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銀河連合日本×神崎島 正月飾り
とある年末の神崎島鎮守府領内の海域にて日本の漁船が漁を始めようとしていた。
神崎島と敵対する者には牙を剥き、敵対せず初めて来訪する者へは資格を試す海域も日本に帰属して以降は
静かな海となり一部を除き日本の船を惑わすことはない。
むしろ日本に敵対的な艦船が神崎島海域に侵入できないため安心して漁が出来ると漁業関係者には好評であった。
漁船は漁を始める前に海の神へと大漁と航海の安全を祈願し、乗組員全員でお供え物を供え、祈りしていた。
元々漁師は信心深いものが多いが神崎島が出現して以降はその傾向に拍車が掛かっていた。
海神の一種の軍艦の艦魂が現実に現れたので自分の船の船魂や海の神に嫌われればどうなるかと
恐ろしく感じる人もいたとかいないとか。
そんな訳で全国的に漁師の信仰心は増す傾向にあった。
「おい、なんか上がってきたぞ！」
「お！ありゃ正月飾りのヤツかこりゃ縁起がいいぞ！」
「後で鎮守府通して常世神宮に奉納してもらわんとなあ。」
祈願を終えると乗組員の一人が海面に上がってきた物に気づいた。
正月飾りに使う注連縄であった。
なんでこんな所に注連縄？と思うがこれが神崎島近海では普通なのである。
神崎島はかつて常世にあったが、現在でもその繋がりは完全に断たれてはいないいない。
現世のものではない様々なモノが神崎島周辺に漂着することが稀によくある。
この注連縄もそんなモノの一つである。
何処が普通の注連縄と違うのか？
なんとこの注連縄からは石油が抽出出来るのである。
他にも門松や羽子板、餅花の材料からも抽出可能だ。
勿論神崎島でしか抽出出来ないが、極秘裏に入手した各国が様々な科学的な調査を行い
艦娘という存在を暴こうとしたが結果はただの正月飾りの材料という結果しかでなかった。
ヤルバーンも神崎島から正式にサンプルとして入手し調査したが同様の結果であった。
ティ連科学も匙を投げたこの結果に神崎島の特異性が再度認識され、
サイヴァル議長とマリヘイル議長の神崎島との国交樹立の判断が英断であったとティ連では両氏の評価が高まっていた。
話を正月飾りに戻すがこの正月飾りの材料は漁師にとっては非常に縁起の良いものだ。
異界から流れ着いたこれらが現れる海域は何故か秋刀魚とかが大漁になることが多いからので
正月飾りの材料が現れるのは非常に喜ばれた。
しかしながら縁起が良いものとはいえ神様のものを持ち帰るのも如何なものかと悩んだ末に
鎮守府に押し付けゲフンゲフン、なんとかしてもらおうということになった。
鎮守府では回収した材料から作った正月飾りがなければ正月が始まらないので毎年回収していたが、
現世に出現した最初の年末に行われた正月飾り集めは世界各国に緊張が走ったので以後自重して水雷戦隊のみで
回収していたので効率が悪かったので渡りに船であった。
流石に数十隻の戦艦や空母が材料回収のため格海域に連日連夜出撃を繰り返していたのは各国首脳部の心臓に悪かったらしい。
そうしたことから最終的に漁師が回収した正月飾りの材料は神崎島鎮守府を通じ常世神宮へ奉納するという形になった。
神様のものだから奉納しといた方が漁民が安心出来るというのが最大の理由であるが。
こうして神崎島近海で操業する漁船から多くの正月飾りの材料が奉納されることになり正月飾りが安定して作られることとなった。
なお正月飾りはほぼ全ての神崎島住民が作るが、艦娘達が作り上げたものは特に貴重とされ
日本やイゼイラ、ティエルクマスカ等に贈られ地球の年始めを祝う際には各国首脳官邸の入り口に飾られているそうである。
神崎島の現世で初の年末の一幕
「マサトサンなんか皆サマ出撃しているようデスガ？」
「マジか。何かあったのか？」
「柏木さんにフェルフェリアさん、こちらにいらっしゃたんですか。」
「ア、ヤマトサン、何かあったんデスカ？」
「ああ、これだけの艦艇が動くなんて普通じゃねえぞ。」
「お二人は初めてでしたね。毎年恒例の正月飾りの材料集めですよ。」
「はい？正月飾り集め？」
「ええ、この時期になると鎮守府近海に正月飾りの材料が出現するのでその回収のための艦隊ですよ。」
「なんで正月飾りの材料が出現すんだ！？普通職人が作るもんだろ！？」
「？神崎島ではこれが普通ですよ？それに回収した材料は異界からの漂着物で普通の物とちがうんですよ。」
「普通ってなんだろ？後普通の正月飾りとどう違うんだ？」
「石油が抽出できます。」
「はい？」
「ですから石油が抽出できるんです。」
「（絶句）」
「燃料が足りない時は本当に助かったものです。」
「ネエネエマサトサン正月飾りってなんデスカ？」
「あ、私が説明しますね。そもそも正月飾りとは…。」
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以上になります。掲載はご自由にどうぞ。
なんか神崎島の不思議さが増してしまいました。
最終更新：2018年11月12日 14:39
