603 :ヒナヒナ:2012/01/10(火) 21:42:20
ラストは嶋田さんがはっちゃけすぎた。
微妙にネタバレ成分があるので注意。
○SIREN 憂鬱Translation
―1976年8月3日 羽生陀村
深夜0時、山間の小さな集落にサイレンが鳴り響く。
村は地震とともに赤い海に囲まれ隔絶された。
―帝都東京某所 同刻
照明が抑えられた司令室では、
先日から該当地域で頻発していた怪異報告で緊張がいやが上にも高まっていた。
そして1976年8月3日0時にピークを向えた。
「目標より異音を確認。目標地域との全回線ロスト。地震観測系に感あり。」
「手はず通り、周辺地域には土砂災害発生として移動制限を掛けろ。村を封鎖するんだ。」
「了解。」
困惑した報告と鋭い命令が飛び交う司令室。
しかし、よく見ると嫌な汗をかきながらも落ち着いている者も数名いる。
夢幻会派の逆行者だ。特に前世がゲーマーであった指揮官は落ちついている。
「現場周辺に待機している特殊部隊より入電。
降雨と障害物の影響で探査光は使用不可。暗視ゴーグルも原因不明の障害で使用不可能。現場待機するとのことです。」
「人の移動を遮断せよ。封鎖を破った物は射殺してもかまわん。……例の準備は?」
「両方ともあと3時間で準備が整います。」
「あまり使いたくはないが、準備だけは万全にして置け。」
司令室人員に緊張が走る。
「巻き込まれた彼らには悪いが、恨むんなら原因を作った尼さんを恨むのだな。
この大日本帝国に萌キャラ意外の怪異は要らん。」
―大日本帝国海軍総長室 同刻
司令室のから連絡を受けたのはブレザー式の海軍軍服を来た老人。
ため息を付いて受話器を置いた彼に、横にいたスーツの人物が語りかける。
「はじまりましたね。嶋田さん。」
「ええ、一応内部の人間が生き残れる様に手段は用意したが、実際に活用できるかは当人たち次第だ。」
「猟銃を大量に投入とか酷いですね。いくつかは屍人が持ち出すでしょうが、
隠しある分を彼らが見つけられるといいですね。神の炎が発動するのかどうかもありますが、
いっそ村そのものが地獄に沈んでくれれば、経費的にも楽なのですがね。」
「余計なものはダムの水底にか?」
「時空を超越する技術や不老不死は惜しいですが、集落単位で時空の捻じ曲がった空間や、
和製ゾンビといえる屍人。堕神の血が入って超能力に目覚める人間、神の炎……
あんなのが世に出てきたら
アメリカ風邪とは比較にならない被害が出ます。」
「それにSDKが下手に覚醒したら、逆行者である我々も怪異として討伐対象になりそうだ。
辻さんなんかは、魔王の称号を持っているし本当に狙われるのでは?」
「あんなハードロックをBGMにして切り倒されるのはいやですよ。それより……」
「ああ、あのサイレンが響くのは羽生陀村だけでいい。もしあの村の怪異が現実を侵蝕するようなら、
宇理炎でなくFAEB(気化燃料爆弾)乱れ撃ちで、それでもだめなら最悪地上の太陽で消毒する。」
―どうあがいても、絶望(堕辰子的に)
最終更新:2012年01月25日 21:09