701: ハニワ一号 :2018/08/10(金) 19:18:41
提督たちの憂鬱×海底軍艦ネタSS

1963年(昭和38年)ムウ帝国が世界を植民地にすべく全世界に向けて宣戦布告をしてきた。

そして世界各国は強大な科学力を持つムウ帝国の襲撃によって大きな被害を受ける事となった。ムウ帝国の根拠地を見つけ出して反撃しようにもドイツの勢力圏を襲撃したムウ帝国潜水艦を追撃したドイツが誇る日本の原潜に対抗して開発されたドイツ最新鋭原潜が深海の水圧に耐えきれず圧壊してしまうなど世界で唯一ムウ帝国の襲撃に対して勢力圏の防衛に成功していた日本を除いた英独を始めとした世界各国の国々はムウ帝国に対して打つ手なしの状態にあった。

このようにして世界中がムウ帝国に対して大被害を受ける中で唯一日本だけが防衛に成功したのは映画「海底軍艦」の原作を知る夢幻会が転生してこの世界が映画「海底軍艦」の世界だと気が付き原作知識を生かしてムウ帝国への対策をすでに済ませていたためだ。

「ついにムウ帝国が宣戦布告してきましたか。最初はこの世界が海底軍艦の世界だと半信半疑でしたが・・・。」
「そう思うのは無理もないですね・・・。史実と違いこの世界では神宮司大佐や楠見少将たちが存在し帝国海軍では海底軍艦が設計され、原作で国からの支援もなく神宮司一派が轟天号を建造する事を可能とした史実にはない資源豊かな島の存在などの様々な証拠がなければここが海底軍艦の世界だと信じることは難しかっただろうな。」
「近衛公を始めとする夢幻会の特撮ファンたちは海底軍艦の世界に転生して轟天号を建造出来た事に大喜びでしたね。」

そう夢幻会が転生した世界は本来転生するはずの憂鬱本編の日本ではなく「海底軍艦」世界の日本だったのだ。そして憂鬱本編と同じ展開となりアメリカは滅亡して「海底軍艦」日本は敗戦することなく戦後に日本が列強筆頭となり、日独英の三大勢力が鼎立する世界となってしまった。

夢幻会が転生したために大日本帝国が存続している事で神宮司大佐率いる帝国海軍残党だけで南方の秘密基地で極秘に建造していた原作とは違い、轟天型海底軍艦建造計画が夢幻会肝いりの帝国海軍の最重要計画として第二次世界大戦中から轟天号建造の研究が始まり、豊富なヒト、モノ、カネが投入され18年もの歳月を経た結果、海底軍艦 轟天号は原作よりも建造が早まり、轟天号の性能も原作より向上する事に成功していた。

まずは轟天号に投入される新技術の運用や問題点を洗い出して改善するための轟天号の試作艦を建造した後に轟天号の試作艦を建造、運用で得られた知見を元にして建造された轟天型海底軍艦を従来の戦艦や空母、原潜を超える帝国海軍の主力艦として3隻もすでに建造され就役済みでさらに四番艦、五番艦などが建造中だった。轟天型海底軍艦の一番艦はもちろん轟天号だ。続く二番艦・震天号、三番艦・驚天号はアニメ映画のゴジラの小説に出てくる轟天型潜水艦から命名されていた。また轟天号に使用されている軍事技術は通常兵器にも転用されて日本軍全体の強化に一役買うことになるのである。

大日本帝国が進める轟天型海底軍艦建造計画について表向きには国内や諸外国には最新鋭の原潜建造計画と発表されており、極秘計画である轟天型海底軍艦建造計画の予算もダミーの最新鋭の原潜建造計画のために組まれた予算から出ていた。まさか海中だけでなく陸・海・空すべてで行動できる万能戦艦を日本が建造しているとは思っていない英独を始めとする列強は最新鋭原潜の建造計画という日本の発表を受け入れ、何らかの画期的な技術を投入してくるであろう日本の最新鋭原潜の対抗策に頭を悩ませることとなる。

