959 :ひゅうが:2012/01/14(土) 20:48:41
そのまたネタ

~??サイド~

「なんということだ・・・」

「驚きましたな。まさかニホン人が生きていたとは・・・」

趣味の悪い神殿の地下、そこで男たちが密談をしていた。
見る者が見れば「どこのシ○だよ」と言いたくなることが確実な黒い外套で顔を隠している。

「輝かしき地球の時代において最強を誇った強国。」

「それでいて、宇宙へと自ら飛び立った裏切り者。」

「しかし憎きシリウスめの地球攻撃に最後まで抵抗し文化遺産を攻撃目標から外させた。」

「左様。この地球が汚染から立ち直り、緑なす大地へと再び蘇りつつあるのも日本人のおかげともいえますな――」

「しかし、だからといって――」

「静まれ。」

意見を戦わせていた男たちは、上座に座する老人の一言にぴたりと言葉を止めた。

「地球を見捨てた者どもにあって、銀河連邦の時代に変わらず環境再生に力を割き続けたということは余も承知しておる。我らに断りなく消えたのはいただけぬがな。」

は。総大主教猊下。と男たちは頭を下げた。

「ならば――再び姿を現したならば、再び地球に貢献する栄誉を与えるのもまた道理よ。
怨敵を許すのと不寛容は違うと知れ・・・。」

男たちは「ははぁ!」とかしこまった。


一方その会話を彼方で聞き入っている男たちがいる。

「なるほど、猊下もド・ヴェリエめのみを信頼しておられるわけではないか。」

「我らはそれなりに教団に貢献している。それに――猊下は御幼少のみぎりわれらが師のもとでお育ちだ。」

「となれば、我らが受けし喜ばしき福音を早く伝えたいものだ・・・」

「しかし、ド・ヴェリエめやフェザーン人どもの富の力は侮れん、ここは慎重に・・・。」

しばらく意見を戦わせた若い男たちは、統一見解に達したようだった。


「では、各々本分を果たせ。我らは『萌神』嶋田繁太郎元帥閣下に拝謁し、世界の民に心の安寧をもたらすという役目があるのを忘れるな。」

「「「萌神のために!!」」」

      • のちにテロ集団として宇宙を震撼させる地球教団。
かつて地球再生事業を行っていた者たちの末裔はその中にあって独自の地位を築いていたのだった。

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最終更新:2012年01月25日 21:57