事業と、元帥からの命令書によって
ラル隊長は撃沈することになった。
それから、ルーデルは前準備爆撃と称し毎日出撃していた。
毎回ペアを交換しながら、数十機のネウロイを破壊して回った。
勿論、その中にはロスマン先生や菅野もあったが、クルピンスキーの事が
かなり気に入られたのか、毎日引きずられるように出撃したとか。
作戦時には上層部が予想されていた以上にネウロイの数が少なく
用された進撃速度よりも早く進撃することが出来たが
急激な進撃速度は補給隊に多大な負担をかけ
更に予想された以上の数のネウロイの反攻により
最終的には戦線をある程度縮小しつつ撤退することになった。
なお、この戦いで大型陸上ネウロイが出てきたが
ルーデル大佐の活躍により、いち早く阻止され
アウロラたちの回収班に回収されたという
その後、別の戦区に移動することになった
ルーデル達を見送ったラル達はようやく息をつくことが出来た。
「はあ。やはりあの方は凄すぎる。まさか、私まで出撃に連れてかれるとは思わなかった・・・・・」
「ええ、私のミニ達もみなダウンしてしまいました」
「ああ・・・・でも、幸いにも大型ネウロイ破壊できてよかったじゃねーか。敵討ちにできて」
「あ、それ嘘みたいだよ」
「「「「「・・・・・・・え?」」」」」」
クルピンスキーのセリフに一同が呆ける
「自分が出撃するという名目に言ってるけど、恩師は生きてるよ。
ルーデル大佐は自分の体の傷とかを理由に出撃してるけどネウロイは全て破壊してるよ
ただ、それを誰もが見てないことをいいことに使っているんだけねえ」
「・・・・なんで知ってるんだ?」
「え?この前牛乳奢ったら教えてくれた。あ、ロスマン先生嫉妬してくれ」
「「「「速く教えろぼけええええええ!!」」」」
うぎゃあああああああーーーー!!」
こうして、一人のウィッチが犠牲に平和になりましたとさ
720: ナハト :2018/07/01(日) 17:44:29
終わりです。
それぞれリクエストありがとうございました。
最終更新:2018年07月30日 13:42