702: ハニワ一号 :2018/08/10(金) 19:19:24
そしてムウ帝国に対する轟天号の防諜であるが原作でムウ帝国が轟天号の存在と性能を知ったのは脱走した神宮司大佐の乗る伊号403潜がムウ帝国潜水艦に攻撃されたために神宮司大佐が轟天号の設計図の一部を残して脱出に成功したもの轟天号の設計図の一部がムウ帝国の手に渡ったためだ。だが夢幻会のいる海底軍艦世界では夢幻会が最重要機密として海底軍艦 轟天号の存在を秘匿し、英独を始めとする列強と特にムウ帝国に知られる事のない様に徹底的に気を使っていたために原作とは違いムウ帝国は轟天号の性能を知る事はなかった。

そのために日本の勢力圏を襲撃したムウ帝国軍は防衛にやってきた轟天型海底軍艦の性能に驚愕する事になるのである

「そろそろ轟天艦隊を率いる神宮寺提督がムウ帝国の根拠地を突き止めて突入してくる頃でしょう。ムウ帝国の持つ高度な技術が欲しいのでムウ帝国には降伏を選んでほしいものですが徹底抗戦するならば原作のムウ帝国滅亡の結末になってもやむを得ないでしょうね。」

すでに衝号計画を発動してアメリカを滅亡させた夢幻会にとって降伏交渉が決裂した場合ムウ帝国を滅ぼす事に反対するものはいなかった。

原作で轟天号を建造し完成した轟天号の艦長として活躍した神宮司大佐は大日本帝国が滅亡せずに存続した夢幻会ありの海底軍艦の世界では神宮寺大佐の上官である楠見少将と共に轟天型海底軍艦建造計画を主導して成功した功で順調に昇進を遂げて海軍大将に昇進していた。

神宮司大将は最初から轟天号建造計画に携わり轟天号の運用にたけていた事もあり、轟天型海底軍艦で編成された轟天艦隊の司令長官に就任し深海底に存在するムウ帝国攻略を任されていた。原作で神宮司大佐率いる「轟天建武隊」が轟天号を建造した資源豊かな島は大日本帝国海軍による轟天型海底軍艦専用の秘密基地となっていた。

轟天号を含む轟天型海底軍艦が3隻とムウ帝国を制圧するための陸戦隊を搭乗するために輸送型に改装された試作型轟天号1隻の計4隻で編成された轟天艦隊はあっさりとムウ帝国の守護神であるマンタとムウ帝国の防衛戦力を撃破しムウ帝国の心臓部である巨大な動力炉を制圧に成功した事を背景にムウ帝国に対して降伏を要求する事になる。

轟天型海底軍艦3隻投入というチートによる蹂躙によって心が折れたムウ帝国の女帝はムウ帝国の臣民の安全を条件に大日本帝国に降伏する事を選択した。これによって原作とは違いムウ帝国は滅亡せずに大日本帝国の傘下として命脈を保つことになるのである。

これによってムウ帝国が引き起こした戦乱は大日本帝国の勝利によって終結する事になった。これによって戦勝国である大日本帝国がムウ帝国の高度な科学技術を独占する事となるのである。

「深海底に住むムウ帝国の高度な科学技術とノウハウを手に入れたことによって将来の大日本帝国による海底都市建設や海底資源採取のコストの劇的な低下などが見込め大日本帝国の更なる発展につながるでしょう。そして件のムウ帝国の被害にあった国々に対する賠償金についてはムウ帝国の高度な科学力をうまく使えば十分返済可能なので大丈夫でしょうね。」
「それは良いが英国やイタリアなどムウ帝国の被害にあった多数の国々は賠償金で決着する事で合意したがドイツや朝鮮がムウ帝国の科学技術を要求してうるさいんだが。」
「優先順位が低すぎてムウ帝国の攻撃対象にされていなかった朝鮮が不必要な過大な賠償を要求するのはいつもの朝鮮として無視するとしてドイツの要求についてもドイツが実力でムウ帝国に占領部隊を送り込む事が不可能ですから無視していいでしょうね。何しろ日本以外の地上の国々は深海にあるムウ帝国に兵を送り込めるような深海の水圧に耐えられる潜水艦をどの国も保有していませんからね。だからこそ英国やイタリアなど多数の国々は賠償金での決着で済ませましたし、不必要にムウ帝国の科学技術を要求して海底軍艦を保有する大日本帝国の不興を買い敵対する愚を理解していましたしね。まあムウ帝国は「大日本帝国」に降伏したのであってドイツには降伏したわけではありませんからこれ以上ドイツがごねるのならドイツにその意味を知ってもらうのもいいでしょうね。」
「むしろムウ帝国とドイツが戦争継続してもらえば敗北したドイツからムウ帝国移住のための土地を割譲する事ができて色々な面倒事が回避できますね。」

実はムウ帝国は地殻変動により帝国の終焉が迫ったために地上に返り咲き、世界をその植民地にせんと企んだのだ。ムウ帝国の高度な科学技術を欲する大日本帝国と夢幻会の意を受けた神宮寺大将はムウ帝国を降伏させる変わりにムウ帝国を移住させるための土地の提供を約束していたのだ。すでに夢幻会によって大日本帝国勢力圏内のムウ帝国移住地のための土地の候補地の選定と準備は済んでいたとはいえ、それでも様々な反発が起きる事は予想されていたのだ。

703: ハニワ一号 :2018/08/10(金) 19:20:10
「それよりも嶋田さん今回のムウ帝国との戦争で神宮寺提督が英雄となって嬉しいのではありませんか。何しろあなたの後継者が誕生したのですから。」
「いやいや神宮寺君はまだまだ未熟だよ。私の後継者になるためにはまだ勉強しなければいけない事がいろいろありますからね。」

辻の言葉に対して嶋田はそう謙遜しながらも自分の後を継ぐ生贄を見つけた暗い喜びにあふれていた。

轟天号建造計画を主導し自ら轟天号艦隊を指揮して世界の脅威たるムウ帝国に勝利した神宮寺大将はムウ帝国との戦争前は轟天型海底軍艦建造計画が秘匿されていた事もあって神宮寺大将の知名度はとても低かったがムウ帝国に勝利し轟天型海底軍艦の存在が明らかになった今では世界を救った英雄として日本どころか世界でも知らぬものがいない東郷、嶋田に続く大英雄となっていたのだ。元帥内定や華族叙任がすでに決定されていた。また東郷、嶋田のように神格化しようとする動きが出てくる始末だった

「ふふふ・・・。神宮寺くん英雄となった君には絶対に私の後継者になってもらうぞ。」

その頃、家で愛娘と家族団欒を過ごしていた神宮寺提督は無意識に将来に対する不吉な気配を感じとり背筋を寒くしていた。

かくしてムウ帝国の世界征服の野望は打ち砕かれたがムウ帝国との戦いによって最新鋭の原潜だとばかし思っていた轟天号の正体と驚異的な性能が明らかになった事による軍事バランスの圧倒的変化によって英独などの列強の政治・軍備計画などが大混乱に陥るのだがそれはまた別の話である。

704: ハニワ一号 :2018/08/10(金) 19:20:57
あとがき
「海底軍艦」を見てテンションが上がったので時間がかかりましたが海底軍艦と夢幻会のクロスSSを書いてみました。原作では神宮司大佐率いる帝国海軍残党で轟天号を建造できたので大日本帝国が轟天号建造に取り掛かったらどうなるかを書いてみたかったのが本作です。その結果、轟天号が試作型と合わせて4隻建造されたり神宮司大佐が大将となって英雄として嶋田さんの後継者になってしまったりと変化してしまいましたw
そして参考にまで原作の海底軍艦の性能も書いておきます。

全長:150メートル
重量:1万トン
空中速度:マッハ2
水上速度:80ノット
水中速度:50ノット
地中速度:時速20キロメートル
地上速度:時速300キロメートル
武装: 艦首ドリル
主砲(冷線砲)
副砲(3連装電子砲)
帯艦電撃 など

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最終更新:2018年08月14日 09:46